よい子のみんな~! 裏表のあるお兄さんは好きかな~?
子供向け教育番組に出演する体操のお兄さんたちの裏の顔が垣間見えるギャグ漫画を原作としたアニメ『うらみちお兄さん』。
この期に及んでも新たな企画を求められたり、後輩から飲みに誘われたり。
今日も笑顔を振りまき無感情。
何かが起こりそうで起こらない、でもちょっとした事件が起こってしまう、そんな裏道の行く末やいかに……?!
ついに最終回!
だからといって、最終回っぽいことが起こるとは限らないようです(笑)
早速、アニメ『うらみちお兄さん』第13話をレビューしていきたいと思います。
目次
アニメ『うらみちお兄さん』前回第12話のあらすじと振り返り
ある日、兎原は不穏なことを話している裏道と枝泥の姿を目撃。
裏道の台詞と口ぶりから仕事を辞めようとしているのだと推測し、大きなショックを受けます。
なんだかんだ憧れである裏道と同じ職場で働けなくなることを考えると、落ち込む一方だったのです。
兎原と熊谷は、同期の猫田が「運命の出会い」と称するような、偶然が引き起こした裏道との出会いを振り返ります。
当時、大学一年生だった兎原と熊谷は寮の同室で暮らしており、そこに居候する形で入居してきたのが裏道でした。
四年生だった裏道は学内でも有名な体操のスター選手でしたが、スターというには素朴で不器用な印象がありました。
そして、あまりにも真っ直ぐな彼に、二人は憧れを抱いていきます。
そんな裏道が仕事を辞めることを信じられず、「いいことあったんすか」と問いかける兎原。
すると、「いい場所が見つかったんだ。 ……最高の居場所だ」と返答があり、思わず彼を呼び止め、それで幸せなのか、と尋ねます。
しかし、柔らかい笑顔でそれを認めた裏道を見てしまえば、もう俯くしかありません。
自分の力では彼を止められないのだと、兎原は悲しげな表情を浮かべました。
【ネタバレ】アニメ『うらみちお兄さん』第13話(最終話)あらすじ・感想
勘違い
裏道の送別会の夢を見た兎原。
魘されて目を覚ますと、そこはスタジオの休憩所でした。
狼狽えている兎原に、熊谷は真実を伝えます。
裏道は仕事を辞めようとしていたのではなく、いつも通っていたスポーツジムを辞めようとしていたのです。
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兎原が拍子抜けしたところで、平穏な日常が戻ってきました。
『忍びの薬味』の収録後、裏道は演出家のアモンに捕まります。
例のごとく、新たなアイデアとインスピレーションを求めているアモンは、裏道から何かを得ようとしていました。
しかし、裏道がそれを良しとするわけもなく、アモンの元から脱走します。
その途中、逃げ切れないと踏んだ裏道は、通りすがりの兎原と熊谷を確保。
二人がウサオ君とクマオ君の姿だったのをいいことに、ウサオ君の頭を借りて顔を隠します。
裏道は、顔はウサオ君で身体はシソの神という状態。
身体だけウサオ君の兎原は、どうせバレると思いながらも、裏道の居場所を偽ってアモンに伝えます。
すると、アモンはその言葉を真に受けて走り去って行きました。
まさかの展開にホッとした三人は、いつものように飲みに行くことにします。
向かった居酒屋で視線を感じていた裏道ですが、実はアモンがついてきていました。
隠れて裏道の動向を追うアモンは、裏道が飲みの帰りに寄ったコンビニで当たりくじを引き、フランスパンの大きな抱き枕を手に入れた姿を目にします。
そして、出来上がったのが『ぜんりょくあいさつ こんにちはたい』。
出演者たちが中国やインドなど世界各地のあいさつをモチーフにした可愛い衣装を身に纏う中、やはり裏道の衣装だけ様子がおかしいのです。
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相変わらず子供たちにもドン引きされるほどのダサさで、出演者一同は笑いを堪え切れませんでした。
迷子の少年
ある日のスタジオ。
収録に参加するはずの子供が一人行方不明になってしまいました。
動揺する母親に、何とかすると意気込むディレクターの出木田。
枝泥からこの事件を知らされた裏道たちは、子供を探すために颯爽と楽屋を飛び出します。
狼狽える母親を窘めて、いざ探しに行こう! としたところで、裏道はあることに気が付きました。
裏道たちと向き合う母親の足元に、ポツリと少年が立っているのです。
ただならぬ様子の大人たちを不思議そうに見上げる彼こそ、行方不明になっていた少年でした。
母親が大袈裟だっただけで、ちょっと迷子になっていた程度のようです。
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人騒がせだと思いつつ、見つかって良かったと一同が胸を撫で下ろしたところ、今度は詩乃のもとに出木田から連絡が入ります。
なんとスタジオで怪我をした池照が血を流しているというのです。
裏道たちは急いでスタジオへ向かいます。
次々起こる事件(?)
辿り着いたのは真っ暗なスタジオ。
一部にだけ明かりがついており、裏道たちは緊張と不安を隠せない面持ちでそこへ入っていきます。
すると、そこにはにこやかな池照がいました。
どうやら少しささくれていた指から血が出ただけだったようです。
出木田も慌てた様子で電話をしてきたはずなのに、今は池照と談笑しています。
さらに、「“赤チン”塗っとけば治るよ~」などと言い、敏感な下ネタセンサーを持つ池照を笑いで震えさせていました。
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その姿を見た兎原が「血痕」でもあったらどうしようかと思ったと発言をすると、その単語だけを「結婚」と捉えた詩乃の様子がおかしくなっていきます。
そこへ彼氏から電話が掛かってきて、「結婚」のワードを出された詩乃は一気に舞い上がりました。
周囲の人々はこんなタイミングよくプロポーズ?! と見守っていましたが、それは詩乃との結婚の話ではなく、知り合いの結婚式に行くためのお金を貸してほしいという連絡でした。
怒りの炎に包まれていく詩乃に八つ当たりされないよう、一同はこっそりスタジオを抜け出します。
廊下へ出ると、今度は池照の姉・眩衣が待っていました。
そして、深刻そうな表情の眩衣の足元には、床にぐったりと伏せた愛犬・小百合さんがいます。
小百合さんに何かあったのかと心配する池照でしたが、眩衣がここまで伝えに来たのは、小百合さんがドッグランで「とっても良い子で賞」を獲ったという報告でした。
最終回っぽいこと
小百合さんをもふもふしている蛇賀姉弟を横目にその場を立ち去る裏道、兎原、熊谷の三人。
兎原は最終回っぽいことが起きそうなフラグが次々に折られていくのを目にして、自らフラグを立てていこうとします。
その矢先、廊下に可愛らしいハンカチが落ちているのを発見。
ヘアメイクの育子とADのカヨが歩いていく後ろ姿が見えたので、どちらかのものかもしれないと思い、ハンカチを拾って追いかけていきます。
渡すついでに食事にでも誘ってロマンスが芽生えたら……という下心も、もちろんありました。
しかし、ここでも最終回っぽいことのフラグは折られてしまいます。
ハンカチの持ち主は振付師のカッペリーニだったのです。
兎原は予想外の出来事に白目を剥いて固まってしまいました。
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後日、再びアモンに追いかけられていた裏道は、逃げた先の喫煙所で木角に遭遇します。
木角は裏道を見つけるなり、「実は僕、うらみちお兄さんに言いたいことが……」と近寄って来ました。
息を呑む裏道でしたが、「やっぱり何でもないで~す」とそのまま通り過ぎていきます。
今日に限って何故か思わせぶりな木角に、裏道も最終回っぽいことを意識してしまいました。
しかしながら、「何も変わらない日常が幸せってことだよ」と兎原に言うほどには、今のこの穏やかな状態が一番最終回っぽいかも、と感じるのでした。
そうして彼らは今日も枝泥に呼ばれてスタジオ入りします。
収録を終えれば子供たちを見送り、肩を並べてホッと一息。
たまにはみんなで飲みに行こう、と声を掛ける兎原に賛同する出演者たち。
裏道は拒否の姿勢を見せるも、いつものようにニコニコと強引に誘う兎原に、今日ばかりは折れていました。
そして、帰路につこうとする仲間たちの後ろ姿を見ながら思います。
―――大人なら誰でも持っている、裏の顔のひとつやふたつ。 見ない振りしてね、よい子のみんな。
アニメ『うらみちお兄さん』第13話(最終話)あらすじ・ネタバレ感想まとめ
いかがだったでしょうか。
前回第12話のシリアスさはどこへやら、いつも通りの、もしかすると今までで一番ゆるい最終話となりました。
“最終話っぽいこと”が次々に起こりそうになるも起こらずに終わり、キャラクターたちがそれに対して言及するメタ的な展開が面白かったです。
裏道や熊谷がカメラ目線になるシーンも、視聴者に向けた台詞のようになっていて思わず笑みがこぼれました。
大人なら誰でも持っている、裏の顔のひとつやふたつ。
よい子のみんなは、見ない振りしていきましょうね。