『キル・ビル』『パルプ・フィクション』のクエンティン・タランティーノ監督による、ガールズ・スラッシャー映画。
ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー in グラインドハウス』とともに2本立てで公開されたアンソロジー作品です。
- 映像や音の乱れはわざとという、本格的グラインドハウス仕様
- ゾーイ・ベルの本格スタントやカート・ラッセルの怪演に注目
- 女性にこそ観てほしいとっても爽快な物語!
マルコヤマモト
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目次
『デス・プルーフ in グラインドハウス』作品情報
作品名 | デス・プルーフ in グラインドハウス |
公開日 | 2007年9月1日 |
上映時間 | 113分 |
監督 | クエンティン・タランティーノ |
脚本 | クエンティン・タランティーノ |
出演者 | カート・ラッセル ロザリオ・ドーソン ローズ・マッゴーワン シドニー・タミーア・ポワチエ ゾーイ・ベル マイケル・パークス メアリー・エリザベス・ウィンステッド ヴァネッサ・フェルリト ジョーダン・ラッド クエンティン・タランティーノ |
音楽 | メアリー・ラモス |
【ネタバレ】『デス・プルーフ in グラインドハウス』あらすじ
テキサス州オースティン編
テキサスで大人気の女性ラジオDJ、ジャングル・ジュリアは、親友のアーリーンとシャナとともに車ででかけます。
ガールズトークにひとしきり花を咲かせた彼女たちが売店に寄ると、アーリーンが怪しい車を見つけました。
真っ黒な車はアーリーンの視線に気づいたかのように、その場を去っていったのです。
友人たちとひとしきり飲んで、3人は「テキサス・チリ・パーラー」というバーへはしごをします。
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バーで再び恋人や友人と楽しい時間を過ごす3人でしたが、アーリーンは再び外に昼間見た怪しい車を見つけたのです。
その車に乗っていたのは、スタントマンのマイク。
マイクはまず、カウンターで飲んでいるアーリーンの幼馴染のパムに目をつけました。
自宅まで送ってくれる人を探しているというパムに、マイクが送り役を買って出ます。
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アーリーンに絡んで、彼女が嫌がるにも関わらずプライドを刺激したマイクは、アーリーンにセクシーなダンスを踊らせます。
それぞれが帰路につく時間になり、アーリーンたちは乗ってきた車に、パムはマイクの助手席に乗ることに。
マイクの車は通常の車と違い、スタントマンが専用に乗るための「対死仕様」(デス・プルーフ)になっているというのです。
さらに、ボンネットにはドクロのイラスト、助手席はクラッシュボックスと言われるガラス張りのスペースになっていました。
マイクはパムを助手席に乗せたまま、猛スピードでアーリーンたちの車を追いかけ始めます。
乱暴すぎる運転に、打ち付けられるパムは助けを請いますがマイクは聞く耳を持ちません。
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パムは助手席で命を落とし、マイクはアーリーンたちの運転する車にターゲットを変え、猛スピードで追い越します。
そして、道路を逆走しアーリーンたちの車とクラッシュ!
デス・プルーフを施しているマイクは多少の怪我で済みましたが、とてつもないパワーで激突されたアーリーンたちは全員即死でした…。
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テキサス州レバノン編
凄惨な自動車事故から14ヶ月後、テキサス州レバノンにやってきたアバナシー、スタントウーマンのキム、女優のリーはオーストラリアからやってきたスタントウーマンのゾーイと合流します。
4人は車の中でガールズトークで盛り上がります。
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4人がドライブの途中で売店に寄ったところで、再びマイクが現れゾーイたちに目をつけます。
スタントウーマンのゾーイはオーストラリア出身で、アメリカでのやりたいことの1つに「440エンジンのダッチチャレンジャーに乗ること」を候補に上げていました。
さらに、事前に情報を調べていたゾーイは、目当ての車が売りに出されていることもリサーチ済みで、ほかの3人を誘って車の主である農夫にかけあって試乗させてもらおうと提案します。
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しかし、良からぬことを考えているゾーイに気づいたキムは、試乗を反対しました。
なんとかキムを説得して試乗にこぎつけるも、今度はメイク係のアバナシーが一緒につれて行けとごねるのです。
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そして、ゾーイはベルトをロープ代わりにしてボンネットに乗り、そのままの姿で高速道路を走り出したのです!
その様子を遠目から見ていたスタントマン・マイクは、さっそく彼女たちの車を追いかけ始めます。
後ろからぶつかられましたが、ゾーイは落ちることなくマイクの攻撃をなんとか交わして逃げ切ります。
「君たちは最高だったよ!」と言って去って行こうとするマイクの肩を、キムがとっさに銃で打ち抜きます。
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「あいつぶっ殺してやる…!」と言って3人は去っていくマイクの車を猛スピードで追いかけ、追い詰めていくのです。
まさかの展開にマイクも驚愕し、自分が追い詰められる恐怖を隠しきれません。
ついに追い詰められたマイクの車は横転。
3人が中でもがいているマイクを引きずり出し、気持ちいいくらいにボコボコにします。
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最後、ゾーイが回し蹴りを食らわせてマイクがダウン、アバナシーが踵落としを食らわせて3人は勝利の雄叫びを上げました。
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『デス・プルーフ in グラインドハウス』感想:前半ハラハラ後半爽快!最後まで見るべし
タランティーノ節復活の爽快スラッシャー・アクション!
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前半はクエンティン・タランティーノ監督特有の「意味のない話を延々と続ける」という演出も復活し、少々間延びする感じもあったのですが、後半はスピード感が倍増!
前半は、カート・ラッセル扮するスタントマン・マイクが徹底的に女性たちを追い詰めるスラッシャー・ムービー。
こちらではカート・ラッセルの狂気が前面に描かれており、ホラームービーの側面も持ち合わせています。
後半は、逆に女性たちの怒りが爆発し、スタントマン・マイクが徹底的にボコボコにされるバイオレンス・ムービー。
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特にゾーイたちがスタントマン・マイクを追い詰め始めてからのカーアクションは最高。
ゾーイ・ベルが、車のボンネットに貼り付けられたまま猛スピードで走る&ぶつかり合う様にハラハラが止まりません。
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あの突如終わるエンディングも、香港映画『酔拳』のエンディングを彷彿させるものがありました。
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そもそも「グラインドハウス」とは
タイトルにも付いている「グラインドハウス」とは、1960~70年代にアメリカに数多くあったB級映画を2~3本立てで上映する映画館のこと。
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『デス・プルーフ in グラインドハウス』と『プラネット・テラー in グラインドハウス』の監督を務めたクエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスが、少年時代にグラインドハウスに入り浸っていたからこそできた企画。
アメリカでは、上記2作品が監督たちの企画どおり、予告編を挟んだ2本立てで公開されましたが、日本ではこの興業スタイルがハマらないため、分けて公開・上映されました。
タランティーノ監督とロドリゲス監督は親友同士ですが、2人の違った作風に注目です。
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- 『マチェーテ』ロバート・ロドリゲス監督
- 『ナチ親衛隊の狼女』ロブ・ゾンビ監督
- 『Don’t / ドント』エドガー・ライト監督
- 『感謝祭』イーライ・ロス監督
- 『ホーボー・ウィズ・ショットガン』ジェイソン・アイズナー監督
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もともとはフェイク予告でしたが、『マチェーテ』と『ホーボー・ウィズ・ショットガン』がリアル長編映画として製作が決定するという奇跡も起こります!
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予告編から映像・音楽・何から何まで徹底的に本気でやった、タランティーノ監督とロドリゲス監督の名コンビぶりが存分に発揮された企画なのでした。
爽快!ゾーイ・ベルの「アクションつなぎ」に豪華女優たちが参戦!
新型コロナウイルスにより外出自粛が余儀なくされるなか、ゾーイ・ベルの呼びかけでハリウッドを代表する女優やスタントウーマンたちが大集結した豪華映像です。
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ゾーイ・ベルを始め、ロザリオ・ドーソンが今作ラストのキックを決めたり、クエンティン・タランティーノ監督作品『キル・ビル』に登場するダリル・ハンナの演出にはファンは超歓喜!
他にも、フローレンス・ピュー、スカーレット・ヨハンソン、ゾーイ・サルダナに加えて『ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』のマーゴット・ロビーまで登場し、バットを振り回す始末。
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SNSでのみんなの感想・評判
ちょうどWOWOWでタランティーノの『デス・プルーフ』やっててメアリー・エリザベス・ウィンステッド観たら一瞬で元気になった
この美しさとかわいさの奇跡の共存を見よ! pic.twitter.com/RAvXAUMaet— 隣のリバ吉 (@koabsgls) May 12, 2020
デス・プルーフinグラインドハウス
車を使った殺人鬼と追いかけっこするだけの映画
なのになんでこんなにCOOLなの!
70~80年代を意識であろう車、ファッション、音楽、画面処理どれをとっても最高過ぎる
カート・ラッセルの演じる殺人鬼の変態性もたまらん
そしてラストも生々しいw
オススメ pic.twitter.com/wxlhjznfkh— 鬼童丸 常闇の語り部 (@Mad8068) May 10, 2020
『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007・米)
70年代から80年代のB級ホラーにオマージュを捧げたエキセントリック・ムービー淫らな会話にダンス、圧巻のカーアクションに唸る。B級に拘った粋な演出、破天荒な展開、全て一級品。型破り、爽快な女の咆哮を観る。pic.twitter.com/HZDca8aprf
— 1日1本オススメ映画を紹介するbot (@onedaymovie_bot) May 9, 2020
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正直、女子たちの会話は同性の私でも疲れちゃうくらいなのですが、それがクエンティン・タランティーノ監督作品の醍醐味ということで…。
グラインドハウス的演出だけでなく、70年~80年代のファッション、車、楽曲にもオマージュを捧げた、ちょいレトロな演出がファンの心をぐっと掴みました。
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『デス・プルーフ in グラインドハウス』まとめ:タランティーノのB級映画愛溢れる作品
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- タランティーノ監督節炸裂!B級映画愛に溢れた作品だった
- 前後半の雰囲気が全く違うので2度楽しめる&女子たちがカワイイ
- 後半、ゾーイ・ベルの体を張ったスタントに痺れまくる!
クエンティン・タランティーノ監督自身のルーツにもなっている「グラインドハウス」の雰囲気がたっぷり楽しめる作品でした。
あえて施している音や映像の乱れなどの演出は、意外と気にせず見れてしまい、むしろカッコイイとすら思ってしまうほど。
圧巻のカーアクションからの殺人鬼に待ち受けるどんでん返しの結末は、溜まりまくってるストレスを発散したい時におすすめ!
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