シリーズ累計発行部数700万部を突破した顎木あくみ先生による小説(原作イラスト:月岡月穂)が原作のアニメ『わたしの幸せな結婚』。
明治大正を思わせる架空の時代を舞台に、家族から虐げられ愛を知らずに育った斎森美世と、孤独で冷酷無慈悲なエリート軍人・久堂清霞が政略結婚をし、やがて心を通わせていく物語です。
清霞にお礼がしたいと考えた美世は、ゆり江に相談し、手作りの組み紐を贈ることにします。
清霞は買い物へ行きたいという美世にお守りを渡して送り出しました。
しかし、美世は街でゆり江を待つ間に、香耶と幸次に出くわしてしまいます。
その頃、情報屋から美世の生い立ちを知らされた清霞が斎森家を訪れ、真一と香乃子に詰め寄るも、二人は悪びれる様子もなく……。
早速、第4話「おくりもの」をレビューしていきます。
目次
アニメ『わたしの幸せな結婚』第3話のあらすじと振り返り
突然訪れた初めての”デヱト”。
清霞は「何も欲しいものがない」という美世に、自分の買い物に付き合うよう言いました。
そして、馴染みの呉服店に連れて行き、自分で古着の着物を繕っていた美世のため、新しい着物を仕立てることに。
さらに、求婚の意味がある櫛を贈り、美世を喜ばせるのでした。
一方で、清霞は情報屋に斎森家の内情を調べさせていました。
予想通り、美世が異能を持たないこと、そのことをきっかけに家庭内で虐げられていたことを知り、彼女を守ろうと考え始めます。
アニメ『わたしの幸せな結婚』新たな登場人物・キャスト
薄刃澄美/CV.日高のり子
・美世の実母
・美世が幼い頃に病で亡くなる
辰石一志/CV.深町康成
・辰石家の長男
・派手な身なりで遊び歩いてばかりいるため、次期当主が務まるのか弟の幸次も心配している
【ネタバレあり】アニメ『わたしの幸せな結婚』第4話あらすじ・感想
おくりもの
美世の実母である澄美(CV.日高のり子)は、真一が異能を持たない美世を愛そうとしないことに胸を痛めていました。
病を抱えた自らが余命わずかなことを悟り、幼い美世を守り抜けないと知っていたからです。
「あなたがもう少し大きくなったら……」
澄美がそう呟いたところで、美世はハッと目を覚ましました。
そんな夢を見て起きた朝、美世はゆり江のもとへ相談に行きます。
清霞に櫛を贈ってもらったお礼をしたいと思っているものの、何をプレゼントすればいいかわからなかったのです。
目を輝かせて喜び、張り切って相談に乗ってくれたゆり江は、予算が少ないと不安げに話す美世に、手作りのものを贈るのはどうかと提案しました。
ゆり江に借りた手芸本の中から組み紐を選んだ美世は、早速材料を買いに行くことに。
清霞は、ゆり江と一緒とはいえ、慣れない街へ出掛けるという美世を心配して、お守りを手渡しました。
美世はおおげさだと思いつつも、頬を赤らめて喜びます。
その頃、辰石家では、長男・辰石一志(CV.深町康成)に絡まれる幸次の姿が……。
次期当主でありながら派手な風貌で遊び歩いている一志は、弟の幸次がわがままな香耶に翻弄されていることが可笑しいようです。
幸次が反論ついでに文句を言おうとすると、一志は異能の力で幸次の口を開かないようにし、楽しげに立ち去りました。
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斎森との邂逅
街へ出た美世は、清霞をイメージした際に思い浮かんだ綺麗な紫色の紐を見つけました。
楽しそうに紐を選ぶ美世を見て、ゆり江も嬉しそうな表情を浮かべます。
無事に自分の買い物が済んだ美世は、ゆり江が食材の買い出しを終えるのを待っていました。
そこへ偶然通りかかったのは、香耶と幸次でした。
香耶は、相変わらず古着の着物に身を包んでいる美世を見て、久堂家でも使用人同然の扱いを受けているのではないかと思い、かつてのように悪意ある意地悪を言います。
暴言を浴びせられた美世は俯いてしまい、まるで斎森家にいた時のように黙ってしまいました。
幸次は何とか香耶を連れ帰ろうとしますが、香耶の口撃はどんどんエスカレートしていきます。
そこへ、ゆり江が戻ってきました。
ゆり江は、美世のことを「清霞様の奥方となられる御方」だと言い、自らは美世に使える女中だと自己紹介します。
美世が正当なかたちで久堂家に迎え入れられていると知った香耶は、驚きに目を見開くのでした。
一方、清霞は一人、斎森家を訪れていました。
真一と香乃子を前に、美世と正式に婚約し、結婚しようと考えていることを告げると、斎森家と久堂家の関係をハッキリさせたほうがいいと提案します。
それは、斎森家が美世にしてきた酷い仕打ちを知ったうえでは、互いの利害関係を成立させることは難しいと考えていたからでした。
そこで清霞は、斎森家に結納金を渡す代わりに、面と向かって美世に謝罪することを要求します。
そして、それができないならば、斎森家とは縁を切ると宣言しました。
真一は、清霞が異能を持たない美世と結婚しようとしていることや、斎森家の内情を知っていることに驚き、今後の動きについては少し考えさせてほしいと頼みます。
清霞は「長くは待てない」と言い残し、斎森家を後にしました。
帰路につこうとする清霞とすれ違ったのは、街から戻ってきた香耶と幸次。
香耶はすれ違ったのが清霞だと知る由もないまま、「きれいな人……」と独り言ちるのでした。
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美世への来客は……
街で香耶と幸次に会ってから、随分と落ち込んだ様子の美世。
清霞はゆり江から事情を聞き、自室で塞ぎこんでいる美世のもとへ出向きます。
返事のない部屋の前で、「(美世が)抱え込んでいるものは、そのうち気にせずともよくなる」「あまり深刻に考えるな」と声を掛けました。
美世が自信を持つためにはどうすればいいのかと悩む清霞に、大切に思っているということを伝えればいいのだとアドバイスするゆり江。
清霞は愛を持って誠実に向き合うことを諭され、とある人物に手紙を書きました。
しばらくして、美世は清霞へ贈る予定の組み紐を完成させます。
しかし、異能を持たないことや、斎森家での出来事を打ち明けられずにいる今、正直に話せば捨てられてしまうかもしれないという不安を抱えたままでは、清霞に渡すことはできません。
清霞と不釣り合いな自分に悩む美世のもとへ、ゆり江が客を連れてきます。
部屋の前にいたのは、斎森家の元女中で、唯一美世の味方をしてくれていた花でした。
花は美世を庇った件で斎森家を追い出された後、実家へ戻り、今では結婚して子供も授かっていました。
花が幸せに暮らしていたことを知って安心した美世は、涙ぐんで喜びます。
「お嬢様は今、お幸せですか?」と優しく尋ねる花に、思わず本音を吐露する美世。
異能を持たない自分が清霞のような人と結婚して幸せになるなんて、と激しく涙を流しました。
そんな美世に、花は清霞からの手紙を受けてここへ来たことを告げます。
美世のために手紙を書いたという清霞の温かい気遣いを知り、花から「ほんの少しの勇気」をもらった美世は、手作りの組み紐を持って清霞のもとへ向かいました。
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組み紐が運ぶ幸せ
清霞のもとへ向かった美世は、ずっと言えていなかったこと――異能を持たないことや、斎森家で使用人同然の扱いを受けていたことを明かします。
そして、あさましい気持ちから、それらを黙っていたのだと告げました。
一方で、着物を仕立ててくれたことや、櫛を贈ってくれたことをはじめ、清霞にお礼を伝えたいことがたくさんあるのだと語ります。
感謝の気持ちを込めて手作りした組み紐を差し出し、頭を下げました。
すべてを打ち明ければ見捨てられると思っていた美世に、清霞は微笑みかけ、頭を上げさせます。
そのまま美世を抱き寄せ、「お前はイヤか? 私とここで暮らすのは」と問いかけました。
美世は「ここにいたいです」と涙ぐみ、ようやく二人の想いが通じ合います。
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清霞は美世の編んだ組み紐を手にすると、これで髪を結ってくれないかと頼みました。
受け取ってもらえた嬉しさに、美世は頬を赤らめて応えます。
二人は屋敷の前まで出ると、一緒に花を見送り、肩を寄せ合うのでした。
そんな彼らの様子を上空から見下ろしているのは、折り鶴のような式神――先日、清霞が燃やしたものと同じもののようです。
それらを操って二人の姿を覗き見ていたのは、辰石家にいる実でした。
美世と清霞が上手くいっていることを知った実は、このままだと美世が手に入らないと気付き、とある手段を取ろうと考えます。
アニメ『わたしの幸せな結婚』第4話まとめ
いかがだったでしょうか。
美世のために花へ手紙を送り、真実を打ち明けようと勇気を振り絞った美世を、温かく受け入れた清霞。
花を呼び寄せるにあたり、車まで手配していたことに、ネット上では「お優しい!」「旦那様スパダリ!」の声も!
斎森家とも秘密裏に交渉を進め、美世との生活を守ろうとする姿は、美世以上に健気で胸がギュッとなりました。
ゆり江のサポートもありつつ、美世と清霞の想いが通じ合い、ようやく二人で一歩踏み出した矢先、ひと波乱起きそうな予感……。
実は香耶を利用して、美世を奪おうと狙っているようですが……?
次回、第5話も楽しみです。