映画に登場する料理や食事のシーンを観て、「美味しそう!」と目を輝かせてしまった経験はありませんか?
美しく盛り付けられたご馳走、素朴で懐かしい雰囲気の家庭料理、キラキラ輝く極上のスイーツ。
誰もが一度は心躍らせたことがあるのではないでしょうか。
料理がテーマの映画でなくても、食事のシーンは登場人物たちの関係性や状況、そして感情や成長を表すことがあります。
また、その生活や食文化を感じることができる特別な体験です。
ということで、今回は思わずお腹が空いてしまうような美味しそうなシーンが魅力の映画を10作品ご紹介します。
目次
美味しそうな食事が印象的な飯テロ映画おすすめ10選
『かもめ食堂』
フィンランドの首都・ヘルシンキに“かもめ食堂”という日本食の食堂を開店させたサチエ(小林聡美)。
最初は地元の人々から敬遠され、なかなか客が来なかったかもめ食堂ですが、ミドリ(片桐はいり)やマサコ(もたいまさこ)との出会いを経て、徐々に賑わっていきます。
様々な事情を抱えた客たちと食を通して交流を繰り広げていく、ユーモア溢れる物語です。
群ようこの小説を原作とした映画『かもめ食堂』。
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ヘルシンキに店を構えるかもめ食堂の看板メニューは、おにぎり。
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さらに目を奪われるのが北欧発祥とされるシナモンロールを作っているシーン。
焼き上がりは画面越しに匂いが伝わってきそうなほど。
鑑賞後、「明日の朝ごはんはご飯にするか、パンにするか…」と悩んでしまうこと間違いなしです。
『南極料理人』
南極観測隊員のメンバーとして新たに派遣された海上保安庁の所属隊員・西村(堺雅人)の任務は、昭和基地から最も遠く離れた陸の孤島で越冬する隊員たちの食事を用意することです。
個性豊かでちょっと癖が強い隊員たちに振り回されながらも、限られた食材と道具を使って、彼らを飽きさせず疲れを癒すメニューを作るために奮闘します。
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海上保安官出身の西村敦によるエッセイシリーズを原作とした『南極料理人』。
氷点下54℃以下の壮絶な自然環境の中、動物はおろかウイルスさえいない、社会生活から断絶された世界で、1年間の共同生活を送る隊員たちのストレスは相当なもの。
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ぶりの照り焼きや煮物、豚汁といった素朴な家庭料理にほっこりさせられたかと思えば、前代未聞の伊勢海老の海老フライに笑わされます。
こんなに美味しそうで、こんなにニヤニヤさせられるのは、きっとこの映画だけでしょう。
『マザーウォーター』
ウイスキーのみ置いているバーを営むセツコ(小林聡美)、コーヒー店を開いたばかりのタカコ(小泉今日子)、豆腐を作るハツミ(市川実日子)。
京都で水にこだわる3人の女性が出会い、彼女たちと彼女たちにかかわる人々、それぞれの毎日が穏やかに流れていく、ある町の物語です。
『かもめ食堂』を手掛けた製作チームが意欲的に取り組んだ『マザーウォーター』。
“水”へのこだわりをテーマに、ウイスキー、コーヒー、豆腐に愛を注ぐ女性たちが送るスローライフを描いています。
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そして、ふっくらとした厚焼きたまごが挟まれた卵サンドや、野菜の甘みを想起させる九条ネギの炒め物も魅力的です。
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『しあわせのパン』
東京から北海道の洞爺湖の畔に移り住み、小さな2階建てロッジのパンカフェを開店した水縞夫婦。
夫の尚(大泉洋)が焼くパンと、妻のりえ(原田知世)が淹れる美味しいコーヒーが自慢の店“カフェマーニ”は、近所で人気の憩いの場です。
問題を抱えた人々の心とお腹を満たしていく、そんなハートフルなドラマです。
大泉洋主演のオリジナル北海道企画・第1弾となった『しあわせのパン』。
洞爺湖の大自然と、その四季の移ろいを見つめながら、パンとコーヒーの優しい温度を感じられる作品です。
コーヒーを淹れる音や調理中の音にホッとさせられて、忙しい毎日のオアシスになるような空間がそこにはあります。
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『スープ・オペラ』
同居していた叔母・トバちゃん(加賀まりこ)が突然旅に出てしまい、一人暮らしになった35歳の独身女性・ルイ(坂井真紀)。
ひょんなことから初老のトニーさん(藤竜也)と年下の康介(西島隆弘)という2人の男性が上がり込んできて、不思議な共同生活が始まりました。
3人の共通点はスープ好きということだけですが、一緒に食卓を囲む度に距離が縮まっていきます。
阿川佐和子の小説を原作とした映画『スープ・オペラ』。
生活音や料理から立ち込める湯気に食欲をそそられ、手が込んでいるけど家庭的なスープの数々にほっこり。
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身も心も温まる素朴で極上なスープ、コトコト煮込んでみようかな?と思わされる作品です。
『ショコラ』
ある日、フランスの小さな村にヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とまだ幼い娘が移り住みます。
ヴィアンヌはショコラ専門店を開店し、客の好みに合わせたショコラを勧めることで村の人々を虜にしていました。
しかし、村がカトリックの断食期に入っていたことや流れ着いたジプシーと親しくしていたことで、村の指導者に敵視されてしまいます。
ジョアン・ハリスのベストセラー小説を原作とした映画『ショコラ』。
お洒落で可愛い店内には豊満で甘い香りが立ち込めているに違いない、映像を見るだけでそう確信してしまうほどキラキラと輝くショコラで溢れています。
口にした客のとろけるような笑顔が美味しさを物語っているのはもちろん、作り手のヴィアンヌの幸せそうな表情がより一層ショコラを魅力的なものにしているのです。
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画面越しにカカオの香りと濃厚な口どけを感じることができます。
『ジュリー&ジュリア』
食べることが大好きなパリ在住のアメリカ人・ジュリア(メリル・ストリープ)は、名門料理学校で学んだ後、誰でも簡単に作れる家庭料理の本を出版し、本は大ベストセラーとなりました。
そして、50年後のニューヨークに住む夢を諦めたOL・ジュリー(エイミー・アダムス)は、憧れのジュリアのレシピに挑戦し、その全てをブログに載せようと決めます。
1960年代に出版した料理本で人気となった料理研究家のジュリア・チャイルドと、その全レシピ制覇への挑戦をブログで綴ったジュリー・パウエル。
2人の女性の実話をベースに描いた『ジュリー&ジュリア』は、食にまつわる映画の代表格ともいえます。
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2人とも料理を通じて夢を掴みましたが、それ故の対立もあります。
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『食べて、祈って、恋をして』
何もかもがうまくいかなくなったリズ(ジュリア・ロバーツ)は、旅行先のバリで薬剤師にいわれた言葉を思い出して、1年間かけて外国をめぐる旅に出ることを考え始めました。
イタリアで食を楽しみ、インドでヨガの導師を訪ね、最後には再びバリの薬剤師を訪れるという長い旅を計画します。
自分を見つめ直すために世界に旅立つ、女性のロードムービーです。
エリザベス・ギルバートの回想録を原作とした映画『食べて、祈って、恋をして』。
タイトルの通り、イタリアで“食べて”、インドで“祈って”、バリで“恋をする”物語なのですが、食事が美味しそうなのはイタリアだけではありません。
もちろん食を楽しむために訪れたイタリアで登場するピザ、パスタ、ジェラート、ワイン…とっても美味しそうです。
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ですが、インドのアシュラムで食べていたカレーはスパイシーな香りがしてきそうだし、バリの南国らしいフルーツやお酒も美味しそう。
各地の美味しいものを食べられるのは、やっぱり旅行の醍醐味ですよね。
『レミーのおいしいレストラン』
パリの5つ星レストランに流れ着いた料理が得意なネズミのレミー。
そこで働く見習いシェフと出会い、1人と1匹はタッグを組んで美味しい料理を作るようになります。
彼らの友情と成長を描いたアニメーション作品です。
ピクサーによる長編アニメーション映画『レミーのおいしいレストラン』。
原題にもなっている“Ratatouille(ラタトゥイユ)”は、劇中で一番印象深い料理です。
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一度は真似して作って、お洒落な食卓を囲んでみたいですね。
『詩季織々』
中国の暮らしの基本となる“衣・食・住・行”をテーマに描いたオムニバスアニメ。
大切な思い出を心に抱いて大人になった若者たちが、過去を想いながら今を懸命に生きていく姿を3つの短編ストーリーで構成しています。
『君の名は。』などの新海誠監督作品で知られるアニメーション制作会社“コミックス・ウェーブ・フィルム”と、中国のアニメ業界で注目されている制作会社“ハオライナーズ”による日中合同アニメ映画『詩季織々』。
食をテーマにしているのは、1話目の“陽だまりの朝食”。
主人公が少年時代に味わった何種類かのビーフン、それぞれに違った思い出がありますが、大人になってから食べる大量生産されたビーフンには何も感じられません。
誰しもそんな思い入れのある食べ物や郷土料理があるのではないでしょうか。
この主人公の場合はビーフンですが、日本人が思い浮かべるビーフンとは見た目からしてちょっと違っています。
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鑑賞後は誰かと食卓を囲みたくなること間違いなしです。
美味しそうな食事が印象的な飯テロ映画おすすめ10選まとめ
- 『かもめ食堂』
- 『南極料理人』
- 『マザーウォーター』
- 『しあわせのパン』
- 『スープ・オペラ』
- 『ショコラ』
- 『ジュリー&ジュリア』
- 『食べて、祈って、恋をして』
- 『レミーのおいしいレストラン』
- 『詩季織々』
いかがだったでしょうか。
1人で食べる食事、誰かと食べる食事、自分のための食事、誰かのための食事。
食事にもいろいろあると思いますが、食は動力源であり、元気の源です。
何となく心が疲れている時、ぼんやりと何か映画を観たい時、食事をモチベーションにしたい時にぜひ観てみてはいかがでしょうか。
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