2000年に公開された『X-MEN』から19年続く壮大なX-MENサーガ。
その最終章として公開になった本作『X-MEN:ダーク・フェニックス』は、仲間だったジーン・グレイが覚醒して史上最大の脅威となって立ちはだかります。
- 『X-MEN』シリーズ最終章にふさわしい、シリアスで息を呑む物語
- 巨匠ハンス・ジマーによる音楽が壮大さに拍車をかける
- ダーク・フェニックスと化したジーンの無敵具合が恐ろしすぎる
原作は『X-MEN:ファイナル ディシジョン』と同じコミック「ダーク・フェニックス・サーガ」より2度目の映像化。
さらに壮大で、そして重い物語になっています。
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『X-MEN:ダーク・フェニックス』作品情報
作品名 | X-MEN:ダーク・フェニックス |
公開日 | 2019年6月21日 |
上映時間 | 114分 |
監督 | サイモン・キンバーグ |
脚本 | サイモン・キンバーグ |
出演者 | ジェームズ・マカヴォイ マイケル・ファスベンダー ジェニファー・ローレンス ニコラス・ホルト ソフィー・ターナー タイ・シェリダン アレクサンドラ・シップ コディ・スミット=マクフィー エヴァン・ピーターズ ジェシカ・チャステイン |
音楽 | ハンス・ジマー |
【ネタバレ】『X-MEN:ダーク・フェニックス』あらすじ・感想
『フューチャー&パスト』から続く新時間軸の集大成
『X-MEN』シリーズは大きく二つの章に分かれています。
- 『X-MEN』から『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』まで。
- 今作でも出演しているジェームズ・マカヴォイやマイケル・ファスベンダーらが主役を務める『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』から今作『X-MEN:ダーク・フェニックス』まで。
その中でも、『X-MEN:フューチャー&パスト』ではウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)が過去を変えたことによって、『ファイナル・ディシジョン』で死んだ仲間たちが生きている新しい時間軸が生まれました。
今作もその時間軸で話が進んでいます。
時間軸は分かれていますが、今作の鍵となるジーン・グレイ(ソフィー・タナー)は、初期作でも過去に対してトラウマ=闇を抱えている様子が描かれています。
『ファイナル・ディシジョン』でもジーンの力が覚醒してフェニックスとなり、敵だけでなく味方であるX-MENに対しても危害が及んでいました。
今作では自分の力が引き起こした事故によって両親が死んでしまうという、ジーンがずっと抱えていたトラウマのシーンから物語が始まります。
ジーンが覚醒することになる原因はエンデバー号?
本作の舞台は1992年。
人間とミュータントが共存し、X-MENは依頼を受けて人々を助けるために活躍するほどになっていました。
そんな最中、当時実際に世界中の注目を浴びたアメリカのスペースシャトル、エンデバー号が打ち上げられていました。
しかし、宇宙で事故に遭ったことにより、乗組員の救助要請がX-MENの元に届きます。
X-MENのメンバーで科学者でもあるビースト(ニコラス・ホルト)が設計をしたXジェットに乗って、メンバーはエンデバー号の元へ到着します。
エンデバー号は何かに衝突したようで、高速で横回転をしていましたが、能力を使ってその回転を抑え、乗組員も救出しました。
ところが、そこには船長の姿がありません。
船長はまだエンデバー号に取り残されていました。
しかも、エンデバー号には太陽フレアが近づいていて、かなり危険な状態。
残すわけにはいかず、ナイトクローラー(コディ・スミット=マクフィー)のテレポーテーション能力を利用して、ジーンが助けに行きます。
ナイトクローラーは船長を連れてXジェットに戻りますが、そこにジーンの姿がありません。
ジーンはすぐそこに近づいている太陽フレアを、サイコキネシス能力を使って防ごうとしますが、力が足りずに飲み込まれてしまいます。
しかし、そこで不思議な現象が起きます。
太陽フレアがまるでジーンの体内に入り込むように取り込まれていくのです。
状況が落ち着いたあと、すぐにナイトクローラーがジーンをXジェットに連れ戻しますが、彼女の体には傷ひとつありませんでした。
それどころか、それ以降の彼女は「気分がいい」と言い、実際に上機嫌な状態が続いていました。
プロフェッサーXが隠そうとしているものとは
救助活動から生還し、その後もX-MENのメンバーと共に生活をしていたジーンですが、みんなでパーティーを楽しんでいた夜に事態が急変します。
パーティー会場は森の中。キャンプファイヤーを目にしたジーンは様子がおかしくなります。
子供の頃のトラウマがフラッシュバックし、恐怖のような感情が込み上げてきて、制御できなくなった力が爆発して周囲をサイコキネシスによる衝撃波で吹き飛ばしてしまいます。
様子がおかしいジーンに対して事態を重く見たプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)は、テレパシー能力を使ってジーンの頭の中に入り込みます。
そこで聞こえてきたのは、ジーンの父親の声でした。
子どもの頃に事故によって死んだと思っていた父親が生きていると知ったジーンは、学園を飛び出して父親の元に向かいます。
実は、プロフェッサーXはジーンの父親が実は生きていることを知っていました。
というのも、事故そのものが子供だったジーンが感情を抑えきれずに起こしてしまったものだったのです。
それによってジーンの母親は死に、父親はジーンのことを手に負えないと思うようになり、プロフェッサーXに託していた事実がありました。
実際に父親と会ったジーンも、飾られている写真の中に自分がいないことから父親の本心を知ってしまいます。
一人のメンバーの死がジーンを完全に孤立させる
ジーンの元に着いたプロフェッサーXを始めとしたX-MENの面々ですが、怒りと悲しみによって力が覚醒してしまったジーンに対してなす術がありません。
なんとか彼女を抑えようと、それぞれ能力を使って立ち向かいますが、誰の能力もジーンには及びませんでした。
そんな中、ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)が説得しようと彼女に近づきますが、ジーンはその言葉を聞き入れようとせずに、力を使ってミスティークを吹き飛ばしてしまいます。
そして運が悪いことに、飛んだ先にはジーンの力によって壊れた家の瓦礫があり、折れた柱がミスティークに突き刺さってしまい、命を落としてしまいます。
その状況を見たジーンは怖くなったのか、その場を飛んで去ってしまいます。
ミスティークを愛していたビーストは、その瞬間を目の当たりにしてしまっていたため、ジーンに対して強い怒りと憎しみを持ってしまうことになります。
他のメンバーも仲間が死に追いやられたことで、ジーンに対する信頼を失ってしまうのでした。
しかし、ジーンの恋人であるサイクロップス(タイ・シェリダン)もいるため、完全に敵対心を持つこともできない複雑な感情がチームの中で広がります。
こうしてX-MENのメンバーとジーンは完全に分裂してしまうのでした。
マグニートーの存在がダーク・フェニックス覚醒に拍車をかける
自分の感情と力が抑えきれなくなったジーンは、マグニートー(マイケル・ファスベンダー)に会いに行きます。
彼は人間とミュータントが共存することはできないという考えから、過去に人間に対して危害を与えることもありましたが、現在はある場所で仲間のミュータントと共に静かな生活を送っていました。
過去に人を殺してきた経験もあったのですが、今は落ち着いて暮らしている彼に、ジーンはどうしたら自分を抑えることができるのか助けを求めてやってきたのです。
しかし、ジーンがやってきたことで軍の部隊もマグニートーの元にやってきてしまいます。
当然事態は大人しく収まるわけもなく、武力で制圧しようとする軍に対して、ジーンはサイコキネシスを使って軍のヘリを破壊するなどの強行手段を取ります。
隊員が乗ったままのヘリを破壊しようとしますが、それに対して磁力を操る能力を持つマグニートーは彼女の破壊行為を抑え、隊員をヘリに乗せてヘリを遠くに飛ばして逃がし、ジーンにも立ち去るよう忠告します。
同じ境遇に立ったことがあるマグニートーであれば自分を助けてくれると考えていたジーンは失望し、言われた通りにその場を去ります。
その後、愛する者を失った怒りから単独行動でジーンの行動を追ったビーストがマグニートーの元を訪れ、彼女の服についていた血がミスティークの物であり、彼女が死んだことを伝えます。
過去にミスティークはマグニートー側についていたこともあり、その時にマグニートーもミスティークに想いを寄せていたこともありました。
ビーストにジーンを見つけることを手伝うよう頼まれたマグニートーは「見つけたら殺すぞ」と忠告しますが、当然ビーストも同じ想いだったため、2人は一緒にジーンの後を追うことになります。
ジーンの力を狙う敵の出現
今作はただ、ジーンとX-MENの戦いを描いた作品ではありません。実は別の敵が登場します。
ミュータントでも人間でもなく、ドゥバリという種族の地球外生命体です。
実はエンデバー号の事故の時に、宇宙空間に浮遊していたのは太陽フレアではなく、強大な宇宙エネルギーでした。
そのエネルギーはある惑星を破壊していました。
その住人だった生物こそが、このドゥバリです。
そのエネルギーを追っていた彼らは、ジーンにエネルギーが取り込まれたのを見て、地球まで追ってきたのでした。
彼らは人間に擬態し、ジーンに接触します。
その本当の目的は、ジーンに宿ったエネルギーを奪うこと。
しかし、そのエネルギーを取り込んで耐えられるのがジーンしかいないため、彼女を言いくるめて利用しようとしていたのでした。
その思惑通り、力について知っていて、彼女の立場も理解するドゥバリにジーンは心を許してしまいます。
X-MENとブラザーフッドとジーンの三つ巴対決
ドゥバリが集まる隠れ家にジーンが足を踏み入れた時、後を追ってきたマグニートー率いるブラザーフッドとビーストがやってきます。
さらに、そこにプロフェッサーXたちもナイトクローラーのテレポーテーション能力を使って到着。
マグニートーたちの動きを抑えるために、ドゥバリの隠れ家を前に対決が始まります。
この対決では、個々に敵の相手をするブラザーフッドに対して、プロフェッサーXのテレパシー能力を駆使して、それぞれの能力を必要な場面で利用して敵に立ち向かっていく“一致団結型”の戦い方をするX-MENという戦い方の違いにも注目です。
そして、戦いはもつれにもつれてマグニートーが地下鉄を地面から掘り起こし、隠れ家の入り口に突っ込ませたことで、その場にいたジーンも巻き込んだものになります。
マグニートーは我先にと階段の手すりを槍に見立ててジーンに向けて攻撃しますが、覚醒したジーンの前にはその力が及びません。
それどころかマグニートーが被るヘルメットをどんどんと潰され、マグニートーはダメージを負ってその場に倒れてしまいます。
一方でプロフェッサーXは、ジーンに重要な過去を隠していたことを謝罪した上で真実の記憶を読ませます。
そこには、手に負えなくなった父親に対して彼女のことを信じてあげることで彼女を救うことができる、その役割を自分が担うことを誓っている場面でした。
ただ真実を隠していたわけではなく、自分のことを救うためだったことを知ったジーンは落ち着きを取り戻しますが、その場で気絶してしまいます。
実はその前にエネルギーの一部をドゥバリのリーダーであるヴークに移してしまっていました。
肝心のヴークを始めとしたドゥバリは、その場を立ち去っています。
そんな最中、ミュータントを制圧する部隊が現れ、X-MENとブラザーフッド関係なくその場にいたミュータントたちを拘束しました。
そして彼らは収容所に移送されることに…。
最終決戦はミュータントvsドゥバリ
ミュータントは全員、能力を無効化される装置を付けられた状態で拘束されて、収容所に向かう列車に乗せられていました。
そこにはもちろん気を失ったジーンもいます。
となれば、当然ドゥバリがジーンを奪おうとやってきます。
再生能力を持ったドゥバリには銃撃も効かず、ミュータントを護送していた人間の兵隊たちは次から次へとやられていきます。
味方がやられ、手立てがなくなった軍はやむなくミュータントたちの拘束を解きます。
X-MENとブラザーフッドの共同戦線です!
敵対していた二組が協力したことで、次から次へと列車に侵入してくるドゥバリを返り討ちにしていきます。
車両の奥にいるジーンを守るために、X-MENだけでなくマグニートー率いるブラザーフッドも身を挺しているシーンは興奮の一言!
そうしてミュータントたちが戦っている中、プロフェッサーXはテレパシーでジーンに声をかけ続けます。
その甲斐あり、ついにジーンが目を覚まします。その後の彼女の力は圧巻!!
乗っていた列車を宙に浮かび上がらせ、ミュータントたちをバリアで守りつつ、ドゥバリを巻き込むように車両をひねりつぶしたりしながらあっという間に破壊しました。
最後の戦いでも立ち向かってくるドゥバリを、一瞬にして灰にしていきます。
そして最後にリーダーであるヴークが残り、ジーンと対峙します。
「この力が欲しい?ならあげるわ」と、エネルギーをヴークに流れるように放出していきます。
当然、ヴークにはその強いエネルギーに耐えうるほどの力を持っていないため、ヴークの体はみるみる崩壊していきます。
途中で離れようとしてもジーンは離しません。
しかし、近くにいたサイクロップスの手も少し崩壊しているのを見たジーンは、ヴークを捕まえたまま空に飛び、宇宙空間で最後のエネルギーを一気に放出してヴークに送り込むことで、自分もろともヴークを倒します。
最後に残ったエネルギーの形は、まさにフェニックスの形をしていました…。
ジーンが最後に残したもの
仲間たちを守るために、自らの命を引き換えに敵のドゥバリを倒し、宇宙エネルギーも宇宙空間に放出したジーン。
ダーク・フェニックスへの覚醒も自らの意思ではなく、事故とトラウマが引き起こしたものだったため、最終的に仲間たちとの絆が完全に崩壊することはありませんでした。
その後、プロフェッサーXが校長を務めていたミュータントたちの楽園とも言うべき、恵まれし子らの学園は「ジーン・グレイ学園」に名前を変えます。
さらに校長はプロフェッサーXからビーストが引き継ぎ、残ったX-MENのメンバーらは教師として引き続き学園での生活を送っています。
ビーストに校長の座を譲ったプロフェッサーXは引退し、悠々自適の生活を送っています。
ラストシーンでは、カフェにいるプロフェッサーXの元にマグニートーがやってきて会話を始めます。
そこには、過去に敵対していた関係ではなく、旧友同士の穏やかな空気が流れていました。
そう、プロフェッサーXとマグニートーとしてではなく、チャールズ・エグゼビアとエリック・レーンシャーとして…。
2人はエリックが持ってきたチェスを始め、本作は終わります。
壮大なX-MENサーガの最終章にふさわしいエンディング
X-MENシリーズで長く対立し合ってきたエリックとチャールズ。
その2人が戦いを経て、再び心を通わせ、友達として笑顔を交えながら会話をするラストシーン。
これまでX-MENはウルヴァリンなど主人公が変わることもありましたが、やはりその話の主軸にいるのはこの2人なのだと実感させられるシーンになっていました。
それもあくまで友人としてのやり取りで終える。
この穏やかなエンディングは、19年続いてきた『X-MEN』の壮大な物語を美しく終えるものとして、この上ない形になりました。
初期作とは違う新しい時間軸を描いた物語なので、もしかしたら今後この後の物語が描かれることもあるかもしれません。
その時も、この2人の関係が先に描かれていることで、世界観をより広く感じさせてくれることは間違いないでしょう。
『X-MEN:ダーク・フェニックス』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
【6月24日更新】#マグニートー の格好良さにしびれる人が続出❗ #プロフェッサーX との絆にも涙😭
これが #最後のXメン❗ 『X-MEN:#ダークフェニックス』感想まとめ👉https://t.co/MYkQsNZnYA#Xメンが好き #20年間ありがとう pic.twitter.com/QpinJ7q96K
— 最後の『X-MEN』 (@XmenMovieJP) 2019年6月23日
以上、ここまで『X-MEN:ダーク・フェニックス』について紹介させていただきました。
- 戦いだけでなく、ミュータント同士の絆を再認識することができる
- 今まで対立していたミュータントが団結して敵と戦う流れが胸熱すぎる
- 原作が同じ『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』との違いを見比べるのもおすすめ
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