『嘘八百』あらすじ・ネタバレ感想!空振りばかりの古美術商と、くすぶっている陶芸家の痛快骨董コメディ!

『嘘八百』あらすじ・ネタバレ感想!空振りばかりの古美術商と、くすぶっている陶芸家の痛快骨董コメディ!?

出典:U-NEXT

騙し騙され目利きの世界、確かな目と知識をもつが空振りばかりの古美術商×確かな腕はあるというのにくすぶっている陶芸家。

2人がめぐりあったとき、因縁の大御所鑑定士に対しての逆転劇が始まる!!

ポイント
  • 『百円の恋』の武正晴監督と脚本の足立紳が再タッグを組んだ作品
  • まさに痛快、見たあとスカッとした気分になること間違いなしです
  • こればっかりは出来ればあらすじを読む前に映像で楽しんで欲しい!!

それでは映画『噓八百』についてネタバレも込みで紹介していきます。

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『嘘八百』作品情報

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

作品名 嘘八百
公開日 2018年1月5日
上映時間 105分
監督 武正晴
脚本 足立紳
出演者 中井貴一
佐々木蔵之介
友近
森川葵
前野朋哉
堀内敬子
坂田利夫
木下ほうか
塚地武雅
桂雀々
寺田農
芦屋小雁
近藤正臣
音楽 富貴晴美

【ネタバレ】『嘘八百』あらすじ


さえない古美術商・小池則夫という男

古美術商を営む小池則夫(中井貴一)は別れた妻に引き取られた娘のいまり(森川葵)を連れ仕事に向かっていました。

カーナビで場所を確認したのちにラジオから流れてきた占いは小池の双子座の運勢を「西に吉あり」と語ります。

今日の仕事は、あるお屋敷の蔵に眠っている骨董品の品定めと買い取りです。

いわば取り引きの相手である絹田(寺田農)という家主を油断させるために、見習い中としていまりを同行させました。

埃っぽい蔵の中には絹田の父親の道楽だという骨董の数々が置かれていました。

絹田は蔵でカフェをやりたいらしく、蔵ごと買い取って欲しいほどだと言います。

絹田の父親が「車を一台買えるほどだ」と言ったという茶碗を小池は「カフェオレ一杯分ほど」と評して、模様の出方が不自然だとか焼き物の世界では写しは珍しくない、名のあるものなら贋物であっても高い値がつくとして安く買い取ります。

買い取った茶碗を古美術店に売りに行くと5,000円という安価を提示され文句を言っているところに店の主である樋渡忠康(芦屋小雁)と、国立博物館の鑑定も任されていてテレビでも見かけるほど名の知れた鑑定士・棚橋清一郎(近藤正臣)がやってきました。

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

棚橋は“色をつけて”5500円だと皮肉を言い、店員からもこてんぱんに叩かれて小池は腑に落ちないままに引き下がるのでした。

落とし穴に注意?油断大敵!?

後日、絹田に呼ばれて再び屋敷を訪れた小池は「あれから蔵を片付けていたらこんなものが出てきた」と手紙のようなものを見せられました。

小池は百姓一揆の決起書だと適当なことを言いましたが、実はそれは千利休が形見の茶碗を譲るといった内容の手紙でした。

譲り状があるということは茶碗もある、と閃いた小池はもう一度蔵を見せてもらって茶碗を探しました。

そして蔵の中身は比較的新しい写し物ばかりだけれど、せっかくだから全部買い取ると言って、ひとつ5,000円としてキリのいいところで100万でどうだという小池の申し出に、絹田は喜び承諾しました。

一方いまりは最初に絹田家に来たときに気になっていた庭先でミニチュアアートを作る誠治(前野朋哉)に興味を引かれていました。

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

帰り道、ラジオから流れる占いでは「落とし穴に注意。油断大敵!」と言われ小池が慌てて例の茶碗を確認すると中身がすり替わっていました。

どういうことだと血相を変えて絹田の屋敷へ戻ると、見知らぬおじいさんがいるだけでした。

おじいさんによると“絹田”として対応していた男は野田佐輔(佐々木蔵之介)といい時給900円で留守番のバイトをしていただけだとのことでした。

その頃、野田は小池から受け取った100万円を手に行きつけの居酒屋“土竜”で仲間たちと分け合っていました。

土竜の大将・西田(木下ほうか)は筆を持たせたら天下一品の書を写せる、よっちゃん(坂田利夫)は紙のプロ、そこに集まっている野田の仲間たちは贋作の名手が揃っていました。

まんまと騙された小池はやっとのことで野田の居場所を突き止め、屋敷ではなく本当の家まで追いかけ無理やり上り込むと、そこにはいまりがいました。

野田の妻・康子(友近)と息子の誠治と一緒にすき焼きを食べていたのです。

誠治とイイ仲になったいまりは帰らないと言って聞きませんでした。

ニセモノの親同士

翌朝、いつの間にか眠ってしまっていた小池がこたつで目を覚ますと野田が前日のすき焼きを食べていました。

その横をキャリーバッグを抱えて大荷物で通り過ぎていく康子、野田に愛想を尽かして出て行ってしまったのです。

野田は小池に自分のことを打ち明けました。

陶芸家として過去に棚橋の主催した現代陶芸美術展で奨励賞を取ったことがあり、作品を樋渡に買い取ってもらったこと。

樋渡はそれを贋作と知りながら買い取っていたのに、古美術店では本物として何十倍もの値を付けて売られていたこと。

それを聞いて小池は「しがない道具屋なんて騙している場合じゃない、樋渡ほどの専門家を騙すほどの茶碗を作れ」と鼓舞します。

小池も昔、樋渡に騙されたことがあったのです。

まだ本物を見抜くだけの知識もなかったころに贋物を掴まされ、仕方なくそれを素人に高く売りつけたことが今でも心に引っ掛かっていました。

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

千利休の譲り状はあり、箱もある。あとは茶碗さえあれば樋渡に一泡吹かせることができるかもしれない。2人は手を組むことにします。

ついに完成した茶碗、いざ逆転劇へ…!!!

利休が何を想い何を考え茶碗を作ったのか、美術館で開かれている利休にちなんだ展覧会に足を運んだりしながら野田は考えます。

そして誰も見たことのない利休の茶碗を作ってやる、と躍起になりました。

工事現場で作業員たちが昼休憩をとっている間に土を掘らせてもらい、それを持ち帰って捏ね、寝かせ、また捏ねて形成し、削り、形になったかと思えばしっくりこずにまた1から。

小池はいつの間にかそれを隣で見守っていました。

ようやく形になった茶碗に薬を塗り窯で焼き、出来上がった茶碗で2人はお茶を飲みました。

大海原”の完成した瞬間です。

とある骨董品のオークションの場にいた樋渡を訪ねて行った小池は、利休の茶碗が堺から出たと仄めかしました。

そして「ご自分の目で確かめにいらしてください」と言い、その場を去ります。

絹田の屋敷で開かれたお披露目会には利休の展覧会で支配人をしていた学芸員の田中四朗(塚地武雅)や文化庁の役人たちまでやってきました。

自分たちが手をこまねいている間に高額で海外へ渡ってしまった“運慶”の一件で後悔のある役人たちは、どうしても国宝を海外に渡らせたくないと必死になっていたのです。

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

競りが始まり値段がつり上がって行く中、「色があきまへんな」と声を張ったのは樋渡でした。

手紙の内容や茶碗の譲り相手、茶碗からも誰もが本物だと思いすでに値段は8,000万円にまでなっていたところでの贋作宣言

名の知れた鑑定士がそう言うなら、という雰囲気でオークションはお開きになってしまいました。

樋渡を騙す事が出来なかったと野田が肩を落としていると、樋渡と棚橋が走って戻ってきました。

贋作だと言ったのは嘘で、外国人や役人のいないところで話をつけたかったのです。

キリの良いところで1億と提示した値段に絹田が消費税で800万円つけろと言い交渉成立します。

800万は絹田の取り分、残りは小池と野田を筆頭にそれぞれで分けることとなりました。

2人の骨董コメディは終わらない?

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

その後、いまりと誠治はめでたく結婚することになり式を挙げます。

が、誓いのキスの直前で包丁を持ったウェディングドレス姿の女が乱入し式はめちゃくちゃになってしまいました。

大波乱のあとホテルのバスルームで「仲良くなった陶芸家には悪いが、いまりとあの息子は似合わないと思っていた」などと談笑しているのは小池と元妻・陽子(堀内敬子)でした。

小池は元から2人の結婚をぶち壊すつもりで、式の最中に乱入した女こそが陽子だったのです。

しかし部屋に戻るといまりの姿がありませんでした。

“大海原”を売って儲けたお金も、いまりとともに消え、誠治も誠治で野田家からお金を持って空港へと向かっていました。

小池と野田も空港に向かいましたが間に合わず、1億は2人に持って行かれてしまいました

野田はまだ手元にある“大海原”と樋渡の“肉声の鑑定書”を以て、また金を作ろうと言いますが、小池は「あんたの茶碗を売るんだよ」と返しました。

そして「400年待たなくたって、いい器だ」と言いました。

2人の乗る車と並走するようにカモメが2羽、飛んでいました。

【ネタバレ】『嘘八百』感想

ざっくりとした感想

vito

見たあとのスッキリ感が心地よすぎる!騙し合い、化かし合い、お互いの腹を探っての攻防戦とかそういうの結構好きなんですけど、見事です。利休の茶碗に関しては一連の流れからオチまで、なんかちょっと落語っぽい雰囲気もあったりして。

何より小池と野田の関係性が凄くオイシイです。

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

樋渡に復讐すべく結託する理由もお互いあって利害が一致する運びもうまいなぁと思いました。

vito

手を組むにあたって、ちゃんと小池が野田の腕を認めているっていうところが個人的にアツかったです。ラストのセリフだけど、400年待たなくたって良い器だって最高の褒め言葉じゃないですか。
骨董品にならなくとも、故人の遺した作品としての付加価値なんかなくともすで立派に価値があるなんて言われたら嬉しくなっちゃうよなぁ。

しかもそれを言っているのが目利きの古美術商なので説得力もあるわけです。側で彼の仕事に対する力量を見ていた小池なら尚のことわかるはず。

vito

まぁ見ていたのはほぼ“騙す”場面でのあれこれでしたけど。でもそれも知識がなきゃそれらしいことすら言えないのは確かですからね。

そして利休の“大海原”のその後、ラストシーンの2人の車の中での会話の続きも少し見られるのでエンドロールも必見だったりします。

『嘘八百』好きな場面などについて

割と序盤からわくわくしながら見ていたんですけど、グッときたのは小池と野田が手を組む場面と絹田の屋敷での“大海原”のお披露目会です。

これはもうきっと『噓八百』を見た人の多くが高ぶるところじゃないかなぁ…と思います。

vito

何気に序盤の小池を騙した野田が居酒屋土竜で仲間たちとイェーイ!ってしてる場面も好きだったりします。土竜に集う仲間たちが全員贋作の名手っていうのもアツい。全然そんな凄腕に見えないような居酒屋の大将と陽気な酔っぱらいたちが筆を握らせたらヤバいとか紙を選ばせたら最強とか、有名鑑定士の目も簡単に欺ける腕を持っているっていうのがマジでアツい。一発逆転のニオイしかしない。強い。

あとは場面というか登場人物ですが小池と野田が茶碗を作るにあたって構想を練るために訪れた「利休と堺」展で話しかけてきた、展覧会の支配人で学芸員の田中四朗の存在感。

利休の茶碗のくだりでキーワードとなるカモメの話も、詳しくは田中が教えてくれます。

この人絶対ものすごく利休が好きなんだろうなぁ…それですごく良い人なんだろうなぁ…と思ってしまうのは演じているのが塚地武雅だからでしょうか。

『噓八百』

(C)2018「嘘八百」製作委員会

田中は絹田の屋敷でのお披露目会でも良いポジションなんですよね。彼がいるから本物だということに説得力が増すところもあったりして。

vito

あと集中して見ている間にふと気付く、後ろで流れている音楽がおしゃれで格好良いです。ジャズテイストのものが多いのかな…それこそ集中していて気付いてないところもありそうなのでどこの何がどれ、とかまでは把握していないんですけど。それほどまでに私的には見ていて余裕がないくらい集中してしまう作品でした。あれこれ考える暇もなく、ただ物語と登場人物の言葉尻だったり声色、表情に魅入ってしまった。

別作品の記事でも書いたような気がしないでもないんだけど、正直なところ映画って途中で中だるみする瞬間があったりするじゃないですか?

vito

これは私だけだとは思わないし共感する人もそこそこいると思うんですけど。ちょっと意識がどこかにいっちゃったりとか、あーおなかすいたなぁとか煙草吸いたいなぁとか割とどうでも良い事が頭を過ってしまう時間というか。集中力が切れてしまうと言うのかな。個人的にはそれが嫌で120分超えの作品に手が伸びないとかいうどうでもいい情報も書いておきますねwそれはそれとして。

『噓八百』に関してはそれがありませんでした。

vito

そんな暇なくずっとわくわくして楽しい映画です。

『噓八百』まとめ

もっと小池と野田の物語が見たいなぁ…と思っていたら、まさかの続編『嘘八百 京町ロワイヤル』というのが公開されまして。

2020年1月31日から公開なので、こちらも見たいです。


タイトルにあるように舞台は京都、千利休の茶の湯の後継者で“天下一”と称された武将茶人、古田織部の幻の茶器をめぐる物語ですよ…何それ絶対面白いじゃん…。

そんな続編を楽しむためにも必須な快作『噓八百』を紹介してきました。

要点まとめ
  • 息つく暇なく繰り出される、騙し騙されの逆転劇!
  • 骨董品に興味がなくても当然ながら楽しめる作品です
  • 小池と野田の掛け合いにハマった人は次回作もぜひ!!私も見ます!
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