『平日午後3時の恋人たち』は、日本では「社会現象」にまでなり、ドラマから映画化され、完結した『昼顔 平日午後3時の恋人たち』の韓国リメイク版です。
日本版では「ザ・不倫」ドラマとして、内容も割と激しい感じになっているようですが、韓国版は全く違い、同じ「不倫」を扱っていても、大人の淡くそして止められない「恋心」が美しく描かれています。
4人の男女が繰り広げる恋愛の行方は!?
さっそく韓国ドラマ『平日午後3時の恋人たち』をネタバレありでレビューしたいと思います。
目次
韓国ドラマ『平日午後3時の恋人たち』キャスト・相関図
パク・ハソン / 役:ソン・ジウン
- スーパーで働くパートの従業員
- 公務員である夫と2人暮らしで子どもはいない
- 夫の溺愛する小鳥のお世話と義母の過干渉に疲れる毎日
- 不倫妻スアと生物教師ジョンウに会い、人生が変わっていく
イ・サンヨプ / 役:ユン・ジョンウ
- 生物学専門でアメリカに留学し博士号を目指していた
- 妻であり博士号取得者のミニョンとは留学先で会い結婚するも…
- 愛していない妻への気持ちの隙間に入ってきたジウンに一目ぼれする
イ・ジウォン / 役:チェ・スア
- 大手出版社の社長夫人で2人の娘の母
- 家族を顧みない夫へのストレスを、平日は”昼顔妻”として発散している
- 夫の仕事の関係で、画家ハユンに出会い恋にはまっていく
- 長女アジンに「不倫」がばれているとは気づいていない
チョ・ドンヒョク / 役:ト・ハユン
- 美術画廊館長の元妻と離婚をした変わり者の画家
- 仕事の関係で出会ったスアに心揺らいでしまう
- 時折元妻が訪れるのは気に入らない
リュ・アベル / 役:ノ・ミニョン
- ジョンウの妻で、アメリカで博士号を取得
- ジョンウの不倫相手ジウンは、高校の時の同級生
【ネタバレ】韓国ドラマ『平日午後3時の恋人たち』あらすじ・感想
それぞれの「顔」
学生時代、小説家を目指していたジウンは、今はスーパーで働く平凡なパート主婦。
公務員の夫チャングクの転勤もあり、新たに越してきた小さな街で2人暮らしをしています。
子どもはいないのに、なぜかチャングクはジウンを「ママ」と言うのです。
それは、彼が溺愛している2羽の小鳥、サラン(愛)とミドゥム(信頼)のママと言う意味。
本当の子どもが欲しいと思っているジウンは、小鳥の溺愛っぷりと子どもを欲しがらないチャングクにかなり愛想をつかし始めていました。
そしてもう一つ彼女をうんざりさせるのは、時折訪れるチャングクの母エジャの存在。
エジャの初孫に対する期待が大きく、いつもプレッシャーになっていたのです。
高校で生物の教師をしているユン・ジョンウは、元々は生物学の研究を専門としていました。
博士号まで目指していたのですが、誠実に見える反面自分の思うことをハッキリ言う性分なため、研究室にはいられなくなってしまい、行きついた先が「生物の先生」だったのです。
かつて博士号取得のためアメリカに渡っていたジョンウは、同じく生物専攻の女性ノ・ミニョンと出会い、アメリカで結婚、そして韓国に一時的に戻ってきています。
一方、ジウンの近所の大豪邸に住んでいる奥様スアは、大手出版社の社長夫人で中学生と幼稚園の娘2人の良き母として生活しています。
スアは、スタイルもバツグンで、男性だけでなく、近所の奥様たちの憧れの的でした。
ある日ジウンは勤務するスーパーの倉庫裏で、従業員と不貞をしているスアを見かけてしまうのです。
それを見て、「自分には関係ない」と思うも、なぜかドキドキしてしまうジウン。
憧れの良妻スアの不貞を目撃したことにより、ここからジウンの人生が一転することが起こるのです。
それぞれの「出会い」と「人生の一転」
スーパーでスアの不貞を見たジウンは、スアに対して避けるようにしていたのですが、ある日デパートで口紅を万引きしようとしていたジウンは、スアに見つかってしまいます。
そして、そのことを隠す代わりにお願いがあると言われたジウンは、スアと共に警察へ行くことに。
そこには、以前からジウンがスーパーで見かけて気になっていた男性ジョンウもいたのですが、彼は問題を起こした生徒の対応中でした。
警察署の帰り、突然体調不良になったジウンはスアの計らいでジョンウに付き添ってもらうことになるのですが、ジョンウの心優しい対応や声かけについ、心をゆだねてしまうのです。
彼も結婚していると知っても、すでにジウンの心はジョンウへ向かっていくばかり。
そしてジョンウも同じく、ジウンのことが気になって仕方がないのでした。
一方、スアにも新たな出会いが舞い込んできたのですが、今回ばかりはスアの心は遊びではなく本気モードになります。
スアの心を虜にしたお相手は、ミステリアスな画家のト・ハユン。
ハユンもまた、初めて出会ったスアに情熱的な恋心を抱き、こちらも2人とも本気モード。
2組の男女の禁断の愛が、ここから始まっていくのです。
スアとも次第に仲良くなっていくジウンは、「平日午後3時~4時は男性に時間を”あげてるの”」と堂々と言い放つスアに、逆に偏見を持たなくなっていました。
次第にジウンはスアにジョンウのことを打ち明けるようになり、スアもジウンに本心を打ち明けます。
2人は頻繁に会うよき理解者となり、お互いの幸せを共に願うようになっていくのですが、なかなか2人とも恋愛がうまく行かないことに悩みます。
スアと会う時に、ジョンウからのメールを見てほほ笑むジウンを、姉のように見守り、心和ませるジウン。
かとリーニョ
「飛び立つ鳥」と「奇遇すぎる縁」
何をやっていても、頭に浮かぶのはジョンウのことだけになったジウン。
そんな中、チャングクの大切にしていたこ小鳥の1匹サランが、窓から飛び立ってしまい…。
今のジウンの心境と同じように飛び立っていったサランをうらやましく思うのですが、チャングクにこっぴどく叱られてしまうジウン。
言い争いの末、真夜中にサランを探しに行くのですが、そこに偶然にもジョンウから電話があり、ジウンはタイミングのよすぎる彼からの電話に涙します。
一方、スアはハユンに「私の絵を描いてほしい」とお願いするも、きっぱり断られてしまいます。
ハユンはどことなくスアへの気持ちを押し殺しているのが、スアにもひしひしと伝わっています。
かとリーニョ
ある日、すでに仲の良いジウンとスアの前に一人の女性が現れます。
偶然なのか必然なのか?それはジウンの高校の時の同級生にして、ジョンウの妻ミニョンだったのです。
久々の再会に喜ぶジウンとミニョン。
2人が知り合いだったことに喜ぶスアでしたが、ミニョンがジョンウの妻とは、ジウンもスアも知る由もありません。
ジウンとスアは夫以外の彼氏がいないかと話を振りますが、「そんなのありえません」とキッパリ話すミニョンに口を綴んでしまいました。
その後意気投合した3人は、たまに会うことになるのですが、ジウンとスアはミニョンに多くのことを隠しています。
かとリーニョ
「別れても止められない恋心」と「壊れた夫婦、そして家族」
ジウンとジョンウは、頻繁に連絡を取ったり秘密の森へ出かけたりと、常にときめきとドキドキ感のある関係が続きます。
そして、すでに止められないお互いの思いを確信します。
一方、断り続けたスアの絵を描くと言うハユンに喜ぶスア。
ですが、お互いに背負っているものが多すぎて、なかなか前に進めません。
特にスアは、妻であると同時に2人の娘の母でもあるため、家族も娘たちも捨ててハユンの元に飛んでいくことなど不可能だと考えて辛くなる日々。
さらに夫ヨンジェにも次第に2人の関係を悟られ、ヨンジェは仕事相手であるハユンに無理難題を吹っ掛けるようになるのです。
そしてジウンは、スアとミニョンとのお茶会中、ミニョンが席を外している間に彼女の携帯にかかってきた番号がジョンウのものだと気づきます。
ショックすぎて胸が苦しくなるジウンは、突然お店を出るも路上で座り込んでしまい、心配して後を追ってきたスアに慰められました。
その後、ジウンに連絡をするも返事のないことを心配したジョンウは、彼女の勤務先のスーパーへ行くのですが、冷たくあしらわれ、別れを告げられるのです。
なぜか理由のわからないジョンウは、そのまま立ち去るのですが、内心納得していません。
そしてスアは、ヨンジェの命令で自宅に「軟禁」状態になり、ハユンに会うこともできなくなるのです。
我慢ならないスアは、自ら決意をし荷物をまとめ、家政婦さんに娘たちのことをお願いしてハユンの元へ。
一方、ジウンとジョンウは、偶然近所の公園でお互い夫婦そろって出会ってしまい、みんなでお茶をすることになります。
お店の方の計らいで、一緒に写真を撮ることになるのですが、2人はお互いのパートナーの背後で密かに手を伸ばし互いの手を握りました。
ここで2人は、互いの愛の深さを確信するのです。
誰にも止めることはできない、離れないと約束した2人は、更なる禁断の道へ…。
過ちに気づき、新たな人生へ
ジウンはチャングクに「好きな男性がいて、不倫しています」と正直に告白。
当然許すはずのないチャングクは、その相手も聞いて動揺と同時に怒りと憎しみも覚えました。
一方、最近ジョンウが怪しいと感づいていたミニョンは、その相手がジウンだと知り大暴れ。
しかし、別れようとしても、すぐに会いたくなるジウンとジョンウは、思い切って逃避行をするのです。
しばしの幸せな時間を共にしたジウンとジョンウですが、長続きはしませんでした。
ミニョンは、探偵を雇いジョンウの行方を探させていたのです。
居場所を突き止めたミニョンは、チャングクに連絡を取り、2人でお互いのパートナーを連れ戻しに行きます。
そして、ジウンとジョンウは元の生活へまた戻ることになるのです。
ジョンウにも会えず、チャングクとも元通り暮らせないジウンは毎日生き地獄な日々。
一方、ヨンジェの会社の本に使用された挿絵が「盗作」だと噂が流れ経営が危うくなっている中、ヨンジェは自らが弱い立場になってやっと、スアの存在のありがたさが身に染みてわかります。
ヨンジェは頭を深く下げスアに家に戻ってほしいとお願いするのですが、すでに夫婦としては心が離れてしまっており、それでも子どものために自分が必要だと揺らぐスア。
そしてジウンとジョンウ、スアとハユンは、それぞれ別れの選択をします。
3年後…4人はそれぞれ自分がやりたかった道へと歩んでいました。
ジウンは小説家を目指して原稿に向き合い、ジョンウは無事に博士号を取得し生物研究所の所長に就任、スアはご近所の奥様方にバレエを教えるようになり、ハユンは海外で有名な画家になっています。
そんな中、偶然市場でミニョンを見かけたジウンでしたが、ミニョンに子どもがいて、その旦那は外国人であることにも気づきます。
ミニョンがジョンウと離婚したことを知ると、ジウンは急に彼を思い出してしまいました。
そして、ジョンウと過ごした思い出の空き家に行くジウン。
そこで3年ぶりに「愛する人」を目の当たりにします。
かつて夜中に電話した時と同じ、ジョンウの「愛(サラン)は見つかりましたか?」という言葉に、ジウンは「はい、今目の前で見つかりました」と答えるのです。
大人の止められない恋愛を応援してしまう
かとリーニョ
籠の中の小鳥と重ね合わせて語られる心境や、ジウンが語る詩のようなセリフがとても繊細で、なんとも悲しくて切なくて。
ついつい、ジウンとジョンウを最後まで応援してしまいました。
かとリーニョ
子どもには罪はありませんし、子どもたちが一番大好きなのはやはり母親です。
でも、大切な子どもたちを手放してまでハユンのところに行くスアは、よほどの心境だったに違いありません。
最後に夫ヨンジェが、スアの大切さに気づいていましたが、もっと早く、いやずっと大切にしてあげてほしかったです。
チャングクに「小鳥のママ」と呼ばれてはジウンも悲しかったはず、そして、ジョンウの妻ミニョンも博士号を取れなかったジョンウを小ばかにしてほしくなかった。
どのご家庭も、崩壊して当たり前の状態になっていたのかと思います。
ただ原因は各家庭にあれど、やはりジウンとジョンウはいずれ出会って幸せになる運命だったのかも?
そう思うと、「結婚って何なんだろう」と思われる方々もいるかもしれません。
かとリーニョ
ちなみに3年後のそれぞれの登場人物に関して補足すると、ジウンの夫チャングクは、職場の後輩でチャングクに片思いをしていた女性と結婚し子どもも生まれていました。
また前述したとおり、ジョンウの妻ミニョンも、他の男性と結婚し子どもができていました。
かとリーニョ
魅力的なキャストたち
今作で最高に魅力的だったのは、ジョンウを演じたイ・サンヨプ!
悪役からコミカルな役まで幅広い演技を見せる彼ですが、『平日午後3時の恋人たち』では優しい顔の中に秘めた独特の大人の雰囲気が、最高に魅力的でうっとりさせられました。
かとリーニョ
ジウンの夫チャングクを演じたチョン・サンフンは、今回コミカル演技なしという、彼としては珍しい作品になりましたが、ある意味衝撃的でした。
韓国ドラマ『平日午後3時の恋人たち』キャスト相関図・あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『平日午後3時の恋人たち』をレビューしてきました。
韓国ではその昔「不倫がタブー」とされ、死刑に処されるほどだったのですが、時代は変わりつつあるのかもしれません。
日本版とも、見比べてみようと思っています。
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