映画『茜色に焼かれる』監督・共演者が語る、女優・尾野真千子の魅力とは

映画『茜色に焼かれる』監督・共演者が語る、女優・尾野真千子の魅力とは

©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

今の世相に正面から対峙し、もがきながらも懸命に生きようとする「母の生き方」を捉えた圧倒的な愛と希望の物語『茜色に焼かれる』が5月21日(金)より全国公開となります。

この度、監督、共演者が主演・尾野真千子の魅力について語るコメントが到着しました。

映画『茜色に焼かれる』概要

この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりがあふれています。

まさに弱者ほど生きにくいこの時代に翻弄されている一組の母子がいました。

哀しみと怒りを心に秘めながらも、わが子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。

その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。

果たして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

もがきながらも懸命に生きようとするその勇気と美しさに、きっと誰もが心を揺さぶられ涙する。

社会のゆがみがいよいよ表面化している現代なればこそ生まれ得た、激しくも深い魂の軌跡。

これは、あなた自身の現実、今日を生きる私たち自身の物語。

あえてまさに今の世相に正面から対峙することで、人間の内面に鋭く向き合ったのは、『舟を編む』(13)、『ぼくたちの家族』(14)、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17)など、毎年のように質の高い作品で今や日本映画界を牽引する石井裕也監督。

多難の時代に逆風を受けながらも自身の信念の中でたくましく生きる母親・田中良子を演じるのは、尾野真千子。

2020年は『ヤクザと家族 The Family』『明日の食卓』と出演作の公開が続く、実力派女優の尾野が厳しい社会を生き抜く母親を驚くべき存在感で体現。

尾野の新たな代表作の誕生となりました。

13歳の息子・純平を演じるのは『ミックス。』(17)でも存在感を出した次世代の注目株・和田庵。

その純平が憧れを抱く良子の同僚・ケイには『あの頃。』(21)の新進女優・片山友希、そして、交通事故で命を落とす夫・陽一をオダギリジョー、良子とケイを見守る風俗店の店長を永瀬正敏が演じ、それぞれ確かな人間力を見せてくれます。

映画『茜色に焼かれる』監督・共演者が語る、女優・尾野真千子の魅力

『茜色に焼かれる』

©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ

本作で主人公・田中良子を演じた尾野真千子について、石井裕也監督は「田中良子役には尾野真千子さんしか考えられませんでした。芝居を本気でやることの崇高さ、俳優がうなされるほど考えて見せる芝居の熱量、その素晴らしさ。たとえば、普段の会話のときよりも、夢中になって芝居をしている尾野さんに僕は「尾野真千子」を感じます。その芝居に真実が見えてくる。誠実にお芝居をしている人の姿は「祈り」のように見えるときがあります。こちらが引くくらいに演じる役を信じようとする。尾野さんのそんな姿は、僕にとってはそのまま希望につながるものでした」と、その演技にかける想いの強さを絶賛しました。

息子・純平役を演じた和田庵は、「撮影前、尾野さんには怖い人というイメージがあったけれど、実際はそんなことはなくて優しくて明るくて面白い人でした。本当の親子のように接してくださって、僕も自然に演技ができました」と感謝の意を示します。

良子の同僚ケイ役を演じた片山友希は「撮影中は尾野さんの明るさには救われました。すごく包容力のある方で、共演のプレッシャーみたいなものを全然、感じさせないんです。きっと尾野さんは私ができるまで待ってくれたんだと思います。すごくありがたかったです。尾野さん、メチャクチャかっこいいです。尾野さんみたいになりたい」と尊敬の念を語りました。

交通事故で命を落とす夫・陽一役を演じたオダギリジョーは「もし陽一の存在が作品を通じて強く感じられているとしたら、それは尾野さんの表現力のおかげです。当たり前のことですが、それはもう尾野さんの底力ですし、そのすごさ、ですね」と、その演技力に感謝を述べました。

風俗店の店長・中村役を演じた永瀬正敏は「尾野さんはいろんなものに立ち向かっていました。それでいて、現場ではみんなを包み込んでいた。良子さんのように「まあ頑張りましょう」という感じで現場をハグされていましたね。コロナ禍という特別な状況下で作品を作っているという部分を含めて、とても見事で立派な主演の姿だったと思います。時に明るく、時に締めて。この作品をちゃんと背負っている感じがありました」と褒め称えました。

映画『茜色に焼かれる』作品情報

出演:尾野真千子、和田庵、片山友希、大塚ヒロタ、芹澤興人、笠原秀幸、泉澤祐希、前田勝、コージ・トクダ、前田亜季、鶴見辰吾、嶋田久作、オダギリジョー、永瀬正敏
監督・脚本・編集:石井裕也
製作:五老剛、竹内力
ゼネラルプロデューサー:河村光庸
エグゼクティブプロデューサー:飯田雅裕
プロデューサー:永井拓郎、神保友香
共同プロデューサー:中島裕作、徳原重之、長井龍
『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ:朝日新聞社、RIKIプロジェクト
製作幹事:朝日新聞社
制作プロダクション:RIKIプロジェクト
配給:フィルムランド、朝日新聞社、スターサンズ
主題歌「ハートビート」/ GOING UNDER GROUND(ビクターエンタテインメント)
2021年/日本/144分/カラー/シネマスコープ/5.1ch R-15+
公式サイトakaneiro_movie.com

あらすじ

悪い冗談みたいなことばかり起きるこの世界で母ちゃんも、僕も、生きて、生きる。

1組の母と息子がいる。

7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子。

彼女は昔演劇をやっていた経験があり、お芝居が上手だ。

中学生の息子・純平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設入所している義父の面倒もみている。

経営していたカフェはコロナ禍で破綻。

花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。

数年振りに会った同級生にはふられた。

社会的弱者―それがなんだというのだ。

そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだからー。

はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

映画『茜色に焼かれる』は5月21日(金)より全国公開。

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