映画『海街diary』は、ある四姉妹の日常を描いた心温まる物語。
『万引き家族』や『そして父になる』など「家族」をテーマに映画を撮れば右に出る者はいない是枝監督作品です。
- 鎌倉を舞台に四姉妹が紡ぐ優しく愛にあふれた物語。
- まさに「diary」。素朴だけれど丁寧に生きる人たちの日常に癒されます。
- とにかく出演の女優陣が豪華すぎる。
- 映画撮影から生まれた本当の絆、未だにプライベートでも仲良しの四姉妹たち。
それではさっそく『海街diary』をネタバレありでレビューしたいと思います。
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『海街diary』作品情報

出典:amazon.co.jp
作品名 | 海街diary |
公開日 | 2015年6月13日 |
上映時間 | 126分 |
監督 | 是枝裕和 |
脚本 | 是枝裕和 |
原作 | 吉田秋生『海街diary』 |
出演者 | 綾瀬はるか 長澤まさみ 夏帆 広瀬すず 大竹しのぶ 堤真一 風吹ジュン リリー・フランキー 樹木希林 加瀬亮 鈴木亮平 池田貴史 坂口健太郎 |
音楽 | 菅野よう子 |
原作は、第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、マンガ大賞2013受賞した吉田秋生のベストセラーコミック。
映画『海街diary』は、第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞、そのほか最優秀賞など4部門で受賞した名作になりました。
『海街diary』主要キャスト
綾瀬はるか / 役:香田幸(長女)
- 長女。通称「しゃち姉」。
- 看護師。いろいろなことを背負いやすい性格。
- 小児科医師の椎名(堤真一)と不倫中。
長澤まさみ / 役:香田佳乃(次女)
- 次女。三姉妹のなかで1番おしゃれ。
- 男に貢ぎやすく、騙されやすいタイプ。
- 年下の藤井朋章(坂口健太郎)と交際中。
夏帆 / 役:香田千佳(三女)
- 三女。釣りが趣味。
- ずっと妹を欲しがっていた。
- SportsMAXで働いており、店長(池田貴史)と交際中。
広瀬すず / 役:浅野すず(腹違いの妹)
- 三姉妹に誘われて、一緒に暮らす腹違いの妹。
- しっかり者で、いろいろと背負いやすい
- サッカーチーム「オクトパス」入団、サッカーがうまい。
【ネタバレ】『海街diary』あらすじ・感想
広瀬すずは台本をもらわなかった!?
『海街diary』において、広瀬すずはなんと台本なしで演技をしています。
是枝監督は、台本を渡しての演技と台本なしでの演技を広瀬すずさんに演じてもらいました。
どちらも演技した上で、16歳のすずちゃんにどちらの方法で撮影していくか選んでもらったというのです。
そして、台本なしの演技を選択。
是枝監督がリハーサルでセリフを口頭で伝えて、広瀬すずさんはそれに合わせて芝居するという手法で撮影されました。

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ
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喜怒哀楽、すべて16歳のすずちゃんから自然に出ていると思うと見たくなります。
あまりの自然体な演技に、この作品は広瀬すずの等身大のドキュメンタリーのような描写に見えてくるでしょう。
突然の父の訃報
夏の日差しが眩しい日に舞い込んだ、突然の父の訃報。
鎌倉に住む、香田三姉妹。
父が家を出て行ってから、父がどこでどうしていたのかを知りません。
香田家三姉妹は、しっかりものの長女・幸(綾瀬はるか)と、駄目男にひっかかりやすい次女・佳乃(長澤まさみ)、そして超絶楽天家の三女・千佳(夏帆)。
父が亡くなったと聞いたあとの朝食。
食べながら出て行ったあとの父の足跡を、三姉妹で淡々と話していきます。
父は生前、山形の山間の旅館で働いて、3度目の結婚をしていました。
鎌倉を出て行くきっかけとなった女性(2度目の奥さん)とは死別、その女性との間に腹違いの妹がいると知ります。
長女・幸は仕事で葬儀に出席できないといい、次女・佳乃と三女・千佳が山形へ向かうことになります。

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香田三姉妹が住むのは、江ノ島電鉄「極楽寺駅」近くの古民家。
「極楽寺駅」は、大仏や有名な長谷寺の「長谷駅」の隣にある小さな駅。
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香田三姉妹、会話のやりとりが父が亡くなった後にしては、日常通りの感じ。
少し驚いたものの…三姉妹のちゃぶ台をはさんだ普段通りの会話と淡々さが、逆にリアルです。
自然に香田家にいるような気分になって、三人のやりとりを見逃さない様、見入って聞き入ってしまいます。
そして、冒頭からの家族事情の複雑さが興味を引き「是枝作品きたー!」とハマっていきます。
父の葬儀へ
佳乃と千佳は、山形へ。
蝉の鳴き声で会話が聞こえないぐらいの山奥の駅に到着すると、待っていたのはセーラー服姿の浅野すず(広瀬すず)です。
旅館へ到着すると、しっかり挨拶して立ち去るすず。
佳乃と千佳にもお礼を言って見送ります。
千佳「しっかりしてるね~」
佳乃「少なくとも私たちよりはね~」
葬儀会場で読経が続く中、3番目の奥さんである浅野陽子(中村優子)は終始泣き、「陽子さん、大丈夫?」とすずが背中をさすり、陽子の息子は鼻歌を口ずさみ、すずが「ちゃんとしてね。」と面倒を見ています。
それを見て驚く千佳…。
ふと、入口に幸の姿がありました。夜勤明けで友達に車で送ってもらったとのこと。
読経が終わり、幸はすずのところへ挨拶に行きます。
聞くと弟は母の連れ子で、すずとは血がつながっていないそう。
そこへ、陽子が挨拶に来ます。
幸と挨拶を交わした後、係りの人が出棺の挨拶を喪主の陽子へ頼みに来ます。
陽子は挨拶なんてとてもできないと、側にいた叔父に頼みます。
しかし叔父も拒否、困った陽子はすずを見て…
陽子「そうだ。すずちゃんは?」
叔父「あぁ…ほんなら。何たって実の娘なんだし」
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幸「それはいけません!」
陽子「でも、とてもしっかりした子ですし。」
叔父「すずちゃんなら大丈夫ですよ。賢い子だから。」
幸「いえ。これは大人の仕事です。もしあれでしたら私がやりましょうか?ご挨拶だけですよね?」
陽子「…分かりました。私やります。」
叔父「大丈夫か?陽子?」
陽子「大丈夫よ、おじさん。私は妻ですから。」
陽子は幸をまばたきせず見つめながらそう言いました。
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お父さんとよく一緒に来た一番好きな場所
陽子は、三姉妹の母親・都(大竹しのぶ)に似ているという話になります。
幸「あの人は大して病院に来てないわよ、いても10分。着替え届けたらさっさと帰っちゃうの。それでも本人は精一杯看病してるつもりなのよ」
火葬場からの帰り道、3人が歩いていると、すずが父の机に入った三姉妹思い出の写真を届けにきてくれます。
去ろうとするすずに、幸が「この街で一番好きな場所ってどこ?」と聞きます。
すずオススメの場所へ向かう途中、千佳と佳乃は、すずが何の関係もない陽子とうまくやっていけるか心配します。
お父さんとよく一緒に来た一番好きな場所へ到着。
そこは、どこかによく似ている景色。
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幸「すずちゃん。あなたがお父さんのことお世話してくれたんだよね?」
すずは、控え目にうなずきます。
幸「お父さん、きっと喜んでると思う。(肩を抱いて)本当にありがとう」

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うなずくすずの目から涙がこぼれ落ち…四姉妹越しに素晴らしい景色が広がります。
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気づいてもらえてよかったと、幸に感謝したくなりました。
お葬式のときは泣けなかったんだと切なくなり、すずの健気さに泣きました。
すずちゃん鎌倉に来ない?一緒に暮らさない?4人で。
ホームまで見送りに来たすず。
電車に乗り込む三姉妹。
佳乃「じゃあね!」
千佳「元気でね!」
すず「はい。お姉さんたちも…」
と言った瞬間、長女の幸がこう言います。
幸「すずちゃん鎌倉に来ない?一緒に暮らさない?4人で。」
一瞬驚くが、すぐに三姉妹は目を合わせて笑い合います。
幸「私たちの家、すっごく古いけど大きいの。みんな働いてるからあなたひとりくらいなら何とかなるし。」
すず「でも……」
幸「すぐあれしなくていいから」
佳乃「ちょっと考えてみてね」
千佳「またね」
扉の閉まり際に…すずは「行きますっ!!」と言いながらホームで走って手を振るすず。
電車から笑顔で手を振る3人。
このとき、三姉妹から四姉妹になったのです。
「この家族を応援したい!」という気持ちになっていました。
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「すず」呼びに胸キュン!!

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鎌倉に引っ越してきたその日、幸は「もう妹なんだから”ちゃん”は付けないわよ」と。
「はいっ」とすずは笑顔で返事。
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すずは鎌倉の中学校へ転校。
叔母(樹木希林)が幸に言います。
叔母「さっちゃん、犬や猫じゃないのよ~。お母さんに相談したの?」
幸「別に。そんな必要ないでしょ」
叔母「まあね。姉さん生きてたら、あんたと同じこと言っただろうけど。でもね、しつこいようだけど子供育てるって大変よ。よーく考えてね。あの子は妹は妹だけど、あんたたちの家庭を壊した人の娘さんなんだからね」
幸「関係ないでしょ、あの子はまだ生まれてもいなかったんだから」
叔母「これでまた嫁に行くのが遅れるわ。」
確かに冷静に考えると叔母の言うとおりなのですが、幸のセリフには彼女の倫理観が上手く表されています。
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なかなか現実は割り切れないものですが、この発言がハッキリできることが素晴らしいですよね。
もうそんな仲だったのか?!千佳(夏帆)とすず(広瀬すず)
酔っぱらったすずを介抱しているとき、三姉妹がすずの寝顔を覗きこんでやりとりします。
佳乃「見て。こんなところにホクロがある」
千佳「ホントだ~」
幸「まつ毛長いね~」
佳乃「耳の形、お姉ちゃん(幸)ソックリ」
幸は、嬉しそうに自分の耳を触ります…。
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起きたすずはこう言います。
すず「だって、自分ちで作った梅酒飲んでみたかったんだもん」
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そして、このとき気がつきました!
千佳が着ているニットの羽織りは、すずも前に着ていたことを…服を着回していることが微笑ましい!
溶け込んできたなぁと実感した瞬間でした。
はじめて「よっちゃん」と呼ぶ
姉妹で初めてすずに「”さん付け”やめない?」って言ったのは佳乃です。
まだすずが越してきたての頃、極楽寺駅のホームでした。
明るく朗らかに、佳乃はすずに接します。

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それから数ヶ月が経ち、洗濯ものをたたむすずの横、佳乃がペディキュアを塗っています。
すず「デート?」
佳乃「これは男のためじゃなくて、自分のためのネイル。綺麗に塗れると気持ちが上がるよ。やってあげる!」
そう言うと、すずの足の小指に塗ってあげます。
すず「よっちゃん、はじめてネイルしたのいつ?」
佳乃が初めてネイルしたのは6歳、お母さんと横浜に行ったとき買ってもらった真っ赤なマニキュア。
佳乃「小学校にこっそりつけて行って、プールの時間にバレて先生にすげぇ怒られた~。」
2人は笑い合います。
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佳乃の明るい屈託のない性格が「よっちゃん」と自然に呼びやすくしていきました。
向かい合って声をあげ笑う2人が本当に楽しそうです。
三姉妹の母・都(大竹しのぶ)現る!!
一周忌も三回忌も遠いし、お金掛かるといって来なかった母親が七回忌法要へ。
14年前、幸が高校生のとき札幌へ行った母。
法要も終え、自宅へ帰宅。
母の都(大竹しのぶ)が爆弾発言をします。

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なんと家を処分しようと言い出し、幸とケンカになってしまいます。
幸「この家捨てて出て行ったのに勝手なこと言わないで!」
都「悪かったと思ってるわよ、でも本当はと言えば、お父さんが女の人を作ったのが原因じゃない!」
幸「お母さんはいつだって人のせい。私たちがいるから別れられない、おばあちゃんが駄目だって言ったからあんたたちを連れていけない。」
都「だってしょうがないじゃない、本当のことだもの。」
叔母が話を終わらせてくれたものの、すずの前でこのやりとりをしてしまうのです。
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母が帰った後、佳乃は幸に「この家を守らなきゃって、背負い過ぎ。誰も頼んでない。もう、ほとんど意地じゃん!」と言い放ちます。
佳乃「すず引き取って…今日みたいな目に遭わせたらかえってかわいそうじゃん!」
三姉妹は全員が違う価値観を持っているのにもかかわらず、発する言葉には共通の愛があります。
特にすずへの愛が。
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佳乃の言葉にハッと気づかされた幸は、晩御飯を手伝ってくれないかとすずを誘います。

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作ったのはシーフードカレー、幸が都から教わった最初で最後の料理。
シーフードだと煮込まなくていいからだそう。
都の性格を表していると幸は言います。
すず「ごめんなさい。うちのお母さんのこと。奥さんがいる人を好きになるなんて、お母さん良くないよね」
誰のせいでもないと幸は諭します。
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大人として気をつけたい、母が悪者にばかりなっている現状はきっとすずにとって耐えがたいですよね。
どうなっていくんだろう。
この姉妹には避けられない課題が重くのしかかってきます。
ちくわカレー
千佳にとってのカレーは、おばあちゃんの「ちくわカレー」。
2人のとき、すずに作ってあげます。
千佳は幼かったときに両親が離婚しているので、あまり覚えていないのです。
母の味のシーフードカレーよりも、祖母の味のちくわカレーの方が千佳の「家カレー」。
父との記憶も、母との記憶もあまりなく、要所に千佳はおばあちゃん子な感じが伝わってきます。
みんなでしらす丼を食べたとき、食べたことないってウソついたこと。
本当はお父さんがときどき食べさせてくれたことがあった、と千佳に話します。
千佳はその言葉を素直に聞いて「きっとすずの方がいっぱい(お父さんとの)思い出あると思うよ。いいことも悪いこともかもしれないけど。いつか聞かせてね、お父さんとのこと。」
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すずはそれを聞いて、父が釣り好きだったことを伝えます。
自分と同じく釣りが好きだったことを聞いて、千佳が嬉しそうな顔をします。

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千佳がもしかしたら一番の犠牲者なのかもしれない。
すずへの配慮のある言葉選びに、千佳の優しさも感じ、父も釣り好きと知った時の顔は忘れられません。
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私ここにいていいのかな…
花火大会の帰り、すずが風太に打ち明けます。
すず「私ここにいていいのかな。仙台にいるときも、山形にいるときも、ずっとそう思ってた。私がいるだけで傷ついている人がいる。それがときどき苦しくなるんだよね。」
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計り知れない苦しみをずっと持っていたことに気づかされます。
この少女の心はいつ救われるのか。
こんなときの風太は最高です。
帰り際、「浅野、その浴衣、結構似合ってるよ」と言います。

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このあと、四姉妹で浴衣で花火します。
確実にサービスシーンですね。
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幸(綾瀬はるか)とすず(広瀬すず)だけ距離がなかなか縮まらなくて

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香田家身長記録の柱にしるしがつきました、すず15歳。
幸とすずが特別な場所に行きます、山形の景色と似ていた場所。
すず「本当だ。あの場所に似てるね」
幸「小さいころ、お父さんとよく来たんだ。お父さんがいなくなってからはひとりで。わーーーーー!すずもやってごらん」
すず「わーーーーーー」
幸「お父さんのバカー」
すず「お母さんのバカー…もっと一緒にいたかったのに」
幸「お母さんのことを話していいんだよ、すずはここにいていいんだよ。ずーっと」
すず「…うん。ここにいたい。ずっと。」
泣きながら、抱きしめ合う2人。
2人が泣きじゃくるのを見て「そうだよな、お母さんのこと話せなかったよな」と切なくなります。
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香田家にすずがいる歴史が刻まれたようで感動。
『海街diary』まとめ

(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ
幸のこの一言。
「お父さん、本当駄目だったけど優しい人だったのかもね、だってこんな妹を残してくれたんだから」。
『海街diary』には、写真ですら「父親」が出てきません。
四姉妹、そして周りの人たちを通して「父親はどんな人だったのか?」という謎解きをさせられている様です。
最後に幸が言ったこのセリフが、答えの1ピースなのだと感じました。
生活を共にしているとか、どんな人か分からないとか、それぞれにとって事情は違うかもしれないけれど、この世に生まれてきた人すべてにいる「父」という存在。
「父」の人生を追い求めることは、自分の人生を考えることに繋がります。
観終えたときの感想が、それぞれ違うという点も『海街diary』が評価されているポイントなのでしょう。
ひとつひとつの小さな日常の出来事が、一連の流れとして違和感なく進んでいきます。
最後に、この着地点を用意してくれているので、観ていて満足感があります。
是枝監督がすべて一貫し「監督・脚本・編集」を行っているからこそ、観ている人を飽きさせない作品の質が高いのではないでしょうか。
「どう生きてどう死んでいくのか」
シンプルだけれども、とても大切なことを考えてみるきっかけになる素晴らしい映画です!
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