『サイダーのように言葉が湧き上がる』あらすじ・感想・声優情報まとめ!新星・市川染五郎×杉咲花共演の青春映画!

『サイダーのように言葉が湧き上がる』あらすじ・感想・声優情報まとめ!新星・市川染五郎×杉咲花共演の青春映画!

出典:『サイダーのように言葉が湧き上がる』公式ページ

それぞれコンプレックスを抱える、少年と少女のひと夏の出逢いと恋を、音楽と俳句を絡めて描く爽やかな長編アニメーション。

歌舞伎界の新星・市川染五郎が襲名後初めて歌舞伎以外の仕事として、今作の主人公“チェリー”の声優業を選びました。

相手役の“スマイル”のボイスキャストに杉咲花。

この2人を人気・実績ともに十分な潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一といった声優陣が支えます。

『四月は君の嘘』『クジラの子らは砂上に歌う』などを手掛けるイシグロキョウヘイ監督の初のオリジナル作品で、アニメーションの劇伴やアニソン制作において第一線を走り続ける音楽レーベル・フライングドッグ10周年記念作品でもあります。

音楽を『聲の形』の牛尾憲輔が手掛けるほか、Never young beachや大貫妙子ら豪華アーティストが参加しているのも話題です。

村松 健太郎

今回、一足先にマスコミ試写で作品を見る機会がありましたので、『サイダーのように言葉が湧き上がる』の作品紹介&レビューとしてまとめていきたいと思います。完全オリジナルストーリーと言うこともあってネタバレはありません。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』作品情報

『サイダーのように言葉が湧き上がる』

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

作品名 サイダーのように言葉が湧き上がる
公開日 近日公開予定
上映時間 87分
監督 イシグロキョウヘイ
企画・脚本 イシグロキョウヘイ
原作 フライングドッグ
出演者 市川染五郎
杉咲花
潘めぐみ
花江夏樹
梅原裕一郎
中島愛
諸星すみれ
神谷浩史
坂本真綾
山寺宏一
音楽 牛尾憲輔
主題歌 never young beach「サイダーのように言葉が湧き上がる」
劇中歌 大貫妙子「YAMAZAKURA」

『サイダーのように言葉が湧き上がる』あらすじ【ネタバレなし】


コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつも音楽の流れていないヘッドホンを着用している少年・チェリー。

彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せて、ネットに呟いています。

矯正中のために大きな矯正具が装着された前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル。

人気動画サイトの主催者の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していました。

俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、地元のショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていくようになります。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

ある日2人は、チェリーのバイト先のデイケアセンター“陽だまり”で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれます。

2人はそれを自分たちで見つけようと決意、フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていきます。

友人のビーバーやジャパン、フジヤマの孫のタフボーイらの協力を得て、ついにレコードを発見します。

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

しかし、スマイルの不注意から、思わぬトラブルが発生、2人の想いはすれ違っていきます。

さらに、元々決まっていたチェリーの引っ越しの日が迫ってきます。

地元で50回以上の歴史を誇る夏祭りと花火大会が迫るなか、もう一度、2人の心は寄り添うことができるのか…?

『サイダーのように言葉が湧き上がる』感想

注目の主演・市川染五郎と杉咲花

アニソンや劇判を多く手掛けてきたフライングドッグのメモリアル作品ということで、言葉や音楽を大事にした作品になっています。

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

主役のチェリーの声に市川染五郎、染五郎というとなんとなくお父さんである今の幸四郎のイメージが強いですが、2018年の三大同時襲名で8代目染五郎を襲名した15歳の新星です。

その前に一度NHKのドラマに出た以外には過去に非歌舞伎のジャンルに進出したことがないので、世間的にはまだまだ印象が薄い存在かもしれません。

そんな、15歳の当代市川染五郎をボイスキャストに抜擢したイシグロキョウヘイ監督の着眼点には驚かされます。

市川染五郎の舞台を見て、この声がチェリーの声だ!と確信して、自ら手紙をしたためたということですが、思わぬ逸材を見つけてきたなと言う感じがします。

村松 健太郎

市川染五郎はまだ15歳と言うことで、これから多ジャンルにどんどん出てくることになると思いますが、その第一歩がこの『サイダーのように言葉が湧き上がる』というのは後々、“よくこのタイミングでこの存在を見つけてきたな”と評価されることになるでしょう。

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

スマイル役の杉咲花は『思い出のマーニー』や主役を務めた『メアリと魔女の花』などで、声優としても確かな演技を見せていましたが、今回のスマイル役も巧みに受けの側に回っています。

共演の声優陣は改めて言うまでもなく、安定の存在感で主人公を支えてくれています。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』と音楽

音楽レーベルのフライングドッグの10周年記念作品と言うこともあって、音楽も映画の中で大きな役割を果たしています。

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

ここへきてシティ・ポップ・ミュージックが再ブームになっています。

サカナクションがシティ・ポップにオマージュを捧げた「忘れられないの」も話題になりましたね。


本作『サイダーのように言葉が湧き上がる』で劇中歌「YAMAZAKURA」が起用された大貫妙子はシティ・ポップの第一人者である山下達郎と組んだシュガー・ベイブでデビュー、その後ソロになってからも、変わらぬ世界観を保ち続けています。

村松 健太郎

そんな彼女の持つ普遍性は映画の土台として、世代の橋渡し役として物語を支えてくれています。

映画は地方都市を舞台にしているのですが、再開発作によって誕生したショッピングモールが大きな舞台になっています。

周囲を見渡せばのどかな田園風景と大きな青空が広がるのですが、“地方の中に、出現した人工の都市”であるショッピングモールはどこか異世界を感じさせ、そこが重要な舞台になっている映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』には大貫妙子のシティ・ポップ・ミュージックが不思議なくらいにはまります。

『サイダーのように言葉が湧き上がる』まとめ

『サイダーのように言葉が湧き上がる』

(C)2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会

本来2020年5月公開でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大によって公開が延期になってしまいました。

村松 健太郎

それでも『サイダーのように言葉が湧き上がる』の物語が夏を感じさせるものなので、夏場の公開の方がぴったりのような気もします。禍を転じて福と為すではありませんが、上手いほうに話が進めばいいですね。