シリーズ累計発行部数700万部を突破した顎木あくみ先生による小説(原作イラスト:月岡月穂)が原作のアニメ『わたしの幸せな結婚』。
明治大正を思わせる架空の時代を舞台に、家族から虐げられ愛を知らずに育った斎森美世と、孤独で冷酷無慈悲なエリート軍人・久堂清霞が政略結婚をし、やがて心を通わせていく物語です。
美世を連れて薄刃家へと乗り込んだ清霞を迎えたのは、鶴木と名乗っていた薄刃新でした。
そこへ現れたのは、薄刃家当主にして美世の祖父である義浪。
彼らは美世に異能の力が目覚めようとしていることを伝えるとともに、悪夢から解放するための交換条件を突き付けます。
それは、美世を薄刃家に引き渡すことでした。
清霞は断固拒否しますが……。
早速、第10話「夏の桜、そして過ち」をレビューしていきます。
目次
アニメ『わたしの幸せな結婚』第9話のあらすじと振り返り
連夜の悪夢に身も心もやつれ、街中で倒れてしまった美世。
レッスンの時間も減らされ、葉月のような淑女には到底なれそうもないと落ち込みます。
清霞は心配しますが、忙しい任務のさなかに自分のことで煩わせたくないという思いから、美世は本当のことを相談できずにいました。
一度結婚で失敗した葉月は、美世に自分のような”後悔”を味わってほしくないと願うばかりです。
そんな中、清霞の不在を狙って美世に接触した新をきっかけに、清霞と美世の気持ちがすれ違ってしまいます。
【ネタバレあり】アニメ『わたしの幸せな結婚』第10話あらすじ・感想
薄刃家の存在
清霞が美世を連れて訪れたのは、夏場だというのに桜が咲き誇る薄刃家でした。
出迎えたのは、鶴木と名乗っていた新です。
鶴木は表向きの名前で本来は薄刃の人間……そして、美世のいとこにあたると言います。
新は、清霞がここへやって来たのを、美世の悪夢をどうにかするためだと気付いていました。
そして、彼女の悪夢は薄刃の異能に由来するものだと告げます。
美世は異形のものを認める見鬼の才を持たないので気付いていませんでしたが、きちんと薄刃の異能を引き継いで生まれていたのです。
困惑する清霞と美世をよそに、新に続いて姿を見せたのは、薄刃家当主にして美世の実祖父・義浪(CV.廣田行生)でした。
連日の悪夢に苦しめられ、体調不良に陥っていた美世は、薄刃家に着いてから身体が軽くなっているのを感じていました。
それは、薄刃の結界による効果だそうで、ここから出れば再び悪夢に悩まされることになるといいます。
そこで義浪は、美世を悪夢から解放する方法を授ける代わりに、薄刃家へ引き渡せと告げました。
薄刃家も美世が異能を持っていないと認識していたそうで、「夢見の力」に目覚めるとは思っていなかったのだとか。
清霞は、今さら美世を差し出すよう言い出した薄刃家に憤り、断固拒否します。
一方、美世は清霞を煩わせたくない一心で「(清霞の)そばにいたい」と言えず、新にどうしたいかと問われた際、「わかりません」と答えてしまいました。
新は、清霞の「美世を守る」という言葉を否定し、美世の所在を戦いで決めようと提案します。
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清霞vs新
美世の所在を決める戦いが幕を開けます。
刀を抜いた清霞に対し、新は拳銃を構えました。
異能なしでの真剣勝負かと思いきや、間合いを詰めた清霞が斬った新は、彼の異能に由来した残像でした。
その隙をつかれた清霞は片腕を撃たれてしまいます。
新は、自分も含めた薄刃の異能者のほとんどが見鬼の才を持たないことを明かしました。
そもそも見鬼の才は、異形を倒すために必要な力……。
つまり、薄刃の異能は、異能者を倒すための力だったのです。
清霞がその言葉の意味を理解してハッとした時、新は幾数人に分身し、清霞を惑わせようとします。
しかし、清霞は凄まじい異能の力で分身に攻撃を仕掛け、圧倒していきました。
清霞の力を目の当たりにした新は、清霞のような強力な異能者が暴走した場合の最後の要として、薄刃家が歴史の陰に隠れ、ひそかに帝に使えてきたことを明かします。
ほどなくして、新本体が撃った銃弾を見事に刀で斬った清霞が範囲攻撃で一蹴。
ところが、新にとどめを刺す寸前、彼の前に立ちはだかる美世の幻影を見せられ、敗北してしまいます。
「旦那様!」と清霞を呼ぶ美世の叫びも虚しく、傷だらけの清霞は薄刃の結界の外へ飛ばされてしまいました。
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美世を救うために
自宅へ戻った清霞は、葉月に傷の手当てをしてもらいながらも、美世を置いてきたことを咎められます。
清霞は勝負に負けたこと、美世が清霞と薄刃家のどちらかを選べなかったことを受けて、自信をなくしていました。
自分には美世を連れて帰る資格がないと弱気になる清霞にゲンコツを喰らわせた葉月は、「美世ちゃんにはあなたしかいないんだから」と喝を入れます。
それは、美世がどれだけ清霞を想っているかを目の当たりにしていたからこそ言える、弟と義妹を心配した姉からの激励でした。
その時、軍部から連絡が入ります。
個々で動いていた異形が群れを形成し始めるという、緊急事態への招集でした。
葉月は、これから屯所へ行くという清霞を再び咎めます。
しかし清霞は、人の生き死にが関わった仕事を置いて美世を優先し、誰かが犠牲になった場合、それこそ美世は自分自身を責めるだろうと考えていました。
だからこそ、すべてを終わらせてから美世を迎えに行くと決めたのです。
一方その頃、尭人は妙な胸騒ぎを感じていました。
それでも、「今は信じるしかあるまいな」と空を見上げます。
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澄美が隠した異能
新は、幼い頃から意識していた「自分の役目を果たす」という目的を遂行することだけを考えていました。
薄刃家に残された美世のもとを訪れ、仕事へ戻った清霞を薄情だと非難します。
そして、憂い顔の美世に澄美の写真を見せると、澄美には人の心と繋がることができる異能――精神感応があったと語り始めました。
思念を他者の頭の中へ伝える力であり、その異能を持つ人間の子供には「夢見の力」が現れやすいのだと言います。
「夢見の力」は他者の夢の中に入り込み、夢を操って洗脳することさえ可能な力だそうです。
その能力が強くなれば、過去、現在、未来……すべての時を見通すこともできるのだとか。
なぜ今になって、そんな強力な異能に目覚めたのかと困惑する美世。
そこへ現れた義浪は、澄美が美世の力を封じていたのだと告げます。
このことを語るためには、澄美が斎森家へ嫁ぐ頃にまで遡らなければなりませんでした。
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アニメ『わたしの幸せな結婚』第10話まとめ
いかがだったでしょうか。
新の正体や、薄刃家の存在が明るみに出た第10話。
清霞と美世は依然としてすれ違ったまま、離れ離れになってしまいました。
それぞれの強い思いや葛藤が渦巻く中、物語は隠された美世の異能・「夢見の力」を発端に、核心へと迫っていきます。
清霞と新の戦闘シーンのぬるぬる動く素晴らしい作画に見入りつつ、葉月をはじめとした周囲の人々の動きにも注目していきたいものですね。
次回、第11話も楽しみです。