よい子のみんな～！ 裏表のあるお兄さんは好きかな～？
子供向け教育番組に出演する体操のお兄さんたちの裏の顔がうっかり垣間見えるギャグ漫画を原作としたアニメ『うらみちお兄さん』。
架空の子供向け教育番組『ママンとトゥギャザー』に出演する31歳の体操のお兄さん・表田裏道と、その番組に関わる人々の日常を描きます。
Pixivコミック内のWEBコミック配信サイト「comic POOL」にて2017年より連載中の久世岳による原作漫画は、第3回「次にくるマンガ大賞」のWebマンガ部門第1位、2017年度の「WEBマンガ総選挙」のインディーズ部門第1位を受賞しており、連載開始から4年経った今も人気の衰えない作品です。
話題となった単行本発売記念PVから引き続き主人公の表田裏道に声を吹き込むのは、『さよなら絶望先生』『進撃の巨人』などで知られる神谷浩史。
その他、『銀魂』の杉田智和や『おそ松さん』の中村悠一、『DEATH NOTE』の宮野真守、『NARUTO -ナルト-』の水樹奈々など人気声優が集結しました。
今回はそんなアニメ『うらみちお兄さん』第1話をネタバレありでレビューしていきたいと思います。
目次
【ネタバレあり】アニメ『うらみちお兄さん』第1話あらすじ・感想
“よい子”のみんな
「今日も『ママンとトゥギャザー』始まるよー！」
ガラガラの声でそう言ったのは、31歳の体操のお兄さん・表田裏道(神谷浩史)。
子供たちにツッコミをいれられるほどのガラガラ声は、酒焼けによるものです。
「今日も元気いっぱいだよ～って人～？」
「「「はーい！！」」」
「今日は普通かな～って人～？」
「「「はーい」」」
裏道の呼びかけに、子供たちは思い思いのタイミングで返答しますが……。
「しんどい、つらい、何もしたくないって人」
突然表情をなくした裏道を見て、子供たちは顔面蒼白で黙り込みます。
「はーい……そっか、お兄さんだけか」
裏道がそう言うと、子供たちの中の一人・ユカちゃんが「うらみちお兄さんのげんきがでるおまじない」をかけてくれました。
それを受けた裏道は、よい子のみんなへとっておきのおまじないをかけます。
「みんなが20年後、お兄さんみたいにならないためのおまじない」を……。
続いて、みんながお待ちかねの“ABC体操”の時間……と思いきや、裏道は自身が作詞作曲した“うらみち体操”に変更すると宣言します。
すべてはJA○RACへの小さな抵抗のため、自身の心の健康のために……。
うらみちの「う」は『海とか行きたい』、「ら」は『楽になりたい』、「み」は『見出せない』、「ち」は『小さな幸せ』。
子供たちの歌声に、素晴らしい！ と声を掛けた後で裏道は言います。
「本当はノリ気じゃないことにも全力で取り組むその姿勢、就活の時とか絶対役立つから大事にしようね」
urara
そして、裏道の思う“よい子”とは「良いパンチを隠し持った強い子」の略だと言うと、子供たちはキョトンとした顔で「？」を浮かべました。
ADの枝泥エディ(花江夏樹)からカットの声が掛かると、裏道は次の撮影まで休憩するために楽屋へと向かう廊下で少女に遭遇します。
なんで休憩するのかと問われると、裏道は引き攣った笑顔で「表情筋さんも休ませてあげないと死んじゃうからだよ～」と答えるのでした。
うらみちお兄さん
次の撮影は、ミキちゃんからお兄さんへの質問から始まります。
ミキちゃんは裏道の年齢が31歳だと知ると、「わたしのお父さんは29歳なんですけど、お兄さんはなんで結婚もしてなくて子供もいないんですか？」と質問しました。
裏道は「勘弁してくれよ……」と呟くと、子供たちに人生は人それぞれであることを説き、「勝手な思想は時として人を殺すんだよ」と教えるのでした。
すると、ミキちゃんは「さっきから何をいってるの？」とキョトン顔です。
裏道は「もう何もわからない……」と項垂れました。
さて、気を取り直してお友達のウサオ君(杉田智和)とクマオ君(中村悠一)を呼び込むコーナーです。
みんなで声を合わせて呼んでみますが、1回目、2回目と元気が足りないのか、ウサオ君とクマオ君はやって来ません。
そして、3回目に呼び込もうとした時、裏道は盛大に咳き込むこととなり、子供たちに「酒焼け？」と心配されるのでした。
その後の楽屋には、ウサオ君とクマオ君に「出てくんの2回目にしよ」と提案する裏道の姿がありました。
台本では3回目になっているので、ウサオ君は少し抵抗があるようです。
しかし、大きな声を出すと「生気」を持っていかれそうになるという裏道の発言に、今度はウサオ君とクマオ君が項垂れてしまいました。
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表田裏道、31歳、独身。
体育大で鍛えた安定した体幹とは裏腹に、不安定な情緒。
喫煙所で煙草を燻らせる姿は、爽やかな体操のお兄さんとは思えない裏の姿なのでした。
―――大人なら誰でも持っている、裏の顔のひとつやふたつ。 見ない振りしてね、よい子のみんな。
ウサオ君とクマオ君
AM7：32。
「朝が…来てしまった……」
絶望の表情で目を覚ました裏道は、今日も撮影スタジオにいました。
「今日も元気に“ABC体操”始めるよー！」
裏道のその言葉に一人の少年が「JA○RACとケンカするのやめたの？」と聞きましたが、「ケンカじゃないよ！ 無謀な投石だよ！」と元気に返事をします。
そして、意識的にワントーン高くしている裏道の声に気付いたのか、子供たちが「それ地声？」と聞いてきたり、面白がって笑ったりしました。
さらに、「最近いいことあった？」という子供からの問いに「ないよ～」と笑顔で答えれば、「いいこともないのに何でニコニコしてるの？」と質問されます。
「いいこともないからせめてニコニコくらいはしてるんだよ～」
相変わらず引き攣った笑顔の裏道は「一人でいることが悪いとか負けだとかは全然思わない……要するにさ、五人でいても二人でいても、哀しくなった時点で負けだと思うんだよね」と言います。
それを聞いていた少女が「お兄さんは？」と聞くと、裏道は不気味な笑みを浮かべて答えました。
「毎日ボロ負けだよね、オーバーキル気味に」
urara
舞台袖では、ウサオ君とクマオ君が話し合っていました。
「どうする？ 早めに出る？」
そう尋ねたのはクマオ君。
あんまりタメると、また裏道に怒られかねません。
「俺だってプロだ！ 怖い先輩より台本を優先する！」
そう答えたのはウサオ君。
そんなウサオ君にクマオ君が感心した矢先、舞台袖のカーテンの間から不気味な笑みを浮かべた裏道が覗き込んできました。
途端にウサオ君は「出ます！ すぐ出ます！ すいません！」と声を上げるのでした。
裏道に胸ぐらを掴まれた状態で連れてこられたウサオ君と、その一歩後ろを歩くクマオ君。
「ウサオ君の得意な鬼ごっこ」をして遊ぶことを提案した裏道は、「捕まった分だけ面白いことしてくれるんだよね」とウサオ君にプレッシャーを与えていきます。
収録が終わり、裏道の楽屋に飛び込んだウサオ君は「後輩いびって遊ぶのやめてくださいよ！」と反撃しますが、酔っ払った時に「面白くなってモテたい」といつも話しているウサオ君のためだと裏道は言いました。
覚えていないウサオ君に追い打ちをかけるように、クマオ君も「100回は聞いた」と呟きます。
その後、彼らは居酒屋にいました。
「裏道さ～ん……」と酔っ払った様子で絡むのは、ウサオ君の中の人・兎原跳吉、28歳。
万年金欠で、貯金の概念は貯金箱止まりの男。
そんな兎原を横目に「熱燗を2合くださーい」と注文するのは、クマオ君の中の人・熊谷みつ夫、28歳。
視野の広さを生かさないタイプの男。
二人は裏道の体育大時代の後輩でもあります。
「面白くなってモテたいっす……」
いつものように酔った兎原がそう呟くと、裏道が「水、貰う？」と聞き、熊谷は「お冷もお願いしまーす」と店員に声を掛けるのでした。
歌のお兄さん・歌のお姉さん
「『ママンとトゥギャザー』また観てね～！ バイバ～イ！」
そこにはカメラの前でにこやかに手を振っているものの、カットが掛かった瞬間に表情を無くす男女の姿がありました。
歌のお兄さん・蛇賀池照(宮野真守)。
27歳、通称・いけてるお兄さん。
元ミュージカル俳優という経歴を持ち、低く伸びのある美声と抜群の歌唱力を持っています。
女性受けの高いルックスに恵まれながら、低レベルな下ネタが大好きで、行間も空気も、アナログ時計も読めない男。
そして、歌のお姉さん・多田野詩乃(水樹奈々)。
32歳、通称・うたのお姉さん。
有名音大卒業後、アイドル歌手、演歌歌手、ジャズシンガーという異色の経歴を経て今に至ります。
売れないお笑い芸人の彼氏とは同棲6年目に突入、とにかく「結婚したい」女。
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一部の収録を終え、休憩に向かおうとしていた裏道は、兎原が自分の悪口を言おうとしていたところに出くわします。
しかし、そんな兎原を構う元気すらなく、そのことに切なささえ感じながらその場を過ぎていきました。
兎原と熊谷は裏道にスルーされ、逆に恐怖を感じます。
一方、楽屋に着いた裏道はいつものようにハンドグリップを握りながら、感情の起伏がワンテンポ遅れるようになってきたことに恐れを抱いていました。
それは、「怒り」を「無関心」が塗り替えていくような感覚……。
その時、突然楽屋のドアが開き、池照が入ってきました。
ノックもせずにやって来た池照は「“チンダル現象”って知ってますか？」と尋ねてきます。
彼はさっき初めてこの言葉を知ったそうで、「チンダル現象」と自分で呟く度に笑いをこらえようと必死になっていました。
「めちゃくちゃ面白くないですか…？ ちん…チンダル現象ですよ」
ツボにハマってしまったようで未だ笑いを押し殺そうとしている池照と、彼を死んだ目で見る裏道をADが呼びにきます。
スタジオに向かう道中、裏道は「賃上げ」「チンニング」「沈降運動」と池照がハマりそうなワードを次々に呟きました。
すると、狙い通り池照は笑いを抑えられなくなってしまいました。
そのまま復活できなかった池照を置いて収録が始まります。
裏道と詩乃によるお絵かきのコーナーです。
そこで裏道が描いたのは、自身の夢の中に8割くらいの頻度で登場するという奇怪な鳥のイラストでした。
詩乃も思わず「なんだこれ……病んでるんですか？」と呟きます。
収録後、裏道は兎原が悪口を言っている場面に再度遭遇しました。
「俺いつか言ってやろうと思ってることがあって(笑) …筋肉しか愛せない男、その名も根暗マッチョ…」
兎原はそう言い切る前に、裏道の制裁を受けるのでした。
urara
アニメ『うらみちお兄さん』第1話まとめ
いかがだったでしょうか。
ツイッターでは初回放送終了後すぐに「＃うらみちお兄さん」がトレンド入りするほど話題になりました。
そして、まさかの「チンダル現象」もトレンド入り！
いけてるお兄さんの含み笑いとともに、よい子のみんなの記憶に残ったようですね！！
さらに、いけてるお兄さん(宮野真守)とうたのお姉さん(水樹奈々)が歌うオープニングテーマ“ABC体操”は頭に残る一曲となり、お洒落な雰囲気漂うエンディングで流れた宮野真守の新曲“Dream On”もリピート確実です。
豪華キャストがまだまだ名を連ねていくことに胸をときめかせながら、次回第2話も楽しみに待ちたいと思います。