エイベックスが主催する舞台『バレンタイン・ブルー』が2020年2月18日より公演開始しました。
本作は、出演者15名中エイベックス・マネジメント所属のタレントが14名を占めており、息の合った芝居のチームワークも一つの見どころとなっています。
開演に先駆けて、『バレンタイン・ブルー』の公開ゲネプロおよび囲み取材が行われ、その模様をレポートしたいと思います。
目次
舞台『バレンタイン・ブルー』あらすじ・見どころ
本作はXアベニューという通りの一角にあるカフェ&バー「バレンタイン・ブルー」というお店を舞台に、友情・恋愛・家族・そして夢を追いかけることなど、様々な人生背景をエイネックス所属タレント14名が熱く繰り広げます。
歌やダンスもあり、コメディ要素もたっぷりあり、そして人情味あふれる展開についついポロッと涙する場面もあります。
それでは『バレンタイン・ブルー』のあらすじを簡単にご紹介します。
主演・前島亜美演じる梨子の夢とは?彼女の変化に注目
本作の主演を務めるのが前島亜美。
前島はカフェ&バー「バレンタイン・ブルー」を営む母を手伝う一人娘の梨子を演じています。
彼女は、ある「夢」を抱えていますが、それを自分の中に閉じ込めて自ら可能性を無くし、動けずにいるのでした。
しかし【ある転機】をきっかけに、少しずつ梨子に変化が出始めます。
梨子が抱える夢とは?そして、梨子が変化を遂げるきっかけとは?
ある特殊能力を持ったバーテンダー優介(久保田秀敏)
そして、本作のキーマンとも言えるバーテンダー優介を演じるのが久保田秀敏。
優介は「バレンタイン・ブルー」の新人バーテンダーとして働き始めます。
クールで理性的ですが、天然で子供っぽい顔も併せ持っている人当たりの良い青年です。
優介が持つ「ある特殊な能力」が引き金となって、この物語が大きく動き出します。
「バレンタイン・ブルー」を取り巻く常連客たち
武子直輝が演じるのは「バレンタイン・ブルー」近くのコンビニの専務として働く三沢。
三沢は夢を追いかけて頑張る人を小バカにする習慣がありますが、そこには三沢自身が「ある夢を諦めた」という後悔からくるものだったことがわかります。
會田海心演じるベトナム人留学生ザップは三沢と同じコンビニで働いており、三沢に連れられて「バレンタイン・ブルー」の常連客となります。
ザップの明るく屈託のない笑顔は、周りをパッと明るくする不思議な魅力があります。
そんなザップが物語の中盤以降、みんなを前向きにするきっかけとなった「ある行動」を起こします。
近藤廉演じる大河内も同じコンビニ店員。
アニメ・ゲーム・アイドルが大好きなオタクで、あるアイドルユニットの追っかけをしています。
日比美思と中﨑絵梨奈は【おーがにっく】というアイドルユニットを組んで活動している姉妹。
中﨑演じる姉のそらぽんは【おーがにっく】に対して積極的ですが、日比演じる妹のうみぽんはどこか冷めた気持ちになっていて「解散しよう」と打ち出すことになります。
姉・そらぽんは周りからバカにされても「夢を追いかけたい」という純粋な心を持っており、三沢の考えが変化するきっかけを与えます。
妹・うみぽんはあるきっかけで別のステージで歌うことになりますが、そこで「やっぱり歌とダンスが好き」ということを実感します。果たして最後に決断するのは?
髙橋果鈴、福田愛依、髙石あかりは同じ高校のダンス部。
髙橋演じる景は部長で、「バレンタイン・ブルー」では髙石演じる満理奈にいつもダメ出しと説教をしています。
福田が演じる留美はいつも叱られている満理奈をフォローしながらも、なんとかその場を緩和させようと仲介します。
ある日、後輩2人が「ダンス部を辞めようと思っている…」と部長の景に切り出します。
果たしてその時、景はどのような返答をするのでしょう?
行徳智仁と飛鳥凛が演じるのは、一見ただクイズを出し合うことが好きなバカップル。
「バレンタイン・ブルー」夜のバータイムの常連客で、いつもなぞなぞを出しながらイチャついています。
しかし、行徳演じる章一郎は「バレンタイン・ブルー」で新しく情熱を燃やせることに出会ってしまいます。
常連客全員を巻き込むほどに発展する、その情熱の行き先とは一体なんでしょう?
出口亜梨沙が演じるのは、いつも一人で夜のバータイムに出没してはクイズを出し合うバカップルの文句を言っている常連客の榊原令子。
関西弁で気性も激しい性格ですが、他人を巻き込むリーダーシップを発揮する一面もあります。
物語の中盤では、そのリーダーシップが功を奏し、「バレンタイン・ブルー」をワンチームに導くきっかけを作り出します。
「バレンタイン・ブルー」の店主
しゅはまはるみ演じるのは、カフェ&バー「バレンタイン・ブルー」の店主・深水由起恵。
常連客にとっては母親的な存在です。
唯一のゲスト出演となった西ノ園達大が演じるのは、由起恵の夫・和隆。
「バレンタイン・ブルー」の名付け親でもあり、物語後半でその由来や店名に込められた想いが明かされます。
また、和隆にはある秘密が隠されており…。
ポジティブな気持ちになれる現代劇
メンバーそれぞれが抱える秘密や葛藤、そしてちょっとしたきっかけが一歩踏み出す勇気につながる。
そんなメッセージが込められた、非常にパワフルでポジティブな舞台となっています。
日々何かにもやもやしている方や悩みを抱えている方、しんどいことがあってネガティブな気持ちになっている方は、特に本作を見れば元気づけられることでしょう。
もちろんエイベックス所属タレント14名が惜しみなく登場しますので、ファンは言うまでもなく必見の舞台となっています。
前島亜美、久保田秀敏、武子直輝、しゅはまはるみが『バレンタイン・ブルー』の魅力を語る
−−いよいよ初日を迎えることになりましたが、初日を迎えての感想はいかがでしょうか?
前島亜美「本作『バレンタイン・ブルー』はエイベックスの俳優が14人集まりまして、お力添えいただく西ノ園達大さん含めて役者15人でエイベックスの若い力を、今いる役者の力を見せていくという公演になっています。本当に1人1人魅力溢れるキャストで“エイベックスにはこんなに素敵な俳優・女優がいるんだ”ということを1人でも多くの方にお伝えいただければと思っております。芝居だけではなくエイベックスならではの歌やダンスもあるので、多くの方に知ってもらえたらいいなと思っております。」
武子直輝「全部言われちゃった(笑)本作は僕らが普段やる現場の中で一緒になることがない人たちもすごく多くて、僕も初めましての方が多かったので“どんな感じになるんだろうな”って思っていましたが、一緒に芝居を作っていく中で“らしい見せ方”などの発見もあって僕も新しい可能性が開けた気がする一作です。早く本番がやりたいです。」
久保田秀敏「今回の『バレンタイン・ブルー』という作品は前島亜美ちゃんが主演という形にはなっているんでけども、堤さんの脚本的に一人一人に焦点を当てたドラマがあるので、全ての登場人物に注目して見ていただきたいです。あと僕の演じる優介は、かなりキーマン的な位置になるので、そこもすごく見て欲しいなという意気込みで頑張りたいなと思います。」
しゅはまはるみ「稽古中にバレンタインを迎えたんですけど、つい何日か前で本当に慌ただしい日々にバレンタインを迎えたので私たち何もしてないんです。誰にもチョコをあげてないし、なんかハッピーバレンタインみたいなことを何もやっていないんです。なので、見に来てくださったお客様に今年のバレンタインで何にもあげられなかった優しい気持ちとかを届けられたらいいなと思います。あのチラシを見るとちょっと暗いイメージな印象があると思うし、タイトルも『バレンタイン・ブルー』ってなってるんですけど、全然真逆で明るくて楽しいコメディっぽい作品になっています。ほろっとしてハートフル、ちょっとファンタスティックな要素のある舞台になってますので、ぜひみなさん気軽に観にいらしてくださったらいいなと思います。」
−−エイベックス所属のキャストが14人もいるということでやりやすいことやりにくいことや、こんなエピソードがあったというよなことはありますか?
前島亜美「みんな同じ事務所仲間だからこそ本当に家族のようで、稽古期間が約2週間と短かったんですけど、きっちりとみんな協力しあって支え合ってやっていたなーという印象で。初舞台の子もいましたが、先輩が色々アドバイスをしたり常に温かくメリハリのある現場だなと思いました。私個人的には、久保田さんと6年ぐらい前にドラマで共演したことがありまして。」
久保田秀敏「そうですね〜。」
前島亜美「それ以来の久しぶりの再会で共演だったんですけど、私後輩で年下でおこがましいですが、再会した時に物凄い素敵な役者さんになられているなぁと。」
久保田秀敏「ありがとうございます。成長できたみたいです。ありがとうございます(笑)」
前島亜美「違います違います!本当におこがましいし失礼なんですけど、本当にまだあの時は久保田さん20代で私も15歳ぐらいだったんですけど、本当に素晴らしい俳優さんになられているなぁと。」
久保田秀敏「ありがとうございます。精進いたします。」
前島亜美「いえいえ、素晴らしい先輩だなぁと思いましたし、初めましてのみなさんも真面目で誠実で素敵な方々なんだなと思って知れたのはとても良かったと思います。私も頑張らなきゃなと背筋が伸びました。」
−−そんな風に言われた久保田さんはどうですか?
久保田秀敏「いやぁ、もうこれは頑張るしかないですね。でもまぁ同じ事務所とはいえ、社内でもなかなか顔を合わせることもないですし、それこそ一緒にお仕事をする機会もなかなかない中で、こうやって同じチームで公演を打てるっていう幸せを噛み締めています。やっぱ僕も年齢が30代に入りまして、だんだんと若い人たちが入ってくる中で、自分の刺激になることが稽古場の時点でもあったので、もっと頑張らないといけないなという想いです。なので、稽古期間は短かったとはいえ、エイベックスチームとしての一枚岩をしっかりと皆さんにお届けしたいなと思います。」
−−武子さんはいかがでしょうか?
武子直輝「本作は、お芝居が純粋な会話劇になりまして、テンポだったり掛け合いとかいうのもすごく緻密に計算されているので、自分たちの技量みたいなものをすごく試される部分も感じました。稽古初日はすごく緊張しましたし、顔は知ってるけどどういう芝居するのかわからないみたいな子たちもすごく多くて、実際戸惑いもあったんですけど蓋を開けるとすごく素敵なものが詰まっています。さっき6年前という話があって、僕もそういえばエイベックス入った時はみんな年上だったので可愛い可愛い言われてたんですけど、気づいたら結構上の方まで来ちゃってるな〜って。前島さんも主役として、リーダーとして、すごく前に出てくれてみんながついていける現場だったんじゃないかって思います。」
前島亜美「いやいやいや…そんな恐縮です。」
−−しゅはまさんは実はエイベックスでは一番後輩ですもんね?
しゅはまはるみ「ぺーぺーの新人なんで、もう本当に皆さんに色々と付いていこうと思います。やっぱり10代の子達たちがキャッキャしてて明るくて、毎日元気をもらえていいなぁと見てはいるんですが、時々ちょっとうるさいよ?みたいな。今そういう時間じゃないよっていう時には、たぶん一番年配の私が言わないとというのもあったので、あえて言ったりも。あえてだよ!あえて言ってたからね。そういのが気楽でいいなと思いました。とても楽しい稽古場でした毎日。元気もいっぱいもらいました。」
−−みなさんが主役になれるような舞台というお話がありましたが、この後ゲネプロを見させていただく際に、みなさんの中で注目ポイントとか?ここを見て欲しいがあれば教えていただきたいです。
武子直輝「何気ない日常が流れている中で、久保田さん演じる優介が入ってくることによって変化が起きて、その変化によって1人1人の感情が色んなところに動き出していきます。僕の役でいえば、町のムードーメーカーであり、笑顔あふれる楽しい青年って感じなんですけども、人生の挫折だったり、色んな苦い思い出を経て今の笑顔があるというか、当時の夢を捨てたことによって今何ができるのかが僕の役のストーリーです。」
前島亜美「全体的に見てとてもわかりやすくバトンが繋がれていく作品だなと思っています。“今はこの子の話なんだな”とか、歌もダンスもありますし、今まで観劇という文化がなかった方にも見て欲しいなという気持ちがすごく強いです。私のキャラクターでいうと、Xアベニューという町にあるバレンタイン・ブルーというカフェの一人娘なんですけど、とても現代っ子ぽくて、悟り世代で、リアリストで夢なんて叶わないでしょう?というような、無気力に生きているところがあります。カフェにやってくるいろんな人たちの人柄とか生き方とか夢を追いかける姿を見て感化されていくキャラクターなので、最初から最後までの変化に注目していただきたいなと思います。」
久保田秀敏「お芝居って言ってしまえば全て嘘の連続なんですけど、その嘘の中でお客さんがどこを見るかというと“人の心の動き”や“感情が動いた瞬間”にお客さんもグッと引き込まれるものだと思うんです。堤さんの脚本は1人1人に焦点を当てて、特に僕がその歯車を回していくといいますか、きっかけとなってみんなの過去にあった出来事などをつなげていく役割になっているので、とにかくみんなの架け橋となって心を動かしていく点に注目してほしいです。」
しゅはまはるみ「私の役は25年間カフェバーを営んでる店主の役なので、ずっと町の人たちを見てきたんですよね。この町の中での1人のお母さん的存在なのかなっていうのがあって、私とカフェバーに集まるみんなとの“会ったばかりなんだな”とか、“親子みたいなんだな”とか、色々な関係性から生まれてくる新しい物語に注目していただけたらと思います。みんなが日常に抱えている小さな悩みを少しでも解消できるように新しい明日を見つけようという物語になっています。このお芝居を観て、“ちょっとだけ前に踏み出してみようかな”と思っていただけたらいいなと思います。」
−−実際にバレンタイン・ブルーというカフェバーがあれば行ってみたいですか?
前島亜美「私は人の集まる場所ってすごく温かいなと思っていて、こういう風に町に長年あるカフェでいろんな人が集まってきて、今日はこれがあったんだよ今日はこうしてきたんですよ〜みたいな話が店主の方と繰り広げられるのは素敵だなと思います。私も大好きなカフェがありまして、今日は疲れたなーという時に行くんですけど、仕事とか自分の人生と全く違うベクトルの帰る場所がある。家とは違う温かい場所があるというのはとても素敵だなと思うので、今回は舞台ですけど『バレンタイン・ブルー』という公演を見にきたお客様にとって温かい場所になればいいなと思ってます。」
久保田秀敏「今回の作品の中でもう一つ【ラジオ】という言葉がキーワードになるんですけど、僕も学生時代にはずっとラジオを聴きながら受験勉強をしていたんですね。ラジオから聞こえてくるのは声だけで、聴覚しか感覚的にない中でも情報量がいっぱいあって、自分の中で想像を掻き立てられるラジオの面白さがすごく好きで。今回の作品でも重要なテーマになってくるんですけども、それがあるカフェバーには僕はもう入り浸っていたいですね。ラジオが好きなので。」
−−バレンタインで思い出に残っているお話があれば、ぜひ教えてください。
久保田秀敏「まぁ今年は稽古だったので残念ながら貰えませんでした。寂しくトボトボと帰ってたんですけど、帰りにある女性の方が現れて“受け取ってください!”と言われて、“ありがとうございます”と言って受け取ったら、相手が赤面しながら走っていったんです…という妄想はしていました。でも何もありませんでした。残念です。」
武子直輝「久保田さんは貰えなかったと言うんですけど、僕は裏でたくさん本命チョコばっかり貰って、まだ食べきれないで冷蔵庫の中にあるくらいなので、ちょっとどう処理していいかわからないくらいなんですけど。チョコをたくさん貰えて毎年嬉しいので来年のバレンタインも楽しみだなと思います(笑)」
前島亜美「私は小さい頃からお菓子作りが趣味で、結構本格的に作っていました。習っていた空手の道場に持っていったりしたんですけど、この間女の子の友達に友チョコをあげて、“プロ級だね”って言われてすごく嬉しかったです。」
久保田秀敏「待ってまーす(笑)」
しゅはまはるみ「友チョコをください。」
武子直輝「まだ余ってない?」
前島亜美「(笑)」
しゅはまはるみ「小学校の時6年間ずっと好きだった人に渡し続けてて、後半の2年間くらいは手作りをあげたんですけど、6年間あげてて実らないってことは全く脈がないってことじゃないですか?にも関わらず、後半は手作りなんかあげちゃって痛々しいなって思っていたんですけど、つい最近その男の子と再会しまして“あのころ迷惑だったでしょ?”って聞いたら、“全然そんなことない。家でみんなで美味しくありがたく食べてたよ。ありがとね”と聞いて、すごくほっこりしたいい思い出に変換されたのが良い思い出です。」
−−最後に前島さんからこれから見に来られる方に向けてメッセージをお願いします。
前島亜美「エイベックスの役者で作る作品ということで、1人でも多くの方に“エイベックスってこんなに良い役者・女優がいるんだ”ということを知っていただき、今後その役者たちが出ていく作品も応援していただけたらいいなと思います。もしも第二弾があるとしたら、私たちよりももっと若い人たちが学んで羽ばたいていくホームのような場所になればいいなと思っているので、まずはこの公演を成功させるために、1人でも多くの方に何度でも観ていただける作品になるよう私たちは精一杯頑張ります。よろしくお願いします。」
舞台『バレンタイン・ブルー』概要
作品名 | バレンタイン・ブルー |
公演日 | 2020年2月18日〜2月25日(全12公演) |
公演時間 | 1時間55分 |
会場 | 銀座・博品館劇場 |
作・演出 | 堤康之 |
出演者 | 前島亜美 久保田秀敏 武子直輝 日比美思 飛鳥凛 出口亜梨沙 中﨑絵梨奈 行徳智仁 會田海心 近藤廉 髙橋果鈴 福田愛依 髙石あかり しゅはまはるみ 西ノ園達大 |
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