シリーズ累計発行部数700万部を突破した顎木あくみ先生による小説(原作イラスト:月岡月穂)が原作のアニメ『わたしの幸せな結婚』。
明治大正を思わせる架空の時代を舞台に、家族から虐げられ愛を知らずに育った斎森美世と、孤独で冷酷無慈悲なエリート軍人・久堂清霞が政略結婚をし、やがて心を通わせていく物語です。
亡くなった異能者たちの墓地・”オクツキ”が暴かれたという……。
国に未曽有の危機が迫る中、帝の第二皇子・尭人に天啓が降りました。
対異特殊部隊全体の指揮を執る大海渡、辰石家の新たな当主となった長男・一志とともに、尭人に謁見した清霞が告げられたのは、命を賭した戦いが始まろうとしていること。
そして、美世に良からぬ”何か”が起きるということでした。
早速、第8話「悪夢と不穏な影と」をレビューしていきます。
目次
アニメ『わたしの幸せな結婚』第7話のあらすじと振り返り
幸次は香耶を見捨てず、ともに没落した斎森家を立て直すことを美世に誓います。
そして、清霞と美世は手続きを行い、正式に婚約者となりました。
いずれ本家に挨拶する日が来ると思った美世は、清霞にふさわしい妻となれるよう努めなければと考えます。
すると夏のある日、洋装の似合う美しい女性――清霞の姉・葉月が現れました。
葉月は、淑女の教育を受け直したいという美世のために清霞が呼び寄せた先生役でした。
美世と葉月が親交を深める中、清霞は危険な仕事へ加わることになっていき……。
アニメ『わたしの幸せな結婚』新たな登場人物・キャスト
尭人/CV.石田彰
・今上帝の次男で、帝位を継ぐ最有力候補
・清霞とは幼い頃から親しい
大海渡征/CV.三宅健太
・軍本部で対異特殊部隊全体の指揮を執っている
・清霞の上司
【ネタバレあり】アニメ『わたしの幸せな結婚』第8話あらすじ・感想
天の啓示
……禁域の奥深くにある”オクツキ”と呼ばれる異能者たちの墓。
それは、死してなお負の情念によって異形と化した怨霊たちを永久に封じておくための場所です。
このオクツキが何者かの手によって暴かれたことで、帝都には未曽有の危機が迫っていました。
そんな中、今上帝の次男にして帝位継承最有力候補の尭人(CV.石田彰)に天啓が下ります。
清霞は、対異特殊部隊全体の指揮を執っている上司の大海渡、辰石家の長男で当主となったばかりの一志とともに、尭人の御前へ。
まず一志は、辰石家当主であった実が罪を犯したにもかかわらず、尭人の前に姿を現していることを詫び、今後は久堂家の麾下に入って信頼を取り戻せるよう働くと宣言しました。
尭人は帝に代わって許しを与え、穏やかな口調で励ましの言葉を掛けます。
続けて尭人から告げられたのは、オクツキの封印が解かれたことにより、命を賭した危険な戦いが巻き起こるということでした。
帰り際、尭人に呼び止められた清霞が足を止めると、尭人は清霞の婚約について触れました。
相変わらず穏やかな表情と口調で話していますが、美世について「これからいろいろと大変であろう」と伝えます。
そして、清霞ならば大丈夫だろうと……。
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薄刃の異能と不穏な空気
美世は水色のワンピースに身を包み、葉月による淑女の教育を受けていました。
洋装やポニーテールに未だ慣れない美世の自然な笑顔を引き出そうと、葉月は清霞のおちゃめなエピソードを披露し、和ませながら指導にあたるのでした。
美世は、淑女として非の打ち所がない葉月に少しずつ近付けているような気がして、清霞の隣にふさわしい淑女に近付けている気がして、懸命に日々を送っていました。
そんな中、葉月は美世から「葉月”様”」と呼ばれることを気にしており、家族になるのだから畏まらずに「お義姉さん」と呼んでほしいと言います。
美世は「家族」という言葉に感銘を受けますが、いざ「お義姉さん」と呼ぼうとすると、香耶が自身を「お姉様」と呼ぶ声を思い出してしまい、トラウマのように固まってしまいました。
上手く出来そうもなかった美世が「葉月”さん”」と呼ぶことを提案すると、葉月は喜んでくれました。
清霞とも家族になりたいのだと、改めて考える美世でしたが、育った環境のせいで「家族とは何か」と思い詰めてしまいます。
一方、清霞は尭人に言われた美世のことを気にして、美世が持つであろう薄刃の異能と、彼女が見る悪夢が関係しているのではないかと危惧していました。
人の心を読み、記憶を覗き、夢に入り込める者もいるという薄刃の異能……。
美世の母・澄美以外に手掛かりがないため、引き続き情報屋に調査を依頼します。
清霞には、何か思うところがあるようでした。
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清霞と新の邂逅
日々悪夢に魘されて、よく眠れていない美世。
葉月は美世の顔色が悪いことを心配しますが、忙しい清霞が頑張っている分、稽古に精が出ると微笑む美世を見て、和やかに笑い合いました。
一方その頃、清霞のもとにやって来たのは、秘密主義の宮内省が送ってきた交渉役・鶴木新。
オクツキが暴かれ、逃げ出した異形の行方を追っている宮内省は、付近に倒れていた怪しい男たちを犯人と断定していました。
情報を明かす気のなかった宮内省は、手が足りていないことを理由に清霞ら軍部にも事情を話すことにしたようですが、清霞は新が宮内省の人間ではないことを見抜きます。
新は本来、鶴木貿易という会社を営んでおり、普段から取引先の調査を行っているため、元より付き合いのある宮内省から依頼があれば交渉役も引き受けているのだと語りました。
そんな新は、清霞が最近婚約したことに触れつつ、自分が軍部と宮内省との連絡係を担うことになると言って、握手しようと手を差し出します。
清霞が握手に応じると、「健闘を祈ります」と告げました。
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美世の悪夢と異形の怨霊
清霞ら対異特殊部隊はオクツキの調査に向かっていました。
オクツキを暴いた実行犯の一人と思われる男は、生きているものの意識を失って眠っている状態……その側らで、大海渡と一志は会話を交わします。
一志は呪いや術を解く”解術”の力を持っていましたが、生物ならともかく死者の呪いを解けるかどうかはわからないと語りました。
そして、その男の解術を試みた一志が見たのは、恐ろしい呪い……。
一志は、自分では手に負えそうにないと怯えた表情を浮かべます。
一方、清霞は異形と化した怨霊たちに遭遇し、戦いの最中にいました。
そんなことは知らないはずの美世は、同じく異形が現れる悪夢に魘され、涙を流しながら目を覚まします。
時を同じくして、新は某所の桜の樹に思いを馳せていました。
そして、「俺が守ります。 それが俺の”役目”ですから」と宣言します。
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清霞が山中で異形との戦いを終える頃、美世は葉月、ゆり江とともに街へ出ていました。
洋装に身を包み、和装の時とは違う歩き方や振る舞いの実践練習をしていたのです。
しかし、葉月とゆり江に日々の寝不足から来る疲れを見抜かれ、帰路につこうとします。
その時、疲労の末に倒れてしまった美世を助けたのは、清霞……ではなく、新でした。
アニメ『わたしの幸せな結婚』第8話まとめ
いかがだったでしょうか。
尭人の御前から始まった第8話。
早速、チャラチャラしていそうな一志の有能ぶりを見せつけられましたね。
尭人は清霞と旧知の仲で、美世の心配もしている様子でしたが、立場ゆえ詳しいことは語れないようでした。
尭人に下った天啓はオクツキのことだけでなく、美世の悪夢にも繋がっているということですよね。
美世は、清霞が対峙していた異形の怨霊を悪夢に見ていましたから、何か関係しているのは間違いなさそうです。
その辺りを知っているのが今のところ新だけ、という部分は不安要素ですが……。
清霞にも何か思うところがありそうなので、美世と新の邂逅についても心配しすぎず、視聴者は見守るしかありませんね……!
次回、第9話も楽しみです。