観る者の予想を根底から覆す、エンターテイメント・サスペンス・アクション『グレーゾーン』が誕生。
極道・黒崎家当主の暗殺をめぐって露わになる、最悪な家族の最狂の愛。
キレのいいアクションと謎が謎を呼ぶサスペンス、予測不能なストーリーと鮮やかな“どんでん返し”に、一瞬たりとも目が離せません。
6月4日(金)よりシネマハウス大塚にて公開される他、6月12日(土)より名古屋・シネマスコーレ、大阪・シアターセブンにて公開されることが決定しています。
この度、監督・脚本・プロデュース・主演と4役に挑戦した宏洋のオフィシャルインタビューが届きました。
映画『グレーゾーン』監督・主演宏洋オフィシャルインタビュー解禁
−−本作の制作のきっかけについて教えて下さい。
宏洋「自分としては、映画作りがやりたいというのは18歳から変わっていません。本作の脚本を書いたのは、2017年の冬です。その前は幸福の科学で父・大川隆法から依頼を受けて映画を作っていたんですけれど、色々と事件があって映画の担当から外されました。初めて映画製作の仕事をしたのは18歳の時、『仏陀再誕』(2009)というアニメの脚本を書きまして、プロデューサー的なこともやったんですけれど、そもそも「映画の仕事をやってくれ」ということだったので話を受けていたのに、2017年の冬に映画の担当から完全に外されまして、席と給料はあるけれど、仕事は一切与えられないという飼い殺し状態でした。このままでは自分のやりたい仕事ができなくなってしまうので、独立して自分で映画を作ろうと思って、『グレーゾーン』の台本を書き、宏洋企画室という会社を作りました。脚本を持って、幾つかの制作会社に「これを映像化したいです」ということで話をしに行って、2019年の春にようやく制作会社が決まりました。」
−−どんでん返しが1回だけでなく、何度もあり、楽しめました。オリジナル脚本とのことですが、インスピレーションはどこから得たのですか?
宏洋「私は非常に性格が悪いので、お客さんをどれだけ騙せるかということに命を懸けているところがあって、以前作った『君のまなざし』(2017)という映画も、2〜3回どんでん返しがあります。ある人から見たらこういう作品に見えるし、違う人から見たら、違う作品に見えるという作品になっています。」
−−一葉役の西原愛夏さん、慎司役の黒条奏斗さん、美鈴役の青山ひかるさん、弦信役の中村ゆうじさん、新山刑事役の和田奈々さん、白川光流役の仁科克基さんそれぞれのキャスティングの理由をお教えください。
宏洋「一葉は一番極道らしいというか、後継としてしっかりとしていて芯の通った女性がいいなと思いました。西原愛夏さんは目元がキリッとしていて、かっこいいんです。キリッとした凛とした強さが合っていると思ってキャスティングさせていただきました。また、2021年3月には舞台『遠山の金さん 天下を揺るがす女』で再度共演させていただきました。一葉とは真逆のおしとやかなヒロインを好演していらっしゃったので、これからめきめきと頭角を現してくるかと思います。
慎司役の黒条奏斗くんは、私が2019年5月に出演した新選組の舞台時代劇ミュージカル「狂宴哀歌」で共演したのがきっかけです。慎司はインテリで、ちょっといじわるな感じが出せる、なおかつイケメンがいいと思っていて、奏斗くんを見つけていいなと思いました。ちょうど大阪から上京してきた時で、いい大学を中退して上京してきたとのことで、これは気概があるなと思いました。「狂宴哀歌」が役者として1作目で、『グレーゾーン』は2作品目で、映像デビュー作なんです。経歴としては異例の抜擢と言っても過言ではないと思うんですが、僕は「狂宴哀歌」で共演して、彼の能力を知っていたので、起用することにしました。
美鈴役のキャスティングが一番難しかったです。強烈なキャラクターを演じるのは普通の人にはできないので、最後まで決まらなかったんです。青山ひかるさんは大人気なので、正直ダメ元で聞いてみたら、OKでしたので、ラッキーだったなと思います。
弦信役は、病気をしているという設定なので、あまりゴツゴツした方ではなく、「細いけれどもこの人は強いんだろうな」というのが表せる方がいいと思っていました。中村ゆうじさんは、武術をやられていてアクションシーンもできるということで、オファーさせていただきました。
私の敬愛する堤幸彦監督の『ケイゾク』や『SPEC』という作品があるんですけれど、新山刑事に関しては、そういう世界観に近いものを思い描いていて、イメージ的には『ケイゾク』の中谷美紀さんみたいな頭がキレる感じの刑事さんがいいと思っていました。和田奈々さんは、普段は爽やかで可愛らしいんですけれど、たまに殺し屋みたいな顔をするので、ぴったりだったかと思います。
白川光流役の仁科克基さんだけは当て書きなんです。2017年に「風のうた」という舞台に出まして、その時に共演させていただいてから仲良くさせていただいています。極道のお話をやるということで敵役のボスは誰がいいかと考えた時に、仁科さんだとパッと思いついたんです。2021年3月に、西原愛夏さんと共に舞台『遠山の金さん 天下を揺るがす女』で再度共演させていただきました。正義のヒーロー『金さん』と、悪の親玉『光流』。真逆のキャラクターを演じ分ける仁科さんの姿は必見です。」
−−ゴツいヤクザの番頭がオネエ言葉を使うというのも、面白かったですが、修ちゃん役に浪花ゆうじさんをキャスティングした理由もお教えください。
宏洋「これは完全に見た目先行です。ゴツさマックスのオネエにしたかったんです。ゴツくて器用に色々やられる方ということで、仁科さんにご紹介していただきました。」
−−新山刑事の上司役の佐々木保博さんは、本物の警察OBとのことですが、キャスティング意図をお教えください。
宏洋「ご縁がありまして、本物の人を入れたら面白いと思ってお呼びしました。」
−−YouTuberも多数出演されていますが、皆さんお知り合いなんですか?
宏洋「そうです。私が普段やっているYouTubeでコラボさせていただいた方が中心です。人気YouTuberさんたちが役者としてスクリーンに出るというのは、革新的な取り組みだったのではないかと思います。みなさん頑張ってくださり、真面目に練習してきたんだろうなと思いました。みなさんキャラクターが立っているので、作品にいい彩りを加えられたかと思います。」
−−YouTuberのウタエルさんに主題歌の作曲・歌唱をお願いした理由をお教えください。
宏洋「ウタエルさんはよくご自身の番組で、やらかした芸能人やYouTuberさんをネタにして替え歌をやっているんですけれど、そこで私のことを何回か取り上げてくださったんです。他の人がやらかした時に、ネタの素材として使ってくれたことがありまして、そのご縁で連絡を取り合うようになりました。ウタエルさんは替え歌がメインなので、オリジナルの楽曲って実はそんなになくて、ウタエルさんのオリジナルの曲を聞いてみたいなという自分の思いもありまして、オファーをさせていただきました。作詞は私がやりましたので、一ファンとして非常に嬉しかったです。」
−−本作はアクションも満載で、スタントチームGoccoから多数のアクション俳優も出演されていますが、アクションシーンの撮影はいかがでしたか?
宏洋「Goccoさんは、『君のまなざし』でもアクションを担当してくださって、今回もお声がけさせていただいたんですけれど、西原愛夏さんはアクションが初めてだったので、事前に稽古をしてもらいました。事前の稽古では生傷が絶えなかったですが、本番では誰も怪我することなく、事故も起きくてよかったと思います。」
−−慎司はYouTuberでもあるという設定で、YouTubeの撮影シーンも出てきました。ご自身のYouTuberとしての経験も活かしたいという意図があったのでしょうか?
宏洋「そうですね。本当はYouTuberという部分をもっと掘り下げたかったんですけれど、尺の関係で入らなかったです。慎司はヒカルさんみたいなイメージで、ちょっと怪しい感じで、何をやっているのかわからないけれど、めちゃめちゃ稼いでいるみたいな感じの設定にしました。」
−−本作は、「60を迎えた際に黒崎組会長の座を退き、いずれかの子に家督を譲る」という会長が死ぬところから、3姉弟の誰が黒崎組を継ぐかという話になります。ご自身にとって身近な題材だったのでしょうか?
宏洋「そうですね。極道のお家騒動部分は結構リアル感が出せたのではないかと思います。本人からしたらめちゃくちゃ大事なことなんですけれど、傍から見ていると、そんなしょうもないことで争ってどうするのというような、すごくくだらないことなんです。私も弟や妹が4人くらいいるんですけれど、後継者になりたいというような争いは多々ありました。彼らもあんな感じのくだらないことで、常々殺し合いになりそうな勢いで言い争いをしていました。結構リアルに表現できたと思います。」
−−「23になって男を知らない」「生まれつき心臓に疾患があって、8秒間しか全力で動けない」「好きなキャラクターのぬいぐるみに話しかけている」という三姉弟の設定はどう決めて行ったんですか?
宏洋「お金は持っているし、見た目もいいし、身体能力も高く、スペックが高く、ぱっと見、恵まれているように見えるけれど、人間としてどこかが破綻してしまっているというキャラクターにしたいと思いました。『アベンジャーズ』に近いかもしれません。完璧すぎるキャラクターは見ていて面白くなく、「こんなに優秀なのになんでできないんだろう」というキャラクターの方が応援しやすいと思って、とんでも設定をつけてみました。」
−−灰原龍は、アル中・無職・パチンカスで、「令和の廃人三冠王」と自分で名付けるほどですが、3姉弟のことをきちんと見て、3人それぞれの信頼を得ます。美鈴には「美鈴だけをみてくれる?」というセリフもありますが、ご自身の希望を反映しているのでしょうか?
宏洋「実際の私の弟や妹たちを美化してあげているという部分があるかもしれないです。彼らは今後の人生がどうなるかわかりませんが、今の所、無念という感じの人生を送っているので、それをキャラクターの中にちょっと投影して、成仏させてあげるという意図はあったかもしれないです。」
−−タイトルが『グレーゾーン』で、「グレーゾーンはもうおわりだ」「法の穴をかいくぐってグレーゾーンで稼げ」というセリフが印象的でしたが、グレーゾーンに関して考えさせられるきっかけが今まであったのでしょうか?
宏洋「私が30年間見てきた宗教団体の闇です。存在自体がグレーというかほぼほぼブラックですけれど、父親がやっていることは全部そういう感じのことなので、法にひっかかっているのかひっかかっていないのかよくわからないところで稼いでいて、「それっていいの?」という話です。法律に違反していなければどんなあくどいことをやって金儲けをしてもいいのかと思い、父親がお金というものに異常なこだわりを持っていたところからモチーフをひっぱってきました。」
−−美鈴は「学校も送り迎えがあったし、洋服も、同世代の子にしたら、手が届かないくらい高いもの。家では英才教育を受けていたから、成績も良かったし、運動もできた」「彼らが見ていたのは、美鈴の中身じゃなくて、美鈴の見た目やお金だった。美鈴を美鈴としてみてくれる人がいなかったから誰も愛せなくなった。」というセリフがありましたが、ご自身の経験を反映したセリフなのでしょうか?
宏洋「送り迎えは実体験です。小学校は車で送り迎えでした。服は中学生の時に月5,000円、高校生の時は実家から追い出されて一人暮らしをしていたので、家賃・光熱費以外は生活費込で5万円で、毎月20日すぎにはお金がなくなって、友達にお金を借りていたので、私の実体験とはかぶっている部分とかぶっていない部分があります。弟や妹たちはお金を持っているので、彼らと結婚したら、地位や名誉が得られ、宗教の中では神になれるので、神になりたくて寄ってくる男女がいっぱいいるんです。弟とかが彼女ができたと自慢してくるんですけれど、「どう見ても金目当てにしか見えないんだけどな」ということもありました。中身を見てもらえない苦しさは、大川家の子供たちにはあったと思います。」
−−黒崎家には「稼がざるもの、食うべからず」という家訓がありますが、「働かざるもの、食うべからず」より厳しいビジネス主義ですが、インスピレーションはどこから得たんでしょうか?
宏洋「実家の考え方が色濃く反映されているかもしれません。「水1杯1万円でいいから売ってこい」と、金を稼ぐことが正義というのが父親の考え方でしたから、僕は小さい頃、悪い成績をとったりすると、「こんなにお金をかけて塾に行かせたり家庭教師をつけて投資しているのに、お前は元が取れていない。穀潰しだ」と言われていました。」
−−美鈴は「誰も愛せなくなった」というセリフもありましたが、そういうこともご自身や兄弟にはあったんですか?
宏洋「どうなんですかね。私は幸い団体以外のところにコミュニティを持っているのでいいんですけれど、彼らは幸福の科学の中でしかコミュニティがないので、こういう苦しみを持っているんじゃないかなという想像です。」
−−美鈴の「この仕事は男に媚を売らないとやっていけないの」というセリフがありますが、今の日本社会を見て、日頃から感じていることなのでしょうか?
宏洋「とある女性が言っていた言葉をそのまま使っています。YouTubeで一度言ったことがあるんですけれど、以前舞台で一緒になった好きだった人がいまして、舞台が終わってちょっとしてから連絡が取れなくなって、SNSも全てやめてしまって、芸能を辞めたのかなと思っていたんですけれど、1年後位にふと検索したら、AVデビューをしていて、うわーと思ってAmazonでポチっと買ってしまったんですが、その人が舞台でご一緒した時に言っていた言葉です。」
−−読者の方にメッセージをお願いします。
宏洋「私は父親のことや裁判やYouTubeでやらかしたなど別の方面でニュースになることが多いですが、全て『グレーゾーン』の宣伝と思ってやっているので、これが私の本業です。本業を本気でやっている宏洋を見てください。映画監督として、キャスティング能力は天才だと思っているんです。キャスティングには自信があり、出来上がった作品を観て、「自分、よくこの役にこの人を当てたな」と自画自賛できるレベルです。各キャラクターの魅力が爆発していると思うので、魅力的なメインキャストやゲスト出演のYouTuberさんの魅力を劇場で見て頂ければと思います。」
映画『グレーゾーン』概要
キレのいいアクションと謎が謎を呼ぶサスペンス、予測不能なストーリーと鮮やかな“どんでん返し”に、一瞬たりとも目が離せません。
監督は、国際ニューヨーク映画祭2018最優秀長編作品賞受賞作『君のまなざし』(18)で脚本・プロデュース・出演を務めた宏洋。
2018年に創業した宏洋企画室株式会社による初の映画プロジェクトである本作『グレーゾーン』で、監督デビューを果たしました。
今、宏洋の本当に作りたかった作品『グレーゾーン』が、エンターテイメント界に新風を吹き込みます。
主役の灰原龍を演じるのは、本作で監督・脚本・プロデュース・主演と4役に挑戦した宏洋。
黒崎家の長女・一葉役に、グラビアアイドルとして活躍する西原愛夏。
黒崎家の長男・慎司役を、「時代劇ミュージカル新撰組-狂宴哀歌-」に出演した黒条奏斗。
黒崎家の次女・美鈴役を、グラビアアイドル、タレントとして活躍、映画『ふたりエッチ ~ラブ・アゲイン~』に主演した青山ひかる。
また、モデル、タレントとして活躍する和田奈々が警視庁組織対策課の新山刑事役、映画『難波金融伝・ミナミの帝王』シリーズの浪花ゆうじがオネエ言葉を使う黒崎家の番頭・陰山修役、登録者数が630万人を超えるFischer’sのメンバー・シルクロードの実兄で“兄クロード”として有名な絹張慶が白川組幹部・慶次役で出演。
そして、黒崎家の宿敵、白川家当主・白川光流役に『ウルトラマンメビウス』他、映画・ドラマ・舞台で活躍する仁科克基。
黒崎家当主・黒崎弦信を体現するのは『TVチャンピオン』のMCで広く知られ、映画・ドラマ・舞台で活躍する中村ゆうじ。
また、宏洋自らが作詞した主題歌「灰色の空」の作曲・歌唱を担当するのは、人気YouTuberの「ウタエル Utael」。
今、宏洋の「本当に作りたかった作品」が、エンターテイメント界に新風を吹き込みます。
『グレーゾーン』作品情報
出演:宏洋、西原愛夏、青山ひかる、黒条奏斗、和田奈々、浪花ゆうじ、絹張慶、仁科克基(特別出演)、中村ゆうじ
企画・統括:宏洋
プロデューサー:與五澤健人
協力プロデューサー:嶋田豪、西前俊典、J
音楽:サニーミュージック
ラインプロデューサー:牧義寛
監督補:佐野智樹
撮影:ふじもと光明
照明:江川斉
録音:土屋和之
美術:津留啓亮
衣裳:江橋綾子
編集:田巻源太
殺陣師:森崎えいじ
主題歌:「灰色の空」(作詞:宏洋 作曲・歌唱:ウタエル Utael)
劇中歌:「バースデーラッシュ」(歌:ERECTRIC JELLYFISH 作詞:永野仁美 作曲・編曲:八巻俊介)
音楽プロデューサー:谷口広紀
監督・脚本:宏洋
制作協力:北海道映画舎、アイエス・フィールド
配給協力:アイエス・フィールド
製作・配給:宏洋企画室
公式サイト:http://www.is-field.com/g-zone/
公式ツイッター:@grey_zone_movie
2020年/日本/カラー/100分/ビスタサイズ/5.1ch
あらすじ
関東に君臨する極道、黒崎家と白川家。
彼らは長い間、敵対しており、今なお激しい抗争が絶えなかった。
そんな中、黒崎家の当主・黒崎弦信が暗殺された。
刑事が密かに容疑者とみなしたのは、黒崎家の後継者争いをしていた弦信の三人の子どもたち。
黒崎家に拾われて使用人として働く灰原龍は、刑事の依頼で三人の情報収集をし始める。
だが、その事件の裏には、世代を超えて家族が抱える深い闇と秘密が潜んでいた…。
Gallery
『グレーゾーン』は、6月4日(金)に公開決定!
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