『ウィッシュ・ドラゴン』は、ティーポットに閉じ込められた元は王だったドラゴンが、主人となった人間の3つの願いをかなえるというストーリー。
ジャッキー・チェンがプロデューサーとして名を連ねており、キャストを務めている全員がハリウッドで活躍するアジア系の俳優で、セリフ回しがなめらかで楽しい!
本当に大切なものは何かを明るくすっきり爽快にピンクのドラゴンが教えてくれる、そんな作品です。
- 神に選ばれた純粋な貧乏学生のディン
- ピンクのドラゴンは、面倒くさがりや
- 親友リナとの再会だけが願い
- 人間だったころのロン
- 本当に大切なもの
それでは『ウィッシュ・ドラゴン』をレビューします。
目次
映画『ウィッシュ・ドラゴン』作品情報
作品名 | ウィッシュ・ドラゴン |
配信開始日 | 2021年6月11日 |
上映時間 | 98分 |
監督 | クリス・アッペルハンス |
脚本 | クリス・アッペルハンス |
出演者 | ジミー・ウォン ジョン・チョー コンスタンス・ウー ナターシャ・リュー・ボルディッツォ ジミー・O・ヤン ウィル・ユン・リー ロニー・チェン |
音楽 | フィリップ・クライン |
【ネタバレ】映画『ウィッシュ・ドラゴン』あらすじ・感想
ティーポットから現れたピンクのウィッシュ・ドラゴン
2週間も学校を行かずにサボって、今日もデリバリーのアルバイトに精を出すのは、貧乏学生のディン(ジミー・ウォン)。
ママ(コンスタンス・ウー)に叱られても、アルバイトに行くのは、10年前に別れたきり会えなくなった親友のリナ(ナターシャ・リュウ・ボルディッツォ)の誕生日パーティーに着て行くスーツを買うためです。
近所のアパートに住んでいたリナとディンは、5歳のときからいつも一緒。
「ずっと友達でいようね」と約束をしたのに、9歳の時に、リナがパパのワン(ウィル・ユン・リー)の仕事の成功で引っ越して以来、会うことなく今まで来たのです。
でも、大きくなったワンの企業の電子広告の看板に大きく映るリナの姿を見つけて以来、ディンはリナのパーティーに行こうと意気込んでいたのでした。
ある日、廃墟にある不思議な建物にデリバリーで訪れたディンは、琵琶を持つタンクトップで短パン、ビーチサンダルの、へんてこなおじさん(ロニー・チェン)に出会います。
「清い心をもつ君だから選んだ」と謎の言葉をつぶやくと、おじさんは小さなティーポットを代金代わりに押しつけたのです。
人のいいディンは、怒ることもせず、そのティーポットをカバンに入れ、自宅にもどるのでした。
そんなアルバイトのお金で買ったスーツを着て、リナの映る看板前の屋上でたたずむディンの前にティーポットから現れたのが3つの願いを叶えるというウィッシュ・ドラゴンのロン(ジョン・チョー)。
ティーポットのオーナーとなった人間10人の願いを叶えれば、天国に行けるというロン、ディンはその最後の10人目だというのです。
1000年も間、ティーポットに閉じ込められてきたというロンは、チャッチャッと3つの願いをして、天国に行かせてくれと主人であるディンを雑に扱うのでした。
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天国に行きたいだけで「坊やと仲良くしている暇はない!」とバッサリのロンに対して、相手に興味津々で「ボクの友情を得るには信頼を勝ち取らないとダメ!」というディンの純真無垢だけど、きちんと目の前にいる相手に敬意を示すきっぱりとしたキャラクターが微笑ましく、とてもいい子だとわかります。
富と権力が一番
ティーポットを狙う謎の3人に襲われ、「強くなりたい」とうっかり口に出したことで、カンフーマスターの力を得てしまったディン。
ロンにお願いの無駄遣いをするのはゴメンだと、残る2つの願いを慎重に考えることにします。
そんなディンが願うのは、「リナとの友情を取り戻すこと」。
「富や権力が一番」と信じて疑わないロンは、ディンのお願いの意味がさっぱりわかりません。
あと2つの願いを叶えたら自由になれるというのに、純粋すぎるディンを面倒くさいおバカなヤツと、自分勝手に頭を抱えるのでした。
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パパの事業の成功でお嬢様となったリナに会うために、「24時間だけリナと同じ上流階級っぽいボクにして」いうお願いをしたディン。
しかし、やっとの思いで再会したリナは、パパのための仕事のコネを作るのに作り笑いをするばかり。
さらに娘の誕生日だというのに、パパが姿を見せないことに落胆し、ひとり涙を流していたのでした。
そんなリナに声をかけたディン、でもリナはディンのことがわかりません。
うっかり「ダン」と名乗ってしまったものの、次の日にランチに行くことになったディンとリナ。
浮かれて家路につくディンですが、ダンと名乗ってしまったことで「貧乏人のお前の本当の姿を知ったら、リナは去って行く」とロンに言われ、口論になったのでした。
そして、口論中にロンが口を滑らしたのは、かつて自分が中国の偉大な王で富も権力も友人もすべて持っていて、その褒美として死後にウィッシュ・ドラゴンになったということ。
ひたすらお金持ちになることが一番だと考えていて、お金で解決する願いをしてチャッチャとして天国へ送ってくれというロンに、「それが1000年かけて学んだことなの?」とディンは言うのでした。
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また、ディンと母のケンカも少しだけ羨ましいと思う気持ちが小さいながら見えてくるのでした。
天国の門を通れなかった王のロンジュー
リナと約束していた高級レストランでのデートに、ティーポットを狙うあやしい3人組が現れ、逃れているうちに、「24時間」の約束の魔法が解けてしまったディン。
ウソをついていたダンからディンに戻りますが、リナはかつて住んでいたアパートを懐かしく思い、近所の住人やディンのママと思いがけず楽しい時間を過ごすのでした。
でも、パパの築いてくれた新しい生活に窮屈さを感じていても、パパを裏切れない、ディンとは住む世界が違うと言い残してリナはアパートを背にするのでした。
裕福でないせいでリナとの友情が続けられないとわかり、ショックを受けるディン。
暗い気持ちでやけになり最後の願いとして「金持ちにしてくれ」というディンに、ロンは孤独だった自分の過去を見せるのでした。
王家に生まれ、富や権力が全てと教えられ育った王のロンジュー。
国の繁栄だけのために、子供たちも家臣たちも労うことのない冷酷な人間でした。
そして、死の床についても家族や家臣の誰も王に付き添うことがなく、ロンジューは周囲に恨みを残して死んでいったというのです。
そんな冷血だったロンジューに、神が天国の門の前で立ちはだかり、生きる上で大切なことを学ぶ罰として彼をウィッシュ・ドラゴンとして、この世に送り返したというのです。
そんなロンは、これまで自分が1000年もの間理解できなかったものを、ディンが教えてくれたと言い、王だったころに自分が得られなかった家族や友達を大切にするディンに、何が本当に自分にとっての願いなのかよく考えて欲しいと問いかけました。
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これまでの高飛車な物言い、ディンを面倒くさそうに扱う様、かつて王様だったなら納得です。
何度も「貧乏人」と暴言も吐いている理由はここにあったかと納得がいきます。
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ディンの最後の願い
ロンへの最後の願いを考え、ビルの屋上でたたずむディンの前に、再び現れた悪党の3人組。
3人に追いつめられ、窮地に陥るディンの元に実はティーポットの秘密を知っていたリナの父ワンが現れます。
事業がうまくいかなくなり経営が傾いたワンは、ティーポットの魔法に頼り、事業を立て直そうとしていたのでした。
ディンにティーポットを渡すよう説得するワンでしたが、手下の返り討ちにあい、ビルから転落して瀕死の重傷を負います。
パパを追って現れたリナの前で、ディンと悪党の3人は、ロンが閉じ込められたティーポットをめぐって戦いを繰り広げます。
そして、悪党との決死の戦いの末、ティーポットを取り戻したディンがロンにした最後のお願いは、リナのパパの命を助けることでした。
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ティーポットの中に閉じ込められ、ウィッシュ・ドラゴンとして10人の人間に仕え、務めを終えたら天国に迎えようという神との約束に囚われるあまり、神の意図する「本当に大切なものが何か」に気づくことなくいたドラゴンのロン。
彼が初めて知った本当に大切なものは、心優しいディンとの友情でした。
人の役に立ちたいと初めて思ったと少し照れながら話すドラゴンは、少し誇らしげで初々しく、なんとも素敵なエンディングでした。
富と権力は、確かにまばゆいかもしれません。
でも1人で酔いしれる成功ほどつまらないものはないと、ピンクのドラゴンは教えてくれるのです。
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映画『ウィッシュ・ドラゴン』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『ウィッシュ・ドラゴン』をレビューしてきました。
- ティーポットから現れたピンクのウィッシュ・ドラゴン
- リナとの再会を願う純粋なディン
- 富と権力がすべてだった王ロンジュー
- 豊かな心を持つことの大切さ
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