「週刊少年ジャンプ」にて連載中の戸塚慶文による人気マンガをアニメ化した『アンデッドアンラック』。
”否定者”と呼ばれる異能力者たちのバトル、数々の伏線が考察を呼ぶ壮大な物語と、怒涛の展開が人気を博し、連載開始の翌年には「次にくるマンガ大賞2020」のコミックス部門で1位を獲得した話題作です。
かつて数多の戦場に勝利をもたらした男、ヴィクトル。
額のカードを抜くことで現れるアンディのもうひとつの顔です。
スポイルを捕獲したものの、ヴィクトルのままになってしまったアンディ。
彼をアンディの姿に戻すため、ユニオンのメンバーが総出で挑みます。
しかし、アンディ以上の実力を持つヴィクトルを前にメンバーは苦戦を強いられていました。
一度は戦場から離れた風子でしたが、アンディを呼び戻すために奮起し、再び戦場へ……。
早速、第9話「Return」をレビューしていきます。
目次
アニメ『アンデッドアンラック』前回第8話あらすじと振り返り
スポイルの能力により住人たちがゾンビ化した町・ロンギング。
風子は地下のシェルターに隠れていた子供たちから町で何が起きたのか、なぜ子供たちはゾンビ化せずに無事なのかを教えてもらいます。
一方、地上ではアンディが花嫁姿のゾンビを抱え、ほかのゾンビたちと共闘し、スポイルと闘っていました。
そんな中、たまたま風子に触れてしまったゾンビによって不運が発動。
風子の力がゾンビにも有効だということに気付いたアンディは、ゾンビたちに呼び掛け、風子に触れるよう指示します。
ゾンビたちは自ら不運を纏い、爆弾のようにスポイルへ突進していきました。
健闘の甲斐あり、スポイル戦はフェーズ2へ移行するものの、アンディは身体の再生が追いつかなくなり、シェンが攻略にかかります。
シェンはスポイルを倒すため、アンディに額のカードを抜くよう進言しました。
アンディはシェンと二つの約束を交わし、もうひとつの姿――戦勝の神・ヴィクトルに人格を受け渡します。
圧倒的な戦力を持つヴィクトルによってスポイルの捕獲は成功しましたが、彼はアンディに人格を返すつもりがないようです。
そんなヴィクトルに討ち勝つべく、円卓のメンバーが総出でワープしてきます。
【ネタバレあり】アニメ『アンデッドアンラック』第9話あらすじ・感想
風子の決断
ヴィクトルは立ち向かってくる円卓のメンバーと戦いながら、否定能力をプラスに変える能力者たちに感心しつつも圧倒していました。
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一方、負傷したシェンとヴィクトルに命を狙われた風子は、ジュイスの指示によって戦場から離れます。
二人を運んだトップに、風子は「アンディのところへ連れて行ってください」と頼みました。
トップは向こう見ずな風子を止めますが、シェンはアンディと「風子を守る」という約束をしていた手前、彼女に協力します。
アンディの額のカードと、身を守るための拳銃を手渡すと、駆け出していく風子を見送りました。
二人の行動に驚き、戸惑うトップでしたが、「そんな簡単に引き止められる子なら今日この日まで生きてないよ」というシェンの言葉を聞き、風子を手助けすることにします。
トップは凄まじいスピードで走ることができる能力を持っており、風子を抱えて猛ダッシュで戦場へ。
そこでは、能力によって何体にも分裂したヴィクトルが円卓のメンバーを相手に戦っていました。
どれが本物だかわからないというトップの言葉を受け、風子は目を凝らします。
そして、ジュイスと戦っているヴィクトルの中にアンディがいると確信しました。
それはトップにはわからない些細な違いによるものでしたが、風子を信じて本物と思しきヴィクトルのもとへ投げ飛ばします。
風子は服を捲り上げた状態でヴィクトルに抱きつき、円卓のメンバーに向かって叫びました。
「私がこうやってくっついていれば、いくら好感度が低くてもそのうちおっきい不運を呼べます!」
ヴィクトルvs円卓メンバー
自ら接触することで不運を呼び、その隙に額のカードを戻そうと提案する風子。
ジュイスから接触時間の目安を問われると、嫌いな人にくっついたことはないからわからないと答えます。
すると、ジュイスは作戦変更を言い渡し、一瞬でもいいからアンディの人格を呼び戻すよう指示しました。
それは同時に、風子がアンディを呼び戻すまでの間、ヴィクトルから風子を守るという他のメンバーへの指示でもあります。
一方、ヴィクトルはアンディに人格を返すつもりはなく、「バーンを倒し席はひとつ増えた。 不運が死ねば2席空く」と言い、自身がより強いメンバーを見繕うと語りました。
そんなヴィクトルに、ジュイスは「正義も大志もない者に人は動かせないよ」と告げ、本格的に戦闘が始まります。
風子は時間稼ぎのために全力を尽くしてくれている他のメンバーの姿を見て、必死に考えを巡らせていました。
知り合ってから1ヶ月も経っていないアンディですが、出会ったあの日に命を救ってもらったように、今度は自分が助けるのだと……。
風子はシェンから受け取った拳銃を手にすると、ヴィクトルの額に銃口を押し付けて、躊躇わずに引き金を引きます。
出来た傷口はカードが刺さっていた部分であり、風子はそこに指を突っ込むと、返り血を浴びながら語りかけました。
ここにアンディが閉じ込められているんだと信じて、「……いちばん大きい不運をあげるから!」と叫びます。
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その頃、戦場となっている町から離れた場所にいたシェンは、手元に如意金箍を呼び戻していました。
「続きはまた今度な」
風子の必死な呼び掛けに、ヴィクトルの様子が変わります。
アンディらしい表情と口調が現れ、風子は彼が戻ってきたことを喜びました。
しかし、時間がないとわかっていたアンディは「もらうぜ」と一方的に告げると、風子の唇を奪います。
突然のキスシーンを目にしたメンバーたちは困惑しますが、アンディは余裕そうに「続きは今度な」と言い、風子は顔を真っ赤にして離れました。
そして、ジュイスの退避命令とともに一行が町から逃げる中、ヴィクトルの動きを止めたのはシェンの能力でした。
いつのまにか戦場まで戻って来ていたシェンが「再見(また会いましょう)」とヴィクトルに告げる頃、風子の能力による不運が複数の隕石となって降ってきます。
「久々だな、ヒトに負けるのは」
ヴィクトルはそう呟くと、甘んじて隕石を身に受けるのでした。
町は全壊し、一度引いた水が津波のように押し寄せてきます。
それでも風子は、町の真ん中に倒れるヴィクトルのもとへ戻り、その額の傷にカードを差し込みました。
「お願いアンディ……戻って来て!」
風子の叫びとともに、町は水没してしまいます。
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バカップルの帰還
――8月31日。
ロンギングでの戦いから一週間が経ち、風子はようやく目を覚まします。
眠っていたベッドの側らにはアンディが座っており、風子が目覚めるまでに彼女の愛読書である『君伝』全101巻を読んでしまったと言いました。
確かに面白いな、などと軽口を叩くアンディに、風子は涙を流しながら「また独りになるところだった」と訴えかけます。
そんな風子に、アンディはヴィクトルの中に閉じ込められている間、ずっと風子の声が聞こえていたと言いました。
そして、風子の頭を撫でながら笑います。
「ありがとな、風子」
初めて「風子」と名前を呼んでくれたアンディに、はしゃぐ風子。
アンディが取り合ってくれなくなってしまったので、もう一度呼んでもらうことを早々に諦めると、枕元に置いてあったぬいぐるみに気付きます。
そのぬいぐるみはタチアナが見舞いの際に持ってきたものらしく、初対面時にはジーナの件で怒っていた彼女が送ってくれた優しさに、風子は嬉しくなりました。
さらに、ユニオンの孤児院に入ることになったというケンたちも見舞いに来たと聞き、彼らの無事に胸をなで下ろします。
一方で、ケンたちにとってゾンビになってしまった先生は悲しい思い出になってしまっただろうかと俯きました。
するとアンディは、「強い願いってのはきっと腐ったりせずに届くんだ」「お前がそうだったように」と励まします。
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二人揃って円卓へ向かうと、トップから「遅ぇぞバカップル」と呆れられ、風子はカップルじゃないと否定し、「バカ」の部分だけ渋々肯定しました。
シェンとタチアナは風子を明るく迎え入れ、ジュイスは淡々と席へ促します。
Ⅸだった風子と、Ⅹだったアンディですが、先日のクローゼス捕獲の件で席次が入れ替わっていました。
風子が納得して席につくと、円卓のメンバーが全員揃います。
ジュイスはアポカリプスを呼び出し、今回のクエストの結果が発表されるのでした。
アニメ『アンデッドアンラック』第9話まとめ
いかがだったでしょうか。
スポイル捕獲から、円卓メンバー総出でのヴィクトル戦という変遷を辿ったロンギングでの戦い。
無事にヴィクトルを抑えてアンディを取り戻し、風子も目を覚ましたことで、脱落者なく円卓に戻ってきた一同ですが、クエストの結果発表はどのようなものになるのでしょうか。
すっかりユニオンへ仲間入りした風子とアンディの活躍に期待しつつ、ついにキスまで交わし、独特な信頼関係を築いてきた二人の関係性にも注目したいですね。
次回、第10話も楽しみです。