『ウォーク。ライド。ロデオ。』は、アメリカで盛んなロデオ競技の選手アンバリー・スナイダーの実話を基にした物語。
子供のころからロデオ競技に出場し、愛してやまないロデオで快進撃を続け、負けなしだったアンバリー。
交通事故に遭い、これまでの生活とは正反対の車椅子での生活を余儀なくされたアンバリーのロデオへの情熱とあくなき挑戦、決してあきらめない心を描いた爽快ストーリーです。
・リハビリに必要な集中力と目標
・あきらめないただひとつのこと
・開き始めた道
それでは『ウォーク。ライド。ロデオ。』をレビューします。
目次
【ネタバレ】『ウォーク。ライド。ロデオ。』あらすじ・感想
デンバーへの道中
名だたるロデオ大会で連勝を続けるアンバリー・スナイダー(スペンサー・ロック)は、ロデオの全種目で好成績をあげるヤング・ライダー。
愛馬のパワーとアリーナを風のように駆け抜け今日もバレル・レースでは優勝を果たします。
そんなアンバリーは、学業と別に目指すのはロデオのプロ試験で、秋からの大学進学とロデオの二足のわらじをはくことに心を躍らせていたのでした。
プロ試験の資金を稼ぐデンバーでの2週間の仕事にひとり車で出発したアンバリー。
デンバーへ向かう道中、車が横転する大きな事故を起こし、身体が車外に放り出され大怪我を負ったアンバリーは、これまでの人生からは想像もつかない、全く別の道を歩むこととなったのです。
リハビリの目標
事故による脊椎損傷で、腰から下が麻痺して歩くことが出来なくなったアンバリー。
身体を思うように動かせないもどかしさにイラつくアンバリーに寄り添う母のティナ(ミッシー・パイル)、理学療法士のディエゴ(コービン・ブルー)や看護士フェリス(シェリ・シェパード)の支えもあり、持ち前の負けん気を発揮してリハビリに取り組む毎日。
下半身が使えず、車いすでのバランスがつかめないアンバリーに、父のコーリー(ベイリー・チェイス)は、19歳の誕生日にアンバリーが子供のころから慣れ親しんできた鞍を持ち出し、自然とバランスと取っていた感覚を思い出すよう娘を励まします。
そしてリハビリには「集中力と目標」が必要という、理学療法士のディエゴにアンバリーは、自分の目標が「歩く。乗る。ロデオ。」と迷うことなく口にするのでした。
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タイトルの『ウォーク。ライド。ロデオ。』は、そんなアンバリーの強い意思表示!
努力に勝る才能はない
長かった入院生活から解放され自宅にもどったアンバリー。
車いすでの生活にくさりながらも、自宅の牧場で放牧される馬たちの姿に誘われ、ロデオへの情熱を思い出します。一度は、鞍の上に座ったアンブリーでしたが、これまでの感覚と違うとショックを受ける始末。
それでもあきらめずに、動かない足を鞍に固定するベルト装着や、愛馬パワーへの調教、車いすのまま馬の背に鞍をのせる努力を粘り強く続けるアンバリー。
そんな時、ロデオの競技には戻らず、アンバリーにロデオの指導者となる道もあるという母のティナと口論になります。
昔のように走れないなら意味がないと、すべてを投げ出しあきらめようとする娘に、ティナは「前に進むのは、自分の心次第」と強い調子でアンバリーを諭すのでした。
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馬上で風をきるアンバリー
交通事故により復活し、馬の背に戻った、かつてのロデオのチャンピオンの取材をしたいと地元のマスコミからのアプローチを受けたアンバリー。
パワーが突然走り出したことに驚いたアンバリーでしたが、ティナの心配をよそにアンバリーは愛馬の背中で風をきり笑顔。それをきっかけに、ロデオの大会に出場を復帰したアンバリーは、事故前の自己ベスト17.5秒のタイムに迫る走りをみせるまでになります。
以前は、成績にこだわっていたアンバリーも、今では愛馬と出場する競技に幸せをかみしめるのでした。
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しかもそれは、パートナーの馬との信頼関係が、築けていないと成立しないのです!
愛馬との見事な走り
愛馬パワーとロデオ競技の復帰をしたことで夢中になるあまりアンブリーは、鞍と身体を固定するベルトの擦り傷がもとで重い感染症を発症。
競技から離れ、治療に専念する中、ファンからの手紙に目を通すアンブリーは、自分のロデオ競技出場が、身体の自由を奪われた子供たちの大きな励みになっていることを知り、驚きます。
そして決まったテキサスで開かれる大会へのアンブリーの競技への参加。
大舞台のアメリカン大会のファン特別枠のバレル・レースで、アンブリーは、大観衆を前に15.369秒というぶっちぎりに速い走りを見せ、その見事な騎乗に誰もが感動を覚えたのでした。
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『ウォーク。ライド。ロデオ。』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『ウォーク。ライド。ロデオ。』をレビューしてきました。
諦めない心
『ウォーク。ライド。ロデオ。』は、アメリカで、実際にロデオ競技で活躍するアンバリー・スナイダーの実話を基にした物語。
3歳で馬に乗り始め、7歳からロデオ競技に出場していたアンバリーは、交通事故の前から世界選手権にも参加するロデオ競技の有望な選手でした。大きな事故に遭い、車いすの生活を余儀なくされても、アンバリーを「馬に乗りたい」と奮い立たせたのは、ひとえに馬とロデオへの情熱。
実際、アンバーが馬の背に戻ったのは、事故からわずか4か月後だったといいます。その馬に対する強い想いが、アンバリーの負けん気に火をつけ、前に進む勇気を与えたのだと思います。
・ウォーク。ライド。ロデオ。
・あきらめないことの大切さ
・心の持ち方ひとつ
『ウォーク。ライド。ロデオ。』では、アンバリー・スナイダー本人がプロデューサーとして名を連ねているだけでなく、主演のスペンサー・ロックのバレル・レースの騎乗スタントもこなしており、ロデオの迫力を魅せてくれています。
腰より上の乗り手の指示だけで、500キロ以上もある大きな動物をスピードにのせて、自由自在に操るシーンに驚きが隠せません。
最後に映し出される2015年のアンバリー本人のアメリカン大会での騎乗は圧巻で、会場で沸き起こったスタンディング・オベーションには文句なしで納得です!
アンバリーにとって、「歩く、乗る、ロデオ」は、リハビリの単純な目標ではなく、生き方。
劇中で「努力に勝る才能はない」と父コーリーと、アンバリーが何気なく口にするセリフがあります。
どんな逆境にあっても、それをバネにして、やり遂げることは、人をなにより輝かせ、まわりに感動を与える不思議な力をもっているとアンバリーの物語は、訴えかけてくるのです。
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