シリーズ累計発行部数700万部を突破した顎木あくみ先生による小説(原作イラスト:月岡月穂)が原作のアニメ『わたしの幸せな結婚』。
明治大正を思わせる架空の時代を舞台に、家族から虐げられ愛を知らずに育った斎森美世と、孤独で冷酷無慈悲なエリート軍人・久堂清霞が政略結婚をし、やがて心を通わせていく物語です。
幸次は香耶を見捨てず、ともに没落した斎森家を立て直すことを美世に誓います。
そして、清霞と美世は手続きを行い、正式に婚約者となりました。
いずれ本家に挨拶する日が来ると思った美世は、清霞にふさわしい妻となれるよう努めなければと考えます。
すると夏のある日、洋装の似合う美しい女性が久堂家を訪れました。
それは、清霞の姉・葉月で……。
早速、第7話「夏の華の淑女(モダンガール)」をレビューしていきます。
目次
アニメ『わたしの幸せな結婚』第6話のあらすじと振り返り
誘拐された美世が目を覚ますと、そこは幼い頃に閉じ込められた斎森家の蔵の中……。
香乃子と香耶は、美世を執拗に痛めつけながら「自分から縁談を断れ」と迫りました。
美世は、これまでの自分なら抗うことなく従っていただろう、でも今は違う、と決意します。
一方、清霞は幸次から美世の居場所を教えられ、斎森の屋敷へと乗り込みますが、実と真一が異能で立ち塞がりました。
強い能力で圧倒する清霞でしたが、何とか対抗しようとした実の炎によって、斎森邸は炎上してしまいます。
怯まず返り討ちにした清霞によって美世は助けられますが、意識を失ってしまうのでした。
アニメ『わたしの幸せな結婚』新たな登場人物・キャスト
久堂葉月/CV.日笠陽子
・清霞の姉
・華やかな美貌と、すらりとしたプロポーションで洋装も着こなすモダンガール
・溌剌として面倒見が良い
【ネタバレあり】アニメ『わたしの幸せな結婚』第7話あらすじ・感想
全焼した斎森邸
久堂家で無事に目を覚ました美世は、炎上した斎森邸を心配します。
死傷者が出なかったことに安堵しますが、屋敷が全焼したと聞いて胸を痛めました。
そして、清霞に屋敷へ連れて行ってほしいと頼みます。
燃え尽きた屋敷の跡地を見て驚く美世に、清霞は斎森家の今後について知らせました。
真一と香乃子は、使用人の半数を解雇してから、別邸に移住。
香耶は一人で厳格な家へと奉公に出され、斎森家は実質、没落貴族となりました。
今回の事件の主犯となった実に関しては、公に裁かれることはないようですが、辰石家を長男・一志に引き継ぎ、表舞台から姿を消すことに……。
その頃、辰石家では香耶が旅立つ準備をしていました。
幸次は荷物の少なさを心配しますが、香耶には嫌味と受け取られてしまい、互いにつらい表情での別れとなります。
一方の美世は、再び斎森家を訪れた理由である桜の切り株のもとへ辿り着いていました。
母・澄美が嫁いできた時に植えられ、香乃子が嫁いできた時に切り倒されてしまった樹です。
澄美に呼ばれた気がしたと言う美世が切り株に触れると、瞬間的に青い光を発したあと、ホロホロと崩れて、あっという間に灰になってしまいました。
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その様子を見守った二人は、正式に婚約の手続きを行う算段を立て、微笑み合いながら屋敷を後にしようとします。
そこへ現れたのは、幸次でした。
幸次の決意と旅立ち
今回の件について清霞に礼を伝えた幸次は、美世に話があるといいます。
美世と二人きりになると、幸次はこれから京都に向かい、修行をしに行くと語りました。
守りたい人を守りたい時に守れるようになりたいと……。
そして、美世が久堂家へ嫁ぐことになった時に告げられなかった、美世への想いを伝えようとします。
しかし美世は、その時のことを覚えていないフリをしました。
美世の忘れてしまった素振りは、きちんと幸次に伝わっていましたが、幸次は一瞬表情を強張らせたあと、そっと微笑みます。
香耶とともに斎森家を立て直そうと考えていることを告げると、「また会おう」と口にして、彼もまた旅立っていくのでした。
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後日、清霞と美世は名を連ねるだけの簡素な婚約届をしたため、正式に婚約者となりました。
ゆり江に見守られ、ようやく落ち着いた日常を送っていると、洋装に身を包んだ美しい女性がやって来ます。
それは、清霞の姉・葉月(CV.日笠陽子)でした。
優しいモダンガール
正式に婚約、結婚と段階を踏んでいく中で、久堂本家へ挨拶に行く日が来るだろうと考えた美世。
清霞にふさわしい妻となれるよう努めなければと思い、改めて淑女としての教育を受けたいと言い出します。
突然のお願いに驚く清霞でしたが、自分で先生を見つけてくるから……と頭を下げる美世を窘め、先生役には当てがあると提案しました。
そんな信頼関係ができてきた二人のもとに現れた葉月こそ、清霞が美世の先生として呼び寄せた存在でした。
葉月は、クールな清霞とは対照的に明るく溌剌としていて、会ったばかりの美世のことを「美世ちゃん」と呼び、素直に可愛がってくれる面倒見の良い女性です。
庭に咲いていた天竺牡丹=ダリアが好きだと話す葉月は、美世の好きな花は何かと問いかけます。
花の名前をあまり知らない美世は困ってしまいますが、同じく庭に咲いていた小さな花を見て顔を綻ばせました。
その花――ツユクサは雑草であり、美世は雑草にも名前があることに驚きますが、葉月は「どんな小さな花にも名前はあって、みんな美しいわ」と語ります。
そして、花は限られた時間で一生懸命に咲くから美しいのだと続け、自分たちも同じように頑張ろうと励ますのでした。
美世と葉月を微笑ましく見守る一方で、心配もしている清霞は、彼女たちの様子が気になって仕方ありません。
葉月とも関係良好なゆり江は、不安げな清霞の姿も含めて温かく見守っていました。
そんなことも露知らず、気楽に始めようと声を掛ける葉月に、美世は淑女の教育を受けられること、教えてくれるのが清霞の姉の葉月であることが嬉しいのだと伝えます。
健気な美世の言葉に感銘を受けた葉月は、とっさに美世を抱きしめると、美世を持ち帰ってもいいかと清霞に問いかけ、幸せそうな弟を遠回しに揶揄いました。
葉月は勉強するなら目標があるほうがいいと言って、2ヶ月後に開催されるパーティーに美世を誘います。
怖じ気付く美世でしたが、清霞の後押しもあり、参加を目指して頑張ることに決めました。
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平穏な日常、不穏な事件
正式に婚約関係となり、葉月による美世の淑女教育が始まり、順調な滑り出しに思えた久堂家。
ところが、夜中にハッと目を覚ました清霞は異能の気配を感じ取り、急いで美世の部屋へ向かいます。
美世は悪夢に魘されており、清霞の呼び掛けにも応じません。
屋敷の周りの結界には異常が見られず、何者かによる侵入も考えにくい状況の中、美世からは以前と同じ異能の残滓が感じられました。
それでも異能による干渉ができるとするならば……。
「薄刃……」とだけ呟いた清霞には、思うところがあるようでした。
後日、上司にあたる大海渡征(CV.三宅健太)に呼び出された清霞は、今上帝の子に天啓が下ったことを伝えられ、謁見に立ち会うよう指示されます。
さらに、「墓荒らし」が起きたことが明かされ、「オクツキ」が暴かれたと聞くと、清霞は緊張した面持ちで大海渡に顔を向けました。
一方、今上帝から何らかの行動を任されていた新は、「迎えに行くよ……美世」と一人笑みを浮かべるのでした。
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アニメ『わたしの幸せな結婚』第7話まとめ
いかがだったでしょうか。
斎森家の離散、幸次の旅立ち、葉月との邂逅……と、美世に出会いと別れが訪れた第7話。
正式に婚約者となった清霞と美世、そんな二人を取り囲む空気は温かく穏やかであるのに反して、異能者たちの世界では何か不吉なことが起こっている様子です。
今上帝の子・尭人に下った天啓の内容や、怪しげな新の行動に注目が集まりますが、美世が桜の切り株のもとで感じさせた異能らしき力も気になります。
新は美世のことを知っているような台詞を口にしていましたが、薄刃の血と関係があるのでしょうか。
次回、第8話も楽しみです。