『ブレキング・バッド』のブライアン・クランストンが10年ぶりに主演を務めた『Your Honor / 追い詰められた判事』。
真面目で公正だった判事が、過ちを犯してしまった息子を守るため地に落ちてゆく姿を全10話で描いた作品です。
見る前からラストがヤバいことは前評判で知っていましたし、始めの過ちからハッピーエンドなんてありえないことは物語が進んでいくごとにはっきりと確信していましたが…。
YUKI
- コステロ刑事とリー弁護士は、ロッコひき逃げ事件の真相を突き止める
- カルロ裁判の終結。判決は…?
- ラストはやるせなさすぎて鬱。救いよ何処に?
それではさっそく、『Your Honor / 追い詰められた判事』第9話の振り返りと、第10話のレビューをしていきたいと思います!
目次
『Your Honor / 追い詰められた判事』前回第9話のあらすじと振り返り
- カルロの親友でドラッグ中毒者のジョーイが、カルロのコフィ殺しの証言者として現れる
- 死んだ妻が浮気をしていたことをマイケルは知っていた
- バクスターはフィアの彼氏がマイケルの息子のアダムだと知る
- マイケルは証言台に立ったジョーイに薬を盛り、証言ができる状態ではないことを理由に訴えを退ける
- チャーリーはアダムの二股を知り、フラニーに会いアダムから身を引くよう注意する
- リーは、ロッコひき逃げの時刻にコフィが高卒認定試験を受けていたことを突き止める
第9話では、カルロに不利な証言者ジョーイが登場しました。
このジョーイは、警察に保護を求める代わりにカルロの有罪を証言する約束だったんですが、幼い頃からカルロの友達でバクスター家で世話になっていた過去があり、なかなか辛い証言をすることを余儀なくされていました。
ジョーイの証言が成功していれば、カルロは死刑台に近づき、さらにバクスター婦人がコフィ殺しを息子に教唆していたことも明らかになっていたはずでした。
しかしマイケルの機転により、ジョーイは証言者としての能力がないとして、法廷から姿を消します。
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一方で、アダムがフィアの彼氏で、アダムとはマイケルの息子だと気付いたバクスター。
はっきりと何かに気付いたわけではありませんが、違和感を感じているようでした。
【ネタバレ】『Your Honor / 追い詰められた判事』第10話(最終回)あらすじ・感想
母の浮気を知ったアダム
アダムの祖母は、マイケルに母が浮気をしていたことを言ってしまいました。
これまで必死にこの事実をアダムが知ることがないよう守ってきたマイケルなのに…。
しかし、母の浮気を知ってもアダムは意外にもしっかりしていましたよね。
YUKI
ふたりが笑顔で抱き合うシーンは…このドラマで最初で最後の微笑ましいシーン。
どんな罪を犯しても守りたいのは、この笑顔なんですよね…。
YUKI
コステロとリーは事件の真相を知る
コステロ刑事はマイケルの妻の墓地へ行き、その墓地でマイケルとアダムを見たという人物に出会います。
目撃者の男性にとっても大切な人の命日だった、忘れるはずもないその日は、10月10日。
マイケルとアダムが母の命日をやり直した日!
これによってコステロ刑事は、マイケルが嘘を付いていたこと、ロッコをひき逃げしたのがアダムだということに気付いてしまいます。
さらにリーもマイケルの嘘に気付き、マイケルを責め立てます。
「せめてコフィのためにユージーンを証言台に立たせて欲しい」と頼むリー。
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カルロの裁判終結
身を守るためにコフィを殺したというカルロの嘘は暴かれましたが、結局ユージーンの証言は認められませんでした。
コフィの無実は証明されなかったのです。
そしてカルロ裁判は…カルロ無罪の判決が下ります。
リーは涙ながらに法廷を去ります。
コフィの無罪を証明する事実を持っていながら、証言すら認められなかったユージーンは、法律に正義を求めることを諦め、別の方法でコフィを弔う決意をします。
一方、裁判所で発作を起こしたアダムは吸引機を使い、それをバクスター夫妻は目撃。
これではっきりと犯人はマイケルではなくアダムだと知ってしまいます。
カルロ無罪を祝してパーティーが開催される
無罪放免になったカルロの祝賀パーティーが開催されることになり、フィアからパーティーに呼ばれたアダム。
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バクスターが真相を掴んだことを知ったマイケルは、パーティーへ向かったアダムに何度も電話をかけますが、電話に出ないアダム。
マイケルは急いでパーティー会場へ向かいますが、セキュリティに止められ会場には入れません。
そして会場には、銃を持ったユージーンが忍び込み…カルロに狙いを定めて発砲。
しかし弾はカルロから逸れ、後ろにいたアダムの首に命中します。
ユージーンは動揺し会場を逃亡。
泣き叫びながらアダムに追いすがるフィアをアダムから引きはがしたバクスター。
混乱の中、会場に入ったマイケルは瀕死のアダムのそばに駆け寄り…アダムはマイケルの腕の中で息絶えるのでした…。
プツンと切れたように終わるラスト…。
というワケで、こと切れたアダムを泣きながら抱きしめるマイケルの「大丈夫だ」の言葉で物語は終了します。
様々な問題が終わっていないまま、唐突すぎるアダムの死で、おわり…。
YUKI
だからと言って、このラストですっきりするはずもなく。
自分のモットーや信念を捻じ曲げてまでマイケルが守ろうとしたアダムの命は、マイケル本人の行動が招いた悲劇から生まれたユージーンという新たな被害者によって奪われてしまったのですから。
アダムが死ぬ前、バクスターがアダムを抱きしめるシーンがありました。
あの時ユージーンがアダムを殺さなければ、バクスターはどうしたのでしょうか?
ユージーンが本当に殺そうと思っていたのは、ロッコを殺したカルロ、ですよね。
本来死ぬはずだったのはカルロであり、カルロが受けるはずだった弾を受けて死ぬのはアダムです。
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それがバクスターの溜飲が下がる出来事だったかどうかは別として、バクスターはアダムをフィアのために許そうとしていたのではないかと思いました。
ニューオリンズ一の悪党という前評判はあっても、バクスターはただ口が悪いだけの子供を思う普通の父親にしか見えなかったからです。
死んだ妻が浮気をしていたことを知ったアダムに、マイケルが「たったひとつの過ちで人の価値は決まらない」と言う言葉。
最終話を見るまで、小出しにされていたマイケル妻の浮気の話が一体何に効いてくるのか全く分かりませんでした。
判事として正義を重んずべき立場でありながら、息子の命を守るために罪を犯し、何人もの無実の人間の死を招いてしまったマイケル。
ニューオリンズ一の犯罪組織のトップとして恐れられながら、子供を愛し、家族を守ろうとしたバクスター。
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最初から最後まで、胸がゾワゾワしてずっと苦しいまま終わりましたが「こうすれば良かったのに」という決断も、「こうなって欲しかった」という結末も結局思い付きませんでした。
『Your Honor / 追い詰められた判事』第10話(最終回)あらすじ・ネタバレ感想まとめ
YUKI
ラストまで見た後、最終話の序盤のマイケルとアダムの抱擁を再び見ると、胸がぎゅう、と締め付けられます。
全ては因果応報。
チャーリーも言っていましたが「目には目を、歯には歯を。息子には息子を」と。
奇しくも、アダムの死に方はロッコの死に方と酷似していていましたよね。
あの後、ユージーンはどうなるんでしょう?
チャーリーも「市長になって悪を一掃するんだ!」と語っていましたけど…。
YUKI