「週刊少年ジャンプ」にて連載中の戸塚慶文による人気マンガをアニメ化した『アンデッドアンラック』。
”否定者”と呼ばれる異能力者たちのバトル、数々の伏線が考察を呼ぶ壮大な物語と、怒涛の展開が人気を博し、連載開始の翌年には「次にくるマンガ大賞2020」のコミックス部門で1位を獲得した話題作です。
カナダのスタンレーパークのベンチで、警戒しながら安野雲を待つアンディたち。
いつの間にか二人の背後に現れた安野雲が語りかけました。
「キミたちが何を知りたいのか知っている」
しかし、「タダでは教えない。 オレが知らない、最高のエンドを見せてくれ」と宣言します。
その時、森のほうから男性の悲鳴が……。
引き止める安野雲を振り切り、風子は男性を助けるため、突如現れたUMA・オータムのもとへ走り出します。
早速、第20話「安野雲」をレビューしていきます。
目次
アニメ『アンデッドアンラック』前回第19話あらすじと振り返り
ジュイスが取り出した一冊の本は、風子がよく知る本――愛読書である少女マンガの『君伝』でした。
それが古代遺物(アーティファクト)によって描かれた、この世界の過去と未来の物語である可能性が浮上。
アンディと風子に、生原稿の状態確認と原作者の情報収集が任されます。
古代遺物によって描かれたものであれば、生原稿は言語統一のルール追加の影響を受けていないはず……。
しかし、確認は容易ではないため、アンディは出版社へマンガを持ち込むことを提案します。
みんなで力を合わせ、一晩で完成させたマンガを持ち込んだ風子は、編集者とのやり取りを経て『君伝』の生原稿を見ることに成功。
やはり日本語で描かれており、言語統一のルールから逸脱していました。
不思議に思った編集者は、原作者の安野雲に電話をかけます。
そこに居合わせた風子とアンディは電話を代わってもらい、安野雲直々に、カナダへ呼び出されるのでした。
【ネタバレあり】アニメ『アンデッドアンラック』第20話あらすじ・感想
「僕の知る未来」
――2020年12月5日、カナダ・スタンレーパーク。
巨大な蜘蛛のような姿をしたUMA・オータム(CV.斉藤貴美子)に立ち向かうアンディと風子。
アンダーのメンバーであるリップたちもオータムを狙って参戦する中、アンディはこれまで溜めた不運に賭け、風子を一度離脱させます。
しかし、アンディのそばから離れた途端、風子は首を斬られ、その場に倒れるのでした。
瞬間、透明人間のように立ち止まる人影は、ゆっくりと瞬きします。
「僕の知る未来……」
ところ変わって薄暗い部屋の中、一人でそう呟いたのは、『君伝』の原作者である安野雲でした。
その時、安野雲に電話をかけてきたのは、日本にいる編集者の多比岡。
彼女のそばには、先ほど「未来」で見たアンディと風子がいるようです。
そこで、安野雲は「二人一緒に」、カナダのスタンレーパークへ来るよう指示しました。
*
20年前に『君伝』の第1話を投稿した安野雲は、年齢不詳・性別不明であり、作品が大ヒットしてもなお、誰も姿を見たことがなく、声を聞いたこともない謎多き覆面漫画家でした。
そんな安野雲は「5時間後に」カナダへ来るよう言いましたが、日本からは飛行機でも9時間ほどかかります。
しかし、ユニオンの特殊な航空機でなら3時間ほどで着くため、その事情を知っていると考えられました。
こちらのことを把握している安野雲が敵か味方かもわからないまま、アンディと風子を乗せた航空機はカナダへ近付いていくのでした。
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安野雲との出会い
――12月5日午前5時(日本時間22時)、カナダ・スタンレーパーク。
安野雲に指定されたベンチで待つアンディと風子は、プーティンというカナダの名物を食べながら、安野雲と対峙した時の対処について話し合っていました。
ところが、その背後には、すでに安野雲の姿が……。
堂々と原稿を手に取った安野雲が、風子たちの描いたマンガを読んで「面白い!」と声を上げるまで、二人は安野雲が近付いていることに全く気付かなかったのです。
すぐさま距離を取ると、安野雲は「知ってるよ。 君たちが何を知りたいのか」と話し始めます。
ビリーはなぜ裏切ったのか、4体のUMAの倒し方は、アンディの過去は、そして、神の殺し方は……。
安野雲が並べた言葉は、確かにユニオンが知りたい情報ばかりでした。
その時、安野雲の背後から蜘蛛のような姿をしたUMAが数体迫ってきます。
「俺の知らない最高のエンドを見せてくれ!」
そう言った安野雲は、ペン型の古代遺物を使ってUMAを容易く倒したのち、アンディや風子が強くなる手助けをしたいのだと語りました。
アンディは安野雲の真意が読めず剣先を向けますが、次の瞬間には後ろにいる風子のほうへ逃げられてしまいます。
その瞬間移動が否定能力によるものなのか、古代遺物によるものなのかもわからず、安野雲自体も信じていいのかわからないうちに、森の中から悲鳴が聞こえてきました。
風子が咄嗟に森のほうへ駆け出していくと、安野雲は今のアンディと風子では勝てないといって止めに入ります。
そんな制止を振り切って辿り着いた先にいたのは、巨大な蜘蛛のような姿をしたUMA・オータムでした。
人の人生を喰らうUMA・オータム
安野雲は、オータムを「人の人生を喰らうUMA」だと説明します。
その言葉の通り、オータムは悲鳴を上げていた男性を捕らえて大きな爪で刺し殺すと、本に変えてしまいました。
そして、その本――男性の人生を読むなり「つまらない」と言って放り出し、もっと面白い物語を求めて動き始めます。
アンディは風子を背に乗せて飛び出すと、UMA・バーンと対峙した時と同じ方法で挑むことを提案。
一方、その様子を見ていた安野雲は、「アイデアが足りない」「ルールに縛られすぎ」などと評価し、自らの左腕を鎌で斬り落としました。
続けて、ペンでアンディの腕を描き出すと、自身の新たな左腕にします。
その左腕はアンディのものと同様、再生能力を利用することが可能で、劣勢だったアンディと風子に代わり、安野雲が攻撃――「紅火山弾(ボルケーノ・バレット)」を繰り出しました。
さらに、描き出した飛行機の操縦席に乗り込むと、アンディと風子を拾って、オータムのテリトリーから逃げ出すのでした。
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二人の修行編
オータムから逃げ切り、楽しそうに飛行機を操縦する安野雲。
しかし、「描いて具現化できるのはひとつまで」と本人が言うように、飛行機の前に描いたアンディの腕は消えていました。
つまり、自ら斬り落とした左腕はなくなったまま、再生することはないのです。
身体を張ってアンディと風子を救った安野雲は、「二人の修行編」をスタートさせようと笑いました。
*
アンディと風子は、左腕を失ってもあっけらかんとしている安野雲に連れられ、仕事部屋へやって来ました。
そこで安野雲はユニオンのエンブレムを描き出し、無線でジュイスに連絡を取ります。
オータム捕獲と自らのため、アンディと風子に修行をつけてもいいかと問いかけました。
するとジュイスは、未だ素性のわからない安野雲を信用することはできないと断ります。
そこで安野雲は、ジュイス渾身のメンバーが揃っているというのなら、慎重にいくのではなくオールインするべきだと語りました。
黙ってしまったジュイスに向けて、風子は安野雲が身体を張ってくれたこと、アンディは安野雲がアンディ自身の過去を知っていることを理由に、信じてみてもいいのではと説得します。
特にアンディは、自分とヴィクトルの力の差をずっと疑問に思っており、それを埋める鍵は記憶のない過去にあると考えていました。
ジュイスはアンディと風子の言葉を受け、「無事で戻ること」「オータムを捕らえること」を条件に、安野雲の修行を許可します。
早速、安野雲はオータムの爪を描き出し、アンディに斬りかかりました。
こうしてアンディの身体が本になり、その人生を読めるようになるからです。
死ぬことができず生き続けているアンディの人生の記録は、大気圏を超えて宇宙に届くほど積み重なる、膨大なものでした。
アニメ『アンデッドアンラック』第20話まとめ
いかがだったでしょうか。
ついに安野雲と対面し、修行編が始まったアンディと風子。
安野雲が知る未来は不吉なものでしたが、実際に迎える未来を変えることは可能なようです。
果たしてどんな出来事が待ち受けているのでしょうか……。
次回、第21話も楽しみです。