『チェルノブイリ』第4話で一番印象に残ったのは“人生でもっとも重要な90秒”や“地球上でもっとも危険な場所”、それに“バイオロボット”という恐ろしくてとても悲しい言葉です。
レガソフとボリスは爆発した原子炉を覆う建造物を造り、放射線の被害を食い止めようとしますが、危険すぎる放射線量が放たれているため作業が不可能な状態に。
そこで他国の力を借りて、放射線に耐えうるロボットを使用し、屋根の黒鉛を取り除く作戦を立てますが…。
YUKI
それでは、『チェルノブイリ』第4話もネタバレありでレビューしていきたいと思います!
目次
海外ドラマ『チェルノブイリ』前回第3話のあらすじと振り返り
ワシリーを追いかけモスクワの第6病院まで向かったリュドミラはワシリーと再会します。
しかし、回復の兆しが見えていたはずのワシリーはその夜急変し、最後には帰らぬ人となってしまうのでした。
一方、4号炉のタンクの水の排水は無事終了し、他3炉の爆発を防ぐことに成功します。
ですが、原子炉のメルトダウンが始まり、喜ぶ間もなくその後の対応に追われるレガソフとボリス。
一方ホミュックは今回の事故がなぜ起きたのか探るため、モスクワ第6病院へ向かい、ディアトロフ、アキーモフ、トプトゥーノフから話を聞きます。
事故当時に制御室にいたアキーモフとトプトゥーノフは「爆発の直前にAZ-5ボタンを押した」と口をそろえて証言しますが、AZ-5ボタンを押した後に爆発をしたことが信じられないホミュック。
AZ-5ボタンとは?
事故の真相は解明されるのでしょうか?
【ネタバレ】海外ドラマ『チェルノブイリ』第4話あらすじ・感想
黒鉛の除去作業
第4話では事故処理の対応が佳境になっていき、中でもチェルノブイリ原発の事故で爆発した黒鉛の欠片の除去作業が一番の大仕事。
原子炉を覆ってしまえば済む話ですが、今は放射線量がスゴすぎて誰も近づくことができないからです。
そこで黒鉛の欠片が散らばっている屋根を危険度別に3ブロックに分けて除去作業をすることに。
1つ目のブロック“カチャ”は、毎時1,000レントゲンの放射線が放たれる区域。
毎時1,000レントゲンの威力は、人が2時間いたら致死量になってしまうほどです。
2つめの“ニナ”は、カチャの倍の毎時2,000レントゲンの放射線を放ち、1時間で致死量を浴びてしまう区域です。
そして3つめの1番大きな区画“マーシャ”は毎時12,000レントゲンを放つ超・危険区域!
2分で寿命が半分になり、3分入れば余命数ヶ月に。
マーシャでは電気のスイッチ以上に複雑な機械は全て破壊されてしまうので、除去作業にロボットや無人ローバーを使うことができない、現在“地球上でもっとも危険な場所”。
レガソフは「絶対に屋根で人を使ってはならない」と言っていましたが…ロボットが使えないとなるとじゃあどうするの!?
「ロボットは壊れてしまう」のは、あくまで「ソ連が保有するロボットは」という意味で、もっと技術が進んだアメリカなどの国のロボットではこの放射線に耐えれるものもあるようですが、ソ連はアメリカに助けを求めるのが嫌。
YUKI
無人ローバーでの試験的な除去作業がカチャで成功した時、レガソフが笑っていて。ボリスは「何だその顔は…笑顔か?」と嬉しそうにふたりはハグするんです。
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しかし、一番危険区域のマーシャでの除去作業にドイツからロボットを借りることになったのですが…このロボットは速攻で壊れてしまいます。
その理由は何とも馬鹿らしくてめちゃくちゃ腹立つ理由で…ソ連は他国にチェルノブイリ原発の被害は大したことないと思わせたくて「放射線量は最高で2,000レントゲン」と嘘をついてロボットを借りていたんです!
それを12,000レントゲンの場所で使ったから一瞬で壊れてしまった、という。
ボリスが「ゴルバチョフのクソ野郎!」と言って電話をブッ壊しちゃいました。
はじめは他と同じくゴルバチョフ政権の犬といった描かれ方をしたボリスですが、チェルノブイリですっかり変わりましたね。
人生でもっとも重要な90秒
こうして、マーシャ区域でロボットを使った除去作業は失敗。
しかし、何か手は打たなくちゃいけなくて…レガソフが「わが国にはバイオロボットがいる」とボソリ。
バイオロボットとは…人間ですね。
命じられたことを疑問も持たずに行えるそんな国の方針を皮肉り、人民を“ロボット”だなんて悲しすぎる。
そしてこの“人生でもっとも重要な90秒”作戦が始まります。
この90秒とは、前にレガソフが述べたマーシャ内の放射線量では「2分で寿命が半分、3分で致死量」から設定された時間だと思いますが、これって…。
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で、この作戦の90秒を体感するかのように初めから終わりまで見せるシーンがあって、試しに時間を計ってみたらぴったり90秒でした。
兵士の緊張や恐怖がひしひしと伝わる90秒。
言葉は一切なく、放射能測定器の「ジジジジ…」という不気味な音が小さくなったり大きくなったり、手に汗握って息止めて見守りました。
そして90秒の終わりを知らせる合図が鳴ると走って戻るんですが、一人の兵士がつまづいて転んでしまって、それで慌ててまた起き上がったら次の水溜りでまた転んで…この兵士が戻ったのがちょうど3分後だったんですよね。
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この作業を行ったのは3,828名で、大半が若者だったそうです。
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動物駆除
第4話では、屋根の黒鉛除去作業の他にも、悲惨な事故対応が描かれます。
その中のひとつである動物駆除は、本当に見ていられなかったです。
人手不足のため、兵士や消防士以外にも一般市民が事故処理に参加することになったそうですが、この動物駆除チームに入ったのは、まだ幼さの残るどう見ても10代のパペルという青年だったので、胸が苦しくなりました。
避難していった住民たちが置いて行かざるをえなくなった飼い犬や、家畜たちが駆除の対象となるんですが、「元は人間に飼われていたので駆除は簡単」という会話がありました。
お腹が空いて…人恋しくて…駆け寄ってくる犬を撃ち殺さなくてはいけないなんて、犬もモチロンだけどやる方も可哀想すぎますね。
パペルが犬を一発で撃ち損じてしまって、犬に近寄ると不思議でとても悲しそうな眼を見てしまって、撃てなくなってしまって。
先輩が「苦しませるなって言っただろ」と怒り、パペルに変わりその犬を…というシーンなんてもう…。
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パペルたち以外にも、土を埋めたり、街中の汚染除去をしたり…『チェルノブイリ』のカバー画の一枚は第4話での事故対応の写真だったんですね。
破り取られた2ページ
ホミュックはひとり事故の原因を探し続け奔走していましたが…。
第4話で見つけた、ソ連が所蔵していた1976年の『極限状況においてのRBMK炉の運転について』の論文が答えに辿り着くカギのようです。
1976年ということは、原発事故が起こったのが1986年なのでちょうど10年前の論文ということになりますが、そこには、AZ-5についての重大な欠陥について述べられたページが2ページ分切り取られていました。
10年も前に書かれたこの論文の内容はレガソフも知っていた内容だったそうですが…RBMK炉の不具合を政府に警告したにも関わらずまたしても“ソビエトの原子力技術は最高峰でなければならない”という理由でその訴えは無視され続けてしまったのでした。
それであれば、ディアトロフらが危険な状態であるにもかかわらず無理矢理でも運転を続行させた理由は、「AZ-5ボタンが有効である」と絶対的に信じていたからではないでしょうか。
「最悪の事態が起こる前にAZ-5ボタンを押せば良い」
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ホミュックも、職員について「呆れるほど無能」と判断していますが、それでも「爆発の責任はなかったかも知れない」と語っていましたし…。
ソ連にはチェルノブイリ原発以外にも16基のRBMK炉が稼働している状態。
レガソフはウィーンの国際原子力機関で事故の報告をする、とのことですが、真実を述べよというホミュックと、それは無謀と止めるボリス。
「この国は子供が親の犠牲になる国だ」とホミュックが言っていました。
リュドミラの赤ちゃんは、生まれて4時間しか生きられなかったようです。「母の代わりに放射線を吸収した」という表現が使われていました。
似てる!?似てない!?『チェルノブイリ』登場人物と本人を比較してみた!
余談ですが、『チェルノブイリ』で描かれている人は実在の人物によくにた配役がされていることでも話題になっていたので、ちょっと調べてみました。
ジャレッド・ハリス演じる本作の主人公ヴァレリー・レガソフ博士。
ご本人はチェーンスモーカーだったんでしょうね。レガソフ博士がタバコを吸うシーンがとても多いです。
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そして、夫ワシリーが被ばくした、本作の一般市民代表的存在リュドミラ・イグナテンコ。
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アナトリー・ディアトロフ。
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ボリス・シチェルビナ。
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ボリス演じるステラン・スカルスガルドはイケメン一家の長で有名ですね~。
「世界でもっともハンサムな顔」常連で、『ビッグ・リトル・ライズ』でDV夫を演じたアレクサンダー・スカルスガルドや、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の最恐ピエロを演じたビル・スカルスガルドも彼の息子。
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海外ドラマ『チェルノブイリ』第4話あらすじ・ネタバレ感想まとめ
胸が締め付けられすぎて、ヒィヒィ言いながら見た回でした。
しかし「恐い」とか「悲しい」とかそんな感情だけでなく、なんだか人間って頼もしいな~とジーンときた回でもありました。
「目に見えない未来のために自らの命を懸ける」そんなこと苦悩をしながらも皆ちゃんと選択してる。
自分の子供や孫その子供その先もずっと…自分が死んでから生まれる命を大切にできる人間ってなんて素敵で丈夫なんでしょうか~!
YUKI
何の罪もない…ってそれは人間もそうなんですが。
事故対応だけでなく、国民の未来まで背負って、レガソフは真実を述べるのでしょうか…。
第5話の最終回を見守りたいと思います。
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