1980年に『2001年宇宙の旅』『時計仕掛けのオレンジ』の巨匠スタンリー・キューブリックによって映画化されたスティーヴン・キング原作の『シャイニング』。
映画自体はキューブリックの改編をキングが批判するなど揉め事もありましたが、ホラー映画としては映画史に残る傑作となりました。
最近、約25分長いバージョンの北米公開版4K ULTRA HDも発売されたこの傑作ホラーの“まさかの続編”『ドクター・スリープ』が2019年11月29日より公開されます。
- 伝説の傑作ホラー映画『シャイニング』から40年、まさかの続編
- 特別な力“シャイニング”を持つ男をユアン・マクレガーが熱演
- 上映時間2時間30分の長さを感じさせない濃密な構成。
- ローズ・ザ・ハット役のレベッカ・ファーガソンの怪演にも注目
それではさっそく『ドクター・スリープ』をネタバレしない内容で見どころをお伝えします。
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目次
『ドクター・スリープ』作品情報
作品名 | ドクター・スリープ |
公開日 | 2019年11月29日 |
上映時間 | 119分 |
監督 | マイク・フラナガン |
脚本 | アキヴァ・ゴールズマン マイク・フラナガン |
原作 | スティーヴン・キング |
出演者 | ユアン・マクレガー レベッカ・ファーガソン カイリー・カラン クリフ・カーティス カール・ランブリー エミリー・アリン・リンド ブルース・グリーンウッド |
『ドクター・スリープ』あらすじ・感想【ネタバレなし】
伝説のホラー『シャイニング』まさかの続編①
“まさか”と書きましたが…
村松 健太郎
そもそも、スティーヴン・キングはシリーズモノ以外に続編を手掛けたことがありません。
前作に当たる『シャイニング』は1977年に発表されたスティーヴン・キング3作目の長編小説を基にしたものです。
そこから約35年後、突然発表されたのが小説「ドクター・スリープ」でした。
村松 健太郎
原作小説「ドクター・スリープ」は、発表されるや否やスティーヴン・キングのファンだけでなく、ホラー小説ファンからも高い評価を受け、この年のブラム・ストーカー(=ドラキュラの作者)賞を受賞しています。
伝説のホラー『シャイニング』まさかの続編②
映画『シャイニング』は、1980年にスタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演で1980年に映画化されました。
この時、キューブリック監督は『2001年宇宙の旅』『時計仕掛けのオレンジ』などで、すでに巨匠としての地位を築いていました。
そのキューブリック監督が手掛けた映画『シャイニング』は、ホラー映画として高い評価を受けました。
しかし、その一方でスティーヴン・キングはキューブリック監督の原作改編を快く思わず、映画にも公然と厳しい批判をぶつけてました。
これだけでは気が済まなかったスティーヴン・キングは、1997年にテレビムービー版を発表。
スティーヴン・キングはこのテレビムービーでは製作総指揮兼脚本を担当し、作品全体をコントロールしました。
村松 健太郎
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閉鎖空間の『シャイニング』からアメリカ全土を舞台にした『ドクター・スリープ』へ
コロラド州・オーバールックホテルの冬季休業期間の管理人を任されたジャック・トランスがアルコール依存症に苦しみ、やがてホテルに潜む悪霊に憑りつかれ、妻子に襲い掛かるというのが『シャイニング』のあらすじです。
猛吹雪に閉ざされたホテルという、閉鎖空間で父親に襲われる子供ダニー・トランスは“シャイニング”と呼ばれる超能力の持ち主であることが分かっていきます。
『ドクター・スリープ』では中年になったダニーが主人公で、ユアン・マクレガーが演じています。
ダニーは自分の超能力と、そして父親と同じアルコール依存症悩みながらも“同じ力を持つ少女・アブラと共に全米で起きている児童連続失踪事件を追い始めます。
この失踪事件に深く関わっているのが真結族と呼ばれる謎の一団。
“シャイニング”を持つ子供たちの魂を喰らうことで、不老不死の力を保ちづけるこの一団のリーダー格のローズ・ザ・ハットを演じのるがレベッカ・ファーガソンです。
ユアン・マクレンガーの大熱演
『シャイニング』の続編の主役というなかなかのプレッシャーのある役を演じるのがユアン・マクレガー。
村松 健太郎
インディペンデント作品からメジャー大作まで様々な作品に出演してきたユアン・マクレガー。
『ドクター・スリープ』でも自身の弱さを認めながら、運命の闘いに身を投じるダニーを熱演しています。
ちなみに“ドクター・スリープ”というのは、ホスピスで最期の時を迎える人々に安らかな眠りを与えることになるダニーのニックネームから来ています。
レベッカ・ファーガソンの怪演
超能力“シャイニング”を持つ子供たちの魂を喰らい続けることで、不老不死の存在となっているのが真結族と呼ばれる謎の集団。
紀元前から存在していたことが示唆され、彼ら自身も“シャイニング”の持ち主でもあります。
この真結族の行動隊長・リーダー格のローズ・ザ・ハットを演じるのがレベッカ・ファーガソン。
村松 健太郎
レベッカ・ファーガソン演じるローズ・ザ・ハットは、千里眼を持ち全米各地の“シャイニング”を持つ子供たちを探して回ります。
ローズ・ザ・ハットに見つかった子供たちはことごとく襲われ、魂を奪われてしまいます。
長い年代に渡り全米各地で子供を襲ってきた真結族ですが、あまりにもランダムなターゲット選びのために、この児童失踪事件が連続したのも真結族によるものだと考える人はいませんでした。
ところが、今までにない“シャイニング”を持つ少女アルバが現れたことで真結族の存在が明らかになっていきます。
ニューヒロイン!カイラー・カラン登場!
ユアン・マクレガー演じるダニーや、レベッカ・ファーガソン演じるローズ・ザ・ハットと互角か、それ以上の“シャイニング”を持つ少女・アルバを演じたのが新鋭女優カイリー・カラン。
村松 健太郎
彼女を発掘したのが、マイク・フラナガン監督。
ホラージャンルを得意とする新鋭監督のフラナガン監督は、2017年にNetflix製作でスティーヴン・キング原作の『ジェラルドのゲーム』を監督しています。
このキング原作映画『ジェラルドのゲーム』で、スティーヴン・キング原作の映像化との相性の良さを見せたマイク・フラナガン監督は『ドクター・スリープ』でも見事な演出を見せています。
クライマックスはあのホテル!
全米各地で起きてきた児童連続失踪事件を追いかけてきたダニーとアルバは、ローズ・ザ・ハットたち真結族との対決を決意します。
邪悪な存在に立ち向かうためにダニーが最終決戦の場に選んだのはあの忌まわしきコロラドのオーバールックホテル!
ダニーは自身のトラウマの元凶となった因縁の場で、自分の“シャイニング”を持って生まれた運命と対面していくことになります。
ここで再現されるオーバールックホテルは少し原作よりの修正がありますが、基本的にはキューブリック監督版の『シャイニング』の風景を再現しています。
村松 健太郎
『ドクター・スリープ』まとめ
(……えますか…きこえますか… 今…皆さんの心に…特別な力…シャイニングを使って…直接…呼びかけています……遂に来週11月29日…『#ドクタースリープ』公開です…1週間後には…あの双子…浴室の老婆…237号室…呪われたホテルが…40年ぶりに…帰ってくるのです…) pic.twitter.com/MfDxzmuFaL
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) November 22, 2019
以上、ここまで映画『ドクター・スリープ』について紹介させていただきました。
- 伝説の傑作ホラー『シャイニング』のまさかの続編誕生。
- ユアン・マクレガー、レベッカ・ファーガソンなど名優の熱演に注目
- 『ジェラルドのゲーム』でスティーヴン・キング原作の映像化経験済みのマイク・フラナガン監督の名演出。
- ドラマシリーズ『キャッスルロック』に続き、スティーヴン・キングファンは思わずニヤリとさせられる小ネタの数々。
- なにより、単体の映画『ドクター・スリープ』として文句なしに楽しめる完成度の高さ。
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