漫画家・大橋裕之の初期短編集を実写映画化した『ゾッキ』。
竹中直人、山田孝之、齊藤工という映画愛溢れる3人の監督作品となれば「普通の作品」では終わるはずがありません。
- 天才漫画家の幻の作品を実写化!
- 愛すべき映画バカ3人が監督を務めた異色作
- 劇中音楽がかっこよすぎて、聞いているだけでも楽しい
今まで見たどの映画とも似通っていない不思議な気分にさせられる作品ですが、見終わった後には爽快な気持ちになりますよ。
いつもと違う異色な映画を見たい方に、おすすめしたい1本です。
目次
映画『ゾッキ』作品情報
作品名 | ゾッキ |
公開日 | 2021年4月2日 |
上映時間 | 113分 |
監督 | 竹中直人 山田孝之 齊藤工 |
脚本 | 倉持裕 |
出演者 | 吉岡里帆 鈴木福 満島真之介 柳ゆり菜 南沙良 安藤政信 ピエール瀧 森優作 九条ジョー(コウテイ) 木竜麻生 倖田來未 竹原ピストル 潤浩 松井玲奈 渡辺佑太朗 石坂浩二(特別出演) 松田龍平 國村隼 |
音楽 | Chara |
映画『ゾッキ』あらすじ・感想【ネタバレなし】
なんだかわからない。だからこそ目が離せない
映画『ゾッキ』は短い物語が連なった長編映画です。
それぞれの物語が全く関係ないようで、実は意外な形で繋がっており、見ていると「おっ、ここが繋がったか!」とニンマリさせられてしまうような演出が施されています。
斎藤あやめ
時代背景も途中までわからず、戸惑ってしまうくらいです。
- 松田龍平演じる藤村がなぜ自転車で西に向かうのか
- 吉岡里帆演じるりょうこの離婚の理由
- りょうこの祖父の誘拐事件の詳細
- 鈴木福くんのビデオ店の謎
など、気になることは盛りだくさんと出てきます。
しかし、あくまでも、私たちは彼らの「秘密」を覗き見している立場であり、彼らが見せてくれたり、語ってくれるもの以外は分かりません。
なんだか分からないけど、だからこそ、目が離せない。
斎藤あやめ
観客が想像できる余白と余裕のある映画というのでしょうか。
いろいろと制作側の思いを詰め込みすぎた映画が多い昨今、びっくりするくらい余白とゆとりがある作品となっています。
なんだかよくわからないけども、どこか愛おしくて、親近感を感じさせる登場人物たちが隠し持った「秘密」や「嘘」は、決して国を動かしたり、誰かの命がかかっていたりするような重要なものではありません。
しかし、重要でなくともつかないといけない嘘や、隠さないといけない秘密というのは誰しもが持ちます。
「秘密」や「嘘」と聞くとネガティブなイメージがあり、時には抱えている本人にとっては悩みのタネになってしまったり、必要以上に苦しめられたりすることもあるでしょう。
ですが、劇中で語られるように、その秘密や嘘が私たちの人生を豊かにしているのかもしれないと考えると、不思議と気持ちが軽くなっていき、なんだか救われたような気分にすらなってきます。
天才漫画家の幻の作品を異才たちが実写化
孤高の漫画家と呼ばれる大橋裕之の初期短編集『ゾッキA』『ゾッキB』を長編映画として実写化したのが、本作となります。
メガホンを取ったのが、竹中直人、山田孝之、齊藤工と日本を代表する個性派俳優たちということもあり、公開前から注目していた方も多いかもしれません。
竹中直人、齊藤工は、この作品以外にも監督作品があり、山田孝之も『デイアンドナイト』でプロデュースを手がけるなど、個性だけでなく、映画愛も濃い3人が作り出す映画が普通なはずがないというあらかたの予想を全く裏切ることない作品になっています。
また、監督3人のネームバリューや交友関係も相まって、出演者も非常に豪華です。
斎藤あやめ
一人の役者を目当てで見に行ったら、登場シーンが思いのほか短かったという少し残念な思いをするかもしれません。
といえども、実写化が難しいといわれていた作品を大胆な演出で実写化したり、豪華な役者勢を贅沢に配役するなど、竹中直人、山田孝之、齊藤工だからこそ実現した作品といえます。
監督を務めた3人に「どこか少年の心を忘れておらず、悪ふざけやおちゃらけたりもするけど、意外に繊細さも持ち合わせている」というイメージを持っている人は少なくないはずです。
斎藤あやめ
いわゆる、女子から「もーう!男子は!」と怒られて、どこか喜んでいる男子がそのまま大人になったような一面を持ち合わせ、それを良しとしている3人だからこその作風が、ばっちりとこの作品に出ています。
見方を変えると幼稚だったり、品がなかったり、身内ウケだと言われても可笑しくない演出もありますので、人によってはシラけてしまうかもしれません。
しかし、この演出や雰囲気が見事にマッチしたのが、齊藤工の監督作品『伴くん』です。
男子学生2人を主人公にしていることもあり、前述した持ち味が良いスパイスになっており、主人公2人がたまらないぐらい愛おしく感じられる作品になっています。
他の作品に比べて時間経過が判りやすいという点も『伴くん』の特徴です。
むしろ、この作品のおかげで他の物語の時間軸がはっきりします。
斎藤あやめ
2人とも他のキャストに比べて知名度はありませんが、彼らの演技は間違いなく本作の見どころのひとつです。
ぜひ、ご注目ください。
本編だけでは終わらない、終わらせない!
2021年4月に公開された映画『ゾッキ』ですが、本作の制作過程が描かれたドキュメンタリー映画『裏ゾッキ』が、5月から全国順次で公開されます。
この摩訶不思議な作品が生まれた過程だけでなく、長年映画誘致活動をしていたロケ地・愛知県蒲郡の人々の物語も描かれるということで、ただの制作秘話だけでは終わらないであろうことが予告からでも伝わってきます。
また、映画『ゾッキ』の主題歌を担当したのは、Chara feat.HIMI。
Charaは、本作の音楽監督も担当しています。
息子であるHIMIとの初コラボ曲となる『私を離さないで』の他にも、ドミコ、ドレスコーズ、Salyu、仲井戸”CHABO”麗市、quu、AAAMYYY、ermhoi、Julia Shorttreed、韻シストBAND、LeyonaとBASI、MELRAWら豪華アーティストたちの書き下ろし曲が劇中で流れ、見るだけでなく、聞いても楽しめる作品になっています。
また、主題歌の『私を離さないで』のミュージックビデオを齊藤工が監督するなど、映画『ゾッキ』の世界観は本編にとどまることなく、鑑賞後も様々な方面で楽しめますよ。
映画『ゾッキ』あらすじ・感想まとめ
🍊映画『#ゾッキ』中⁉ヒット上映中🍊
今日もみんなで一緒に🙌
せ~~~~~~の❗/
😁ゾッキ😁
\#松田龍平 さん #山田孝之 監督
お2人で一緒に🤝❣上映劇場一覧はコチラ👇https://t.co/x5MCPTi67r#中ヒット上映中🤪🤞 pic.twitter.com/YTl5dEovHT
— 映画『ゾッキ』公式 (@zokki_movie) April 30, 2021
以上、ここまで映画『ゾッキ』についてレビューしました。
- 不思議な世界観に引き込まれること間違いなし
- 男子の悪ふざけ感と繊細のバランスが絶妙!
- 制作ドキュメンタリーや音楽など、本編だけでは終わらない楽しさ