『BEASTARS』第8話もまた、種族特性と性別が絡み合った人間関係が見事なアニメーションと演出で描かれています。
3DCGだと作画崩壊があり得ないのが良いですね。
物語面では、ハルの内面が知れたのが良かったです。ますます好きになりました。
あと、ラストのジュノの「ええええ、そんなあ」が面白かったです(笑)
目次
『BEASTARS』前回第7話のあらすじと振り返り
医者パンダのゴウヒンから、ハルへの想いを「狩猟本能が歪んだもの」と言われていたレゴシは、自分の想いを疑うようになっていきます。
そんなある日、同じハイイロオオカミでアイドル的な雰囲気を持つジュノから好意を向けられますが、レゴシは気づきませんでした。
悶々とした気持ちで迎えた隕石祭の準備。
そこで、ルイとハルの親密な関係を目撃したレゴシは湧き上がる嫉妬心からハルへの恋をしっかりと自覚しました。
【ネタバレ】『BEASTARS』第8話あらすじ・感想
送りオオカミ
肉食獣による食殺事件が多発している街。
隕石際の準備で遅くなったハルに、レゴシは「一緒に帰ろう」と提案します。
ハイイロオオカミがウサギを送る。
SU_BU
緊張から血走った目で提案するレゴシと戸惑うハルも面白かったです。
ハルの内面
ウサギなんて、ほとんどの肉食獣にとって捕食対象。
そのウサギが知性を持ったなら、ハルのように簡単に体を許すようになってしまうのも自然なのかもしれません。
「常に死と隣り合わせの動物の気持ちなんて知りもしないくせに」
「誰かに愛されることもないまま肉食に食い殺されるかもしれない」
ハルのこの言葉を聞くと「生存本能」「種の保存」などの言葉が脳裏をよぎり、納得してしまいます。
SU_BU
他のウサギたちがハルの奔放さを疎ましく思っているようなので、種族としての特性があるにしても、ハル自身の個性や思想も強いのだとは思います。
ハルは、レゴシに「簡単に自分を差し出すのはやめろ」と指摘されて腹を立てました。
怒るということは、ハルにも多少は後ろめたい気持ちがあるのでしょう。
この辺に、人間のような知性と社会性、倫理観を持った動物という複雑さが垣間見えます。
SU_BU
「お礼なんていいからもっと楽しそうにしてよ、はい、ニコッ」のシーンはとても微笑ましくて、ニヤニヤしちゃいました。
ジュノの変化
急にジュノの裏側が出てきましたね。
健気に頑張る元気で明るい可愛いヒロインとしてみんなをまとめながら、ルイと二人きりになるとルイを押し倒して「次のビースターは私です」と宣戦布告しました。
自分が可愛いことを自覚して、それを武器に欲しいものを手に入れる決意をした。
SU_BU
おそらくはレゴシに袖にされた後からだと思いますが、ジュノが変わる瞬間のエピソードも見てみたかったですね。
レゴシの秘密
「あなたとつるんでいるときは死と隣り合わせなんかじゃないよ」
ハルの信頼がレゴシに突き刺さります。
第1話で、本能に任せてハルを襲ってしまったレゴシ。
そのことを打ち明けた時、ハルとの関係が終わることを覚悟しました。
このことを打ち明けなければ、当然恋人関係にはなれないですし、打ち明けたなら友達関係すらも終わってしまう。
SU_BU
草食獣を守る肉食獣
野外で隕石際の準備中、突然の停電。
暗闇の中、草食獣の仲間を守る肉食獣の姿が印象的でした。
SU_BU
暗闇の中、嗅覚を頼りにハルを探すレゴシ。
駆けつけたレゴシに怯えたハルが掛けた言葉は「ルイ、来てくれたのね」。
SU_BU
そして、そのハルと仲良くしているレゴシを見てショックを受けるジュノ。
この世界では、草食獣に肉食獣が恋をするのはどうやら変態趣味らしいので、そりゃあもうショックでしょうね(笑)
『BEASTARS』第8話まとめ
【第8話がフジテレビ「+Ultra」にて放送中!】
ハルを好きだと確信したレゴシ。しかし隕石祭の会場からハルと二匹で帰る道すがら、「常に死と隣り合わせの動物の気持ちなんて、知りもしないくせに」と突き放されてしまう。#bstanime pic.twitter.com/30rEK2UNhP— TVアニメ「BEASTARS〈ビースターズ〉」 (@bst_anime) November 27, 2019
- 分かり合えない肉食獣と草食獣
- 誰とでも身体を重ねるハルの気持ち
- ジュノの変化
- 犯してしまった罪と重ねる沈黙
今回のサブタイトル「犬歯に糸ようじひっかけるように」。
いつ切れてもおかしくない。
つまり、秘密を抱えたレゴシとハルの関係がいつ切れてもおかしくない、ということでしょう。
個人的には、前に進みたいのなら一度切って結び直すしかないと思いますけどね。
▼次回第9話も続けて読む▼