2013年に公開された映画『ワールド・ウォーZ』。
公開当時はどんな映画かほとんど明かされておらず、ウイルス感染もの、パンデミックものくらいに考えていた人が多かったと思います。
しかし、タイトルに付いている“Z”。
これ、“ゾンビ”のことでした。
爆発的な感染力で人間がゾンビに変化し、世界中が危機に陥るパニック・ホラーです。
ということで今回は、今や言わずと知れたゾンビ映画の『ワールド・ウォーZ』をネタバレありでご紹介します。
目次
『ワールド・ウォーZ』作品情報
作品名 | ワールド・ウォーZ |
公開日 | 2013年8月10日 |
上映時間 | 116分 |
監督 | マーク・フォースター |
脚本 | マシュー・マイケル・カーナハン ドリュー・ゴダード デイモン・リンデロフ |
出演者 | ブラッド・ピット ミレイユ・イーノス ダニエラ・ケルテス ジェームズ・バッジ・デール ファナ・モコエナ |
音楽 | マルコ・ベルトラミ |
【ネタバレ】『ワールド・ウォーZ』あらすじ
世界中で起こる異常な現象
近頃、世界各地で奇妙な現象が起こっていました。
鳥インフルエンザの流行、イルカの大量死、二酸化炭素の増加…。
そして、謎のウイルスによって異常行動を起こす人の急増。
これにより、WHO(世界保健機関)はパンデミック警戒レベルを6に引き上げます。
このウイルスによる感染者は、イギリスではすでに15,000人にも及んでいました。
その頃、アメリカはペンシルバニア州・フィラデルフィアでは、ジェリー・レイン(ブラッド・ピット)と妻のカリン(ミレイユ・イーノス)、喘息持ちの長女・レイチェル(アビゲイル・ハーグローヴ)、次女・コニー(スターリング・ジェリンズ)の4人家族が暮らしていました。
国連職員だったジェリーは新聞に国連を批判する内容を寄稿してしまったために解雇され、今は求職中です。
ある日、妻と子どもたちを学校へ送るために車を運転していたジェリーは大渋滞に巻き込まれました。
前方の様子は見えませんが、上空にヘリが何機も飛んでいるので、何か非常事態が起きていることがわかります。
警察のバイクが猛スピードで走っていき、ジェリーの車のサイドミラーにぶつかったので外に出て飛ばされたミラーを拾いに行きました。
その瞬間、前方で大爆発が起きます。
新たにやって来た警察が外に出ないよう警告しますが、目の前で暴走トラックに轢かれてしまい、やがて暴走トラックは別のトラックにぶつかって動きを止めました。
トラックになぎ倒された車が次々に接触事故を起こし、人々は逃げまどい道に溢れ返っています。
何が起きているのかわからないのでパニック状態の中、ふとジェリーが横を見ると、車のフロントガラスに頭突きをしている女性がいました。
そして、その女性が他の男性に噛みつくと、男性は凶暴化。
凶暴化までの時間は、わずか12秒。
気がつけば周辺には凶暴化した人たちが続々と現れ、街のあちこちで火事が起きていました。
ジェリーは安全そうな車を奪って乗り込み、家族を乗せると急発進します。
長女のレイチェルが喘息の発作を起こしかけますが、薬は置いてきたリュックの中でした。
そのため、喘息の薬をドラッグストアに取りに行こうと思い立ちます。
そこへ国連事務次長・ティエリー(ファナ・モコエナ)から連絡が入りました。
ニューヨークのマンハッタン上空をヘリで飛んでいるというティエリーは、ボストンが壊滅したと話しジェリーに現場復帰を求めてきます。
ティエリーが迎えに来てくれるようなので、ジェリーは現在地を伝えました。
通りかかったスーパーを覗いたジェリーたちはスーパーも混乱して危険な状態だと知ります。
さらに、噛まれて凶暴化した人たちはゾンビであり、“Z”と呼ばれていることがわかります。
最初の地、韓国へ
ティエリーが来るまで近くのアパートに避難したジェリーたちは、スパニッシュ系の家族の家に入れてもらいます。
このトーマス夫妻は英語が理解できなかったため、息子のトミー(ファブリツィオ・ザカリー・グイド)が通訳をしてくれました。
トーマス夫妻の家でラジオを聞いたジェリーは、Zになってしまう謎のウイルスが世界中に蔓延していることを知ります。
トーマス夫妻に一緒に逃げようと伝えますが、一家は残ることを決めているようで、代わりに必要なものを何でも持って行ってと言ってくれました。
ジェリーたちが去った後、トーマス夫妻の家はZに襲われます。
ジェリーも屋上へ向かう途中でZに襲われ、格闘した際にZの血が口に入ってしまったので、Z化したら自ら飛び降りようと屋上の淵に立ちましたが、12秒経っても変化しませんでした。
やがてトーマス夫妻の夫のみZ化し、妻とトミーは屋上へ逃げて来ましたが、共にヘリに乗ろうとした時に妻がヘリから落ち、トミーだけが助かります。
大西洋上にある国連指揮艦の空母・アーガスに乗り込んだジェリーたちはティエリーと会い、船室を与えられました。
アメリカの感染状況は、予想を遥かに超えた規模でした。
都会は壊滅状態で、大統領は既に死亡し、副大統領と側近4名は行方不明になっていました。
ミネソタ北部は未だ安全地域とされていますが、世界規模で感染拡大が続いています。
国連はワクチンを作ろうとしていて、ウイルス学者のファスバック(エリス・ガベル)が発生源さえわかれば作れるとしたため、最初にZが確認された韓国へジェリーも行くことになりました。
カリンはジェリーが韓国に行くことを心配しますが、ジェリーは家族が船にいさせてもらえるように働くと伝えます。
特殊部隊と一緒に専用のジェット機に乗り込んだジェリーとファスバックは、燃料補給のために韓国の米軍基地に立ち寄りました。
先に降り立った特殊部隊は待ち構えていたZに襲われ、その後方にいたファスバックは驚いて雨に濡れた地面で転倒し、銃の暴発により死亡します。
基地の兵士の話によると、僻地の村で診察を行った医者が帰還後に凶暴化し、最初のZとなったそうです。
ジェリーは、Zは頭を撃つか焼き払えば活動停止すること、音に反応することを知ります。
さらに元CIA局員によると、北朝鮮では国民全員が抜歯することでZの拡大を防いだそうです。
そして、ユルゲン(ルディ・ボーケン)というスパイがこの状況を事前に察知し、イスラエルのイェルサレムに高い壁を築いて感染を防いだという情報を得たジェリーは、イェルサレムへ向かうことにしました。
音を立てないようにジェット機への給油を始めたジェリーですが、何も知らないカリンから電話がかかってきたため、着信音に反応してZが寄ってきます。
ジェリーは急いで操縦席に移動し、離陸しました。
イェルサレムの空港に降り立ったジェリーは、女性兵士・セガン(ダニエラ・ケルテス)に付き添われ、ユルゲンに会いに行きます。
エルサレムで見たもの
諜報機関のスパイだったユルゲンは、インドで不死者と戦っているという情報があったことから高い壁を築こうと考えたそうです。
ジェリーは最初の発症はインドかと聞きますが、ユルゲンにもそれはわからないようでした。
イェルサレムでは高い壁の中で健康な人々を保護しています。
しかし、そこも完璧な安全地帯とはいえませんでした。
壁の中の誰かがマイクを使ってイスラムの祈りを唱え始めると、内部は騒がしくなってきます。
この音に外のZが反応し、壁に張りついて重なっていきました。
踏まれても痛がらないZは積み重なるようにして壁を突破し、次々に内部へと落ちてきます。
さっきまで安全だった壁の中が、あっというまに大量のZで埋め尽くされました。
ジェリーは逃げる途中で不思議な光景を目撃します。
Zがとあるスキンヘッドの少年のことを避けて通っていたのです。
その頃、ジェリーの護衛についていたセガンがZに腕を噛まれてしまいます。
ジェリーはセガンの腕を切断し、感染を防ぎました。
乗る予定だったヘリが目の前で墜落したジェリーとセガンは、離陸直前のジェット機に乗せてもらいます。
このジェット機はイェルサレムが目的地でしたが、Zの大量発生を見て再び離陸しました。
離陸後、ジェリーは電話でティエリーと話します。
先ほど見た光景から、Zは老人や健康でない人には無反応なのではと推論を伝えました。
そして、この通話を最後に携帯は充電切れになります。
その時、乗客の飼い犬が貨物室に向かって吠えました。
不審に思ったキャビンアテンダントが貨物室を開けると、Zが飛び出してきてキャビンアテンダントに噛みつきます。
すぐに感染して他の乗客を噛み、一瞬のうちに機内では感染が拡大しました。
ジェリーは自分たちのいる部屋の扉にスーツケースを積み重ねてZが入ってこられないようにしましたが、塞ぎ切れずに現場は大パニック。
ジェリーが手榴弾でZを攻撃すると、その反動で機体に穴が開き、Zと共に乗客も落下していきました。
飛行機はいよいよ制御不能になり墜落しますが、ジェリーとセガンは何とか生き残ります。
ジェリーは大怪我を負いますが、場所を教えてもらっていたWHOの研究所へ向かいました。
怪我のせいで3日も眠り続けたジェリーは身元不明で疑われますが、ティエリーの力で国連職員だと証明してもらいます。
“Z”との戦い
ジェリーは、Zは健康でない人には反応しないのではないかという推論を伝えますが、WHO職員はすでに試したといいます。
しかし、WHOが試したのはZ対Zであり、ジェリーが試したいのはZ対“生きていて健康でない人間”なのです。
WHO職員は病原体のサンプルの薬品が使えるかもしれないといいますが、サンプルはZが大量に発生している別棟にありました。
ジェリーは攻撃されやすい部分や手足に包帯を巻いて全身を補強し、武器を持って別棟へ行こうとします。
セガンと所長も同様にして一緒に向かいました。
所長いわく、Zを殺すと周囲のZが攻撃的になってしまうということで、音を立てないように気をつけて進みます。
Zは攻撃対象がいない状態が続くと活動休止状態になるようで、別棟の群れは動きが鈍くなっていました。
しかし、扉を開けようとした音に反応したZが近づいてきたため、ジェリーが囮になって移動し、セガンと所長は脱出します。
目的地にたどり着いたジェリーは監視カメラ越しに職員から指示を受けていましたが、どの薬品を選べばよいかまでは指示を受け取れません。
手当たり次第に持ち出そうとしますが、外にZが出現。
ジェリーは監視カメラに「愛していると家族に伝えてくれ」と書いたメモを見せると、一つの薬品を自らに打ち込みます。
様子を見て外に出てみると、Zはジェリーを避けて通るようになっていました。
ジェリーは余裕で元いた研究所に戻り、解毒剤を打ってもらいます。
ところ変わって、カナダ・ノバスコシア。
安全地域であるこの場所に、ジェリーの家族は避難していました。
無事に帰還したジェリーは家族と再会。
さらに、WHOは“偽装効果”のあるワクチンの開発に成功します。
このワクチンを投与すると、あの時のジェリーのようにZに襲われずに済むのでした。
封鎖地区には空からワクチンを投下して配布し、Zが高地や寒冷地を苦手としていることが判明すると、そういった場所におびき寄せて空爆する作戦も実行されました。
しかし、Zウイルスの発生源や原因は不明なまま。
多くを失ったZとの戦いは、むしろ始まったばかりです。
『ワールド・ウォーZ』感想
大量すぎるゾンビ
ゾンビ映画の中でも、登場するゾンビの数ランキング3位以内には入りそうな『ワールド・ウォーZ』。
urara
そんなことある?と、笑っちゃうくらいの大量発生。
逃げ切るブラッド・ピット、さすがです。
urara
危機的状況の中で自分が一番になってしまうのは、仕方がないことなのですが…。
urara
ラストはまさかの“俺たちの戦いはこれからだ”というエンドでしたが、予算の関係でこういった形になったという噂も。
urara
ちょっと駆け足なくらいのテンポの良さは癖になりそうだったので、今でも続編を期待しています。
urara
『ワールド・ウォーZ』まとめ
#映画のコトダマ
映画『ワールド・ウォーZ』https://t.co/Fgj3NkVz1C謎の感染症によってゾンビが出現し、人類は危機に瀕する。このセリフは、早い段階でゾンビ発生を事実と認め、エルサレム市街を巨大な城壁で囲んだモサド高官の言葉。不吉な予言や分析を信じないのは、たしかに人情ともいえそう。 pic.twitter.com/RszGEmyXt3
— Netflix Japan (@NetflixJP) April 4, 2020
いかがだったでしょうか。
ブラッド・ピット主演のパニック・ホラー映画『ワールド・ウォーZ』。
普段ゾンビものを観ないという方も、一度ご覧になってみては?
- 夢にまで出てきそうな大量に押し寄せるゾンビが凄い!
- パニックに陥る都市や人々がリアル…。
- テンポ良く進むストーリーでサクッと観られる!