あなたは1作の映画の制作に30年もかかった「呪われた作品」をご存知でしょうか…?
天災に主演俳優の降板…数々の不幸に見舞われた映画…それがこの『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』。
鬼才といわれた監督テリー・ギリアムの30年越しの夢がついに叶う時が来たのです!
- 構想30年、9回頓挫の呪われた作品
- テリー・ギリアムの執念と情熱が30年の呪いに打ち勝つ
- アダム・ドライバー迫真の演技に注目
北米と欧州で全く正反対の評価を得た映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』のネタバレなしレビューです。
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目次
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』作品情報
作品名 | テリー・ギリアムのドン・キホーテ |
公開日 | 2020年1月24日 |
上映時間 | 133分 |
監督 | テリー・ギリアム |
脚本 | テリー・ギリアム |
原作 | ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』 |
出演者 | ジョナサン・プライス アダム・ドライバー オルガ・キュリレンコ ステラン・スカルスガルド ジョアナ・リベイロ オスカル・ハエナーダ |
音楽 | ロケ・バニョス |
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』出演者・キャスト/役柄
屈折30年!テリー・ギリアム監督が集めた、『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』を彩る個性豊かなキャストとキャラクターを紹介します!
アダム・ドライバー / 役:トビー
- 売れっ子のCMディレクターでドン・キホーテを主人公にしたCM撮影のためにスペインを訪れた
- 学生時代の卒業制作で『ドン・キホーテを殺した男』というタイトルの自主制作映画を撮影した
- 映画に出演した少女アンジェリカに再会し想いを寄せていくが…
マルコヤマモト
→【アダム・ドライバーって誰?】『スター・ウォーズ』カイロ・レンを演じた超話題の映画俳優を徹底解剖!
ジョナサン・プライス / 役:ドン・キホーテ
- トビーの自主制作映画でドン・キホーテ役を演じた靴職人の老人
- 本名はハビエルだが、トビーの演技に対する要求に答えるうちに自分が本物のドン・キホーテだと思い込む
- 村を訪れたトビーを相棒のサンチョ・パンサと勘違いし、冒険の旅へ出る
マルコヤマモト
ステラン・スカルスガルド / 役:ボス
- トビーの上司であるプロデューサー
- ロシアのウォッカ王という大物をスポンサーにつけるべく奮闘する
マルコヤマモト
オルガ・キュリレンコ / 役:ジャッキ
- ボスの妻でボスとは年齢差もある若くセクシーな女性
- ボスのいない間にトビーを誘惑しまくる!
マルコヤマモト
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』映画制作の壮絶なウラ話!
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』が呪われた企画と言われた理由…
\30年の歴史を一挙振り返り👍/
🌪構想30年 頓挫9回🌪
1988年に制作意欲を示してから幾年月..昭和から令和まで#テリー・ギリアム 監督の執念🔥を
弊社が独断で選んだ日本の歴史と共にゆる〜く振り返ってみました‼️🎬『#テリー・ギリアムのドン・キホーテ』絶賛上映中🎊https://t.co/ryV4YM94X6 pic.twitter.com/XNQgSThgVx
— ショウゲート洋画公式 (@showgate_youga) January 25, 2020
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の構想が始まったのが1988年で、実際のクランクインが2000年。
構想が30年に渡るも、制作が9回も頓挫しているありえない作品なのですが、一体どんな理由があったのかまとめてみました。
- 初日:撮影場所がNATO軍事基地近だったため、戦闘機の音で録音ができない
- 2日目:大雨により機材が流されロケーションも変わってしまった
- 数日後:ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールが乗馬の際の腰痛でフランスに帰国
- 撮影2ヶ月にして中止が決定…。
撮影中止が決定した後は、映画の権利が保険会社に移ってしまいました。
この悲惨な撮影現場の様子を捕らえていたのがドキュメンタリー作品『ロスト・イン・ラ・マンチャ』です。
マルコヤマモト
『ロスト・イン・ラ・マンチャ』って?
『ロスト・イン・ラ・マンチャ』は、2002年に公開されたテリー・ギリアムのドン・キホーテ作品を追ったドキュメンタリー映画です。
作品内では、先の項目で紹介した「様々な困難」について描かれています。
マルコヤマモト
当時の主演はジョニー・デップ、ヒロイン役にはヴァネッサ・パラディが起用されています。
『ドン・キホーテ』の映画は何かといわくつきで、1955年から制作されたオーソン・ウェルズの『ドン・キホーテ』も未完に終わっています。
しかし、そんな『ドン・キホーテ』の物語を30年かけてテリー・ギリアム監督は完成させたのです。
マルコヤマモト
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』あらすじ・感想【ネタバレなし】
北米・ヨーロッパでは2018年に公開されていた今作ですが、面白いことに評価が真っ二つに分かれてしまったのです!
一体なぜ…?ということで、あらすじと日本での評価、鑑賞後の感想で評価の別れ方について触れたいと思います。
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』あらすじ
若手で売れっ子のCMディレクターのトビー(アダム・ドライバー)は、スペインでのCM撮影中、土産物売の男から、かつて自分が制作した自主制作映画のDVDを受け取ります。
映画のタイトルは『ドン・キホーテを殺した男』。
マルコヤマモト
偶然か必然か、映画を撮影した村はCM撮影場所のすぐ近くありました。
「刺激が必要だ」と仕事そっちのけでバイクで村へ向かうトビーでしたが、たどり着いた村の様子は変わっていました。
トビーが撮影中に出会った村の少女アンジェリカは、女優になると言って村をでてマドリードへ行き、娼婦になっていました。
そして、当時ドン・キホーテを演じた靴職人の老人ハビエルは、自らをドン・キホーテと信じ込むようになり、ドン・キホーテとして生きていたのです!
ハビエルの元を訪れたトビーは相棒のサンチョ・パンサと勘違いされてしまいます。
村で起こった火事とバイクの盗難が原因で、追われる身となったトビーは、サンチョ・パンサとしてドン・キホーテと宛のない旅へ向かうのでした。
現実とファンタジーが入り交じる世界で、トビーが経験したこととは…!?
マルコヤマモト
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』世界で口コミ分裂!日本では?
予告編動画であったように「欧州絶賛・北米酷評」とありましたが、日本での評判はどうでしょうか?
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
遂に完成した30年越しの悲願の映画でありテリー・ギリアムが自身のこれまでを見つめ返したような視点も交え正に集大成とも言える大傑作!完成が“今”になったのも必然だったんじゃないかと思える。理解不能?いやいや他の作品に比べりゃすっげー分かりやすいよ! pic.twitter.com/FC0tB2egMT— タイマ (@taima_reborn) January 24, 2020
「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」鑑賞。待った甲斐はあった。奇天烈な物語はすなわちこの狂った企画自体の紆余屈折であり、ギリアムの自画像なのだ。自らを騎士と妄想して巨大な敵に立ち向かい、跳ね返されては立ち上がる。愚かにして果敢、その姿が何と感動的か。ギリアムファンは刮目して見よ! pic.twitter.com/VYtZ5cqAuL
— 阿乱隅氏 (@yoiinago417) January 26, 2020
「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」みた。めっぽうおもしろい!!落ちる・こける・落ちる・ビンタ連発・落ちる・こける・落ちる・落ちるアダム“サンチョ”ドライバーが最高!彼の情けない様をみるのはどうしてこんなに楽しいんだろ。「未来世紀ブラジル」以外で初めてギリアム作品好きになったな。 pic.twitter.com/Hg0VfRZuVW
— つむじ風(操行ゼロ) (@stmt) January 25, 2020
【愉快な悪夢】
ジョナサン・プライスの頭がおかしくなるのが『未来世紀ブラジル』
ジョニー・デップの頭がおかしくなるのが『ラスベガスをやっつけろ』
クリストフ・ヴァルツの頭がおかしくなるのが『ゼロの未来』
アダム・ドライバーの頭がおかしくなるのが『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』 pic.twitter.com/wxVDIqZzFr
— イカれ帽子屋3世 (@Wonderland1873) January 24, 2020
うーん!皆さんかなり理解がある方のようで、酷評のような感想は見当たりませんでした…!
マルコヤマモト
確かに、みんなの頭がおかしくなってしまうような内容だったので、1番最後の感想が1番わかりやすいものだと思います。
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』鑑賞後の感想
マルコヤマモト
映画制作の背景や『ロスト・イン・ラ・マンチャ』のことを知ると、より楽しむことができました!
テリー・ギリアム=モンティ・パイソンで納得!
作品を観たときの不思議な感覚、造形などに既視感がありずっと気になっていたのですが、テリー・ギリアム監督が、イギリスのコメディグループ「モンティ・パイソン」の一員だったと知って全て納得できました。
マルコヤマモト
要はこれが理解できるかできないか、笑えるか笑えないかでも『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の評価は変わってくるのかもしれない…と思いました。
ゆえに、笑いのツボの違いもあり、欧州絶賛・北米酷評の評価の違いが生まれたのではないでしょうか?
マルコヤマモト
- イギリスのコメディグループ
- 1969年開始のBBC『空飛ぶモンティ・パイソン』で一躍人気に
- ギリアムはメンバー内唯一のアメリカ人であり、番組内のアニメーションも担当していた
30年間の想い…周年を貫いたギリアム監督に拍手!
Dear Japanese Friends,
I am proud to be able to work with the great Hiroshige Ando to create a record of The Man Who Killed Don Quixote's arrival in Japan.
It opens today. 映画を楽しむ@showgate_youga pic.twitter.com/Xhqf9sTGQI— Terry Gilliam (@TerryGilliam) January 23, 2020
マルコヤマモト
きっと私のようにアダム・ドライバー目当てで鑑賞した方もいると思うのですが、映画の背景を知ることでもっと楽しむことができる作品でした。
可能ならば『ロスト・イン・ラ・マンチャ』も鑑賞したほうが、感動も、この映画の完成に対する喜びも桁違いでしょう。
マルコヤマモト
ドン・キホーテを自らのあこがれの男性と称するギリアム監督の30年越しの夢が叶ったことが、呪いに情熱が勝利したことが、とても素晴らしいと思いました。
実際にこの時間を待っていたファンたちも、完成が待ち遠しかったことでしょう。
また、この時代にトビーを演じることができるアダム・ドライバーという俳優が現れたことも必然としか思えません。
ジョナサン・プライスの演じたドン・キホーテも素晴らしかった。まるで狂人!
それを受けてだんだんおかしくなっていくアダム・ドライバーも見もの!
しかし、企画への呪いは解けたかもしれませんが、ドン・キホーテの呪いは解けていないのかもしれません…。
マルコヤマモト
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』まとめ:30年越しの呪いは解けた?
🐎特別映像到着💨#テリー・ギリアム 監督の頭に長年焼き付いて離れなかったロケ地の数々…場所によっては2000年には決まっていた‼️
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👨 演技がひどい時は山を見て
\#アダム・ドライバー もロケ地を絶賛⛰✨『#テリー・ギリアムのドン・キホーテ』絶賛上映中https://t.co/ryV4YM94X6 pic.twitter.com/uTfHKzxlaG
— ショウゲート洋画公式 (@showgate_youga) January 27, 2020
- 30年越しの企画への呪い解ける!様々な困難を乗り越えて完成した作品
- 見る人によって評価が分かれる少し不気味なファンタジー映画
- アダム・ドライバーの登場は必然!映画完成の立役者となった旬の俳優の演技を見よ!
こんなに人を夢中にさせてしまうドン・キホーテはきっとものすごい男なのだろうと思いました。
ドン・キホーテはずっとずっと生き続け、彼の呪いはいつまで経っても解けないものなんだろうな…。
マルコヤマモト
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