『友罪』あらすじ・ネタバレ感想!生田斗真・瑛太W主演、豪華キャストで描くヘビーな問題作

『友罪』

出典:U-NEXT

過去に罪の意識を持ち、それを抱えたまま生きる2人の苦悩と葛藤の日々を描いた作品。

その時点に戻ることはできない、ずっと抱え続けなければならない罪と向き合うさまと周りを取り巻く人間模様が生々しく展開します。

ポイント
  • 原作は2013年に集英社より発行された薬丸岳の小説
  • 監督は『』『楽園』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久
  • 心を許した友人が凶悪事件の犯人だったら、どうしますか?

それでは『友罪』をネタバレありでレビューします。

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『友罪』作品情報

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

作品名 友罪
公開日 2018年5月25日
上映時間 129分
監督 瀬々敬久
脚本 瀬々敬久
原作 薬丸岳
出演者 生田斗真
瑛太
夏帆
山本美月
富田靖子
奥野瑛太
青木崇高
忍成修吾
西田尚美
村上淳
片岡礼子
坂井真紀
古舘寛治
渡辺真起子
光石研
佐藤浩市
音楽 半野喜弘

【ネタバレ】『友罪』あらすじ


罪を抱える2人の出会い

元雑誌記者の益田純一(生田斗真)は仕事を辞めてジャーナリストに転向しようとするも金が尽き、町工場で働くことにします。

今日から一か月の試用期間が始まるという日に鈴木秀人(瑛太)とともに工場の人たちに紹介されました。

鈴木は溶接の免許を持っているらしく仕事に関してはそつなくこなしていましたが、無口でどこか不気味な雰囲気のせいで工場内で他の人からそれとなく距離をとられていきます。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

鈴木も鈴木で工場の独身寮という名の一軒家で共同生活をおくる益田や先輩・清水(奥野瑛太)や内海(飯田芳)を避けるようになります。

そんな時、清水の提案で“ガサ入れ”だと鈴木の部屋を物色することになります。

鈴木には買い物に行かせている間、断れなかった益田も加わって物色していると出てきたのは大きめのナイフと、スケッチブック。

スケッチブックには母親くらいの年齢の女性のヌードが描かれていました。

ある夜、清水が酔いつぶれて寮に帰ってきて玄関先で嘔吐しました。

その音で二階の自室から出てきた益田はそこで寝かせておこうとしますが、鈴木は部屋まで運ぼうとします。

見かねた益田も手伝って運ぶと、清水は「ありがとう」と言いました。

益田と鈴木がまともに話す機会となった夜、益田は毎晩のように鈴木がうなされていることを指摘しました。

鈴木もまた益田がうなされていることを知っていて、どうしてかと聞いてきます。

益田は中学のころに自殺した同級生の話をして、その同級生と鈴木の雰囲気が似ていることを伝えました。

益田がその同級生の自宅を訪ねた時、病床に伏せる学の母・さちこ(坂井真紀)は「最後に純一くんに会えて良かった」と言いました。

学のたった1人の友達だったから、と。

タクシードライバーの過去

埼玉のトンネルの中で小学生の男の子が数か所を刺された死体で見つかるという事件が起きます。

このころ茨城などでも起きていた連続殺人事件とのつながりを匂わせるような報道が続く中、タクシーの運転手の山内修司(佐藤浩市)は1人の女性記者・杉本清美(山本美月)をトンネル付近まで乗せて行きます。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

その後会社に戻ると岸上(大西信満)という男が山内の戻りを待っていました。

岸上は、山内の息子・正人が10年前に起こした無免許運転での事故で子どもを奪われた被害者です。

奪った命は3人。

別の日に山内は岸上とは別の、小学校4年生だった被害者の両親のもとへ頭を下げに行きますが、通帳に振り込まれる賠償金の振込元の名前を見るたびに苦しんでいると言われます。

そんな山内が事件を機に離散した妻の智子(西田尚美)の父の死を機に10年ぶりに智子と再会します。

そこで正人が結婚しようとしているということを知らされ、山内は「事件を起こした正人のせいで家族を解散したというのに、その張本人が家族を作ってどうする」と激怒しました。

しかし正人の結婚相手である千尋(北浦愛)のお腹にはすでに子どもがいます。

コールセンターの女

コールセンターで働いている藤沢美代子(夏帆)。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

ある夜、彼女は後ろを走ってきた自転車につけられているような気がして怯えていました。

走ってもついてくる自転車から逃げた先にいたのは、鈴木でした。

自転車は2人を素通りし、鈴木もそこを立ち去ったあと。

藤沢はダンボールに入った捨て猫を見つけて拾って帰ります。

後日、藤沢がいつもの道を仕事帰りに歩いているところを別の男に待ち伏せされます。

元彼・唐木達也(忍成修吾)でした。

走って逃げていると、また偶然鈴木が佇んでいるところに遭遇します。

藤沢が思わず鈴木の後ろに回り込んで隠れると、鈴木は達也に藤沢の彼氏だと思われてしまいます。

頭に血が上った達也から殴られても抵抗せず、鈴木が血だらけになったところで、通行人からの「警察に通報する」という言葉で達也は「裏切った女には天罰を下す」と言って去って行きました。

少年A

埼玉のトンネルで起きた事件の犯人がなかなか捕まらず、世間では17年前に起きた殺人事件の犯人と関係があるのではないかという噂が流れ始めます。

当時14歳の少年Aは、現在は出所しているということからも、雑誌記者の清美は少年Aこと青柳健太郎について調べていくことになります。

その頃、益田は工場長から呼ばれた清水の代わりに機械を見ていて欲しいと頼まれます。

ぼんやりしていた益田はポケットで鳴った携帯を取り出したところで意識が朦朧とし、指を切り落としてしまいます。

工場は怒号が飛び交い、救急車よりも車だとタクシーを捕まえ、清水が付き添って益田を病院へ連れていきます。

事故の時に電話をかけてきた清美が入院している病院にやってきて、いま調べている児童連続殺人についての話を切り出しましたが益田は「そういうのもういい、みじめになる」と言って最後まで聞かずに部屋に戻りました。

益田の退院祝いのカラオケには、工場の仲間たちに加えて藤沢もいました。

カラオケが初めてで歌もよく知らないという鈴木に、藤沢が「アニメの歌とかどうでしょう」と提案して、鈴木は楽しそうに歌います。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

帰り道で益田は、事故の時に鈴木が咄嗟に落ちた指を氷水に入れて清水に渡してくれたおかげで“なくさずに済んだ”ことを感謝しました。

鈴木は「友達だから」と返しました。

寮に戻ってから、清美からのメッセージをきっかけに益田は日立での事件について改めて調べてみることにします。

そこで見た事件について細かく書かれているサイトに、医療少年院で青柳の母親役を務めたとして載っていた女性の写真を目にした時に益田は息をのみます。

いつか鈴木の部屋で見たスケッチブックに描かれていた女性だったからです。

そんな折、学の母が危篤であることを知らされ益田は学の両親が住む家へと向かいます。

自分がいじめられるのが怖くて学を見捨ててしまったことを打ち明けてすべてを話そうとしましたが、学の母は「聞きたくないの。私これから死ぬんだから」と泣きました。

益田が寮に戻ると清水たちがAVらしきものを見ていました。

映っていた女性は藤沢でした。

しかしそれは買ったものではなく、差出人もなくポストに入れられていたものでした。

藤沢の家から戻った鈴木がそれを目にしてテレビを消しましたが、清水は面白がって再度テレビをつけます。

いよいよ鈴木は庭にあったバットでテレビを破壊しました。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

そして鈴木が清水に「くだらない奴」と言ったことで清水がブチ切れ、庭に引きずり出して殴りますが、鈴木は不気味に笑うだけでした。

その後鈴木が藤沢のところに行くと、部屋の中は荒らされ乱暴された後でした。

鈴木秀人という男

益田は日立の連続児童殺害事件の現場に足を運びます。

犯人が親しかった男子児童を殺害後、枝や石で五芒星を象った地面の上で燃やした場所、青柳健太郎が通っていた中学校、第一の殺害現場。

そして開店前のバーに小杉(青木崇高)という男を訪ねて行きます。

小杉は幼稚園から、青柳が捕まるまでずっと一緒だった幼馴染です。

益田は小杉に、退院祝いのカラオケで撮った鈴木の動画を見せました。

すると小杉は「おお、青柳だ」と言いました。

小杉は、青柳が小学校の途中くらいから急に変わったと言います。

虫を殺すようになったり、だんだんエスカレートして猫、自分の腕も傷つけるようになった、と。

益田は、青柳は幼少期から破壊衝動を抱えて生きているのではないかと考察します。

そして大人になった今、その破壊衝動を必死に抑え込んでいるのではないかとも考えました。

その頃、鈴木は藤沢と一緒にいました。

藤沢は親の反対を押し切って上京したことや元彼とのことやAV嬢になった経緯を話しました。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

泣き疲れて眠る藤沢の側にずっといた鈴木は翌朝、インターホンが鳴ったのに応じます。

鳴らしたのは達也でした。

“天罰”について嘲笑うように喋るのを聞いて鈴木は部屋を飛び出しました。

藤沢は呼び止めましたが部屋からは出られませんでした。

しかし通話状態になったままのインターホンから、達也と鈴木が揉み合う音が聞こえて急いで外に出ました。

達也は藤沢が現れたことで鈴木なんてどうでもよくなりましたが、鈴木は自分に意識を向けるために「ここで殺せ」と自らの頭を何度も石で打ちました。

達也は、狂ってると言ってその場から立ち去りました。

益田と鈴木

益田が青柳について調べまわったあと寮に帰ると、鈴木しかいませんでした。

清水たちは飲みにでも行ったんだと思った益田は「俺たちも飲もうか」と誘います。

お金がないからコンビニでビールでも買って、公園で。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

ふとした時、鈴木は益田が何に苦しめられているのかを聞きました。

過去の何かから苦しめられていて、そこから逃げようとしていること、つまり中学の頃に同級生が自殺したことについて聞かせて欲しいと言います。

毎晩うなされているから、と言われた時に益田は「それはお前だろ」とキレて鈴木を押し倒し、昼間小杉から聞いたことを確認するように腕の傷を見ました。

鈴木はとても償いきれない罪を犯してしまった、と淡々と語り出します。

同じような苦しみを抱えている同士ならわかりあえる気がするから益田の苦しみも聞かせて欲しいと言う鈴木に、益田は殺された遺族の苦しさや奪われた命の脆さはどうなるんだと返しました。

そしてバッグからナイフを取り出して「本当に死のうと思っているならこれで心臓を刺せ。それとも秘密を知った俺を殺してバラバラにするか?」と言いました。

鈴木は、死んで償うしかないとも思っているけれど、生きたい。ひどいことをしておいて言えたことではないけれど心の底では生きたいと思っていると言いました。

その頃、埼玉のトンネルで小学生の死体が見つかった事件の犯人が捕まります。

少年Aとは何の関係もない40歳の男性でした。

しかし清美の担当している雑誌は編集長の意向で方針を変えるつもりはなく、日立での事件を掘り起こすような記事が出ます。

益田は雑誌社に殴り込み清美を問いただしますが、益田の書いた記事は使っていないとだけ言います。

しかし記事には目隠ししてあるものの鈴木とわかるような写真が載っていました。

益田の前の上司である編集長(古舘寛治)は“社会が知りたがっていることを伝えるのが記者の仕事だ”と言い放ちます。

益田が寮に戻ると鈴木がバットで壊したテレビも自分が壊した棚も新品になっていました。

鈴木が買ってくれたとのことです。

清水は雑誌に載っている写真がカラオケの時のものだと指摘して、益田が書いたのかと聞きました。

益田は否定して、部屋にこもっているという鈴木のところに行きます。

鈴木は何も変わらない調子で「悪いのは俺だから」と言います。

そして泣きながら謝る益田に、ありがとうと言いました。

鈴木は“みなさん今までありがとう さようなら”という手紙を残して工場を去りました。

益田は自分のホームページに過去の懺悔と鈴木に宛てたメッセージを残します。

そして「どうしても死なせたくない友達がいる。生きていて欲しい」と、どこかで自殺しようとしているのであろう鈴木を追いました。

【ネタバレ】『友罪』感想

罪を抱える人間の重いストーリー

vitovito

激重。まぁテーマからして軽い話ではないわけですよ。

でも結末は胸糞悪い感じではなかった。

特段スッキリするわけでもないけれど。

vitovito

私は、事件の現場で佇む鈴木が最後に振り返った先に益田がいるんだと解釈しました。

きっとこの先も物語の中で罪を抱えている人は、ずっと抱え続けていかなければならない。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

でも益田は同じ罪を繰り返さなかったことでほんの少しだけケリがついただろうし、益田によって鈴木もほんの少しだけ心が軽くなった部分もあるのかもしれない、そんな話。

vitovito

益田も含めて工場にいる人たちも藤沢も“現在”の鈴木しか知らなくて。益田は過去に抱えたものの罪悪感から、友達というものに対して敏感になっていたこともあって鈴木のことを察したあとでも深く知ろうとしたし最終的には救済じゃないけど自分の記事で社会に対して訂正したんだと私は思っています。

清水は別にそこまで深入りしていないというか興味がないから鈴木が少年Aだと知れ渡ったあとも敏感に反応したりしなかったのかなぁ。

酔いつぶれて帰宅した時のこととか、益田が指を落とした時のこともあって、今は今だろと思ったりしたのかもしれない。

清水についてそこまで掘り下げた描写がなかったから計り知れないところだけど。

藤沢はたぶん、捨て猫を気にかけていたこととか元彼から助けてくれたことは知っているけどそれ以上は知らないし、少年Aだと知ってしまったところで“そういう人だったんだ”と思ったのかな。

怖い気持ちが先行したっていうか。

vitovito

コンスタントに何度もじっくり見ようと思う作品ではないから見落としている部分もあるにせよ、私はそんな風に感じました。

出てくる人が多すぎて書ききれない部分がめちゃくちゃあるのでたぶんこれを読んだ上で見ても“こんな場面書いてた?”みたいな感じになると思います。

あらすじですからね、そこまで事細かにも書いてないし。

あと時系列もちょっと違ったりします。

vitovito

あらすじでは人物について書きたかったのでストーリー上と前後する部分があるので、ご了承くださいな感じです。

ずっと考えさせられる映画

ことごとく親と子っていう関係性の対比が色んなところで出てくるなぁと思いました。

益田も友達というものをメインに置いているものの学の母との関わりが描かれていたりとか。

vitovito

タクシードライバーの山内と息子の関係だったり、鈴木秀人を母親代わりに育ててきた白石(富田靖子)と娘の関係だったり…このあたりは記事では深掘りしなかったところでもありますけど。

山内のところは加害者の親である山内と、加害者本人である息子、これから生まれる子どもにわたって葛藤が描かれていて。

『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

vitovito

白石は自分の娘より問題を起こした他人の子ばかり見ていたことで娘の気持ちをわかってやれない人間というか、個人的にはなんかずっと綺麗ごとしか言わない人だなと思って見ていました。
『友罪』

(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

単純に罪を犯した人の家族だったり、更生させるために身近にいる人とその家族だったりっていう描写なのかなぁとも思いつつ。

およそ2時間という映画の枠のなかにこれでもかというほどあれこれ考えさせられることが散りばめられていて頭が疲れるというか重たくなる作品です。

vitovito

殺人事件とか罪を扱う作品の中でも見終わったあとの後味は悪くない方なので、私は割と好きですね。

特にW主演の2人の演技力に圧倒されっぱなしでヒリヒリしたりしんどくなったり、屈託なく笑っている場面でほっとしたりしました。

特に、一番最後の瑛太の表情は何ともいえない気持ちになります。

vitovito

ぜひ見てみてください。

『友罪』あらすじ・ネタバレ感想まとめ

以上、ここまで『友罪』についてレビューしてきました。

要点まとめ
  • それぞれが抱える過去の罪と、苦悩や葛藤が詰まった作品
  • 似ているわけではないけど『怒り』の進行が好みな人には見やすいかもしれないです
  • 色々と考えさせられる重めの話を探している人には超おすすめ
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