週刊少年マガジン公式アプリ「マガジンポケット」の人気ランキング首位常連で、単行本は発売即重版連発の話題作『WIND BREAKER』。
好きなものは強いヤツ、弱いヤツには興味がない――孤独な不良高校生・桜遥は、超不良校として名高い風鈴高校のてっぺんを目指して、街の”外”からやって来ます。
梅宮と兎耳山のタイマンが、ついに始まりました。
兎耳山は、梅宮に勝つことでフウリンも自由も手にでき、誰よりも”楽しく”なれると信じていました。
その勢いのまま俊敏に、梅宮に間髪入れず攻撃を繰り出しますが、ダメージをまるで与えられません。
梅宮が「何も背負っていないから拳が軽い」と指摘する真意を理解できず、どんどん取り乱していく兎耳山。
梅宮渾身の一撃を喰らった彼が思い出したのは、楽しそうに笑う獅子頭連のメンバーで……。
早速、第9話「梅宮の流儀」をレビューしていきます。
目次
アニメ『WIND BREAKER』前回第8話あらすじと振り返り
兎耳山との出会い、獅子頭連での楽しかった日々、兎耳山が頭取になって変わってしまったチーム、そして自分自身がしてきたことを思い、十亀は迷いを隠せなくなっていました。
そんな十亀の変化を拳から感じ取った桜は、ケンカで初めて相手を「知りたい」と思うのでした。
”ケンカ＝対話”を通して互いを見つめ合い、真正面からぶつかる二人が笑いながら戦う様子に圧倒され、シンと静まり返る場内。
そこで、十亀は「終わりにしようか」と満足そうにギブアップを宣言しました。
納得がいかない桜は声を荒げますが、梅宮が止めに入り、桜を仲間たちのもとへ帰します。
そして、敗者には目もくれず、十亀にすら冷たくあたる兎耳山と対峙するのでした。
【ネタバレあり】アニメ『WIND BREAKER』第9話あらすじ・感想
楽しさの行方
ついに始まった、梅宮と兎耳山による大将戦。
兎耳山は、梅宮に勝つことで自由になれると信じ、その先にある”楽しさ”を求めていました。
しかし、持ち前の俊敏さで間髪入れずに攻撃を繰り出すものの、梅宮にはダメージを与えられません。
梅宮は、何も背負っていないが故に「拳が軽い」と指摘しますが、兎耳山は真意を理解できないまま取り乱していきます。
兎耳山の語る自由とは、楽しさとは何なのか問い続ける梅宮。
そして、理由はどうであれ頭取になったならば、仲間につらい顔をさせるなと告げます。
梅宮渾身の一撃を喰らった兎耳山が思い出したのは、かつての楽しそうに笑う獅子頭連のメンバーでした。
兎耳山は半狂乱状態に陥り、「梅ちゃんもいらない。 全部いらない」と呟くのでした。
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梅宮の流儀
狂ったように叫び声を上げた兎耳山は、仰向けに倒れた梅宮に馬乗りになって殴り続けます。
されるがままになっている梅宮に、十亀は目を見開き、桜は「どういうつもりだ！」と声を荒げました。
すると、それまで黙っていた杉下が「黙って見てろ」と睨みつけます。
その時、梅宮は兎耳山に微笑みかけ、追い詰めたかったわけじゃないと言いました。
今の状態が続けばしんどいままだと語りかける梅宮の喉元に、思い切り噛みついた兎耳山。
そこまでされても尚、梅宮は穏やかな口調で「大丈夫だ。 お前の中にちゃんと答えはある」と伝えます。
かつて、とある勘違いをきっかけにボウフウリンと獅子頭連がぶつかった時、兎耳山はキラキラしていた語る梅宮。
あの頃に見えていたものが、今の兎耳山に必要なものだと告げ、「思い出せ！」と頭突きを喰らわせました。
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兎耳山が見た夢
梅宮の頭突きを受け、倒れた兎耳山。
目を覚ますと、十亀が痛ましい表情で覗き込んでいました。
兎耳山は自身が梅宮に負けたことを察すると、気を失っていた一瞬の間に昔の夢を見ていたといいます。
みんなが笑顔だと自分も楽しいと気付いた兎耳山は、十亀に「笑って」と語りかけました。
すると十亀は、兎耳山が何に悩んでいるのかわからないまま、兎耳山が仲間たちを傷つけて嫌われてしまわないように、孤立させてしまったと謝ります。
みんなに愛される兎耳山を担ぐという理想を、ある種押し付けてしまったのだと。
本来なら己を貫くためにぶつからなければいけなかったのに、兎耳山からメンバーを遠ざけて、答えを一緒に見つけようともしなかったと。
懺悔する十亀に、兎耳山は自分のことを語り始めました。
山頂の宝箱を目指すようにワクワクしていた日々でしたが、いざてっぺんになってみると、宝箱の中は空っぽだったといいます。
追い求めた自由や楽しさを得ることもなかれば、何も感じなくなり、怖かったと……。
だからこそ、チーム全体が強くなれば、今度こそ自由を手に入れられると思い込んでしまったのです。
そんなことをしなくても、仲間たちと楽しく過ごしていた自分が、とっくに自由だったことを気付けなかった兎耳山。
自分で大切なものを壊してしまったのだと思い至り、これまで自分と仲間たちを懸命に繋ぎ留めていたのは十亀だったと気が付きます。
「ありがとう。 守ってくれて……」
兎耳山の言葉に十亀は涙を流し、兎耳山もまた謝罪を繰り返しながら泣きました。
自由な友達
互いのチームを懸けた戦いは、梅宮の勝利に終わります。
兎耳山は、ケジメは自分でつけると十亀に告げ、チーム揃いの上着を脱いで梅宮に差し出しました。
「みんなをよろしくお願いします」と頭を下げた兎耳山に、梅宮は「嫌だよ」と言い放ちます。
さらに、兎耳山が勝手にチームを懸けただけで、梅宮自身はチームの拡大や格付けに興味はなく、面倒くさいと続けました。
そんな梅宮が提案したのは、「友達」になることでした。
今日からボウフウリンと獅子頭連は友達で、今回の団体戦は親睦会。
梅宮の発言に呆気に取られる一同でしたが、兎耳山は笑い出します。
「やっぱり梅ちゃんは面白いね」
そう言って兎耳山が笑顔を見せると、梅宮も笑って解散を告げるのでした。
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アニメ『WIND BREAKER』第9話まとめ
いかがだったでしょうか。
ボウフウリンと獅子頭連の団体戦が終結し、梅宮の一声で「友達」になることに。
元々、てっぺんは自由な者同士。
「親睦会」を経て、仲良くやっていけそうな気がしますよね。
梅宮の高校生らしからぬ思考と器の大きさに、思わず「人生何週目？」と聞きたくなってしまうほど。
そんな彼の過去も気になりますが……？
次回、第10話も楽しみです。