何かと世間を騒がし続ける女優・沢尻エリカ。
そんな彼女の主演作の中でも、一際異様な輝きを魅せて、映画ファンならずとも惹きつけるのが蜷川実花監督の2012年の作品『ヘルタースケルター』です。
今回の記事では、そんな『ヘルタースケルター』キャラクター/出演者/監督/情報をまとめていきます。
それではさっそくキャストから見ていきましょう。
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『ヘルタースケルター』の出演キャスト/キャラクター
沢尻エリカ / 役:りりこ(本名=比留駒 春子)
年齢・経歴一切不明のファッションモデル・女優。ファッションアイコン、インフルエンサーとして若者たちから絶大な支持を受けています。
女優としても活躍していてハリウッド作品のオファーの噂も出るほどです。
しかし、実は全身に大掛かりな整形手術を受けていて、元々は肥満体形でした。
目玉、爪、耳とアソコ以外はすべて整形によって得たモノです。
天然キャラクターとして見られていますが、身内に対してはかなりの自己中心的な性格を露にします。
美しさの秘訣は自然体な生活と言っていますが、実際にはかなりジャンクな食生活を送っています。
整形手術の後遺症対策や状態を維持するために多くの薬を服用し続けています。
真実が露見するのではないかという不安や度重なる整形の後遺症、人気商売を続けていくことへの不安や薬の影響で、大きなストレスを抱え、時にはコントロールできないほどに、感情を爆発させることもがあります。
場合によっては枕営業なども厭わず、私生活では大企業の社長の御曹司と交際中です。
村松 健太郎
桃井かおり / 役:多田 寛子
りりこが所属する芸能事務所の社長。かつては自分もタレント業をしていたこともある女性。
りりこを完全プロデュースし、真相を知る数少ない人物。りりこからは“ママ”と呼ばれています。
芸能界の裏表を知り、汚れ仕事も平気でこなします。
ごく近しいスタッフにはりりこの真相を共有させて、共犯関係を築いていきます。
才能を発掘する目は確かで、後にこずえを発掘します。
実は寛子の若からし頃の姿と今のりりこは似ている部分があって、麻田からはりりこは寛子のレプリカント(=複製人間)と評されます。
感情のコントロールが効かなくなったりりこに、“貴女の代わりはいない”と言い聞かせることも。
村松 健太郎
寺島しのぶ / 役:羽田 美知子
りりこのマネージャー。35歳でりりこに対しては盲信的・狂信的な感情を抱いています。
デビューからりりこを支え続け、わがままなりりこに振り回されながらも、献身的に彼女にサポートし続けます。
私生活では若手カメラマンの奥村伸一と同棲生活を送っていますが、徐々にりりこに浸食され、肉体的にも関係を深めて溺れていきます。
当初はりりこの整形に関することは何も知らずにいましたが、やがて社長の寛子から真相を聞かされショックを受け、その後はより一層りりこに執着するようになります。
クライマックスでは意図的にりりこの秘密をマスコミにリークし、スターとしてのりりこの立場を崩壊させます。
その後も怪しげな店でりりこの世話を焼いている姿が描かれます。
村松 健太郎
新井浩文 / 役:沢鍋 錦二
りりこ専属のメイクスタッフで女言葉のおかま。通称“綿ちゃん”。
りりこの美しさに加えて、そのキャラクターや性格にも好意を抱いていて何かと世話を焼いたり、愚痴を聞いたりする関係です。
寛子からりりこの全身整形の真実を聞かされ驚きますが、その後は寛子の夫の形見という大きな指輪を口止め料として渡されて、口をつぐみます。
世間に真相がわかってからも、りりこのメイクを担当します。
メイクスタッフとしての腕は確かなのようで、後にこずえも担当します。
村松 健太郎
原田美枝子 / 役:和智 久子
りりこに全身整形を施した美容整形外科医。
大掛かりな美容整形を多数手がけ、その後の免疫面など抑制する薬を高額で処方し続けるという悪どい商売をしています。
薬を買えずに自殺する女性が出てくるなど問題視されています。
脱税や贈収賄などの罪が疑われ、検察の調査の対象になります。
さらに、元産婦人科医の夫と共に胎児や人の臓器や筋肉、皮膚などを違法に入手するなど多くの違法行為に関わっています。
全身整形については“革命を起こしている”と言いきります。
村松 健太郎
窪塚洋介 / 役:南部 貴男
大手デパート・南部デパートの御曹司でりりこの交際相手。
りりこに逢うために撮影現場にも押し掛けるほどの関係ですが、実際のところはうわべだけの関係・カラダだけの関係でもあり、最終的にりりこと結婚するというような気持ちはありません。
後に大物政治家の令嬢と婚約することになり、りりこに対してりりこは自分と結婚できるような身分にないと切って捨てます。
婚約相手はりりこの嫉妬の対象となり、悲惨な目に遭うことになります。
村松 健太郎
綾野剛 / 役:奥村 伸一
りりこのマネージャー・美知子の同棲相手。
駆け出しのカメラマンですが、まだ活躍するほどではなく美知子の“ヒモ”に近い存在です。“若さ”を使って美知子を懐柔しています。
美知子の口から存在を知ったりりこに迫られ、肉体関係を結び、その後は美知子と共にりりこの精神的な支配下に。
村松 健太郎
哀川翔 / 役:浜口 幹男
映画プロデューサー。
りりこの新作映画のプロデューサーです。
妻子がいますが、りりこと肉体関係を持ちます。いわゆる枕営業。
後に、りりこは自分が育て上げたと豪語しますが、そこまで影響があったのかは不明です。
村松 健太郎
大森南朋 / 役:麻田 誠
美容整形クリニックの捜査を通じてりりこに接近する検事。
和智久子の美容整形クリニックの違法行為に目を付け捜査を進めます。
りりこの顔を見て一目で骨格と表情のずれを感じ、りりこが整形していることを見抜きます。
りりこをピーターパンの登場人物タイガー・リリィと呼んだり詩や、童話・伝奇・伝説などから引用した言葉を使うなど独特な言語感覚を持っています。
捜査を進める中でりりこの秘密をほとんど知ることになり、和智のクリニックを摘発するためにりりこに接近、その境遇に同情するかのような発言をします。
村松 健太郎
鈴木杏 / 役:保須田 久美
麻田の部下、事務官。
事務官として麻田のサポートを適切に行います。
美しさや若さに執着する女性の心理に一定の理解を示すものの、自身が検察庁で働いているということもあってか、知的な部分を重視する態度を見せることも。
麻田とは上司(=検事)と部下(=事務官)という立場ですが、時には軽口も言い合えるような関係を築いています。
村松 健太郎
寺島進 / 役:塚原 慶太
麻田と共に捜査を進める刑事。
麻田に協力して和智の美容クリニックの捜査を進めます。
麻田や久美に関係するであろう事件の捜査資料を提供。
クリニックの暗部をあらわにしていく一方で、美しさや若さに執着する女性心理に呆れるような言動も。
麻田たちとは信頼関係が築かれているようで、いい意味でフランクでくだけた口調で話をします。
村松 健太郎
住吉真理子 / 役:比留駒 千加子
りりこの妹。
りりこが全身整形したことで今は似ても似つかない外見ですが、整形前のりりこと似ている部分があると思われます。
姉が全身整形をして素性を隠し別人として過ごしていることも理解していて、コンタクトを取るときもファンレターのような形で連絡を取っています。
映画の終盤では、意外な決断をすることも。
村松 健太郎
水原希子 / 役:吉川 こずえ
天然の美しさの持ち主。美しさや魅力・若々しさを全て兼ね備えているタイプ。
りりこの後輩として美和子の事務所に入ってきます。
瞬く間に人気者となり、りりこのポジションを奪っていきます。
綿二いわく“たまにいる、生まれたまんま、そのまんま綺麗な人”。
全身整形をしているりりこと対になる存在で、劇中でもりりこのコンプレックスを刺激します。
村松 健太郎
吉川こずえというキャラクターは同じ岡崎京子作品の『リバース・エッジ』にも登場。2018年の行定勲監督による映画にも登場していてこちらではSUMIREが演じています。
ちなみに、このメインキャスト以外にもMEGUMI、吉田鋼太郎、斎藤工、江口のりこ、古坂大魔王、村上淳、平愛梨、戸塚純貴、石橋杏奈なども出演しています。
続いて、監督/スタッフ情報を見ていきましょう。
『ヘルタースケルター』の監督/スタッフ情報
監督:蜷川実花
劇作家・蜷川幸雄の長女として生まれ写真家・映像作家として一線で活躍しています。
映画監督としては2007年に土屋アンナ主演の『さくらん』でデビューしました。
『ヘルタースケルター』は監督第2作目で、一瞬だけカメラマン役で出演もしています。
2019年には藤原竜也主演『Diner ダイナー』、小栗旬主演『人間失格太宰治と3人の女たち』が連続公開されました。
藤原竜也、小栗旬と言えば、父親・蜷川幸雄の最期の教え子たちともいえる存在ですね。沢尻エリカとは公私に渡って親しく『人間失格』にもキャスティングしています。
PVも多数手がけていますが、特にメジャーなのはAKB48の『ヘビーローテーション』でしょう。
2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事の一人です。
脚本:金子ありさ
脚本の金子ありさはドラマ『ナースのお仕事』シリーズなどでキャリアを積み、映画では2005年の『電車男』でデビューしました。
『ヘルタースケルター』以降では、菅田将暉・土屋太鳳主演の『となりの怪物くん』、山崎賢人主演の『羊と鋼の森』などの脚本を担当。
ドラマでは20015年に大河ドラマ『花燃ゆ』の脚本を担当してます。
原作:岡崎京子
原作者の岡崎京子はイラストレーターとして活動を始め1983年に漫画家デビュー。
人気作家として活躍しますが、1996年に交通事故に遭い創作が途絶えてしまいます。
しかし、その後も断続的に作品が復刊・再発され続け、映像化も続いています。
『ヘルタースケルター』はそんな岡崎作品の初の映画化作品です。
この後、2018年に行定勲監督が『リバース・エッジ』を二階堂ふみ・吉沢亮主演で映像化、2019年にも若手キャストを集めて『チワワちゃん』が映画化されました。
“ヘルタースケルター”とは?
『ヘルタースケルター』という言葉は混乱しているさま、劇中の大森南朋演じる麻田の表現を借りればしっちゃかめっちゃかという意味です。
あのビートルズが楽曲のタイトルに採用したことで、ポップカルチャーの中でも有名なワードになりました。
この楽曲が曲解されて凄惨な事件を起きるのですが、そのあたりの出来事はクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で詳しく表現されています。
以上、ここまで映画『ヘルタースケルター』のキャスト解説、監督やスタッフについてまとめさせていただきました。
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