2021年秋、JAXAが13年ぶりに日本人宇宙飛行士募集を行うというビックニュースが!
“宇宙熱”が高まる中、オススメな映画が、小山宙哉原作の大人気コミックを、小栗旬と岡田将生のダブル主演で実写化した作品『宇宙兄弟』です!
幼き頃、2人で宇宙へ行くことを約束した兄弟。
20年後、交わした約束を果たすため再び動き出す…宇宙(夢)への想いと兄弟愛がびっしり詰まった129分は感動と興奮であっという間に過ぎてしまいます。
特にJAXA&NASAの協力を得て撮影された映像は、圧巻のスケール!
こんな時代だからこそ、小さな悩みごとなんて吹き飛んでしまう程の壮大なスケールで描かれる本作を観て、元気チャージしてみませんか?
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それでは『宇宙兄弟』をネタバレありでレビューします。
目次
映画『宇宙兄弟』作品情報
作品名 | 宇宙兄弟 |
公開日 | 2012年5月5日 |
上映時間 | 128分 |
監督 | 森義隆 |
脚本 | 大森美香 |
原作 | 小山宙哉 |
出演者 | 小栗旬 岡田将生 麻生久美子 濱田岳 新井浩文 井上芳雄 塩見三省 堤真一 |
音楽 | 服部隆之 |
【ネタバレ】映画『宇宙兄弟』あらすじ・感想
“南波兄弟の未知との遭遇事件”&“有人宇宙飛行史”で、ワクワクが止まらない
「2人で一緒に宇宙へ行こう!」
幼いムッタとヒビトがそう決意した夜から、ストーリーがはじまります。
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2006年7月9日22時1分。
南波兄弟は、録音機材を持って竹の子ニュータウン裏の原っぱ探検へ。
兄弟は夢中になって原っぱの中に潜む者たちにマイクを向けて録音していきます。
「ムッちゃん…あれ!!」
ヒビト(中島凱斗)の視線の先を追った兄は驚愕。
「なんだあれ!?」
夜空に“ぼわん”と発光体出現!
光は左右斜めに高速移動。
そして、南波兄弟に見つかったのに気づいたかのようにいきなり大きく震えだし…すごい速さで満月の方へと去っていきました。
テープをRECにしたまま立ちすくむ2人。
「俺さ…将来は、宇宙飛行士になって月に行くことにしたよ。ムッちゃんは?」
「えーと…俺は…」
希望に満ちた眼差しの弟に見つめられながら、兄のムッタ(中野澪)が返答を濁して月を見上げたところでオープニング映像開始。
プライマル・スクリーム「Rocks」とともに、“人類宇宙史”が次々と流れます。
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宇宙飛行士の弟・ヒビト(岡田将生)と頭突きで無職の兄・ムッタ(小栗旬)
2025年秋、月へ旅立つミッションのクルーとなったヒビトこと南波日々人(岡田将生)28歳。
任務はテラフォーミング計画、月面での居住環境の構築と長期滞在の実践です。
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NASAで開かれた会見で、ヒビトは月へ飛び立つ気持ちを語ります。
「子供の頃に見たUFOがきっかけで、いま僕はここにいます。月へ、国を代表していけることはとても誇り…ですが、僕より先に月に立つはずだった人が今この場にいないことがとても残念です。」
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その頃、先に月に立つはずだった兄のムッタこと南波六太(小栗旬)31歳は、コンセプトカー設計会社のプロジェクトリーダーをしていました。
しかし、丸5年懸けてきた企画が失敗に終わりどん底真っ只中。
「同情してくれるな…俺は、ドーハの悲劇の日に生まれた男。悲劇には慣れている。」
強がるものの、本当は凹んでいます。
そこへ追い打ちをかけるように世間を賑わす弟ヒビトのめでたいニュース、さらに打ちのめされます。
そんな中、オフィスでヒビトの記事を見た専務(西村まさ彦)が「こんなシビアな時代にお気楽で無駄遣いの月計画に誰も期待してない!」と毒吐きまくったから大変!
耐えられなくなったムッタは、その場で専務に頭突きをしてしまいます。
こうして兄ムッタは、無職になりました。
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ずっと「兄とは…常に弟の先を行っていなければならない」というのを信条として生きてきたムッタにとって、ヒビトの夢実現は己の不甲斐なさをより強く感じてしまう出来事でした。
つい、「なんなんだこの差は」とぼやいてしまいます。
“絶対の約束”を思い出したムッタ(小栗旬)、夢へ再始動!
ムッタの転職活動は惨敗続き。
心が折れかけていたムッタにJAXAから“新規宇宙飛行士試験の書類選考通過通知書”が届きます。
知らないうちに、ヒビトが5年ぶりに募集のかかった宇宙飛行士の試験に応募してくれていました。
困惑して国際電話をかけたムッタに、ヒビトは「約束忘れたの?2006年7月9日のテープ聞いて!」とだけ言って電話を切ります。
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言われた通りにテープを聞いたムッタの脳裏に、UFO遭遇後の会話が蘇ってきます。
「えっと…俺は…お前が月に行くなら兄ちゃんはその先…火星に行く!俺たちは2人で宇宙飛行士になるぞ!そんで、2人で一緒に宇宙へ行こう!!」
「絶対約束な、ムッちゃん!」
本気で宇宙に行きたくて、毎日宇宙のことばかり考えていたころの自分に背中を押されたムッタ。
仕舞い込んでいた望遠鏡や宇宙の本などを押し入れから出して、夢中で見はじめます。
「宇宙飛行士になれるのは一部の特別な人間だけ。どこまでも平凡な俺なんかには、とてもなれるもんじゃない…自分に見合った人生を送ろう。」
夢を諦めた時、自分自身に言い聞かせてムッタは折り合いをつけて自分なりに一生懸命に生きてきました。
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そして、ムッタは思い知るのです。
宇宙への熱い想いが全然変わっていないことを!
ムッタ(小栗旬)試験開始!モジャ&ツンの想いの強さにグッとくる!
「台本覚えてんの?あのモジャくんとツンくんは。」
筑波宇宙センターに勤める星加正(堤真一)は、JAXA子供見学ツアーの説明台本をそらで言える南波兄弟にびっくり。
兄弟が通い詰めてきていると聞き、星加は興味深げに観察します。
「僕たちはJAXAの活動に貢献できる立派な大人になりたい!」
頼もしい南波兄弟の発言を聞いた星加は「ああいうのが将来宇宙飛行士になったりする」と微笑みます。
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そんな星加はいま、面接官としてムッタと対峙していました。
堂々と宇宙飛行士としての自らの素養を述べるムッタに、少しイジワルな質問を投げかけます。
「弟が先輩で目標となる存在となる訳だけど、どう?」
弟に対する劣等感の塊がある兄に、面接官たちの印象は芳しくありません。
でも、星加だけは「わざと緩めといた椅子のネジに彼は気づいた…宇宙船の椅子ならファインプレーだ!」と高評価。
星加に助けられ、辛くもムッタは面接をパスします。
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次は英語スピーチや体力テストなどを行い、一気に6~7人に絞られるというシビアな2次試験です。
試験に臨んだムッタへ、同じ受験者から「ヒビトさんいるから有利でいいな」と強烈な嫌味が吐かれます。
そのとき、真壁ケンジ(井上芳雄)がムッタのために反論してくれたことで2人は仲良しに。
真壁分析では、医師の伊東せりか(麻生久美子)が受験生ナンバー1の成績優秀者…才色兼備な彼女にムッタは一目惚れ!
友情と恋、2つのパワーで元気になったムッタは勢いで試験を無事終えました。
でも、手ごたえは無し…落ち込むムッタにヒビトから連絡が入ります。
「今からNASA来ない?」
衝撃…“想い”が伝わるヒビト(岡田将生)の遺書。そして魂のリフトオフ!
渡米したムッタを待っていたのは、打ち上げまであと1週間に迫ったヒビトと彼の愛犬アポでした。
ヒビト宅に滞在中、映画『アポロ13』のトムハンクスの真似をしながら19年ぶりに兄弟で月を見上げます。
家の中で、大きな封筒を見つけたムッタ…それはヒビトが書いた遺書でした。
<ムッちゃんに伝えたいことは一つ…19年間、俺はいつかムッちゃんも来ると信じて宇宙を目指してきた。死んでも俺は、宇宙のどこかでムッちゃんの到着を待っている。だから、いつか必ず宇宙で再会しよう!>
ムッタは、読み終えるとそっと遺書を元あった場所へ隠します。
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打ち上げ当日。
駆けつけたムッタに、空を指差しながらオレンジスーツに身を包んだヒビトが問います。
「ムッちゃん、行かねえの?」
「行くよ…だから、先行ってしっかり下見してこい!」
空を指差して答えたムッタを見て、ヒビトが嬉しそうに笑います。
ロケット発射直前、通りがかったムッタに塔の上から老人が声をかけてきます。
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ムッタが促されるまま登ったそこは、アポロ計画の際に使われていた管制塔の上!
弟の晴れ舞台に心がモヤモヤしているムッタに、その老人は語りかけます。
「ロケットの“動力”は“人間の魂”。宇宙飛行士たちや地上のエキスパートたち、それを見守る人々…無数の魂の爆発が、あの2千トンの鉄の塊を宇宙へと運ぶ。つまりお前のその面倒くさい心の内のモヤモヤも、あのロケットが飛ぶのに少しは役立つのさ。」
爆風を轟かせてロケットが打ちあがると、ムッタは「行けー!」と思わず叫んでいました。
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「来ちゃった、宇宙!」
無重力空間でヒビトがポケットから放出したのは“子供の時にJAXAのツアーで貰った記念バッチ”でした。
一方、地球のJAXAでは、2次試験の合否で揉めていました。
「なぜ南波六太君?」と聞かれた星加は目を輝かせて答えます。
「兄弟で宇宙、夢があるじゃないか!世界で初めて兄弟そろって月に立てるかもしれないなんて!!」
この日、月面に降り立った初めての日本人・ヒビトは「イェーイ!」と特大のムーンジャンプ!
同じ頃、竹の子ニュータウンでは2次試験を通ったムッタが「やったー!」と飛び跳ねていました。
ムッタ(小栗旬)の閉鎖環境試験とヒビト(岡田将生)を襲うマイナス60度の世界
2次試験を突破した6名で、とうとう最終試験の閉鎖環境試験がはじまりました。
残ったのはムッタに真壁、せりか。
そして、古谷やすし(濱田岳)、溝口大和(新井浩文)、福田直人(塩見三省)という魅力的なメンバー!
「ここから最高3名、最低0名の宇宙飛行士候補生を選抜します!」
試験官の監視の元、宇宙に長期滞在できる全てのシステムが揃う閉鎖ボックスM-8内にて10日間の共同生活。
飛行機と同程度0.8気圧下で、15分ごとに管制官から出される奇妙な課題に取り組むという、かなりストレスフルな環境下…いかに“どんな状態でもよく食べ、よく眠り、平常心を保てるか”が問われます。
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一方その頃、月面にいたヒビトはローバー事故で巨大クレーターに落下!
太陽の光の届かないマイナス60度の極寒世界で意識が遠のきはじめていました。
試験9日目に差しかかったムッタに、「ヒビトが月面で消息を絶った」と伝えられます。
「ここで試験を離れますか?」と聞く星加。
ムッタは「今、宇宙にいない僕には何もできることがない」と試験に戻ります。
そして限界に達して疲弊している仲間たちに「俺たちはもっと宇宙の話をしよう!」と提案します。
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試験の最後、面接で問われた質問はたった1つ。
「あなたには宇宙飛行士として死ぬ覚悟がありますか?」
ムッタにとって、ヒビトの生死不明のいま聞かれたくない一番酷な質問でした。
「死ぬ覚悟ないです…もし、もう死ぬかもしれないという瞬間が来たとしても、僕はギリギリまで生きていたいと思う。生きる手段を最後の最後の瞬間まで考えると思います。」
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月面で意識を失いかけたヒビトに聞こえてきたのは、ムッタの声。
「ヒビト寝るんじゃねえ!UFOきたぞ!」
兄の呼びかけに再び目を開けたヒビトに見えた景色は…青く輝く地球。
「すげえよ…ムッちゃん」
ヒビトは地球に向かって手を仰ぎ、涙します。
「まだだ…まだ死なねえ!」
ヒビトは立ち上がって生きるために歩きだします。
時は過ぎて2031年、管制官が月面にいる南波兄弟に問いかけます。
「こちらヒューストン。気分はどうだい、宇宙兄弟?」
映画『宇宙兄弟』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
- 原作ファン納得のキャスト。アフロな小栗旬とアップバングな岡田将生というレア髪型の2人が拝める唯一無二の作品
- いくつになっても“夢を持ち続けることの大事さ”を改めて感じさせられた
- ドキドキ&ワクワク、そしてジーン…見終えた後にスカッとする感じがやみつき!
- 諦めずに続けるといいことがあるかも。人生捨てたもんじゃないと思わせてくれるラストに救われた
- 宇宙を知りたくなる…宇宙に全く感心がなかった人も「宇宙って興味深い」という境地に連れていかれちゃう映画
以上、ここまで『宇宙兄弟』をレビューしてきました。