歌手・中島美嘉の名曲「雪の華」の幻想的なプロモーションビデオと、世代を超えて響く普遍的な歌詞からインスパイアされた珠玉のラブストーリー。
余命1年と残された時間で一生分の恋愛をする濃密でロマンティックなストーリーに感涙します。
それではさっそく映画『雪の華』をレビューしたいと思います。
目次
映画『雪の華』作品情報
作品名 | 雪の華 |
公開日 | 2019年2月1日 |
上映時間 | 125分 |
監督 | 橋本光二郎 |
脚本 | 岡田惠和 |
出演者 | 登坂広臣 中条あやみ 高岡早紀 浜野謙太 箭内夢菜 田辺誠一 |
音楽 | 葉加瀬太郎 |
主題歌 | 中島美嘉「雪の華」 |
映画『雪の華』主要キャスト
登坂広臣 / 役:綿引 悠輔
両親を亡くし、父親がもともとやっていたガラス工芸家を夢見て働いている青年です。
性格はぶっきらぼうで、他人には「思ったことを口に出せ」と背中を押すのですが、自分は言えません。
妹と弟を男手ひとつで育てており、まっすぐで優しい性格でもある彼が、突然出会った美雪と恋人契約をすることになります。
美雪と接していく中で、悠輔の中で動かないと思っていた感情に変化が出てきます。
中条あやみ / 役:平井 美雪
小さい頃から病弱で、長く治療を続けてきましたが余命宣告を受けてしまいます。
最後の1年、後悔のないよう過ごすと決め、偶然出会った悠輔に期間限定で自分の恋人になってほしいと提案します。
両親が出会った国・フィンランドに何度も通っており、赤いオーロラを見ることが夢です。
悠輔には期間限定の恋人でもいいと言いますが、美雪は最初から悠輔に気持ちがあります。
高岡早紀 / 役:平井 礼子
美雪の母親です。
病弱な娘のことが心配で仕方ないのですが、デザイナーとして京都で働いています。
美雪の父親と出会ったのはフィンランドだったのですが、亡くなってしまってから懸命に美雪のことを支えてきました。
田辺誠一 / 役:若村先生
美雪の主治医でおとなしい雰囲気を持っている先生です。
美雪のことを心配しながらも、オーロラがどうしても見たいという彼女のことをサポートしています。
期間限定の恋人と提案したことも知りながら、悔いのないように生きようとしている美雪を応援しています。
浜野謙太 / 役:岩永先輩
悠輔のバイト先のオーナーで、面倒見の良いお兄ちゃんタイプの性格です。
悠輔の弟や妹からも慕われています。
美雪と悠輔の関係を温かく見守っている一人でもあり、悠輔のガラス工芸品にも自信をもっていて、作品をお店に展示・販売もしています。
【ネタバレ】映画『雪の華』あらすじ・感想
美雪(中条あやみ)の余命
幼いころから病弱で、自分のしたいことが100%できない人生だった美雪(中条あやみ)は、毎日同じ日々を過ごすことに飽きていました。
そんな彼女の夢は、両親が出会ったフィンランドで「オーロラ」を見ること。
なぜオーロラを見たいのかというと、フィンランドでは赤いオーロラを見ると願いが叶うと信じられているからでした。
今まで体が弱かった美雪は、「また来年」ということはないかもしれません。
しかし、美雪は普通のオーロラもまだ見たことがなく、今年のオーロラも諦めました。
唯一の願いですら見られない、叶えてくれない…と少しずつ悲観的になっていました。
ある日、病院に検査に来た美雪に、若村先生(田辺誠一)から「1年悔いのないように」と告げられました。余命宣告です。
美雪は気丈に振る舞っていましたが、検査結果を知らされた後に道を歩いていると美雪はひったくりに遭ってしまいます。
何もできずに道に座り込んでいると、ツリーを抱えた男性に助けてもらいます。
これが、悠輔(登坂広臣)との最初の出会いです。
悠輔は「声出していけよ、声」と美雪に言いました。
「助けて」と大声で叫びましたが、誰も助けてくれるわけではないと美雪は分かっています。
2度目の再会と条件
毎日薬を飲み続けていても、自分には残り1年しか命がないと知って、自分は何がしたいのかを本気で考えていました。
ふと家から見た船には仲の良いカップルが乗っていて、美雪はうらやましく思っていました。
いつか自分も恋がしたい…と考えていました。
図書館で働いていた美雪ですが、迷惑をかけたくないからと退職しました。
その帰り、美雪はこれから自分が死ぬまでに残されたお金を確かめて少しがっかりしていました。
しかし、帰り道に寄ったお店から、偶然悠輔のことを見かけて後をつけます。
悠輔が入っていったのはあるカフェで、彼はそこで働いていましたが、お客さんとして入店した美雪のことはもう忘れていました。
美雪は覚えているので、悠輔にとても緊張しており、悠輔は美雪のことを少し挙動不審に思っています。
ふと美雪がお店を見渡すと、そこにはガラス作品が展示されており、作品を作ったのは悠輔だと知りました。
その作品がとても綺麗で作品にも悠輔にも少しずつ惹かれていますが、そこに悠輔の妹がやってきました。
家族と接する悠輔のことを見て、もっと悠輔が気になっていきますが、オーナーである岩永さん(浜野謙太)が帰ってくると何やら暗い顔で考え込んでいるようでした。
悠輔がその理由を聞くと、お店の経営が危うく、お店を潰すしかないと打ち明けます。
どうにかして助けたい悠輔ですが、悠輔にもお金がないので助けることができません。
その話を聞いていた美雪は、悠輔に通帳を差し出し「1ヶ月でいいので私の恋人になって下さい」と条件を出しました。
自分がしたことに驚きながらも、一歩進んだ自分のことを褒める美雪。
ここから二人の期間限定の恋人生活が始まっていきます。
悠輔(登坂広臣)の想い
悠輔は、最初100万円を美雪に出してもらったので気が引けて仕方なかったのです。
それに、「1ヶ月でいいので恋人になる」というのも意味が分からなくて、どうしていいか分かりませんでした。
妹や弟にも何も相談できないままでしたが、オーナーの岩永(浜岡謙太)を助けられたことは嬉しかったのです。
美雪と初めてデートをすることになった悠輔は乗り気ではなかったのですが、美雪のひとつひとつの要望に応えていきます。
「ホスト」でも「ままごと」でもないと美雪に言われて、少しずつ一緒にいる間は恋人になりました。
この関係には納得はしていないものの、少しずつ美雪と時間を過ごすようになり、悠輔も楽しくなっていきます。
今まで誰にも話さなかったことや、お互いのことを話すことも自然になっていきました。
そして、悠輔は岩永に美雪のことを紹介し、家族にも美雪を会わせました。
悠輔が「どうしてガラス作品を作ろうと思ったのか」という話をした時、涙した美雪に驚きながらも嬉しかったのです。
「すぐに終わってしまう」
それは分かっていても、悠輔も気持ちが止められませんでした。
毎日美雪を考えることが多くなり、彼女に惹かれているのだと気づきますが、気づいた時にはもうすぐ契約が終わってしまう時期でした。
美雪の願いで、最初で最後の旅行にフィンランドへ行くことにしました。
二人はすでにお互いの気持ちは「これから先も一緒にいたい」なのですが、美雪は自分が死んでしまうので傷つけたくないのです。
楽しい時間を過ごしてきたからこそ、これ以上悠輔との関係を続けてしまえば自分も苦しいと思っています。
悠輔はフィンランド最終日に、美雪にもう少し一緒にいられないかと提案しようとしますが、拒まれてしまいました。
諦めなければいけないのかもしれないのですが、悠輔は美雪と離れた後も、ずっと彼女のことが頭から離れませんでした。
周りのサポート
美雪をずっとサポートしていたのは、主治医である若村先生と母・礼子(高岡早紀)でした。
礼子は自分の夢だったデザイナーの仕事をしていますが、離れていても陰ながら美雪のことをサポートしています。
美雪は、余命宣告をされたことを礼子には内緒にしていました。
今まで心配ばかりかけていたので、これ以上は礼子に心配かけられないと思っていたのです。
しかし、礼子は余命宣告のことを若村先生から聞き、悠輔とのフィンランド旅行を終えた美雪に怒ります。
そこで美雪の精一杯の想いを知り、礼子は彼女のことを抱きしめて涙を流します。
心の中では、絶対に母親よりも先にいなくなってほしいと思っているはずがありませんが、その言葉を口にしないのは親子だから、今まで一緒に戦ってきたから、美雪には何も言わなくても伝わっているのです。
疑似恋愛のことも、余命のことも両方知っていたのは若村先生だけでした。
オーロラがどうしても見たいという美雪のことをサポートしながら、本当は長く生きてほしいとも思っています。
悠輔には病気のことを伝えていなかった美雪ですが、弟が怪我してしまったことで病院に来ていた悠輔に偶然出会います。
どうして美雪が病院にいるのかを不思議に思っていた悠輔は、理由が知りたいと頭を下げます。
若村先生は美雪にもっと笑顔になってほしいと思い伝えてはいけないのですが、彼女の病気を悠輔に教えました。
奇跡
若村先生から美雪が余命宣告をされていることを知り、悔しい悠輔は美雪のことを追いかけます。
そこで、ひったくりから助けたことも聞き、美雪に対してちゃんと想いを伝えようとした悠輔はフィンランドに向かいます。
美雪はどうしても最後にオーロラが見たいと思い、フィンランドに発ちます。
見られないかもしれないけど、最後にどうしても赤いオーロラが見られたら幸福が訪れるかもしれないと強く願っていました。
願っていても見られないかもしれない不安になった美雪は、礼子に電話をかけます。
きっと見れるという礼子の言葉を嬉しそうに、もう一度だけ望みをかけてみようと外に出ます。
最後の奇跡を信じて空を眺めてオーロラを探しますが、見れないままでした。
一方で悠輔は、美雪の後を追い、フィンランドにやっと着きました。
今まで自分は想っていることを伝えられませんでしたが、美雪には自分の想いをどうしても伝えたかったのです。
電車に乗って早く美雪の元へ行きたいと急ぎますが、途中道が塞がっていて、もう進むことができないと言われてしまいます。
このまま美雪に会えなかったら後悔すると考えた悠輔は、自分の足で雪の道を駆け抜けて行きます。
やっとの想いで美雪がいる場所にたどり着きました。
美雪は悠輔がフィンランドに来ていることに驚きましたが、悠輔は美雪に「黙っていただろ?」と問いかけました。
「黙っていたから最初からやり直しだ」と言いました。
美雪は「今度はいつまで?」と聞き返すと、悠輔は「生きている限りずっと」と言いました。
二人の想いが通じ合って微笑み合い、悠輔にもらったガラス作品を見つめていると、そこには緑のオーロラが映りました。
やっと見ることのできたオーロラでしたが、それだけでなく美雪がどうしても見たかった赤いオーロラも見ることができたのです。
エンディングと感想
それからどれだけの日数が流れたのかは分かりませんが、美雪は車椅子に乗っていました。
悠輔と「カフェ voice」にいましたが、外に出ると初雪が降っていました。
長生きしそうな気がする、と美雪は悠輔に抱きしめられながら笑顔で話していました。
美雪はこの後、長く生きたのかは分かりませんが、悠輔とならどんな辛い治療でも乗り越えていけると思います。
大切な人を手に入れて、病気は1年と余命宣告をされていても最後には赤いオーロラまで見られました。
不器用でもぶっきらぼうでも、美雪には声に出してちゃんと気持ちを伝えてくれた悠輔に感動しました。
今まで何も声に出していなかった悠輔ですが、美雪には途中から正直に気持ちを話していたあの笑顔にキュンキュンしてしまいました。
歌の世界を映画にするってどんな感じなんだろう?と思っていましたが、美雪のまっすぐな性格にも感動しました。
ですが、やはり悠輔が最後に美雪に言った「俺たちが生きている限りずっと」というセリフが一番最高。涙が止まりません。
これから先、何年生きるかも美雪がどれだけ生きれるかもわからないけど、どちらかが亡くなってしまったとしても想い合っていくという意味にも思いました。
最初で最後にとてもいい恋ができて、うらやましかったです。
登坂広臣さんが橋で叫ぶシーンなどは予告で観ていましたが、映画全てを見て胸キュンシーンがたくさんありました。
語り出すととても長くなってしまいますが、一番印象に残っているのは、悠輔が岩永さんや家族に美雪を紹介するシーンの恥ずかしそうな顔です。キュンとしました。
映画『雪の華』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
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— 映画『雪の華』 (@yukinohanamovie) July 5, 2019
2019年、絶対に見てほしい作品のひとつである映画『雪の華』を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
中島美嘉さんの人気曲「雪の華」を映画化たものですが、本当に涙が止まりませんでした。
ぜひ、みなさんも『雪の華』をキュンキュンしながら、ご覧になってみて下さい。