映画『運命じゃない人』あらすじ・ネタバレ感想!伏線回収が気持ちいい!バラバラの時間が揃った時、幸せがくる

映画『運命じゃない人』あらすじ・ネタバレ感想!

出典:web.videopass.auone.jp

お人好しっぽい雰囲気の冴えない普通の平凡なサラリーマンと、金のニオイを嗅ぎ付けることに長けた私立探偵、メンツを気にして見栄を張ることしかできないヤクザの組長。

何の接点も見いだせない3人が交差する、たった一夜の物語。

ポイント
  • 一方そのころ…が隈なく描かれる、意外なところで意外な人が!?的展開にわくわくする作品
  • 淡々と進んでいくストーリーすべてが伏線?違和感がハマる瞬間が気持ちいい
  • タイトルが誰にかかっているのか考えながら見るのも楽しい!

それではさっそく映画『運命じゃない人』のあらすじと感想を、ネタバレありでご紹介いたします。

映画『運命じゃない人』作品情報

作品名 運命じゃない人
公開日 2005年7月16日
上映時間 98分
監督 内田けんじ
脚本 内田けんじ
出演者 中村靖日
霧島れいか
山中聡
山下規介
板谷由夏
眞島秀和
音楽 石橋光晴

映画『運命じゃない人』あらすじ


典型的ないい人・宮田(中村靖日)をはがゆく思っていた私立探偵の神田(山中聡)は、いつまでも前の彼女のことを引きずっている宮田のために、レストランで1人で寂しそうに食事をしている女性(霧島れいか)をナンパするが……。
出典:シネマトゥデイ

映画『運命じゃない人』みどころ

映画『運命じゃない人』みどころ

5つの物語がパラレルに進行する新感覚ラブストーリー。

監督は本作が劇場用長編デビュー作となる内田けんじ。

主演は『恋は五・七・五!』の中村靖日。

芯の強さを隠した桑田真紀役にテレビを中心に活躍している霧島れいか、熱い男の友情を見せる神田勇介に『ハッシュ!』の山中聡がふんしている。

2005年カンヌ国際映画祭批評家週間へ出品されたことでも話題になった作品。
出典:シネマトゥデイ

映画『運命じゃない人』を視聴できる動画配信サービス

『運命じゃない人』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

u-next
注意点
  • 動画の配信情報は2019年10月3日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

ご覧のとおり、2019年10月3日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。

動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。

【ネタバレあり】映画『運命じゃない人』感想レビュー

かわいそうな女、真紀

桑田真紀(霧島れいか)は、たった今アパートの鍵を閉めてドアの郵便受けに入れました。手には大荷物。

一緒に住んでいた彼が浮気をしたから出て行こうと決心したのです。しばらくドアの前に佇んで歩き出します。

“一人で生きていかなきゃいけないんだ、この星で、一人で。”

そんなことを心の中で思っていました。

真紀の左手薬指には指輪が輝いていました。それを外して質屋に持って行くと「三千円だね」とバッサリ言われてしまいます。

婚約指輪なのに…と呟けば、質屋の店員は同情して五百円追加してくれました。

真紀は“自分の幸せを他の人間に託すからこんなことになるんだ”と思いました。

その後、訪れたレストランで一人、あれこれ考えているうちに泣きそうになっていると「一人?」と声をかけてくる男性がいました。

なんだか軽い調子で「大勢で食べた方がおいしいでしょ、ご飯は」と言います。

その言葉に真紀は二つ返事でOKして男性のテーブルまで行きました。

どこにでもいる平凡なサラリーマン、宮田

ごく普通で平凡なサラリーマンの宮田武(中村靖日)は、半年前にフラれた元カノのアユミ(板谷由夏)をいまだに引きずっていました。

会社のパソコンでアユミの写真を眺めては、切なげにマウスポインタで輪郭をなぞってしまう始末。

そんな時、同僚が「明日24歳の看護師とデートだからオシャレなマンションを3、4時間貸してほしい」と言い出します。

その“オシャレなマンション”はアユミと暮らすために買ったもの。

でもお人好しな宮田は、強めに押し切られて断れませんでした。

その晩、仕事を終えて帰宅すると、息つく間もなく携帯が鳴りました。かけてきた相手は中学の同級生、神田勇介(山中聡)。

「大事な話があるから今すぐ出てきてほしい」と小声で言って、もう帰宅したから出たくないと言う宮田の話を聞きません。

神田が何度も口にする“大事な話”が何なのか聞くと「アユミのことだ」と言い、それを聞いた宮田は大急ぎでレストランに向かいました。

自分から呼び出したくせに遅れてきた神田の言うことには、アユミは結婚するらしい。話はそれだけでした。

神田はアユミのことなんて早く忘れろと言い、後ろのテーブルにいた寂しげな女をナンパしました。

その寂しげな女は、彼氏に浮気され、一人で生きていかなければならないと泣きそうになっていた真紀でした。

声をかけておきながら神田はフラッといなくなってしまい、宮田と真紀は仲良くなります。

食事も終えて、さぁもう帰ろうかというところで真紀は「家がない」と言い、婚約者である彼の車の助手席のところにある灰皿に口紅のついたメンソールの吸い殻を見つけてしまったから家を出たと、この日の経緯を話しました。

宮田は、そんな彼女を見てデザートでも食べようと再びレストランに誘います。そして泣いても良いですよ、と言いました。

宮田の元カノ、アユミ

夜も更け、宮田は真紀を自宅に泊めてあげることにします。

結婚を考えた彼女と住んでいたけれど、他に好きな人がいると突然言われ彼女は出て行ってしまったから一部屋余っていたのです。

そこへ突然アユミが現れ、「置きっぱなしにしていた荷物を取りに来た」と言いました。

気まずい状況に、真紀は「ホテルにでも泊まる」と言って出ていきます。

宮田はアユミを置き去りにして真紀を追いました。

どうにか追い付き、タクシーの窓を開けた真紀に対して電話番号を教えてと息も絶え絶えに言いました。

せっかく会えたんだから、さっき会ったばかりだけど、何も知らないけど、また会いたいんです。と素直な気持ちを伝えました。

宮田の言葉を聞いていたタクシーの運転手は、真紀にメモとペンを渡して電話番号くらい教えてやんなよ。と言いました。

金のニオイを嗅ぎ付ける私立探偵、神田

神田がやっている探偵事務所に「久しぶり」とアユミが訪ねてきました。

神田は、アユミが宮田をフった後にこの女を調べて結婚詐欺師であるということを知っていました。

そして、アユミはヤクザの組長・浅井志信(山下規介)の女でもありました。

神田のところに来たのは助けて欲しいからだと言います。組長から逃げてきたんだ、と。

会社経営してると言うから近づいただけで、ヤクザだなんて知らなかったと大金を持って神田のところに逃げて来たのです。

神田は、アユミがヤクザの金を持ち逃げしたせいで事件にでもなって新聞に載ったりしたら宮田が傷つくから困ると言い、100万で逃がしてやると条件を出しました。

結婚詐欺で荒稼ぎしていることを知っているので、組から持ち逃げしてきた金は全額そのまま返すことも条件です。

アユミは外国に逃げたいけどパスポートは宮田のところにあると言うので、まずは神田の持っている合鍵を使って宮田のマンションに忍び込みました。

見つけ出したパスポートは神田が没収、100万と引き換えだということになります。

ひとまずそこから逃げるのにアユミは派手すぎる服を着ていたので着替えるよう命じ、神田がトイレに入っているところに宮田が帰ってきてしまいます。

神田は急いで携帯を取り出し「今すぐ出てきてほしい」と言います。大事な話だから、と。

宮田が慌てて出ていく音を確認してアユミとマンションを出たら、バイク便の変装をして浅井商事に向かいます。

無事にお金を返してアユミを逃がした神田は宮田の待つレストランへ行きますが、程なくしてそこに浅井商事のヤクザがやってきて見つかってしまい、事務所へと連れて行かれてしまいます。

パンツ以外は脱がされた状態で組長を待っていると、浅井組長はアユミを連れて戻ってきました。

浅井は言います。「人を一人殺すのに幾らかかるか知ってるか?それだけの金をかけて殺す価値のある人間っていうのはそうそういない」この言葉を聞いて自分は殺されはしないと一瞬ほっとする神田でしたが、“ただ今回の件でメンツをつぶされた”と続く言葉に再びヒヤリとしました。

結果的には「これからタダで探偵の仕事をしてくれ」とだけ言われ、殺されるどころかかすり傷ひとつ負わずに許してもらえました。

大事なのは組長としての威厳・尊厳な男、浅井

浅井組長は羽振りの良いようにふるまっていましたが、事務所の家賃が60万、光熱費が6万、そのほか組員の給料だとか横の繋がりでの冠婚葬祭だとかそのほか諸々に金がかかって、生活費なんて月100万ちょっとだとボヤきます。

でも組長が安っぽい身なりで慎ましく暮らしていては威厳も尊厳も守れない、と組の金庫には札束の上下だけに万札を仕込んだ紙束を入れていました。

初めて事務所に遊びに来たアユミは、それを見て札束が本物だと思い込み、持ち逃げします。

浅井は札束が偽物だとバレてしまったらマズいと必死にアユミを探します。

組員たちには、あくまで静かに、騒ぎ立てたりすることなく探せと命じます。

程なくして、怪しいバイク便の男が自分のバッグを事務所に置いて逃げていきます。

アユミが持ち逃げしたはずのそのバッグ、浅井が中を調べると入っているはずの札束は入っていませんでした。代わりにあったのはアユミの下着と神田の名刺。

浅井は組員たちに神田を探させて、自分は神田の事務所へと忍び込みました。

そこにはアユミの詐欺を調べたたくさんの資料と、騙された宮田のマンションの情報がありました。

浅井は宮田のマンションへも忍び込み、アユミが隠した偽札の束を発見します。

しかし、そのとき宮田が真紀を連れて帰ってきてしまいました。

やむなし、とベッドの下に隠れて様子をうかがっていると、真紀が偶然にも偽札の束を見つけて自分のバッグに入れるところを見てしまいます。

そこにアユミが現れて、軽く揉めているような声のあと真紀が出て行き、宮田は真紀を追って行きました。

浅井は隠した金を取りに来たアユミを偶然にも捕まえることができたので、神田の待つ事務所へと戻ります。

巡り巡った偽札束の行方は…?

浅井から解放された神田は、宮田の家に行きます。

アユミの荷物の中に金があると思ったのですが、宮田は今朝ゴミに出してしまっていました。

アユミのことを吹っ切ったからと荷物をすべて捨ててしまっていたのです。

どこまでいってもとことんついてない放心状態の神田に、宮田は真紀から番号を聞いたことを意気揚々と話しました。しかし、その番号はデタラメで繋がりませんでした。

真紀を信じたい宮田は“書き間違えたんだ”と言い張りますが、神田は“騙されたんだよ”と諭しました。

一方、真紀は駅前でカバンを抱えて座り込み、物思いにふけっていました。

“一人で、生きていける”と心に思い立ち上がると、宮田のマンションへ向かいインターホンを押しました。

本筋の裏でのことが次々と明らかになる爽快感!

爽快感…ではないのかな。スッキリ感?のある作品です。

“一方そのころ…”が各登場人物を軸に繰り広げられていくので、物語としてはひとつですがそれぞれの目線でのストーリーを楽しめて何度でもおいしいです。

そしてこれが同じ一晩の出来事というのが見事だなぁと思います。

実はあのシーンのあの場所に、あの人がいた!とかそういう裏筋がどんどん明らかになっていくわけです。

それにしても宮田は忍び込まれ過ぎ。

このあとどうなるんだろうというところで物語が終わってしまいますが、宮田には幸せになってほしいです。個人的に。

自分のそばにこういう人がいても惚れないけど。

男3人が主軸ということで私の好きなパターンでした

これまでに書いた記事の中でも『隠し砦の三悪人』だとか『ナミヤ雑貨店の奇蹟』だとか男3人が主軸になる物語が好きな私ですけれども。今作も例に漏れず、そのパターンです。

宮田・神田・浅井というタイプの違う3人の男が繰り広げていくストーリー。

この話は上記の作品と異なって3人が一緒に行動する仲ではない種類の話です。

地味で普通で平凡を絵に描いたようなサラリーマンの宮田と、金儲けのために私立探偵するような人なのに中学の同級生である宮田を大事にする神田、偽札の束でヤクザの組長としての威厳を保とうとしちゃうセコい浅井。

3人ともなんだか憎めないキャラなのが良いです。

そばにいたとして好きになっちゃうのは神田だろうなぁ…消去法で。

映画『運命じゃない人』まとめ

以上、ここまで映画『運命じゃない人』について紹介させていただきました。

要点まとめ
  • 全然関係なさそうな事象がパズルみたいに組み合わさっていく話が好きな人におすすめ
  • ふと現実でもこういう、何の接点もなかったことが実は繋がってたみたいなことってあるよねとか思った作品
  • タイプの違う3人の男が繰り広げていく物語が好き!っていう人にもおすすめ