「週刊少年ジャンプ」にて連載中の戸塚慶文による人気マンガをアニメ化した『アンデッドアンラック』。
”否定者”と呼ばれる異能力者たちのバトル、数々の伏線が考察を呼ぶ壮大な物語と、怒涛の展開が人気を博し、連載開始の翌年には「次にくるマンガ大賞2020」のコミックス部門で1位を獲得した話題作です。
アンディたちがリップと闘っている間、タチアナもまた他の否定者狩りのメンバーと闘っていました。
その時、風子が不治による傷を負ったとの報告が入ります。
初めての女の子の友達である風子が傷付けられたことに激昂するタチアナ。
「私の大事な人を傷付けるヤツは許さない!」
風子のため、タチアナは自らの意志で力を解放します。
早速、第13話「Tatiana」をレビューしていきます。
目次
アニメ『アンデッドアンラック』前回第12話あらすじと振り返り
ブラックオークションには、リップら否定者狩りのメンバーも紛れ込んでいました。
彼らの目的は世界への復讐……そんなヤツらに否定者を渡すまいと、アンディたちは競売品倉庫へ向かいます。
一方、倉庫ではマフィアによって拉致された否定者――”不動”(アンムーブ)の能力を持つチカラが脱出を試みていましたが、否定者狩りのメンバーが一足早くチカラの前に現れます。
彼の能力を試そうと、否定者狩りの一撃がチカラを襲う中、アンディと風子が駆け付けました。
次々起こる戦闘に何が何だかわからないチカラでしたが、自分を庇った風子がリップの”不治(アンリペア)”の能力で傷付けられ、ことの重大さに覚悟を決めます。
忌まわしく思っていた能力を使い、身を呈して風子を守ろうとしたチカラの勇気に、アンディは笑みを浮かべました。
【ネタバレあり】アニメ『アンデッドアンラック』第13話あらすじ・感想
ジーナへの想い
アンディたちがリップと闘っている間、タチアナもまた他の否定者狩りのメンバーと闘っていました。
そんな中、風子がリップの攻撃により不治の傷を負ったと連絡が入ります。
それはタチアナの怒りに火を付けました。
*
――8月6日、ユニオン・円卓の間。
タチアナは慕っていたジーナを殺したアンディと初対面し、仇を討とうとしていました。
すぐさまジュイスに止められ、その場では手を引いたものの、会合が終わってからアンディに声を掛けます。
ニコの戦闘実験場に呼び出し、改めてジーナの復讐を果たそうとするタチアナは、40年の間アンディを想い、待ち続けていたジーナの気持ちも知らずに……と責め立てました。
するとアンディは、ジーナの気持ちを知っていて、それでもなお殺したのだと明かします。
アンディの言葉に、さらに怒りが湧いたタチアナは、攻撃の手を強めました。
アンディがその攻撃を避けると、タチアナの装甲から伸びる手は、同行していた風子のほうへ飛んでいきます。
タチアナは風子の存在に気付いてハッとしますが、すでに攻撃は届いており、血しぶきがあがりました。
ところが、血しぶきはアンディのものでした。
アンディが寸でのところで風子を守ったのです。
そこでタチアナは、アンディが風子を助けるのが間に合わなかったら、自分が関係ない風子を殺していたのだと俯きます。
戦闘を見守っていたニコは、ジーナも喧嘩は望んでいないだろうと言って、タチアナに頭を冷やすよう伝えました。
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正気に戻ったタチアナが落ち込んでいると、アンディは隙ありとばかりにタチアナの装甲にしがみつきます。
彼女の一つ目のように見える部分はカメラになっており、事実上、中にいるタチアナ自身の目となっていますが、そこに全裸のアンディの下半身がバッチリ映ってしまいました。
アンディは何が起きたのか気付いていないようですが、タチアナはあまりの出来事に悲鳴を上げます。
アンディ以外の居合わせた人々が慌てる中、パニック状態のタチアナの装甲が赤く光り始めました。
初めての友達
タチアナの様子を見たニコは、タチアナの装甲は身を守るものではなく、能力を抑える拘束具なのだと口早に説明しました。
解放されれば町一つ簡単に消し飛ぶらしく、アンディと風子に避難を促した後、ユニオン内にも緊急連絡を入れます。
避難勧告に施設中が騒がしくなる中、自らの暴走状態に「怖い」と泣き出すタチアナ。
風子はそんなタチアナにしがみついてカメラを覗き込むと、「落ち着いて!」と呼び掛けました。
タチアナは「もう制御できない」「早く逃げて」と必死に言いますが、風子はそれを拒否し、しっかりとしがみつきます。
さらに、涙を浮かべながら「ジーナさんを殺したのは私なの! 私の不運で殺した!」と告げ、アンディは風子を守るために戦ったのだと明かしました。
タチアナに恨まれるべきは自分だと語り、泣きながら「ごめんね」と謝ると、ジーナの分までユニオンで頑張ること、ジーナやタチアナについて知りたいということを伝えます。
そして、最後に「友達になろ!」と笑いかけると、タチアナの暴走はぴたりと止まりました。
――8月22日。
タチアナの部屋を訪れた風子は、改めて先の事件について謝りました。
仲直りの握手をしに来たという風子に、装甲に身を包んだタチアナは「できないわよ」と冷たくあたります。
しかし風子は、「今のタチアナちゃんの手としたいの。 私も今の手でするから」と言って、手袋を付けたままの右手を差し出しました。
「いつか否定者の能力が消えて普通の体に戻れたら、ちゃんと手を繋いでおでかけしよ」
風子の言葉を受けて装甲から伸びる右手を差し出したタチアナは、キラキラした目で「うん」と頷きます。
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その頃、部屋の前で彼女たちの様子を見守っていたビリーが「ありがとう」と呟き、アンディは何てことのないように笑みを浮かべるのでした。
*
――そして、9月9日。
風子の重傷を知ったタチアナは、アンディに屋上へ出るよう伝えます。
……こんな体なのに笑いも哀れみもせず接してくれた、初めて出来た女の子の友達。
そんな大切な風子を守るため、タチアナは自ら力を解放しました。
タチアナの過去
リップとラトラが脱出に向けて動き出す頃、グリードとファンは力を解放しようとするタチアナと対峙していました。
装甲の隙間から赤い光が放たれているのを見たグリードは、今なら中にいる本人まで弾が届くのではないかと考え、ガトリングを連射します。
しかしファンは、装甲の隙間から落ちている潰れた弾を発見し、二人は中にもバリアがある可能性に気が付きました。
グリードは固体がダメなら気体だと言って、毒ガスを噴射するのでした。
*
タチアナはロシアの一般家庭に生まれた少女で、5歳の誕生日を迎えた日に、突如として能力を発症しました。
大好きなイチゴのバースデーケーキに飾られたロウソクの火を吹き消した瞬間、圧死した両親や家とともに辺り一帯が消し飛んでいたのです。
己の身に何が起きたのかもわからないうちにマフィアに捕まり、ブラックオークションにかけられていたところ、ユニオンからビリーがやって来ます。
ビリーは会場にいた人々を抹殺すると、「こういう場に来ると思うよ。 見えないのも悪くないってね」と独り言ち、タチアナのもとに近寄ってきました。
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優しく話しかけてきたビリーに対し、タチアナは「殺して」「銃で口の中を撃って」と頼みます。
何とも接触できなくなってしまい、装甲に差し込まれたチューブから液体食を口にするだけの生活になってしまったタチアナは、とっくに人生に絶望していました。
何より早く両親のもとへ行って謝りたいのだと死にたがる少女を前に、ビリーは「口を開けて」と言います。
タチアナが口を開けると、スティック状のケーキが差し込まれました。
タチアナの能力は肌や髪の上から不可触エリアを作るものですが、口を開けるとそのエリアにだけ穴が開きます。
資料で概要を知ったビリーは、自身の甘いもの好きも高じて、少女が喜びそうなケーキを作ってきていました。
タチアナはケーキの味に目を輝かせ、小さな声で「……他にはどんな味があるの?」と尋ねるのでした。
”不可触”の否定者
ビリーに連れられてユニオン入りしたタチアナは、ニコに特殊な装甲を作ってもらいます。
これこそ、今現在も身に付けている拘束具です。
年々増す不可触エリアの拡大を抑制し、脳波によりマニピュレーターなどを手足のように動かせるようになりました。
しかし、日頃抑制している分、解放時の反動は大きいことが予想され、「武器にもなるが災害にもなる」と釘を刺されます。
タチアナが「武器ってどういうこと?」と尋ねると、ビリーは彼女の装甲から伸びる手を握り、語りかけました。
「君の力はむやみに人を傷付けるものじゃない。 大切な人を守るために、いつか使う時が来る」と。
*
ビリーから「もしその時が来たら、自分の意志で解き放つんだ」と言われたことを覚えていたタチアナは、大切な友達である風子を守るために力を解放します。
アンディから屋上へ出たという報告を受けるとともに、「これ以上、私の大事な人に指一本だって触れさせない!」と叫ぶタチアナ。
固体も気体も、何もかも触れられない”不可触(アンタッチャブル)”の力を解き放つと、タチアナを中心に船は真っ二つになりました。
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そして、空中へ浮かび上がったアンディたちは、同じく浮かび上がっていたリップとラトラを発見。
アンディはタチアナに礼を言うと、リップに攻撃を仕掛けようと構えました。
「あとは俺たちに任せろ!」
アニメ『アンデッドアンラック』第13話まとめ
いかがだったでしょうか。
2クール目に突入した第13話は、タチアナ回でした。
装甲に身を包んだ姿から謎の多いキャラクターの一人でしたが、死にたがっていた少女が人との出会いで前向きになり、大切な人を守ろうと必死に戦う様子に胸を打たれました。
アンディがリップを発見し、船上での戦闘もラストスパート!
次回、第14話も楽しみです。