第73回ヴェネチア国際映画祭、第89回アカデミー賞、第74回ゴールデン・グローブ賞などで賞レースを競った『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のパブロ・ラライン監督が贈る衝撃の最新作『エマ、愛の罠』(シンカ配給)が、10月2日(金)より全国公開。
今回は『エマ、愛の罠』を撮った固定観念に捕らわれず、常に新たなことに挑戦し続け、今、世界が注目するフィルムメーカーの1人であるパブロ・ラライン監督を紹介します。
『エマ、愛の罠』パブロ・ラライン監督の紹介
本作を監督したのは、ハリウッド映画『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』で絶賛を博し、米アカデミー賞に輝く『ナチュラルウーマン』の製作を務めた、チリ出身のパブロ・ラライン。
新型コロナウイルス感染拡大による外出制限下で撮影された短編集『HOMEMADE/ホームメード』(Netflix)の製作・監督に名を連ねています。
『HOMEMADE/ホームメード』は国際的に活躍するフィルムメイカーらに声を掛けたララインが発起人の1人であり、彼のプロダクションのファブラが共同制作も務めた。
そんな世界の映画界を牽引する彼が、これまでの既成概念&固定観念をぶち壊し、美しく、激しく、妖しくも自分の意思をしっかりと持つ、新時代のヒロイン・エマを生み出しました。
主人公・エマを演じるのは、会って10分後に監督から主演をオファーさせた脅威の新星・マリアーナ・ディ・ジローラモ。
そして、エマの夫・ガストンを演じるのは、『天国の口、終りの楽園。』(01)でヴェネチア国際映画祭の新人俳優賞を受賞し、世界的に脚光を浴び、その後も、『モーターサイクル・ダイアリーズ』(04)や、『バッド・エデュケーション』(04)、『バベル』(06)などの話題作に出演し続けるガエル・ガルシア・ベルナル。
本作で見えてくるラライン監督のすごさは、まず、チリの現状を表現するために、敢えて母国語を使用したキャスティングで演者をチョイスしている点。
もう1つは、役柄のイメージに合った配役に躊躇がないところでしょう。
事実、主人公のエマは、世界的に名が知れたというには遠いですが、ラライン監督の感性を刺激したマリア―ナ・ディ・ジローラモを抜擢。
ダイヤモンドの原石ともいえるマリア―ナを抜擢したララインのインスピレーションは見事に結実し、彼女は常人では理解しがたいエマという難役を見事に演じ切っています。
エマは中々理解しがたい思考の持ち主であると言えますが、彼女のすごさの一つとして、自分が望むことに対して、諦めずに求め続けるという芯の強さがあるというところがあります。
この点においては、現代における女性の活躍という点に通じるものがあると言えるでしょう。
エマを演じたマリア―ナは、「エマは、自分で考え、自分の意思で計画し実行していく。しいて言うなら、愛情を注ぐ、いわばオーケストラの指揮者みたいな女性だと思う。」とエマを分析。
ラライン監督は、「エマはパラダイム。彼女はさまざまなキャラクター、娘、母、姉、妻、恋人、そしてリーダーを体現していて、とてもパワフルでハッとするような美しい女性らしさを備えています。徹底した個人主義で、自分が何を望んでいるかを明確に知り、周りの人々を巻き込んで自分の運命を変えることができます。母親になりたい、家族を持ちたいと思っていて、おそらくエマを最も強く突き動かしているものは愛なのです。実際にエマの思考を理解できないまま辿っていくことになるが、最後には点と点が結びつくのです。そうすると、それが何なのか、何を見たのか、何をしていたのかがわかると、この映画をより理解してもらえると思います。」と語ります。
ラライン監督は、J・J・エイブラムス製作総指揮、ジュリアン・ムーアとクライヴ・オーウェン、デイン・デハーンが出演することが発表された、スティーヴン・キング原作の「リーシーの物語」をベースにした『FACES』というApple TV+のテレビシリーズの監督も担っており、NYで6か月間撮影して、最後の数週間を残して、コロナの影響で撮影が中断、現在は再開待ちの模様。
『FACES』の撮影後には、ダイアナ元妃を描く『Spencer』の撮影も待機しており、パブロ・ララインの国際市場での躍進は止まらない。
常に話題になっている作品を手掛けているラライン監督が描く、魂の解放を象徴するエモーショナルなレゲトンダンス、挑発的な映像美、大胆にして綿密な美しきエマが、あらゆる観客を欺いて仕掛ける“愛の罠”。
「とても奇妙でとても美しく、この時代に最も大切なことを語っている」「常に観客の一歩先を行くスリリングさ!」などと絶賛された、ラライン監督が描く新時代のヒロイン・エマの衝撃を劇場で体感ください。
『エマ、愛の罠』作品情報
監督:パブロ・ラライン
出演:マリアーナ・ディ・ジローラモ、ガエル・ガルシア・ベルナル、パオラ・ジャンニーニ、サンティアゴ・カブレラ、クリスティアン・スアレス
原題:EMA/R-15+
後援:チリ大使館/インスティトゥト・セルバンテス東京
提供:シンカ/ハピネット
配給:シンカ
公式サイト:http://synca.jp/ema
2019年/チリ/スペイン語/107分/カラー/シネスコ/5.1ch/
あらすじ
「私の目的を知ったら誰もが震えあがる」
若く美しいダンサーのエマはある悲しい事件によって打ちのめされ、振付師の夫ガストンとの結婚生活が破綻してしまう。
家庭も仕事も失い、絶望のどん底に突き落とされたエマは、ある思惑を秘めて中年の女性弁護士ラケルと親密な関係になっていく。
さらにラケルの夫で消防士のアニバルを誘惑したエマは、彼女への未練を引きずる別居中のガストンまでも挑発し始める。
3人の男女をことごとく手玉に取り、妖しい魅力で虜にしていくエマの真意は何なのか。
その不可解なまでに奔放な行動の裏には、ある驚くべき秘密が隠されていた…。
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『エマ、愛の罠』は、10月2日(金)より全国公開!
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