よい子のみんな~! 裏表のあるお兄さんは好きかな~?
子供向け教育番組に出演する体操のお兄さんたちの裏の顔が垣間見えるギャグ漫画を原作としたアニメ『うらみちお兄さん』。
番組収録中に男の子が一人ぐずってしまい、裏道はある言葉を掛けます……。
一方、ウサオ君とクマオ君は呼び込みがあったにもかかわらず、なかなか出てきません。
二人の間に、一体何が?!
早速、アニメ『うらみちお兄さん』第8話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『うらみちお兄さん』前回第7話あらすじと振り返り
出演者そっちのけで決まっていく微妙な新コーナーに、絶望的な表情を浮かべる裏道と池照。
それでも池照はノリノリで役に入り込みますが、苦手な“ハサミ”を前にして急に震え出してしまいます。
詩乃や熊谷のフォローの甲斐もあって何とか乗り越えたと思えば、今度は姉との喧嘩をきっかけに上の空。
その矢先、収録中に喧嘩を始めてしまった子供たちに、裏道が声を掛けます。
最初は意地を張っていたものの結局仲直りをした子供たちと、そんな子供たちを諭した裏道に感銘を受けた池照は、真っ直ぐ帰宅して姉と仲直りするのでした。
その後、演出家のアモンに呼び出されたキャスト一同は、新企画のアイデア出しに付き合わされていました。
裏道の不思議な夢の話にインスピレーションを受けたアモンは『しのびのやくみ』という新作を書き上げます。
それぞれが忍びの衣装を着る中、裏道には子供たちがドン引きし、キャスト勢が本番中に笑いを堪えられないほどダサい衣装が用意されていました。
一回きりの放送で終わってくれと願う裏道の意に反して、企画は大好評につきシリーズ化することが決まるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『うらみちお兄さん』第8話あらすじ・感想
「よい子のみんなは計画的な生き方を心掛けようね!」
子供たちに心配されるほど、いつにも増して情緒不安定な裏道。
テンションの配分を間違えている自覚を持ちつつ、今日も収録に励みます。
そんな中、一人の少年がぐずっているのを発見。
裏道が少年に声を掛けると、他の子供たちは放っておいて早く遊ぼうと言い始めました。
しかし、裏道はぐずる少年に対して、大人になるとどんなに放っておいてほしくても、それぞれの業務が怠らないように、早く家に帰れるように、放っておいてもらえなくなると話し掛けます。
そして、「放っておいてもらえるって、すごく幸せなことだったんだなって思う日が必ず来るよ」とトドメを刺しながら、協調性について説きました。
すると、少年は怯えた顔で自らみんなと遊ぶことを選択するのでした。
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少年がみんなの輪に加わることを決めると、裏道は思い出したようにクマオ君とウサオ君を呼び込むかどうか、子供たちに尋ねました。
子供たちは呼び込むことを選び、いつものように大きな声でクマオ君とウサオ君の名前を呼びます。
一方その頃、舞台袖にいたクマオ君こと熊谷、ウサオ君こと兎原の二人は、静かに攻防戦を繰り広げていました。
兎原が今月分の家賃を貸してほしいと熊谷に頼んでいたのです。
熊谷は前に貸した2万すら返してこない兎原に厳しく接し、縋り付かれても正座されても断っていました。
胸ぐらを掴まれてもなお諦めない兎原が「俺ら友達じゃん? 親友じゃん?!」と言おうものなら、熊谷は「裏道さんに借りれば?」と提案します。
「裏道」と聞いた兎原が裏道の家が遠いなどと余計なことをぼやいていると、いつの間にか背後に裏道が立っていました。
何度子供たちと呼び込んでも出てこなかったからです。
この期に及んで家賃を貸してほしいと頼んだ兎原もといウサオ君は、裏道に首根っこを掴まれた状態で引き摺られながら子供たちの前に出ることとなりました。
「(ウサオ君は)明日くらいに急にいなくなるかもしれないけれど、それはただ冬眠しただけだから」
「ウサオ君は悪い子だから、(森の中から)追い出されちゃいそうなんだクマ~」
裏道とクマオ君が次々にそう話すと、子供たちは心配して「うちで飼ってもいいかママに聞いてみるね!」などと優しい言葉を掛けました。
すると、裏道が泣き始めたので、熊谷と兎原は感動して泣いているのかと引き気味に様子を見ます。
実際には、純粋な子供たちがいつか兎原のようにパチンコで散在したり、酔い潰れて道端で職質されたりすることを想像して、涙を流していたのでした。
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“忖度”ってなぁに?
焼肉に来ていた裏道と熊谷。
熊谷が「(裏道はいつも)我慢しているように見えます」と言うと、裏道は例えば身体を痛めていたとしても「子供の笑顔を見ると、身体の痛みなんか忘れるよ」と言いました。
そんな裏道の珍しい発言に、熊谷は驚かされます。
明くる日の収録。
「おい、抱っこしろ!」
横柄な態度で裏道にそう言い放った少年は、なんと局長の孫でした。
邪険に扱えないことがわかると、裏道は痛む身体に鞭打って、他の子供たちと比べても重量感のありそうな局長の孫を抱きかかえました。
これをきっかけに裏道の身体にのし上がってくるたくさんの子供たちを相手にしながら、裏道はみるみる青ざめていきます。
その様子を舞台袖から見ていた熊谷は、兎原がガールズバーでウケたという心底どうでもいい話を聞きながら、どこにでも忖度が溢れていることに苦痛を感じていました。
すると、一人の少女が二人の会話を聞いており、「忖度ってなぁに?」と尋ねてきます。
着ぐるみの中の熊谷は咄嗟にクマオ君モードになり「クマオ君、5歳だから難しいことわかんないクマ~」と誤魔化しました。
少女は「31歳ならわかる?」と確認し、裏道のもとへ駆け寄っていくと、同じことを質問します。
裏道は辞書的な意味を説明した後で「難しい言葉のほとんどは、上手に言い訳するためにあるんじゃないかな」と答えました。
熊谷は焼肉へ行った時に裏道が言った毒のない綺麗な言葉を思い起こし、汚れ切った大人なりにわずかな良心を失わないように必死なんだと、それっぽく納得するのでした。
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パパンとトゥギャザー!
父の日。
イベントに出演するため、とあるショッピングセンターに来ていた裏道は、そこで脳年齢が調べられるキャンペーンに巻き込まれることに。
そして、まさかの脳年齢91才という結果に絶望しながらも、キャンペーンに参加するともらえる風船を手に、同じくイベントに出演する熊谷と兎原が待つ楽屋へと向かいました。
いよいよ舞台に立つと、客席の少年が裏道を呼び止め、このイベントのために父親が仕事を休んでくれて、今日は一緒にいられるのだと話し、感謝を伝えます。
裏道は思わず感極まって、両手で顔を覆いました。
そんな中、司会進行役の女性がホワイトボードを持ってきて、子供たちと同じように「お父さんの似顔絵」を描くように言います。
台本にはない内容だったため、出演者一同は戸惑いながらもペンを手に取りました。
大人になると父親の顔を絵に描けるほど正確には思い出せないということを実感しながらも、絵を完成させた熊谷と兎原。
しかし、二人が描いたのは本当に父親の似顔絵で、裏道は「キャラどうした」とツッコみます。
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慌ててクマ耳とウサ耳を描き足しますが、子供たちの目は誤魔化しきれず、兎原はみんなで裏道の絵を見てみようと提案しました。
裏道が描いたのは、屈強な父親が裏道と裏道の妹を泣かせている絵でした。
厳しい父親だったと話す裏道に、客席の子供が「そんなお父さん、嫌じゃないの?」と聞きます。
裏道はそんな父親がいたからこそ今の自分がいると答えて、こう締めくくりました。
「誰かのために生きることはできなくても、誰かのせいにしない生き方を選べたら、素敵だね」
風船の行方
無事にイベントを終えた一同は楽屋へ戻ってきました。
兎原が飲みに行こうと二人を誘うと、裏道はその前にジャンケンをしようと言います。
そして、自分が脳年齢チェックで行った後出しジャンケンをやらせました。
裏道が先に手を出して、兎原がその手にわざと負けるというテストです。
兎原は突然のことに戸惑いながらも難なくこなして、「めっちゃ簡単じゃないすか」と言い放ちます。
すると、裏道は飲みに行ってもいいけど風船を引き取れ、と兎原に押し付けました。
兎原は裏道の機嫌を損ねない程度に嫌がりながら、どうにか熊谷に押し付けようとしますが、熊谷もそれを拒否します。
ジャンケンで決めようとする兎原と、「絶対に嫌!」と断る熊谷。
二人の攻防はしばらく続くのでした。
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アニメ『うらみちお兄さん』第8話まとめ
いかがだったでしょうか。
大人の忖度と良心について、思わず考えさせられる第8話でした。
汚れ切った裏道からたまに出る毒のない言葉は、なんだかんだ沁みてしまいます。
熊谷とともに舞台袖から裏道を見ている気分になりましたね。
次回、第9話も楽しみです!