『ドッグ・ストーリー:あなたは一番の友達 シーズン2』は、犬を支えとする人間の心の動きを描いたドキュメンタリー。
犬たちが人にとって、どういう存在であるか細やかに優しい目線で切りとったものです。
大学のマスコット犬のハンドラー、元宇宙飛行士、退役軍人、司祭とそれぞれが立場こそ違えど、犬とかかわることで人生の岐路を乗り越えてきた経験を語っています。
犬が人間に向ける無垢な瞳と無条件の愛に、強く穏やかに応えようとする人間の決意の物語であり、犬たちのもつ癒しの力を伝える愛の物語でもあります。
それでは『ドッグ・ストーリー:あなたは一番の友達 シーズン2』について解説していきます。
・愛犬とのロードトリップは、友を偲ぶ旅
・犬との生活に期待を寄せる退役軍人
・司祭の考える使命
目次
『ドッグ・ストーリー:あなたは一番の友達 シーズン2』解説・感想/h2>
バトラーブルー三世
インディアナポリスのバトラー大学には、小さな人気者がいます。
それは、イングリッシュ・ブルドッグのマスコット犬、トリップことバトラーブルー三世。
人が大好きなトリップは、バトラー大学のキャンパスを歩くと誰もがトリップに声をかけ、笑顔になる太陽のような存在です。
ハンドラーのマイケルとは、ずっと一緒で大学行事には必ず参加、マスコット犬として日々忙しく働いておりました。
でも、そのトリップももう8歳、マイケルは、年を重ねたトリップが元気なうちに、マスコット犬の仕事から引退をさせると決めていたのでした。
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無機質だった大学のキャンパスに命を与え、バトラー大学の仲間との絆をより強く感じてもらおうとマスコット犬の活動を続け、「バトラーブルー三世」をスターダムに押し上げた立役者のマイケルは16年もの間、ひたすら走り続けていました。代々続いてきた伝統のマスコット犬のハンドラーとして、バトラーブルーニ世から三世へと二代に渡ってかかわってきたマイケル。
最初は大学を盛りたてる小さな活動だったものが、SNSの力も借りて大きく育ち、花開いたマイケルの活動。
病魔におかされ腎臓移植が必要となったマイケルは、トリップの引退を機に、「バトラーブルー四世」となる子犬のブルーを、新しいハンドラーのエヴァンに託すのでした。
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愛犬2頭とめざすコロンビア・ピーク
元宇宙飛行士リーランド・メルビンの2009年のNASAの公式写真には、愛犬2頭と写っています。
そんな愛犬家のリーランドが、家族と呼ぶのはロデシアン・リッジバックのゾロとルー。
大型犬が乗りこめるほどの大きなバンを購入してリーランドが目指したのは、2003年2月の「スペース・シャトルの空中分解事故で犠牲になった7人のクルーの記念碑がある、遠く離れたコロラドのコロンビア・ピーク。友だった7人を偲び、敬意を示したいと、2頭と共に、バージニアからアメリカを縦断する旅に出たのでした。
友を失った喪失感を癒し、立ち直らせてくれた先代犬のジェイクと、かつてチャレンジし、厳しい自然に阻まれ果たせなかった4000メートルの山頂を、今度はゾロとルーと目指すのでした。
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NASAから退いた今も、リーランドの心のよりどころは大型犬のゾロとルーで、2頭を子供たちだというリーランドにとって、犬たちの存在は、誰よりも大きいとわかるのです。
ジェットのふたりのママ
イラクのバラド空軍基地で働くアラナが、車の行き交う危険な道で拾ったのは、灰色の子犬のジェット。
長く中東の軍事施設で働いてきたアラナは、イラクの危険な情勢に、帰国をすることを考え始めていました。
ジェットを引き取ることでアメリカに戻ることを決めたアラナは、自分よりも先にジェットを出国させ、自分の帰国までに、アイダホのいるにタラの元にジェットを一時的に預けることにします。犬を心から愛するタラは、イラクからはるばる来たジェットに無理のないように接し、アラナが帰国するのを待つのでした。
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でも、帰国したアラナに待っていたのは、思わぬ苦労。厳格な管理の下で規律が多かった軍事施設で働いてきたアラナは、規則のない生活になかなかなじめず、せっかく再会したジェットとも自分の生活に必死で、なかなか思うようにいきません。アラナとの不安定な生活で問題行動を起こすようになってしまったジェット。
イラクからの帰国後、ジェットの世話もままならないアラナは、思い描いていたものと違う現実に反省し、犬の幸せを第一に考えるタラに、ジェットを託すことを決心するのでした。
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保護犬たちと神父
ブラジル グラヴァターのジョアン・パウロ神父が心血を注ぐのは、公共政策が追いつかず、行政が手つかずのままでいる犬たちの保護。今日もミサで、動物への思いやりを説いています。
人に顧みられることのない犬に水とエサを与え、家を探す、そんな活動に賛同する人たちの協力を得て、犬たちの救世主となったジョアン・パウロ神父。
でも、この使命は自らが選んだものではなく、犬たちによって自分が選ばれたといい、行き場のない犬たちを保護する人たちとの出会いは、動物保護の使命を全うする自分を鼓舞する力になると穏やかに語るのでした。
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でも、野犬の多くいる状況で、なかなか解決しない負のスパイラルには視聴者も心を痛めてしまうと思います。
『ドッグ・ストーリー:あなたは一番の友達 シーズン2』解説・感想まとめ
以上、ここまで『ドッグ・ストーリー:あなたは一番の友達 シーズン2』をレビューしてきました。
・宇宙飛行士の家族
・新しい生活と犬の幸せ
・命をつなぐ使命
『ドッグ・ストーリー:あなたは一番の友達 シーズン2』は、純粋無垢な犬たちの存在に癒しとし、犬たちとの生活を生きる道しるべとする4つの物語。
シーズン1と異なるのは、人が人生の岐路にたった時、無条件の愛を伝える存在がそばにいることが、将来を左右する決断にどう影響したかということ。
犬に注ぐこと愛を原動力として、不安や悲しみにとらわれず、力強く前に進むひとびとを丁寧に心優しくとらえており、物言わぬ犬のもつ存在感をより強く、感じることができるドキュメンタリーです。
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