週刊少年マガジン公式アプリ「マガジンポケット」の人気ランキング首位常連で、単行本は発売即重版連発の話題作『WIND BREAKER』。
好きなものは強いヤツ、弱いヤツには興味がない――孤独な不良高校生・桜遥は、超不良校として名高い風鈴高校のてっぺんを目指して、街の”外”からやって来ます。
勝負に負けたチームメイトを心配するどころか、仲間から追放していく、獅子頭連の兎耳山と十亀。
その異様な光景に桜たちは動揺しつつも、珍しく感情的になった蘇枋が鹿沼に勝利するなど、ボウフウリンは着実に勝利を重ねていました。
続く3戦目は、ボウフウリン四天王・柊vs佐狐で、何やら二人には因縁がある様子。
スピードタイプの佐狐に対し、はじめは防戦一方に見えた柊でしたが、ついに戦を司る武神の名を冠する「多聞衆」筆頭たる実力を見せつけ……?
早速、第6話「その背中を追って」をレビューしていきます。
目次
アニメ『WIND BREAKER』前回第5話あらすじと振り返り
「フウリンを、梅ちゃんごと、俺のものにする」と風鈴高校に乗り込んできた、獅子頭連・頭取の兎耳山。
ついに、ボウフウリンvs獅子頭連のチームを懸けたタイマン勝負が開幕します。
獅子頭連のシマ――大きな飲み屋街を進み、桜たちが案内されたのは、兎耳山たちのアジトである潰れた映画館・通称「オリ」。
獅子頭連のメンバーたちに囲まれる「檻」の中のような環境下で、パワータイプ同士の杉下と有馬の1戦目が始まります。
騙し討ちを物ともせず圧倒的なパワーで勝利した杉下に続き、2戦目に登場したのは蘇枋。
対する鹿沼の様子に、普段は飄々としている蘇枋が珍しく感情的になり、諭すように語りかけながら勝利を重ねます。
桜は二人のクラスメイトの実力を目の当たりにし、真剣にそれぞれの戦いを見つめていました。
【ネタバレあり】アニメ『WIND BREAKER』第6話あらすじ・感想
次なる闘い
杉下、蘇枋と、ボウフウリンの1年生が立て続けに勝利している団体戦。
珍しく感情的になっていた蘇枋は桜に影響を受けたといい、梅宮はそんな1年生たちを嬉しそうに見つめていました。
一方、同級生たちが勝利を収め、うずうずしていた桜は、次こそ自分の出番かと立ち上がりますが、獅子頭連側からは佐狐が登場します。
桜の対戦相手である十亀は副頭取という立場もあり、まだ出てくる気はない様子。
佐狐と対戦する柊は、本来なら自分が十亀と戦うポジションにあるとわかったうえで、桜に「任せる」と告げました。
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そして、何やら因縁があるらしい佐狐と戦うべく、舞台に上がります。
柊は親しげに「久しぶりだな」と声を掛けますが、元より口数が少ないらしい佐狐は返事をすることもなく、ただただ敵意を剝き出しにした視線を送っていました。
3戦目・柊vs佐狐
スピードタイプの佐狐による手数の多い攻撃、それらを的確に躱す柊の図に、客席からは歓声が上がります。
佐狐は柊の戦闘スタイルを熟知しているような素振りで、防戦一方だった柊に鋭い回し蹴りを喰らわせました。
舞台袖へ吹っ飛んだ柊を見て、ボウフウリンのような「仲良しこよしの甘ちゃん連中」とつるんでいるから弱くなるのだと吐き捨てる佐狐。
桜は客席から立ち上がると、佐狐に文句を言うのではなく、柊に罵声を浴びせました。
柊が蹴り飛ばされたせいで、同じチームの自分たちまで罵られているからです。
しかし、梅宮は穏やかに桜を引き止め、佐狐に話し掛けました。
柊はボウフウリン四天王の一人であり、戦を司る武神・毘沙門天=多聞天を冠する「多聞衆」の長を務めているのだと……。
すると、いつの間にか柊が復帰し、佐狐のそばに立っていました。
武神のごとく簡単には倒れない柊は、新入生である桜にどやされて気合いが入ったとでもいうように、再び佐狐の前に立ちはだかり、笑みを浮かべるのでした。
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追いかけた背中
小学生の頃、いじめられていた佐狐は、集団リンチに遭っていました。
そんな弱い者いじめを見つけ、助けに入ったのが柊だったのです。
柊は佐狐に手を差し伸べつつ、ちょっとはやり返せと呆れたように言います。
佐狐は柊の手を取り、ケンカを教えてくれと頼むのでした。
その鮮烈な出会いを経て、柊に強く憧れた佐狐は、中学に上がっても柊の下についていました。
そして、柊が卒業し、風鈴高校へ進む時、ボウフウリンのてっぺんを獲る柊を思い描き、自分も来年はボウフウリンに入ると伝えます。
すると、柊は「ついてこないほうがいい」と告げました。
自分はてっぺんは目指さず、梅宮を担ぐことにしたから、と……。
それは、柊に強烈な憧れを抱いている佐狐を気遣ってのものでしたが、佐狐にとっては見放されたも同然でした。
それからの佐狐は、強くなって柊を後悔させるべく、誰よりもケンカをこなしていきます。
そこで兎耳山と十亀に見出され、スカウトされるかたちで獅子頭連に加入しました。
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多聞衆筆頭の実力
並々ならぬ思いを胸に、柊と戦う佐狐。
足下を狙ったと見せかけて柊の背後に回り込みますが、逆に回し蹴りを喰らってしまいます。
顔面に攻撃を受けても諦めず挑み続ける佐狐の拳を掴み、柊は静かに告げました。
「期待に応えてやれなくてすまなかった」
そして、とどめの一撃が入り、佐狐がダウンしました。
そこで佐狐は、胸中で振り返ります。
柊の気遣いには気付いていたうえで、柊がてっぺんに立たず、どこで誰を担ごうとも、ただ「ついてこい」と言ってほしかっただけなのだと……。
客席から立ち上がった十亀は、敗北した佐狐を運び出すよう下級生に言いつけます。
しかし、柊がそれを止め、自らが抱えて舞台から下ろしました。
気を失った佐狐を丁寧に扱う柊に対し、邪険にする十亀。
十亀は、柊からの「こんなことしててもチームが強くなるとは思えねえ」という言葉に、薄く笑みを浮かべました。
一方、ボウフウリンの客席に戻った柊は、自分と佐狐の関係について尋ねる様子を見せない梅宮に対し、聞かないのかと問いかけます。
すると梅宮は、話したくなったら話してくれ、それがオレの聞きたい話だ、と答えました。
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アニメ『WIND BREAKER』第6話まとめ
いかがだったでしょうか。
柊と佐狐――因縁の二人の勝負は、柊の勝利で幕を閉じました。
青くて熱い回想シーンにヤンキー漫画らしさを感じつつ……スピードタイプのバトルは見ごたえがありましたね。
一方、回を重ねるごとに怪しく見えてくる、十亀の歪んだ「強さ」への執着。
それが桜との戦いにどんな影響を与えるのか、桜はそこに何を思うのか、要注目ですね。
次回、第7話も楽しみです。