週刊少年マガジン公式アプリ「マガジンポケット」の人気ランキング首位常連で、単行本は発売即重版連発の話題作『WIND BREAKER』。
好きなものは強いヤツ、弱いヤツには興味がない――孤独な不良高校生・桜遥は、超不良校として名高い風鈴高校のてっぺんを目指して、街の”外”からやって来ます。
風鈴高校1年1組には、ケンカで有名な強者たちが集結。
慌てる楡井や飄々と静観する蘇枋をよそに、桜の言動にキレた杉下はそのまま殴りかかり、二人は豪快にケンカを始めていました。
その攻防を遮るように、凄まじい大声が校内中に響き渡ります。
一瞬で学校中の空気を変えた声の主は、”ボウフウリン”総代の梅宮一。
緊張の面持ちでスピーカーを見上げる桜たちでしたが、降ってきたのは予想の斜め上をいく梅宮の言葉で……?
早速、第3話「頂に立つ男」をレビューしていきます。
目次
アニメ『WIND BREAKER』前回第2話あらすじと振り返り
”ボウフウリン”と名付けられ、街を守る学校に変貌を遂げていた風鈴高校、入学式の朝。
登校前に、桜が喫茶ポトスで朝食をとっていると、賑やかな少年・楡井秋彦が飛び込んできました。
桜と同学年の彼は、ことはに念願の風鈴高校の制服姿を見せに来たといいます。
その底抜けの明るさと言動に調子を狂わされる桜は、店を出れば今度は商店街の人々にも優しくされ、戸惑いを隠せません。
すると、突然「助けてください!」と住民の女性に腕を掴まれ、向かった先には不良に殴られている楡井の姿がありました。
絡まれていた女性を庇った楡井でしたが、駆け付けてきた桜が不良たちを圧倒する様子に驚き、やられてばかりだった弱い自分に落ち込みます。
しかし、桜の言葉で持ち直すと、彼を強い人だと認めるようになりました。
その後、一緒に登校した二人は、クラスメイトとなった蘇枋隼飛、杉下京太郎ら、ケンカの猛者たちに出会います。
【ネタバレあり】アニメ『WIND BREAKER』第3話あらすじ・感想
てっぺんの”狂信者”
てっぺんを獲りに来た、と豪語する桜。
杉下は教室へ入るなり、そんな桜に殴りかかってきました。
蘇枋によると、中学時代から風鈴高校に出入りし、その強さを認められていた杉下は「てっぺんの”狂信者”」なのだそうです。
杉下の凶暴さに対し、そう来なくっちゃと乗り気な桜は、そのまま彼と殴り合い、入学早々豪快にケンカをしていました。
その時、二人の攻防を遮るようにスピーカーから凄まじい大声が聞こえてきて、校内中に響き渡ります。
すると、一瞬で教室の空気が変わり、桜はハッとしました。
その声の主は、風鈴高校の”てっぺん”――”ボウフウリン”総代の梅宮一(CV.中村悠一)だったのです。
緊張の面持ちでスピーカーを見上げる桜たちでしたが、続いて降ってきた言葉は「青春しろよ」「たくさん思い出作って有意義に過ごせよ」など、どこかのんきな台詞ばかり。
呆気に取られる一同でしたが、梅宮の「お前ら、街を守れ」という一言で、またしても教室の空気がガラッと変わりました。
桜は、生徒たちを言葉だけで団結させ、杉下のような狂犬に慕われる梅宮とは、一体何者なのかと考えます。
梅宮による放送が終わると、蘇枋が桜と杉下に声を掛けました。
先ほどまでのケンカの仲直りを促すような言葉に桜は驚きますが、梅宮の名前を出された杉下は渋々といった様子で手を差し出します。
楡井に急かされたこともあってか、桜も応じようと手を差し出しました。
嫌々握手をした二人は相変わらず険悪なムードですが、クラスメイトたちは感嘆の声を上げます。
さらに、杉下とケンカをしたことで、桜は早くもクラスメイトたちに受け入れられていました。
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”多聞衆”の長
桜たち1年1組の面々は、外へ呼び出されます。
そこにいたのは、柊をはじめとする上級生たちでした。
柊は桜の姿を見つけると、先日の一件でことはが危ない目に遭っていたことは絶対に口外するなと釘を刺します。
バレたら面倒なことになるとだけ聞かされ、納得しきれない桜。
そんな桜がどうして街の外からやって来たかは知らないものの、柊は「とんでもない”大将”のところに来ちまったな」と声を掛けました。
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楡井によると、ボウフウリンは総代である梅宮の下に四天王がいて、四天王それぞれが隊をまとめる隊長のような存在であり、そのうちの一人が柊だそうです。
隊は四天王に因んで、1組から順に多聞衆、持国衆、増長衆、広目衆と分かれており、桜たち1年1組は柊がまとめる多聞衆にあたるようでした。
そして今、多聞衆は校庭に集められ、上級生をリーダーとするいくつかの班に分かれるよう指示されていました。
これから「街の見回り」へ行くために……。
ボウフウリンと獅子頭連
総代である梅宮直々の指示で、柊の班に入れられた桜と杉下。
残るメンバーは蘇枋と楡井ですが、柊は主に桜と杉下を見張る立場にあるようでした。
そんな中、桜は「街の見回り」が本当に街を歩いて見回っているだけということを知り、不満を零します。
すると柊は、自分たちが風鈴高校の制服を着て歩いているだけで他のチームへの牽制になっているといい、「俺たちのケンカは守るケンカだ」と告げました。
街の見回りを続けていると、老人の手助けをしたり、店の壁の落書きを消したりと、街のために出来ることを当たり前のように担っているボウフウリンの実態を知ります。
住民を助け、感謝される……桜がそのやり取りを実際に体験しているうち、「ケンカじゃねえと楽しくねえか?」と柊が呟きました。
「言葉を交わしたり、必要としたりされたり、そういうのもなかなか楽しいもんだぞ」
続けてそう言われた桜は、考える素振りを見せました。
*
とある高架下までやって来ると、そこがボウフウリンと別のチーム――”獅子頭連”とのシマ境なのだと教えられます。
この境界を超えれば、国の法律が違うことと同じように、こちらのルールは通用しない、と語る楡井。
向こう側では絶対に問題を起こしてはいけないと、桜は釘を刺されます。
その時、ボウフウリンのシマ内にある中学の生徒が、獅子頭連に追われている姿を目撃。
あちらのシマの敷地にいるうちは手を出せず、間に合わないかと焦る柊。
瞬間、桜と杉下が飛び出し、獅子頭連の一人を倒してしまいました。
頂に立つ男
中学生を守ったものの、獅子頭連のシマ内で相手に手を出してしまった桜と杉下。
二人は慌てる楡井に対し、身内が先に「手を出されている」状況だと声を揃えて主張します。
一方、獅子頭連側の面々は仲間が倒されたというのに、揶揄うような口調でいじっていました。
桜が彼らの様子に疑問を抱いていると、突然その場の空気が凍ります。
獅子頭連の副頭取・十亀条(CV.梅原裕一郎)が現れたからです。
桜と杉下の前に出た柊は、身内が獅子頭連に襲われていたことを十亀に伝えます。
すると、桜たちに倒された猿渡(CV.広瀬裕也)は、自分たちのシマで勝手なことをする風鈴の面々を咎めるように叫びました。
途端、十亀は猿渡に殴りかかり、「お前負けたんだろ」「弱いヤツは獅子頭連にはいらない」と告げ、猿渡から獅子頭連のユニフォームを奪います。
飄々としている蘇枋でさえ、見ていて気持ちのいいものではないと評する中、桜は十亀を煽るように「ダセえ」と声を掛けました。
十亀は桜の顔を覚えると、ちゃんとした場所でボコボコにすると言い置いて去っていきます。
ボウフウリンと獅子頭連の間で抗争が起きるのではと慌てる楡井に、なってしまったことは仕方がないと胃薬を飲む柊。
さらに柊は、自分が最初に動くべきだったと桜たちに詫び、梅宮に状況報告をするため、追いかけられていた中学生・笹域(CV.佐藤元)も同行させることにしました。
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桜たちが連れてこられたのは、学校の屋上。
そこには、自分で育てた野菜を見せびらかす、笑顔の梅宮がいました。
アニメ『WIND BREAKER』第3話まとめ
いかがだったでしょうか。
ボウフウリンの総代・梅宮のことを知る暇もなく、他チーム・”獅子頭連”と遭遇、ケンカを売ってしまった桜。
気安い雰囲気で穏やかな笑顔を見せる梅宮は、一体どんな人物なのか?
そして、獅子頭連の実態とは?
次回、第4話も楽しみです。