昔から今まで映画の多くの題材となってきたのが「犯罪」で、「クライム映画」というジャンルが確立されているくらいにメジャーです。
実際にあった凄惨な事件を題材にしたものから、そんなこと本当にあったの?と誰もが驚く事件まで、洋画・邦画・アジア映画、フィクションからノンフィクションまで幅広く扱われています。
マルコヤマモト
目次
- 1.実話ベースの犯罪映画おすすめ25選!
- 1.1『アンタッチャブル』
- 1.2『運び屋』
- 1.3『トガニ 幼き瞳の告発』
- 1.4『殺人の追憶』
- 1.5『罪の声』
- 1.6『グッドフェローズ』
- 1.7『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
- 1.8『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
- 1.9『チェイサー』
- 1.10『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
- 1.11『スノーデン』
- 1.12『パピヨン』
- 1.13『俺たちに明日はない』
- 1.14『アメリカン・ギャングスター』
- 1.15『さらば愛しきアウトロー』
- 1.16『愛のコリーダ』
- 1.17『日本で一番悪い奴ら』
- 1.18『冷たい熱帯魚』
- 1.19『ハスラーズ』
- 1.20『モンスター』
- 1.21『葛城事件』
- 1.22『MOTHER マザー』
- 1.23『ゲティ家の身代金』
- 1.24『アングスト/不安』
- 1.25『ブラック・ダリア』
- 2.実話ベースの犯罪映画おすすめ25選!まとめ
実話ベースの犯罪映画おすすめ25選!
『アンタッチャブル』
- 禁酒法時代のシカゴに存在した「アンタッチャブル」の活躍を描くクライムアクション
- 実際の捜査官であるエリオット・ネスの自伝を元にドラマ化&映画化されている
- 華のあるキャストと迫力の銃撃戦から目が離せない!
1987年公開の『アンタッチャブル』は、『スカーフェイス』のブライアン・デ・パルマ監督が手がけたクライムアクション映画。
禁酒法時代のアメリカ・シカゴを舞台に、ギャングのアル・カポネの逮捕を目指すアメリカ合衆国財務省の捜査官チーム「アンタッチャブル」の活躍を描きます。
かつて「アンタッチャブル」の一員だったエリオット・ネスの自伝をもとに映画化された今作で、主人公を助ける老警官役を演じたショーン・コネリーがアカデミー賞助演男優賞を受賞。
エリオット・ネスを演じたケヴィン・コスナーは今作でハリウッドスターの仲間入りを果たし、見事な階段落ちを披露したアンディ・ガルシアは、人気俳優としてのキャリアをスタートさせます。
禁酒法時代のシカゴで高級ホテルを根城に酒の密造をはじめとする犯罪組織を運営し、機関銃を使った抗争で多くの死者を出したことでも有名なアル・カポネ。
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暗黒街の顔役、スカーフェイスという恐ろしい別名を名乗るギャングの親玉を挙げるために結成された「アンタッチャブル」。
映画らしくドラマチックに脚色されていますが、犠牲を払ってまでカポネを追い詰める男たちの執念には胸が熱くなります。
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『運び屋』
- 巨匠クリント・イーストウッドが監督&主演を務めた犯罪映画
- 80歳にしてメキシコ麻薬カルテルの運び屋となった老人の実話をもとに描く
- イーストウッドが演じる頑固なおじいちゃんがカッコ良すぎて痺れる
2019年公開の『運び屋』は、名匠クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』以来10年ぶりに監督&主演を務めた犯罪映画。
87歳の老人が1人で大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、孤独な老人の姿を描きました。
主人公のアールを追い込む捜査官役でブラッドリー・クーパー、ほかローレンス・フィッシュバーンやアンディ・ガルシアなど実力派が集結するなかで、クリント・イーストウッドの実の娘であるアリソン・イーストウッドも出演。
原案はニューヨーク・タイムズに掲載されたサム・ドルニックの記事で、80歳でメキシコの麻薬カルテル「シナロア・カルテル」の運び屋になった第二次世界大戦の退役軍人、レオ・シャープの実話に基づいています。
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ゴツめの車を優雅に乗り回すアールを見ていると、運び屋をしていることを忘れてしまいそうになりますが、運び屋として追われながら家族との関係を修復しようとする姿、「何でも買えたが、時間だけは買えなかった」という台詞にやるせなさを感じました。
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『トガニ 幼き瞳の告発』
- 人気韓流スターのコン・ユが主演を務めたサスペンスドラマ
- 聾唖学校で起こった教師らによる生徒たちへの性暴力の事実が暴かれる
- 映画公開後に事件が再調査されるなど社会問題になった
2011年公開の『トガニ 幼き瞳の告発』は、『新感染 ファイナル・エクスプレス』のコン・ユが主演を務めたサスペンスドラマ。
韓国郊外の美術学校に赴任した教師・イノが女生徒が教師から暴行を受けている現場を目撃したことをきっかけに、複数教師たちによる女生徒への性的虐待が発覚。
イノは生徒たちと事実を告発し、法廷に立つ決意を固めます。
韓国のある聴覚障害者学校で実際に起こった性的虐待事件と事件の隠蔽を映画化し、韓国社会に波紋を起こした衝撃作です。
この作品がきっかけで事件が再検証され、13歳未満児童への性的虐待の厳罰化と公訴時効を廃止する「トガニ法」が成立。
さらに当時不起訴とされていた加害者たちは逮捕・起訴され、事件の舞台となった学校は廃校となりました。
子供たちに容赦なく加えられる大人たちからの性暴力は、見るに耐えきれず涙すら流れてきます。
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『殺人の追憶』
- ポン・ジュノ&ソン・ガンホがタッグを組んだサスペンス映画
- 1980年代後半に起こった華城連続殺人事件をモチーフにしている
- 事件は時効になったが2019年に事件の真犯人が判明した
2004年公開の『殺人の追憶』は、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督とソン・ガンホがタッグを組んだ実話ベースのサスペンス映画。
軍事政権下で比較的治安の良かった1980年代後半に起こり、10人もの犠牲者を出した「華城連続殺人事件」をモチーフにした戯曲の映画化で、事件をめぐる刑事たちの物語を描きます。
韓国のアカデミー賞とも呼ばれる大鐘賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞・照明賞を受賞した、韓国映画を代表する1作です。
事件解決のために動員された警官は180万人、取り調べを受けた容疑者は3000人に登り、未解決事件として語り継がれていましたが、事件から30年以上経った2019年にようやく犯人が特定されました。
凄惨な連続殺人事件をモチーフにしているものの、ソン・ガンホ演じる田舎の刑事とキム・サンギョン演じるソウルのエリート刑事の軽妙なやりとりや、オフビートなノリが唯一無二の魅力を放っています。
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『殺人の追憶』作品情報 ポン・ジュノ監督とソン・ガンホが主演を務めた、彼らの代表作ともいえるサスペンス。 韓国……
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『罪の声』
- 塩田武士のミステリー小説を星野源と小栗旬で映画化
- 昭和最大の未解決事件「グリコ・森永事件」をモチーフにしている
- 事件から物語を膨らませたフィクションでありながら、ゾッとする展開
2020年公開の『罪の声』は塩田武士のミステリー小説を星野源と小栗旬で映画化したヒューマンミステリー。
昭和最大の未解決事件と呼ばれている「グリコ・森永事件」をモチーフとした作品で、過去の事件に翻弄される2人の男の姿を描きます。
ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』などで知られる野木亜紀子が脚本を務め、第44回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。
「グリコ・森永事件」は1984年と1985年に起こった食品企業を標的とした脅迫事件で、犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから「かい人21面相事件」とも呼ばれていましたが、2000年に全ての事項が成立したことにより、警察庁広域重要指定事件では初めての未解決事件になりました。
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すでに時効となっている事件を追う特別企画班に選ばれた小栗旬演じる新聞記者・阿久津。
そして、星野源演じるテーラーの曽根が、父親の慰留品から事件の脅迫に使われた内容と同じテープが発見されたことから、父親が事件に関与していたか確かめるために調査を始めます。
そしてテープからは聞き覚えのある声が…。
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『グッドフェローズ』
- マーティン・スコセッシが実在するマフィアの人生を描いたクライム映画
- 若くしてマフィアの世界に足を踏み入れたヘンリー・ヒルのノンフィクションを映画化
- ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシの鬼気迫る演技が見どころ
1990年公開の『グッドフェローズ』は、巨匠マーティン・スコセッシ監督がニコラス・ピレッジのノンフィクションをもとに「グッドフェローズ」と呼ばれるギャングたちの生き様を描いたクライム映画。
ブルックリンを牛耳るマフィアに憧れてその世界に足を踏み入れたヘンリーは、仲間のジミーとトミーと共に様々な犯罪をこなし、ついにはケネディ空港で600万ドルが入ったカバンの強奪を成し遂げます。
しかしFBIからの追及を恐れたジミーが、口封じのために仲間たちを殺し始めたのです。
1955年から1980年代のニューヨークに生きたヘンリー・ヒルは、11歳の頃からマフィアの使いっ走りとしてその世界に足を踏み入れてから、タバコの密売、盗難車の販売、強奪やノミ屋などの犯罪に手を染めてきました。
映画の1番のヤマとなった強奪事件は「ルフトハンザ強奪事件」と呼ばれ、事件が発生した1978年から最新の裁判が行われた2014年まで、アメリカで最も長く調査された事件の1つとして知られています。
しかし、ヘンリーやジミーは公式に起訴されることなく、強奪の計画を手伝った空港職員のルイス・ウェナーだけが唯一有罪判決を受けました。
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
- クエンティン・タランティーノ監督が1960年代ハリウッドの光と闇を描く
- レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの記念すべき初共演作品
- 1969年に起こった「シャロン・テート殺害事件」を知ると作品をより楽しめる
2019年公開の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、『キル・ビル』『パルプ・フィクション』のクエンティン・タランティーノ監督の9作目となる、ノスタルジックな夢物語。
かつて西部劇で活躍したものの落ちぶれ俳優となったリック・ダルトンと、彼のスタントマンを務めるクリフ・ブースの友情を軸にしながら、1960年代ハリウッドの光と闇を描きます。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが初共演を果たしたことでも話題になりました。
今作の背景となっているのが、1969年に起こった「シャロン・テート殺害事件」です。
映画監督のロマン・ポランスキーの妻でありハリウッド女優のシャロン・テートがカルト集団のチャールズ・マンソン一家に殺害されるという凄惨な事件でしたが、そこにタランティーノ監督が魔法をかけたおとぎ話のような作品に仕上がっています。
フィクションの存在である落ちぶれた俳優とスタントマンが実際の事件にどのように関わっていくのかが見どころで、衝撃のラスト13分は公開前から話題になっていました。
実際の事件で殺害されたシャロン・テート役を、『スーサイド・スクワッド』のハーレイ・クインでお馴染み、マーゴット・ロビーが演じています。
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『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
- スティーヴン・スピルバーグが実在する天才詐欺師を題材にした犯罪劇
- レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスが初共演!
- 主人公のモデルとなったフランク・アバグネイルは金融詐欺コンサルタントとして活躍中
2003年公開の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、スティーヴン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスがW主演を務めたクライム映画。
1960年代に16歳から21歳までの間に世界26カ国で400万ドル以上を稼いだ実在の詐欺師、フランク・アバグネイルの若き日と、父親への愛を軽妙なタッチで描きます。
17歳のフランク役を当時人気絶頂のレオナルド・ディカプリオ、彼を追うFBI捜査官・カール役を名優トム・ハンクスが演じ、初共演を果たしました。
今作のモデルとなったフランク・W・アバグネイルは、信用詐欺、小切手詐欺、身分詐称などの犯罪歴で知られていますが、その多くが若い頃の犯罪であることに驚き!
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逆にトム・ハンクス演じるカールは実在の人物ではなく、事件捜査やフランクの更生に関わった複数人物を投影させたキャラクターということ。
タイトルにもなっている『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は日本での「鬼さんこちら」に当たるもので、英語でも「できるもんなら捕まえてみろ」という鬼ごっこで使われるフレーズです。
歴史的な面白さを誇るオープニングシーンは必見!
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『チェイサー』
- 無名時代のキム・ユンソク&ハ・ジョンウがW主演を務めたクライムスリラー
- 「ソウル20人連続殺人事件」という悲惨な事件をモチーフにしている
- 韓国映画屈指のショッキングな描写が満載
2009年公開の『チェイサー』は、当時まだ無名だったナ・ホンジン監督、キム・ユンソク、ハ・ジョンウがW主演を務めたクライムスリラー。
2004年に韓国で起きた実際の連続殺人事件をモチーフに、犯人と元刑事の追跡劇を緊張感たっぷりに描き、今作で注目を浴びた監督と俳優陣がブレイクを果たすきっかけになりました。
元刑事のジュンホが経営するデリヘルの女性たちが次々に失踪する事件が発生。
怒り心頭のジュンホが調査を開始すると共通の電話番号に行き当たり、ついさっきミジンという女性が電話番号の客先へ向かったことがわかります。
ジュンホからの連絡を受け不審に思ったミジンは帰ろうとしますが、男に気絶させられ浴室に連れて行かれてしまいます。
今作の事件のモチーフとなっているのが、2003年から2004年に起こったユ・ヨンチョルによる「ソウル20人連続殺人事件」。
主に富裕層の高齢者や風俗嬢が殺害され、犠牲者の遺体は燃やしたり、解体して食したとユンチョル自身が証言している、非常に悪質かつ許せない事件です。
また、2004年にヨンチョルが窃盗の罪で逮捕されるも、その2日後に釈放されているという事実に関しても映画内で描かれています。
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『チェイサー』作品情報 2004年に韓国で起きた連続殺人事件を題材にした衝撃のサスペンス。 『神と共に 第一章……
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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
- マーティン・スコセッシ&レオナルド・ディカプリオがタッグを組んだヒューマンドラマ
- 若くして株式の世界で成功したジョーダン・ベルフォートの栄光と転落を描く
- 現代に通じる部分がある、詐欺師の教科書のような映画
2014年公開の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』はマーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオが主演を務めたグラックユーモア満載のヒューマンドラマ。
レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシの5度目のタッグとなる今作では、ウォール街の狼という異名を取る実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートのセンセーショナルな半生を描きます。
お金も知識もないまま株式の世界に飛び込んだジョーダンは、若干26歳にして会社を設立し一夜にして億万長者へ。
パーティー、ドラッグ、娼婦へとお金を注ぎ込み豪遊三昧のジョーダンでしたが、警察による捜査の手が迫り、その先には想像を絶する破滅が待ち受けていました。
今作のモデルとなったジョーダン・ベルフォートは事件の末に相場操縦やペニー株のボイラールーム運営などの詐欺行為により22カ月間投獄されましたが、刑期を終えた今ではモチベーショナル・スピーカーとして世間から受け入れられています。
舞台は80年代でありながら現代にも通じる部分がある、まるで詐欺師の教科書のような映画です。
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『スノーデン』
- 社会派のオリバー・ストーン監督がスノーデン事件に肉迫!
- 英雄か犯罪者か!?アメリカの機密情報を暴露したエドワード・スノーデンの物語
- ジョセフ・ゴードン=レヴィットがスノーデンにそっくり&本人も登場
2017年公開の『スノーデン』は、『プラトーン』『7月4日に生まれて』のオリバー・ストーン監督、『インセプション』のジョセフ・ゴードン=レヴィットが主演を務めたアメリカのポリティカル・スリラー。
2013年6月、コンピュータ専門家のエドワード・スノーデンがアメリカ国家安全保障局の機密情報をガーティアン誌に暴露した事件の詳細が描かれます。
軍に入隊するも怪我のために除隊を余儀なくされたスノーデンがパソコンの技術を買われてCIAに採用されるも、そこでアメリカ政府が対テロ諜報活動の名の下に世界中を監視している事実を知り、命懸けの告発に踏み切ります。
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主演を務めたジョセフ・ゴードン=レヴィットがエドワード・スノーデン本人の動きを完璧にマスターし熱演したほか、スノーデン本人も後半で本人役として登場します。
システム分析官としてアメリカ合衆国連邦捜査局による情報収集に関わっていたスノーデン。
陰謀論やフィクションとして語られてきた「国際的監視網」の告発をしたことで知られており、2014年にはノーベル平和賞に推薦され、現在はロシアに滞在中です。
国としてはスパイ行為であるけれど、事実を告発した英雄でもある存在。
インターネット社会になり個人情報が漏れやすくなっている世の中に、程よい恐怖心を与えてくれる作品です。
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『パピヨン』
- 1973年にも映画化され、脱獄映画の金字塔と呼ばれる名作のリメイク版
- チャーリー・ハナムとラミ・マレックが主演を務めた
- 原作者アンリ・シャリエールの壮絶な脱獄&収監生活も興味深い
2019年公開の『パピヨン』は、脱獄映画の金字塔ともいわれる1973年製作の『パピヨン』に新たなエピソードを加えてリメイクされたアンリ・シャリエールの自伝的小説の映画化。
『パシフィック・リム』のチャーリー・ハナムと『ボヘミアン・ラプソディ』でアカデミー賞を受賞したラミ・マレックが主演を務め、孤島にある刑務所で育まれた男たちの友情と脱出劇を描きます。
パピヨンの名称で知られる金庫破りのアンリ・シャリエールは、身に覚えのない殺人の罪を着せられ、ギアナにある悪魔の島と呼ばれる刑務所に収監され強制労働を強いられることに。
パピヨンは劣悪な環境の中で偽造紙幣の天才・ドガと出会い、奇妙な絆で結ばれた2人は脱出不可能と言われる刑務所からの脱獄に挑みます。
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無罪の罪で訴えられたシャリエールは脱獄と収監を各地で繰り返し、合計14年にわたる服役生活ののちに釈放され、1969年に発表した自伝的小説「パピヨン」が大ヒットし大成功を収めます。
絶望の淵に追いやられても自由を諦めない男たちの姿に胸が熱くなること間違いなし!
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『俺たちに明日はない』
- アメリカン・ニューシネマの先駆けとなった傑作犯罪映画
- 大恐慌時代に実在したカップル強盗「ボニー&クライド」の破滅的な青春を描く
- 世相も影響し、当時は彼らを英雄視する声もあった
1968年公開の『俺たちに明日はない』は、ウォーレン・ベイティが主演・製作を務め、後のアメリカン・ニューシネマの先駆けとなった傑作犯罪映画。
大恐慌時代に実在した男女の強盗カップル、ボニー&クライドの破滅的な青春を描き、第40回アカデミー賞では助演女優賞を最優秀撮影賞を受賞。
主演のウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイを一躍スターの座に押し上げました。
1930年代のテキサスで退屈な毎日に飽き飽きしていたウエイトレスのボニーは、刑務所帰りの青年・クライドの強盗姿を見てすっかり惚れ込み、2人は車を盗んで各地で強盗を繰り返します。
次第に仲間たちも加わり、世間からも5人の強盗組として注目を集めたボニーとクライドでしたが、警察の包囲網が彼らに迫ります。
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しかし禁酒法&大恐慌という時代背景もあり、憂さを晴らすように犯罪を繰り返した彼らを英雄視した人々が多かったことも事実です。
こちらは実際のボニーとクライドの写真ですが、かなりかっこよく決まっています。
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『アメリカン・ギャングスター』
- 巨匠リドリー・スコット監督が手がけた実録犯罪映画
- ラッセル・クロウ&デンゼル・ワシントンの実力派が豪華共演
- 黒人マフィアが築いた麻薬王国の興亡と刑事の執念の捜査を描く
2008年公開の『アメリカン・ギャングスター』は、『グラディエーター』『ブレードランナー』のリドリー・スコット監督とラッセル・クロウ、デンゼル・ワシントンがタッグを組んだ実録犯罪映画。
1960年代末から1970年代にかけてニューヨーク・ハーレムにフランク・ルーカスによって作り上げられた麻薬王国の興亡と、彼を追いかける刑事リッチー・ロバーツの執念の捜査が描かれます。
今作でデンゼル・ワシントンが演じたのが暗黒街の顔役として名を馳せた、アフロ・アメリカンのフランク・ルーカス。
ハーレムのヘロイン密売人で犯罪組織のボスでもあるフランクは、中間業者を通さずに直接東南アジアの麻薬組織とやりとりをしていたほか、亡くなったアメリカ兵の棺を使ってベトナムから麻薬を輸入しており、今作でもその様子が描かれています。
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暗黒街のカリスマ、麻薬を憎む真面目な刑事、賄賂まみれの悪徳刑事などそれぞれの思惑が絡み合い、飽きさせない展開に。
黒人のマフィアとしてどんどん成り上がるデンゼル・ワシントンと、汚職警官しかいない世界で麻薬を取り締まることに全てを懸けたラッセル・クロウを並行で見せることで、ハラハラを煽る上手い構造を作り出している様は見事です。
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『さらば愛しきアウトロー』
- ハリウッドの名優ロバート・レッドフォードの引退作品
- 実在した老紳士強盗フォレスト・タッカーの物語を描く
- スマートなやり口で強盗を遂げるタッカーに魅了される
2019年公開の『さらば愛しきアウトロー』は、『明日に向かって撃て!』や『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』など、長年にわたって活躍してきたハリウッド俳優ロバート・レッドフォードの引退作品となったクライムコメディ。
1980年代初頭から銀行強盗と脱獄を繰り返した実在の人物、フォレスト・タッカーの物語を描きました。
強盗でありながらも発砲をしなければ暴行も加えないという紳士的な態度を貫き通した、タッカーの風変わりな犯行が話題になり、事件を担当することになった刑事・ジョンは次第にタッカーの生き方に惹かれていきます。
一方、老女・ジュエルと恋に落ちたタッカーは1度は服役し出所するも、ジュエルとの安定した生活に魅力を見出せず、再び犯行を繰り返すのでした。
銃は使うものの誰1人傷付けず、2年間で93件の銀行強盗を成功させた伝説の紳士強盗、フォレスト・タッカー。
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どこか憎めない愛嬌あふれるアウトローというキャラクターが、ロバート・レッドフォードの俳優人生そのものを表しているようで感慨深いです。
大物俳優の引退作品にしては少々地味な印象ですが、深い味わいがある作品です。
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『愛のコリーダ』
- 昭和に起こった「阿部定事件」を題材に大島渚監督が映画化
- 愛する男性の局部を切り取り逃走した阿部定と吉蔵の愛の逃避行を描く
- 性描写の過激さから日本ではなくフランスで現像・編集が施された
1976年公開の『愛のコリーダ』は、昭和11年に起きた「阿部定事件」を題材に大島渚監督が男女の愛の極致を描いた問題作。
性愛をめぐった作品が日本で制作できるかを危惧した大島監督は、フランスから輸入したフィルムで撮影を行い、撮影を終えたフィルムをフランスに直送し現像・編集するという方法で今作を完成させました。
日本版では編集が施されましたが、芸術か猥褻の表現の自由をめぐって論争が巻き起こりました。
今作の元になった事件は料亭の中居であった阿部定が性交中に相手を絞め殺し、局部を切り取った「阿部定事件」。
事件の猟奇性ゆえに事件発生後と阿部定逮捕後に号外が出されるなど庶民の興味を強く惹き、同年に起こった「上野動物園クロヒョウ脱走事件」「二・二六事件」と合わせて昭和11年の3大事件と呼ばれています。
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『日本で一番悪い奴ら』
- 『凶悪』の白石和彌監督&綾野剛が主演を務めたサスペンス
- 日本警察史上最大の不祥事と呼ばれる「稲葉事件」が題材
- 真面目な警察官が成績を上げるために違法捜査に手を染め、その顛末が描かれる
2016年公開の『日本で一番悪い奴ら』は『凶悪』で注目を集めた白石和彌監督、綾野剛が主演を務めたサスペンス。
2002年に北海道で起こった「日本警察史上最大の不祥事」と呼ばれる「稲葉事件」を題材に、現役警察官による覚醒剤取引き、拳銃売買、その背景にある警察の組織的な裏金づくり不祥事、それによって翻弄され地の底まで落ちていく刑事の姿を描きます。
強い正義感を持ちつつも警察内でなかなかうだつが上がらない諸星は、先輩刑事の村井から裏社会に飛び込んで「S」(スパイ)を作れと教えられ、「S」を率いて危険な捜査に乗り出していきます。
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違法捜査に手を染めていく悪徳刑事を綾野剛が熱演し、キレキレの演技から目が離せません!
役作りのために体重を10キロ増量し、顔を浮腫ませるために酒を塗ったという本気の役作りを披露。
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『冷たい熱帯魚』
- 園子温監督が埼玉愛犬家連続殺人事件を題材に描いた衝撃の犯罪ドラマ
- 事件の首謀者となった村田役を演じたでんでんの怪演がトラウマ級に怖い!
- 邦画には珍しいくらいのグロテスク描写あり!
2011年公開の『冷たい熱帯魚』は、日本映画界の鬼才・園子温監督が実在するいくつかの猟奇事件をモデルに描いた衝撃の犯罪ドラマ。
主演は吹越満、そして普段は素朴なイメージが強いでんでんが、トラウマになるほどの鬼気迫る演技を披露したことで話題になりました。
娘の万引きを助けてもらったことをきっかけに、大型熱帯魚店を経営する村田と知り合った小さな熱帯魚店の経営者・社本が壮絶な殺人事件に巻き込まれていく様子を、バイオレンスたっぷりに描きます。
いくつかの猟奇事件を題材にしている作品ですが、ベースになっているのは1993年に起こった埼玉愛犬家連続殺人事件です。
詐欺的な商売を繰り返していたペットショップ経営者が、トラブルがある顧客を殺害し風呂場で解体したのちにドラム缶で焼却後、川に遺棄するという残虐な内容で、この事件では4人が亡くなりました。
犬のブリーダーが熱帯魚店に変わっているなど設定の変更は見られるものの、残虐な殺害方法などは映画にも引き継がれています。
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邦画の中でもかなりグロテスクな描写があるので、グロ耐性がない人にはおすすめできません。
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『ハスラーズ』
- ジェニファー・ロペスがキャリア史上最高の演技と称賛されたクライム映画
- エリートサラリーマンたちから大金を巻き上げる計画を立てたストリッパーの物語
- 痛快な内容に見えても結末は現実的
2020年公開の『ハスラーズ』はアメリカの女性監督ローリン・スカファリアがメガホンを取り、ジェニファー・ロペス、『クレイジー・リッチ!』のコンスタン・ウーがW主演を務めたクライム映画。
ジェニファー・ロペスは今作でゴールデングローブ賞の最優秀助演女優賞にノミネートされ、「キャリア史上最高の演技」と賞賛されました。
原作は、ジェシカ・プレスラーが2015年に発表した記事「The Hustlers at Scores」。
リーマンショック後のニューヨークを舞台に、ストリップクラブで働く女性たちがウォール街で働くエリートサラリーマンたちから大金を奪う計画を立てていたという実話を基にした物語です。
魅力的な女性たちの活躍は、性別問わず素直に楽しめること間違いなし!
特に「奇跡の50歳」と呼ばれるジェニファー・ロペスの演技、完璧なボディとダンスは、母性あふれるリーダー・ラモーナにピッタリです。
裕福なサラリーマンたちから女性たちが金を巻き上げるという一見痛快な内容に見えますが、そうでないところが今作が現実たる所以。
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映画『ハスラーズ』作品情報 映画『ハスラーズ』は、リーマンショックによりすべてを失ったストリッパーたちが、ウォ……
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『モンスター』
- パティ・ジェンキンス監督のデビュー作となる犯罪ドラマ
- アメリカ初の女性連続殺人犯、アイリーン・ウォーノスの生涯を描く
- 主演を務めたシャーリーズ・セロンの美人女優というレッテルを覆した演技が凄まじい
2004年公開の『モンスター』は、『ワンダウーマン』のパティ・ジェンキンス監督のデビュー作で、シャーリーズ・セロンが主演を務めた犯罪ドラマ。
1986年のフロリダを舞台に、アメリカ史上初の女性連続殺人犯となったアイリーン・ウォーノスの実話と生涯を描きました。
貧しい家庭で生まれ虐待を受けながら育ったアイリーンは、バーで出会った同性愛の少女・セルビーと出会い、互いに惹かれ合う中で彼女との生活費を稼ぐために犯罪を重ねます。
スタイル抜群のシャーリーズ・セロンは今作のために13キロ増量&特殊メイクでアイリーン役を熱演し、2004年の第76回アカデミー賞で主演女優賞を受賞。
美人女優というレッテルを自ら剥がした、女優魂が溢れる代表作となりました。
アイリーン・ウォーノスは1989年から1990年にかけてフロリダ州で7人の男性を殺害。
娼婦として働いていた際に襲われそうになった、または襲われたと正当防衛を主張しましたが、共犯者らの証言によって有罪判決を受けたのち、2002年に死刑が執行されました。
マルコヤマモト
『葛城事件』
- 劇団「THE SHAMPOO HAT」の舞台を映画化した犯罪ドラマ
- 抑圧的な父親が支配する家庭の壮絶な崩壊を描く
- いくつかの凶悪な無差別殺人事件をモチーフとしている
2016年公開の『葛城事件』は、『その夜の侍』の赤堀雅秋監督が劇団「THE SHAMPOO HAT」の同名舞台を映画化した、実際の犯罪をベースにしたドラマ映画。
三浦智和、南果歩、舞台版にも出演した新井浩史や、大衆演劇出身の若葉竜也など実力派キャストが集結。
三浦智和演じる抑圧的な父親・葛城清が支配する家庭が崩壊していく様子を描きます。
理想の家庭を築き上げるために抑圧的になった父親と、次第におかしくなっていく家族に耐えきれなくなった次男・稔がある日突然8人を殺傷する無差別殺人事件を起こし、死刑判決を受けることに。
自分の育て方に問題があったのかと苦悩する父・清が自問自答するなか、妻の伸子は精神を病み、長男の保は務めて居た会社を解雇されてしまいます。
今作のモチーフになっている事件も、附属池田小事件を筆頭に秋葉原連続通り魔事件など、思い出したくないレベルの凶悪事件ばかり。
マルコヤマモト
『MOTHER マザー』
- 川口高齢夫婦殺害事件に着想を得たヒューマンドラマ
- 長澤まさみと阿部サダヲのクズ演技が最低で最高!
- 胸糞悪い作品だが、世の中に蔓延る問題として向き合うべきテーマ
2020年公開の『MOTHER マザー』は、『日日是好日』『光』の大森立嗣監督が「少年による祖父母殺害事件」に着想を得たヒューマンドラマ。
『新聞記者』や『宮本から君へ』などで現代社会の様々な問題を投げかける作品を多く手がける河村光庸がプロデューサーを務めています。
阿部サダヲ、息子の周平役をオーディションで抜擢された奥平大兼が演じ、主人公の秋子を演じた長澤まさみが、第44回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞しました。
身内からも絶縁され孤立、男たちとゆきずりの関係を持ち、その場凌ぎで生きてきたシングルマザーの秋子は、自分の息子である周平に異常に執着し、周平に対しても自分への忠誠心を求めていました。
幼い周平は母親しか頼る人がおらず、秋子からの要求に必死に応えようともがきます。
しかしその結果が、17歳になった周平をひとつの殺人事件へと向かわせてしまうのです。
今作のモデルとなった事件は、2014年に埼玉県川口市で起こった「川口高齢夫婦殺害事件」で、被害者夫婦を殺害してキャッシュカードを奪ったという17歳の少年が逮捕されました。
見終わった後のあと味の悪さ、胸糞悪さはピカイチですが、お金がないからこのような犯行に及ばざるを得なかったというと、やるせない気持ちになります。
マルコヤマモト
しかし、こういう家庭や人々が今の日本にはどれほどいることかと考えるときっと果てしないし、「貧困」が引き起こす犯罪は決して関係ないとは言い切れません。
マルコヤマモト
『ゲティ家の身代金』
- 大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫誘拐事件の実話をベースにしたクライムドラマ
- 誘拐された孫の身代金を支払わない!?ドケチな大富豪と戦う羽目になった母親
- 実際には身代金を値切りまくってポールを救出した
2018年公開の『ゲティ家の身代金』は1973年に起こった大富豪、ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された事件を『オデッセイ』『グラディエーター』のリドリー・スコット監督が映画化したクライムドラマ。
石油王のジャン・ポール・ゲティを演じたクリストファー・プラマーの名演は必見!
誘拐されたポールの母親・ゲイルをミシェル・ウィリアムズが演じました。
「世界中の全てのものを手にした」と言われる石油王の大富豪ジャン・ポール・ゲティは、孫のポールが誘拐され破格の身代金を要求されるも支払いを断固拒否!
ポールの母親であるゲイルは、誘拐犯たちとだけでなく守銭奴である義父とも戦うことになるのです…。
実際の誘拐事件でゲティは当初1700万ドルの身代金を290万ドルまで値切るという方法を使って支払い、孫のポールを救出。
犯人グループは逮捕され9名のうち2名に有罪判決が下され、他のメンバーは証拠不十分で無罪となりましたが、身代金のほとんどは戻ってこなかったそうです。
お金持ちなのにケチなんて最低!しかも大事な孫の命が賭けられているのに…と、母親・ゲイルの心情に深く共感しました。
マルコヤマモト
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『アングスト/不安』
- 1980年代にオーストリアを震撼させた殺人鬼による一家惨殺事件を映画化
- 公開間も無くしてからヨーロッパ全土で上映禁止に
- 独特なカメラワークとリアルな映像は、まるで本物の犯行現場を見せられているよう
2020年公開の『アングスト/不安』は、1980年にオーストリアを震撼させた殺人鬼ベルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した実録スリラー。
1983年にオーストリアで製作され、日本ではレンタルビデオ用として発売されました。
公開当時はその凄惨な内容から嘔吐するものや返金を求めるも者が続出し、各国で上映禁止もされたトラウマ必至の作品です。
刑務所を出所した後の殺人鬼が感じる不安、異様な行動と心理状態を冷酷非情なタッチで描き出しており、凶暴なビジュアルと斬新なカメラワークでそれらを表現しました。
映画のモデルになった殺人鬼、ベルナー・クニーセクはオーストリアの犯罪史の中でも最も危険な人物の1人として知られています。
今作で描かれるのが「アルトライター一家惨殺事件」で、クニーセクは出所後にたまたま目についたアルトライター家に忍びこみ、映画のように3名を拷問した後に殺害しました。
芸術的なカメラワークがなければ、ただ犯行のライブ映像を見せられいてる気分になります。
マルコヤマモト
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『ブラック・ダリア』
- ブライアン・デ・パルマ監督がアメリカの有名未解決事件を映画化
- ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカートほか豪華キャストが集結
- デ・パルマ監督独特のカメラワークも堪能できる
2006年公開の『ブラック・ダリア』は、ジェームズ・エルロイによる「暗黒のLA4部作」を『アンタッチャブル』『スカーフェイス』のブライアン・デ・パルマ監督の後期代表作と呼ばれる犯罪ミステリー。
1947年にロサンゼルスで実際に起こった未解決事件「ブラック・ダリア」事件をモチーフにしており、事件に取り憑かれた2人の刑事をめぐる物語が描かれます。
ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、ヒラリー・スワンクとキャストも豪華で、クレーンを駆使した長回しや螺旋階段を使った演出など、ブライアン・デ・パルマ監督独特のカメラワークも堪能できる作品です。
映画のモチーフとなった「ブラック・ダリア事件」は、女優志望の女性が下半身を切断された状態で殺害・発見された事件で、アメリカの歴史上最も有名な未解決事件の1つとして知られています。
マルコヤマモト
実話ベースの犯罪映画おすすめ25選!まとめ
マルコヤマモト
実際に起こった事件にしても洋画は事件自体のスケールが大きくエンタメに持ち込みやすいこと、邦画は陰鬱で身近に感じるからこそ辛い事件が多い、そして韓国映画は凄惨で痛々しい事件が多いという新たな発見がありました。
この記事では、比較的観やすい事件内容の作品を厳選してみました。
マルコヤマモト