週刊少年マガジン公式アプリ「マガジンポケット」の人気ランキング首位常連で、単行本は発売即重版連発の話題作『WIND BREAKER』。
好きなものは強いヤツ、弱いヤツには興味がない――孤独な不良高校生・桜遥は、超不良校として名高い風鈴高校のてっぺんを目指して、街の”外”からやって来ます。
兎耳山との出会い、獅子頭連での楽しかった日々、兎耳山が頭取になって変わってしまったチーム、そして自分自身がしてきたことを思い、十亀は迷いを隠せなくなっていました。
そんな十亀の変化を拳から感じ取った桜は、ケンカで初めて相手を「知りたい」と思うのでした。
”ケンカ=対話”を通して互いを見つめ合い、真正面からぶつかる二人。
笑いながら戦う様子に圧倒され、シンと静まり返っていた場内に、「終わりにしようか」と十亀の声が……?
早速、第8話「思いを継いで」をレビューしていきます。
目次
アニメ『WIND BREAKER』前回第7話あらすじと振り返り
いよいよ副将戦、桜vs十亀の戦いの火ぶたが切られます。
梅宮から「たくさん話してこい」と送り出され、「ケンカは”対話”」という言葉を思い出す桜。
強い者とのケンカに感じてきた高揚感だけではない、経験したことのない”何か”に首を傾げながら、十亀と対峙します。
ゆったりとした普段の挙動からは想像もつかない身のこなしの速さと、力の絶対信仰である獅子頭連を抑えつける実力を、まざまざと見せつけていく十亀。
しかし、事の発端である高架下のトンネルの真実が「弱い者いじめ」のようなものだったと知ると、静かに怒りを露わにし、当時者の有馬と鹿沼をボコボコに叩きのめします。
十亀は桜との激しい戦いの中、太陽のように眩しい兎耳山との出会い、かつての楽しかった獅子頭連、兎耳山が頭取になった時のこと、そして、自分自身について顧みていました。
【ネタバレあり】アニメ『WIND BREAKER』第8話あらすじ・感想
曲げない信念
十亀の変化を拳から感じ取った桜は、その胸中を知りたいと思います。
ここは「クズがいていい場所じゃない」と語る十亀は、今回のボウフウリンとの件が何かを変えるきっかけになるのではないかと思っていた節がありました。
しかし、高架下の真実を知ってしまった今、内に正義も何もないケンカに、皆を巻き込んでしまったと考えていたのです。
そんなことを知る由もない桜は、ただ真っ直ぐにぶつかっていきます。
「……自分を曲げたりしねえ!」
自分勝手にも見える桜の言葉にハッとさせられた十亀は、再び兎耳山が頭取になった頃のことを思い出します。
そして、後ろに結んでいた髪をほどき、下駄を脱いで裸足になると、「とことんやろう」と微笑みました。
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対話の果てに
梅宮の言うように”ケンカ=対話”を通して見つめ合い、真正面からぶつかる桜と十亀。
笑いながら激しく戦う二人に圧倒され、客席はシンと静まり返ります。
白熱するバトルに、驚かされる蘇枋、感動して涙を浮かべる楡井、そして、桜の想像以上の力に感心する梅宮と柊。
一方、兎耳山は膝を抱え、静かに舞台上を見つめていました。
当の本人たちは、それぞれに楽しさや感慨を覚え、拳を交わし続けます。
やがて、互いの飛び蹴りが顔面に入り、倒れる二人。
この戦いに心地良さを感じていた彼らの時間は、十亀の「終わりにしようか」という言葉をきっかけに最後を迎えます。
同時に繰り出した拳は、桜のほうが先に相手の頬へ到達し、十亀は仰向けに倒れました。
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正義の在り処
倒れた十亀は、満足そうに「ギブアップ」と言います。
客席からもポツポツと驚きの声が上がる中、桜は憤りを露わにしました。
わざと負けたのではないかと叫ぶ桜をよそに、舞台へ上がってきた兎耳山。
楽しそうに桜に話し掛けた後、早く戦いたいと言わんばかりに梅宮を呼びます。
そんな兎耳山に、正義のない戦いは「もうやめよう」と十亀が近付くと、兎耳山は「負けたんだから黙っててよ」と言い放ち、十亀を蹴り飛ばしました。
桜は思わず兎耳山の胸ぐらを掴み、殴りかかろうとします。
しかし、それを止めたのは梅宮でした。
梅宮は、桜がちゃんと対話ができたようで良かったと称え、十亀にも後は任せてくれないかと笑いかけます。
十亀は「お節介」だと評しながらも、その場を梅宮に託し、自分の足で舞台から降りていきました。
その姿を見て、桜も客席へ戻ります。
これまでとは違う悔しさを覚える桜でしたが、戦いを終え、仲間たちに温かく迎え入れられるのでした。
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大将戦・梅宮vs兎耳山
梅宮は「さっきのケンカを見て何も思わなかったのか」と、兎耳山に問いかけます。
しかし、何も響いていない様子の兎耳山に「残念だ」と告げました。
すると兎耳山は、獅子頭連の面々が弱いせいで自分が自由になれない、楽しくないと言います。
だからこそ、ここで勝って梅宮やボウフウリンを手に入れれば、ようやく自分は誰よりも強く自由な存在になれると明るく語りました。
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「やっとこの退屈な毎日が終わる」
そう言って光を失くした目で笑う兎耳山は、いよいよ梅宮に殴りかかります。
その動きは無茶苦茶で、蘇枋は「天然の化物」だと評し、柊は「獅子頭連至上最年少で頭取になった」実力だと言葉を添えました。
そして、桜はてっぺん同士の激しい攻防を目の当たりにし、先の自分の戦いを思い返しながら、「もっと強くなってやる」と歯を食いしばります。
一方、兎耳山と対峙する梅宮は、「たられば言ってるうちはしんどいままだぞ」と語りかけます。
それでも、梅宮の言葉を心底理解できないという態度を見せる兎耳山に、こう告げました。
「そんなこともわからないヤツに、オレは100%負けない」
アニメ『WIND BREAKER』第8話まとめ
いかがだったでしょうか。
桜vs十亀の副将戦が終結し、まさしく本命である大将戦・梅宮vs兎耳山のバトルが幕を開けます。
十亀とのケンカの顛末にやるせない気持ちを抱え、もっと強くなりたいと歯を食いしばる桜。
その視線の先には、てっぺん同士の規格外な戦いが……。
梅宮の言葉、そして拳の対話は、兎耳山に届くのでしょうか。
次回、第9話も楽しみです。