「週刊少年ジャンプ」にて連載中の戸塚慶文による人気マンガをアニメ化した『アンデッドアンラック』。
”否定者”と呼ばれる異能力者たちのバトル、数々の伏線が考察を呼ぶ壮大な物語と、怒涛の展開が人気を博し、連載開始の翌年には「次にくるマンガ大賞2020」のコミックス部門で1位を獲得した話題作です。
『炎炎ノ消防隊』や『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのdavid productionが制作を担当しており、ティザーPVが公開されるやいなや、熱いバトルシーンが期待できると注目を集めました。
”不死(アンデッド)”の能力者・アンディ役を『呪術廻戦』五条悟役などで知られる中村悠一さん、”不運(アンラック)”の能力者・出雲風子役を『くノ一ツバキの胸の内』ハス役の佳原萌枝さんが担当するなど、ユニークなキャラクターを演じる声優陣も個性的な実力派揃いで胸が高鳴ります。
第1話では、アンディと風子の出会いが描かれますが……?
早速、第1話「不死と不運」をレビューしていきます。
目次
アニメ『アンデッドアンラック』主な登場人物・キャスト
アンディ/CV.中村悠一
・能力名:不死(アンデッド)
・不死の体を持つアンデッドの能力者
・風子の力で”本当の死”を得るため行動をともにする
・体の各部位を自在に高速再生させられることを利用し戦闘する
出雲風子/CV.佳原萌枝
・能力名:不運(アンラック)
・肌で触れた者に不運を呼ぶアンラックの能力者
・10年前、自身の能力のせいで起きた飛行機事故により最愛の両親を失ってしまう
・誰とも触れ合えない人生に絶望していた中でアンディと出会う
【ネタバレあり】アニメ『アンデッドアンラック』第1話あらすじ・感想
”不死”と”不運”
……雪原の広がる世界に二人きりの少年と少女。
制服姿の二人は、崩壊した街の中で抱き合い、互いの想いを確認するようにキスをします。
……一方、空港で飛行機を眺めていた女の子は、その飛行機が離陸前に爆発、炎上してしまった様子を目の当たりにし、涙を流しました。
――2020年8月1日、新宿。
出雲風子(CV.佳原萌枝)は、推しのマンガ『君に伝われ』の最終巻を読み終えると、涙を浮かべながら微笑みます。
「ここらで私も! 終わりにしますか!」
そう言った風子が立っているのは、真下に電車が走る歩道橋の上でした。
飛び降りようとしていた風子は、「おい。 危ねえぞ」と声を掛けられます。
誰もいなかったはずの背後を振り返ると、そこには上半身裸の男・アンディ(CV.中村悠一)がいました。
飛び降りを阻止されると困る風子は、隠し持っていた包丁を取り出すと、刃先を向けて威嚇します。
そして、「私の体に触れると……不治の病気に感染して死ぬ!」と告げました。
ところが、アンディは動じることもなく自ら近寄ってくると、風子の持つ包丁を自身の胸に突き刺します。
血まみれなのに、なぜか「最近自殺もマンネリ気味だった」と楽しそうなアンディは、風子が語った彼女の性質に興味を持っているようです。
風子は体に触れてくるアンディの意図を理解できず焦りますが、これから彼が”不運”に襲われることだけはわかっていました。
風子が心配した通り、アンディが立っていた歩道橋の一部分だけが崩れ、彼はそのまま線路上に落下してしまいます。
ちょうど電車が通り過ぎ、アンディとぶつかった音、そして、電車が急ブレーキをかけた音が聞こえてきました。
風子は「また人を巻き込んじゃった……ごめんなさい」と俯きます。
すると、風子のもとにアンディの頭のみが戻ってきて「”病気”ってのは危険を伝える建前か!」と叫ぶと、斬れた首元から自らの体を再生させていきました。
「いいね、お前もこっち側だな」と告げたアンディは、自らを「”不死(アンデッド)”」だと名乗ると、風子を抱えて飛び立つのでした。
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10年前の事故
数々の建物を飛び越え、高層ビルの屋上まで辿り着いた風子とアンディ。
恐れることなく風子に触れるアンディは、すでに布越しなら効果が発露しないと見抜いていました。
風子の能力を知りたがるアンディと、話したくなくて抵抗する風子の攻防戦はしばらく続きましたが、命の危険を感じた風子が口を割るかたちで終結します。
――2010年、東京国際空港。
両親の海外出張を見送りに行った風子は、1週間離ればなれになってしまう両親に甘え、ハグをし、頬にキスをしました。
その数十分後、原因不明のエンジントラブルにより、離陸寸前だった飛行機が爆発して、両親含め270人が亡くなる事故が発生。
以降、大小の差はあるものの、風子が触れた人間が傷付いていることがわかり、両親の件も自分のせいだったのだと気付きました。
そんな10年前の話をしている途中で、アンディは風子を背後から抱きしめます。
それは、これまで風子が起こした一番大きな不運のトリガーが”抱きしめる”だと認識したからでした。
風子の服の中に手を突っ込み、思い切り抱きしめていたアンディの頭上に、何かが落ちてきます。
通り過ぎていく飛行機から落ちてきたのは、大量のバナナを詰め込んだ木箱でした。
アンディは重たい木箱の下敷きになったものの、思ったような不運じゃなかったため、風子に文句を言います。
その隙に逃亡しようとした風子は、バナナの皮で足を滑らせ屋上から落下してしまいました。
地面に向かって落ちていく中、おしゃれや恋愛といった女の子らしいことを何もできなかったと後悔する風子。
自死を選ぼうとしていたことすら悔み始めたその時、猛スピードでアンディがやって来ます。
アンディは風子を抱えて地面に降り立つと、自らに死を与えてくれるかもしれない風子を「死なせるかよ」と告げました。
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”否定者”を狙う存在
”不運”の能力を調査するため、風子を連れてアジトに戻ったアンディ。
「接触時間の長さと不運の規模は比例する」と判明し、次は面積を調べるために服を脱げと言います。
もちろん風子は嫌がり、再び逃走しようとしますが、逃げている途中で上着を奪われてしまいました。
すると、服の中に隠していた長い髪が現れます。
風子の身長よりも伸びた髪を見られたとわかると、風子は泣き出してしまいました。
髪を切るために美容院に行こうものなら、担当した美容師が死んでしまうため、ずっと髪を切れずにいたのです。
アンディは、どこからともなく専用のハサミを取り出すと、黙って風子の髪を切り始めました。
アンディが触れている間は不運が訪れないはずなので、その間に切ってしまおうというのです。
長すぎる人生の中、大昔に美容師をしていたこともあるらしいアンディは、15分ほどでショートヘアにしてくれました。
「ありがとう」と照れくさそうに呟いた風子をよそに、アンディは今度はどんな不運がやって来るのかと楽しそうに笑います。
その時、突然アンディの首がスパッと斬れて、頭が落ちました。
すると、ずっと二人を見張っていたらしい黒服の集団が現れます。
リーダー格の男(CV.野島裕史)は部下に指示を出し、アンディの斬れ落ちた頭を特殊なカプセルに片付けさせました。
風子を「”不運(アンラック)”」と呼んだその男は、自分たちのことを「選ばれなかった”否定者”たちや世を害するUMAなどを管理する者」だと語り、風子に手錠をかけます。
そして、風子の能力を「触れた者の運を否定し、殺す……人殺しにはもってこいの能力」だと評しました。
風子が自分の力を利用するのかと問いかけると、アンディも殺しに利用するつもりだったのではという言葉が返ってきます。
しかし風子は、今日出会ったばかりのアンディはこの男たちとは違い、自分が死ぬためだけに使おうとしていたと気付いていました。
そう口答えする風子に、男は「確保ではなく処分でもいい」のだと脅します。
男に怯えながらも、アンディが臆せず触れてくれたことに対し、風子が感謝を告げた瞬間、カプセルを持っていた黒服に雷が落ちました。
「くるよ、不運が!」
黒服の男への落雷は、すぐにアンディに対する不運の発動だと判明。
カプセルから脱出したアンディの頭は即座に再生し、黒服たちと交戦します。
リーダー格の男の予想に反して、アンディは戦闘に優れていました。
普段は脳みそに栓をして100年分の記憶を閉じ込めているらしく、その栓の役目を果たしている額のカードを抜くと、アンディは凄まじい戦闘力を見せました。
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男は風子を人質に取り、アンディの首を渡さなければ風子の首を斬ると言います。
すると、アンディは風子が死なないように自らの首を斬りました。
そして、「またどっかで会ったら遊ぼうぜ」と風子に告げると、男に向かって斬り落とした頭を投げました。
風子はその様子を見て、男を振り払って飛び出すと、投げられたアンディの頭に近付きます。
本当はわかっていた「特大不運の起こし方」を試すべく、アンディの頬にキスをしました。
頭はそのまま男の手に渡りますが、男は風子の行動を不審がります。
一方、アンディはきちんと理解していました。
風子が「くるよ! 不運が!」と言うと、アンディは体を再生させて風子を逃がし、男に立ち向かいます。
「俺(不死)とアイツ(不運)と出会ったのが運の尽きだ」というアンディの言葉とともに、上空から隕石が降ってきました。
男を捕らえたまま隕石を身に受けようとするアンディは、「いいね! 最高だ!」と叫びました。
建物は跡形もなくなり、砂埃が立ち込める中、うなだれる風子のもとにアンディが現れます。
「いい不運だった」と言うアンディに、風子は笑いかけました。
アンディはキスで隕石が降ってくるとわかると、「次はセッ○スだな」と告げます。
風子は無言で駆け出し、再び逃走を図るのでした。
――”不死(アンデッド)”アンディ
――”不運(アンラック)”出雲風子
――この物語はこの二人が、最高の死を見つけるお話
アニメ『アンデッドアンラック』第1話まとめ
いかがだったでしょうか。
冒頭の劇中劇から早速驚かされた第1話。
原作との違いやアニメオリジナルの演出も楽しめる作品だと感じることができ、今後の展開をどのように描いていくのか楽しみになりましたね。
お馴染みのアンディの「海苔」(モザイク)は原作そのままに、頭から体が再生していくシーンでは骨や心臓の動きが描かれ、アニメーションならではの凄みがありました。
戦闘シーンも見ごたえがあり、より一層激しくなっていくバトルに期待が高まります。
アンディ役の中村悠一さん、風子役の佳原萌枝さんの掛け合いも軽妙で、これから登場するキャラクターとのやり取りも見逃せないものになりそうですね。
次回、第2話も楽しみです。