「週刊少年ジャンプ」にて連載中の戸塚慶文による人気マンガをアニメ化した『アンデッドアンラック』。
”否定者”と呼ばれる異能力者たちのバトル、数々の伏線が考察を呼ぶ壮大な物語と、怒涛の展開が人気を博し、連載開始の翌年には「次にくるマンガ大賞2020」のコミックス部門で1位を獲得した話題作です。
ブラックオークションには、否定者狩りのメンバーも紛れ込んでいました。
彼らの目的は世界への復讐……そんなヤツらに否定者を渡すまいと、アンディたちは競売品倉庫へ向かいます。
一方、倉庫ではマフィアによって拉致された否定者――”不動”(アンムーブ)の能力を持つチカラが脱出を試みていましたが、否定者狩りのメンバーが一足早くチカラの前に現れます。
彼の能力を試そうと、否定者狩りの一撃がチカラを襲い……。
早速、第12話「Activate」をレビューしていきます。
目次
アニメ『アンデッドアンラック』新たな登場人物・キャスト
重野力(チカラ)/CV.村瀬歩
・能力名:不動(アンムーブ)
・気弱な高校生の少年
・マフィアに拉致されて否定者のブラックオークションにかけられそうになり……
アニメ『アンデッドアンラック』前回第11話あらすじと振り返り
リオデジャネイロの港に停泊する豪華客船。
その中で開催されるブラックオークションに、ユニオンが狙う”不治”の否定者・アンリペアがいるとされ、アンディ、風子、タチアナが会場へ向かいます。
会場にはユニオンが管理できていない否定者やUMAなどが競売品として出回っていました。
否定者やUMAをモノのように扱う人たちの会話を聞きながら、風子はユニオンに来るか、ここで売られるか、どちらが否定者にとっていいことなのかとアンディに問いかけます。
アンディは風子の思いを晴らすように、彼女と出会ってからの自らの変化や決意を語りました。
そんな中、ジュイスが”否定者狩り”と呼ぶ者たちが客船へ侵入したとの報告が……。
彼らの目的が世界への復讐だと知った風子は、否定の力はつらくて悲しいけど世界を恨むのは間違っている、と気持ちを新たにし、アンディとともに競売品倉庫へ向かいます。
【ネタバレあり】アニメ『アンデッドアンラック』第12話あらすじ・感想
「否定者は物じゃない」
風子を背負って駆け出したアンディは、競売品倉庫へ向かう道すがら、タチアナに「不壊刀」を渡すよう叫びました。
タチアナは「回収大変だったんだからね」と文句を言いながらも、客船の外から窓を割って刀を届けます。
立ちはだかるマフィアたちには、競売品を狙っていることがバレていました。
彼らを前に、アンディは自ら刀で頭部を斬り落とします。
そのアンディの頭部を手に取り、投げ飛ばした風子は思い切り叫びました。
「私たち否定者は物じゃない!」
アンディの再生の力で床を突き破り、一気に階下まで逃げ降りた二人。
アンディが否定者狩りのメンバーと鉢合わせになる可能性について触れ、このまま戦闘に突入する場合があると言うと、風子は改めて覚悟を決めました。
その矢先、船下へ向かう階段の踊り場にダイナマイトが設置されているのを発見。
見つけるや否や、大爆発してしまいます。
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――9月9日、リオデジャネイロ沖。
競売品倉庫にいたマフィアは、爆発により揺れを感じ、無線で連絡を取っていました。
その隙を狙ってカギを奪い、牢から脱出したのは、競売品のひとつである否定者・重野力――チカラ(CV.村瀬歩)です。
逃げ出そうとしましたがすぐに見つかってしまい、マフィアに追いかけられます。
チカラが前髪をあげてマフィアのほうを見ると、マフィアは不思議と身動きが取れなくなりました。
しかし、銃口を向けられて怯えるチカラの足が震え出すと、マフィアは再び動けるようになるのでした。
謎の言語を話すチカラは、マフィアが何を言っているかもわからないまま、数日前のことを回想します。
言語統一の被害者
――9月2日。
高校へ向かっている道中、友達に話しかけられたチカラは、前日から周囲の人々が英語を話すようになったこと、テレビや新聞もすべて英語になっていることに困惑していました。
友達も友達で、チカラの話す母国語――日本語を理解できず、チカラを不思議そうに見ています。
そんな中、背後からマフィアに襲われ、そのままブラックオークションの競売品として拉致されてしまったのです。
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――そして、現在。
目の前のマフィアの動きを止めることができなくなったチカラは、自身に謎の能力があることを恨みます。
ずっと能力を隠して生きてきた彼にとって、この状況は到底理解できないながらも、自分の能力のせいで拉致されたことだけはわかっていました。
すると、突然マフィアが倒れます。
倒したのは眼帯をつけた男――リップです。
チカラの能力を「自分が動かない間、視界内の対象の動きを否定する」ものだと考察したリップは、「念願の拘束型」だと言って、否定者狩りのメンバーにしようと近寄ってきました。
ところが、英語がわからないチカラと、日本語がわからないリップ一行では会話になりません。
ひとまずチカラの能力を確かめるため、グリードがマシンガンの銃口を向けます。
チカラにはリップ一行が敵なのか味方なのかもわからず、身動きが取れなくなってしまいました。
しかし、そんなチカラの前に出て、グリードの攻撃を代わりに受けたのは、アンディでした。
vs否定者狩り
天井を突き破って階上から登場したアンディと風子。
風子はチカラに日本語で話しかけると、ユニオンのネクタイを貸してあげました。
突然英語のみになってしまった世界の中、日本語で話しかけられたことに驚くチカラでしたが、ネクタイをつけることで周囲の言葉がわかるようになり、さらに驚かされます。
アンディはタチアナに応援要請をすると、否定者狩りのメンバーを観察し始めました。
1人目のグリードは、弾倉がないのにマシンガンを撃っていたため、何らかの能力があるはずです。
2人目のファンは、手練れの武闘家と予想されました。
3人目のラトラは、サポート型だと思われ、軽装ですがカウンターの危険性を孕んでいます。
そして、4人目のリップは、観察する間もなく近付いてきていました。
気付けば首を切られていたアンディは逆に観察され、傷が治ることを見抜かれたうえに、「その傷はもう……俺が死ぬまで治らない」と言われます。
アンディは血が吹き出ている首を斬り落として再生しようとしますが、腕が勝手に止まってしまいました。
リップの能力により、傷を「治す行為」が否定されているからです。
さらにリップは、アンディと風子がユニオンのメンバーだと察したうえで、チカラを殺して”不動”の能力が別の者に移るよう考えていることを明かしました。
そんなリップの考えを受けて、アンディは再び風子を背負い突撃します。
風子は刀でアンディの頭を斬り、アンディは頭部を使った部位弾でリップを攻撃しました。
そこへタチアナが駆け付け、グリードとファンをかっさらっていき、この二人を受け持つといいます。
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アンディは残りのリップとラトラを倒すべく、攻略を開始しました。
腕を斬られたアンディは、さらに自ら腕を斬り落とし、再生を試みます。
先ほどの首の時とは違い、今度は自分で斬ることができました。
一方、「治療行為」は否定されているはずだと油断していたリップは、アンディの攻撃を受けそうになりますが、ラトラに庇われ無事でした。
ラトラの周囲を添うように攻撃が逸れていき、彼女の能力かと考えるアンディをよそに、リップはアンディの能力を面白がって、否定狩りに勧誘します。
”不動”の勇気
アンディがやってのけた腕の切断は、「治療行為」ではなく「攻撃」のための行為だったので成功したと予想し、楽しそうに話すリップ。
そんなリップに対し、アンディは自分を殺せない”不治”の能力には興味がないと告げて、勧誘を断ります。
すると、勧誘の矛先は風子に向きました。
リップはまだ風子の能力を知りませんが、作戦とはいえ仲間であるアンディの首を斬り落とした「イカレっぷり」を評価していたようです。
反対に、気弱な性格ゆえに有用な能力を使いこなせていないチカラには否定的で、仲間にするのではなく殺すことを選んだようでした。
チカラの能力は「自らも動かない」ことで発動されますが、非常時には身体がすくんで上手くいかないのです。
「能力は当たりだが人がはずれ」というリップの言葉にチカラが涙すると、風子は世界を恨むリップたちの考えに疑問を呈します。
しかし、リップにとっては神を殺そうとするユニオンの考えこそ疑問であり、同じ否定者であるのにわかり合えない明確な部分が浮き彫りになりました。
そんな中、アンディはリップに寄り添うラトラに斬りかかります。
ラトラに刀は当たらず、傷ひとつ付いていない一方で、しっかり血はかかっており、彼女は攻撃自体を否定しているように見えました。
リップはアンディの動きを一瞥し、チカラを殺そうとします。
武器のメスを投げると、アンディがそれを庇おうと飛び出しますが、腕を貫通する時に再生しようとするため、勢いを殺せずに通り抜けていってしまいました。
そして、ハッとしたアンディは「出るな、風子!」と叫びます。
アンディの予想は残念ながら的中してしまい、風子がチカラの前に飛び出していました。
風子はチカラを庇って脇腹に傷を負い、出血しています。
その治らない傷を見たリップは、もってあと1時間だと告げました。
アンディは額のカードに手をかけ、風子のそばで俯きます。
そんなアンディに、風子は「そんなに深く刺さってないよ……だから大丈夫、いつものアンディで」と笑いかけました。
アンディが落ち着いて風子をそっと抱える頃、マフィアたちが押し寄せてきます。
リップたちが姿を消し、マフィアたちには否定者狩りと思われている今、動けば撃たれる、動かなければリップたちを追えない、と葛藤していました。
すると、チカラが庇うようにアンディと風子の前に立ち、病床に臥せる母親(CV.中原麻衣)の言葉を思い出します。
「……自分に優しくしてくれる人がいたら大事にしなさい。 その人が困っていたら一旦立ち止まって、その人たちのためにもう一度動いてみて。 きっとその人たちはかけがえのない人になる」
マフィアたちが発砲すると、チカラは”不動”(アンムーブ)の能力を発揮し、彼らと銃弾の動きを止めました。
自分を庇ってくれた風子が傷付いていることを受け、アンディに「この力、使えますか」と尋ねます。
アンディは不敵に笑い、「いいね、お前最高だぜ!」と答えました。
アニメ『アンデッドアンラック』第12話まとめ
いかがだったでしょうか。
ついに”否定者狩り”のメンバーと会敵したアンディと風子。
狙われていた”不運”(アンムーブ)の能力を持つ否定者・チカラとは共闘関係になり、戦いは次週へ続きます。
風子が致命傷を負っている今、アンディもむやみやたらに動けない状態……チカラが味方になってくれることは心強いですよね。
また、グリードとファンとの戦闘を担っているタチアナの様子も気になります。
姿を消したリップとラトラがそちらに向かっているなら、苦戦を強いられるはずです。
アンディとタチアナの共闘にも期待しつつ、物語を追っていきたいと思います。
次回、第13話も楽しみです。