有川浩の原作小説「図書館戦争」シリーズの実写作品で、2013年に公開された映画です。
岡田准一さんが主演で、本を守るために戦う人たちを描いています。
アクションシーンも本格的であり、主人公である堂上と笠原の恋愛模様も描かれています。
それでは、さっそく映画『図書館戦争』第1作目のレビューをしていきたいと思います。
目次
『図書館戦争』作品情報
作品名 | 図書館戦争 |
公開日 | 2013年4月27日 |
上映時間 | 128分 |
監督 | 佐藤信介 |
脚本 | 野木亜紀子 |
原作 | 有川浩 |
出演者 | 岡田准一 榮倉奈々 田中圭 福士蒼汰 西田尚美 橋本じゅん 栗山千明 石坂浩二 |
音楽 | 髙見優 |
『図書館戦争』主要キャスト
榮倉奈々 / 役:笠原 郁
- 周りからは「熱血バカ」と言われているが、心は優しく曲がったことが嫌いなまっすぐな性格
- 正義感も強く仲間想いだが、繊細な一面も持ち合わせており無理をしてしまうことも多々ある
- 高校生の時に良化機関員の検閲から救ってくれた王子様に憧れて図書隊員になることを志す
- 戦闘力も高く、一生懸命になる性格で、その姿勢を買われて図書特殊部隊に推薦され所属することになる
岡田准一 / 役:堂上 篤
- 図書隊防衛部・図書特殊部隊所属の郁・小牧・手塚が所属している班の班長
- 郁の直属の上官であり、背は一番低いが戦闘能力は誰よりも長けている
- 責任感が強く、郁には必要以上に厳しく接していたが、次第に郁を好きになっていく
- 自分が王子様だとは口が裂けても言えない恥ずかしがり屋なところがある
田中圭 / 役:小牧 幹久
- 防衛部・図書特殊部隊所属で堂上班の副班長
- 堂上の動機で防衛部に配属されてから早3年という月日で、特殊部隊に堂上と共に抜擢される
- 堂上のことをからかったり、郁のことを優しく見守っていたりお兄ちゃん的な存在
- 温和な人柄だが、時にはっきり言葉をかけることもあるアメとムチの使い分けが上手い
福士蒼汰 / 役:手塚 光
- 郁と同期で、郁とは正反対の性格
- 几帳面で努力家で、完璧主義なところがあり郁のことを最初は嫌っていた
- しかし、正反対の郁の性格に少しずつ惹かれていき、郁に告白をする
- 自分の気持ちをはっきりと言うのが苦手で、柴崎にはいつも振り回されている
栗山千明 / 役:柴崎 麻子
- 図書隊では業務部に所属し、周りからは情報屋と呼ばれるほどの存在
- 郁とは寮のルームメイトで親友で、ズバズバものを言う勝気な性格
- 人前で泣くことを嫌うが、郁が危険な目にあったりすると一番にかけつける友情には厚い人物
- 王子様の存在を探す郁のことをかわいいと思っている
『図書館戦争』あらすじ
1988年に公序良俗を乱してしまい、人権を侵害する表現を規制する為に「メディア良化法」という法律が制定されます。
法律が施行されるに伴い、メディアなどへの監視権を持つメディア良化委員会が発足します。
そして、執行機関として良化特務機関が検閲を行っていました。
彼らは法を執行するためなら武力制圧も行ってくるという行き過ぎた組織です。
情報が制限されてしまう中、その制限に対抗したのが図書館でした。
検閲に対して、図書館は「図書館の自由に関する宣言」を掲げ、「図書館の自由法」を制定しました。
その中でも、図書隊は検閲を行っている良化特務機関と対立する前線に出ます。
国民に対して悪影響を与えるメディアへの取り締まりが法制化されていき、元号も平成から「正化」に変わりました。
正化31年・関東図書隊員である笠原郁は、図書特殊部隊に初めての女性隊員として抜擢されましたが、教官である堂上とは嫌煙の仲です。
しかし、彼女が図書隊員になったのにはある過去の出来事が影響していました。
郁は楽しみにしていた本が有害図書の対象作品とされており、本屋で良化隊員に奪われそうになりました。
その時に、助けてくれた図書隊員のことを「王子様」として憧れ慕っていました。
正体が誰なのかも知らずに、図書隊員になれば何かわかるのかもしれないとも思っていました。
そこで、図書隊員への配属を希望し念願叶って特殊部隊に推薦されます。
堂上は笠原の努力と一生懸命な姿勢を認め、次第に心惹かれていきます。
笠原は本屋で助けてくれた人が誰なのか知りませんが、その正体はごく近くにいました。
仲間と成長していく姿や、本を守ることをテーマにした『図書館戦争』が始まります。
『図書館戦争』みどころ
『阪急電車 片道15分の奇跡』などの原作者、有川浩の代表作を基に、岡田准一と榮倉奈々が本を読む自由を守る自衛組織の隊員にふんするSFアクション。
国家によるメディア検閲が正当化されている架空の社会を舞台に、“図書隊”の新人女性隊員が鬼教官や仲間たちに助けられながら、知る権利や本を読む自由を死守すべく戦いに身を投じていく。
田中圭や栗山千明、石坂浩二など豪華なキャストが共演。
『GANTZ』シリーズなどの佐藤信介がメガホンを取る。
本格的な戦闘シーンと共に、登場人物たちの恋の行方からも目が離せない。
出典:シネマトゥデイ
『図書館戦争』を視聴できる動画配信サービス
『図書館戦争』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。
なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。
- 動画の配信情報は2019年9月14日時点のモノです。
- 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。
ご覧のとおり、2019年9月14日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。
動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。
【ネタバレ】『図書館戦争』感想レビュー
図書の自由
ある図書館に黒のスーツを着た男たちが急にやって来て銃を放ち、多くの人々を殺害した挙句、本を燃やしました。
この事件のことを「日野の悪夢」といい、ここから本を守る人と本を燃やす人が分かれました。
規制をかけるべきとする人と、規制をかけず本を読む自由を訴えていました。
検閲が入った本は読むことができず、少しでもメディア良化法に違法する図書があるならば、その本は燃やしてしまうという法律が執行されていました。
郁(榮倉奈々)は高校生の時に検閲に遭遇し、自分が読もうとしていた本を奪われそうになりましたが、図書隊員によってその本は見計らい図書になりました。
助けてもらった人の様になりたいと思い、郁は図書隊に入ることを決断しました。
無事に図書隊になることはできましたが、郁は事務的なことに関しては今ひとつで体力には自信がありました。
本を読むための自由を守っていますが、時代は正化31年に郁は図書隊の防衛部に入り、男子と同じ訓練をこなしていました。
検閲との闘い
連続殺害事件で逮捕された犯人が、読んでいた本が関東図書基地にあるので引き渡せとやってきました。
銃の使用許可も出ているとのことですが、どうしてこんな争いをしないといけないのでしょうか。
予定されていた時刻に戦闘が始まりましたが、良化隊の狙いは本当は別の場所にあり、柴崎(栗山千明)が気づき教えてくれました。
相手の狙いは、会議室にある本でしたが、堂上(岡田准一)は郁のことを放っておけません。
戦闘時間はあらかじめ決まっている時間までとされていますが、戦闘になる度に負傷者が出ていることも確かです。
銃を使うことで、このように死傷者や負傷者が出てしまうことも確かです。
初めて堂上教官に褒められましたが、手塚(福士蒼汰)は郁に対して今までとは違う感情を持っていました。
それは「付き合う」ということで、郁は冗談だと思って笑いますが手塚は本気です。
ですが、翌日今回の図書隊の対応に対して批判が出ている様なのですが、自由というのが守られなくなってきてしまうのは今の世の中でも同じです。
数年前に制作された作品ですが、今後の未来を描いている様な作品だったのを覚えています。
図書隊を悪者にしたいので警察も仁科司令の元へやってきましたが、警察は連続殺人事件で逮捕した犯人の閲覧履歴を開示してほしいと言いに来ました。
開示しないことに市民は怒りを覚えていますが、警察は良化隊の味方の様に思いました。
日野の悪夢の時に警察は来ず、稲嶺館長は亡くなってしまいましたが、仁科司令が車椅子なのは日野の悪夢の犠牲者だからです。
唯一の生き残りですが、館長は亡くなってしまい仁科司令は片足を失ってしまいました。
そのため現在では義足をつけていますが、日野の悪夢に関してはまだ判明していないこともたくさんあります。
手塚(福士蒼汰)の想いと郁(榮倉奈々)の想い
柴崎と一緒にご飯を食べに来ている郁は、手塚の告白の返事をどうするのかと聞かれていますが、付き合うという対象ではないと言います。
郁は業務がうまくいかずに、いつもは絶対に聞かない堂上教官に聞きに行きますが、手塚に聞けと言われてしまいました。
王子様の手の感触は覚えていても、他に覚えていることは何もないので、特定することができません。
手塚と仲が悪いのかと言われてしまい、堂上は郁のことを置いて立ち去ろうとしますが、引き留められたときに堂上は少し郁のことを意識してしまいます。
手塚も告白の返事はいつ聞けるのかと急かしていますが、堂上はそんな姿を見て怒っていました。
もやもやしていると言った方がいいのかもしれませんが、どうしても郁のことが気になってしまいます。
郁も柴崎と仲良く話している堂上の姿を見て心の中がもやもやしていますが、二人でパトロールに出かけた時にはっきり聞いてしまいます。
すると、堂上は「お前の方こそどうなんだ」と手塚とのことを聞こうとします。
手塚のことを郁に勧めていますが、王子様に出会ってしまっているので手塚は眼中にないと話しています。
王子様を一度見てしまったので、憧れでもあり好きな人でもあると堂上の前で宣言しました。
その時、無線で関東図書基地に帰還せよと一報が入りました。
良化隊のお宝
ニュースで野辺山財閥の会長が死亡したとの報道が流れ、彼は私立図書館を開いていました。
そこには良化隊にとって見られたくない資料などが山ほどあり、野辺山氏が亡くなったことで手に入れらるかもしれなくなりました。
お宝中のお宝ということになりますが、今まで手を出せなかったのは個人が経営している私立図書館だったからです。
この図書館にある資料の全て関東図書隊が一手に引き受けることになりましたが、不正の証拠まで残っているというのは驚きです。
個人の持ち物には手を出せなかったということは、今回の引き渡しの戦いは並大抵ではなくなります。
タスクフォースは今回の戦闘に郁を連れていくのを辞めますが、その決定に納得のいかない郁は堂上に聞きに行きます。
すると「役に立たない」と言われてしまい、野辺山氏の告別式に行く仁科司令の警護をすることになってしまいました。
納得できていないのは手塚も同じですが、今までの手塚の言動とは思えません。
連れて行かないのは、郁のことが心配になってしまうので、堂上は今回の戦闘に連れて行かない決断をしたんだと思います。
郁も薄々は分かっていましたが、堂上の想いに従い今回は見送ることに専念しました。
無事で帰ってきてほしいという想いは変わらないので、司令のことを守ろうと一生懸命です。
戦闘開始
野辺山氏の私立図書館では、さっそくコンテナに引き渡しの資料が詰め込まれていきます。
そこには、何台もの良化隊がやってきました。
どうしても資料を図書隊に渡したくはないという意思が伝わってきますが、図書隊も今回の資料は渡すわけにはいきません。
でも、良化隊の人数も多く武装していて図書隊よりも人数が多いように感じました。
にらみ合いが続いていますが、一方で仁科司令と郁は告別式の会場に無事に到着することができました。
闘いに向かえない郁はもどかしそうですが、その想いとは裏腹に良化隊から戦闘の申し出が行われていました。
かつてない戦闘になるのは確かですが、タスクフォースは屈しません。
タスクフォースは良化隊からの攻撃を確認してから、防衛に入ります。
関東図書隊に全資料が以降される15時が戦闘開始の合図ですが、怖くないというと嘘になってしまいます。
15時ちょうど良化隊からの攻撃が始まりました。
発砲許可もおり、双方が撃ち合いになっていますが、バリケードがあるのでタスクフォースの方が不利です。
手塚も初めてのことなので、緊張していていつもの射撃の正確性が出ていませんが、そうこうしているうちに資料を運ぶヘリがやってきました。
良化隊はヘリへの攻撃を始め、建物に接近することが困難な状況になっていますが、人一倍責任感の強い堂上はその攻撃からヘリを守るために小牧を連れて反撃をしにいきます。
銃の腕も戦闘能力も堂上はあるので、小牧とのタッグで怖いものは何もありませんが、無事にヘリは屋上に近づくことができました。
資料も持ち出すことができて一安心でしたが、まだ後2つのコンテナが残っています。
良化隊が少しずつ前に進んできているので、小牧も攻撃されてしまいましたが、負傷はせずに二人とも無事に助かりました。
日野の悪夢が起きた時に、最後に残った本を仁科司令は大切にして持っていましたが、野辺山氏が残してくれた資料を守るために必死にタスクフォースが戦っていることも報告しました。
何かを守るためには、何かを犠牲にしなければいけないのは分かりますが、命は犠牲にするものではありません。
でも、話し合いをできないというのがこの世の中で、このように戦闘をしないと何も守れないのでしょうか。
タスクフォースは退却ばかりを宣言されますが、圧倒的な良化隊の攻撃に対抗する術もありません。
この先どうしたらいいのかも分からず、堂上は周りのタスクフォースの隊員が傷つけられる姿を一瞬時間が止まったように見ていました。
自分が何もできないのかと思うと凄く不甲斐なく思ったのかもしれませんが、そうこうしているうちに自分も頬に銃弾を受けてしまいます。
二回目のヘリがもうすぐ到着することが報告されましたが、これ以上の戦闘は命を捨てるような戦闘です。
すでに負傷者も多く出ており、堂上は苦しそうにその光景を見ていますが、何を思ったのか目つきが変わり、銃を持ち替えて戦闘場所に出ます。
誘拐と救出
戦闘が行われていた私立図書館とは違い、静かに告別式を行っていたのですが、図書隊と対決をしていた良化隊が電話である人物に命令を出しています。
手段を選ばないと言われたスーツの男たちは、司令や郁を狙い告別式の会場に乗り込んできます。
司令を守ろうとした一人が銃で殺害されてしまいます。
郁は司令を必死に守ろうとしますが、戦闘が行われている図書館に玄田隊長の声が響きます。
「全員撤退の上、残った資料は放棄する」との命令に堂上や小牧は納得できません。
堂上は玄田隊長に詰め寄りますが、そこで郁と司令が誘拐されたことを知ります。
安全だと思って行かせたはずなのですが、危険な目に遭ってしまっている郁のことが心配でなりません。
堂上は自分が側についていれば守ることができたかもしれないのに…という表情を見せていました。
関東図書基地に戻ったタスクフォースの元に犯人から「本を全て燃やせ」と連絡が入ります。
紙一枚でも残せば、二人の命は保障できないと宣言されました。
柴崎も心配になり、タスクフォースの元を訪れます。
犯人の電話で郁が話す場面があり「柴崎と行くはずだったミルフィーユカツを食べられなくなった」と伝えてほしいと言いました。
柴崎に伝えたかったのは、お店の所在地です。
郁は自分たちが立川にいるので、調べてほしいと遠回しに言っていました。
堂上は、郁の声が聞こえて安心しましたが、早く助けたいと行動が焦っています。
勝手な行動をしないようにと玄田隊長が堂上に釘を刺しますが、図書隊を辞めても郁を助けたいみたいです。
小牧はそれをくみ取り、単独行動はいけないので二人で行動しようとします。
司令は足の義足をはめていることで痛みが出てきてしまっていました。
堂上は郁を救った王子様であることを認めました。
でも、それは郁には直接言いませんが、郁が危険な行動をするたびに胸が苦しくなると小牧に話します。
すると、二人の位置が分かったと知らせが入りました。
司令の義足は30分以上何もしないで放置するとGPSを発信するようになっているのです。
図書館以外での武器の使用は認められていませんが、玄田隊長は武器の使用を許可すると堂上たちに命令します。
警察は案の序怒り出しますが、図書館にしてしまえば文句はないと突っぱねます。
犯人からの二度目の電話で「焼却の準備はできたのか」と言われました。
準備はまだできていないと言うと、司令の足を銃で撃ちました。
郁は暴力には絶対に屈しないと反撃に出ましたが、逆に暴行を受けてしまいました。
頭を撃ち抜かれそうになりますが、そこに小牧と堂上がやってきました。
堂上は先に司令と小牧・郁を守るために遠ざけます。
一人で犯人と戦うのは無茶なのではと思いましたが、堂上の戦闘能力はずば抜けていました。
郁も今までとは違い司令を守ることや、図書隊としての責任が顔に現れています。
隠れたはずの郁は堂上のことが気になって、隠れることをやめます。
何人もの人たちが堂上に対して攻撃をしているので、疲れてきてしまっています。
堂上を殺害したいとリーダー格の男が堂上を撃ちました。
腕を撃たれてしまった堂上は危機に陥りますが、郁が助けに入ります。
二人で、助け合いながらなんとかリーダー格の男を郁が撃ちました。
タスクフォースのメンバーも駆け付け、無事に郁も司令も助けることができました。
救急隊の処置を受けていた郁は、堂上のことを探しています。
堂上も郁を見つけて安心したように抱きしめます。
好きで抱きしめたのではなく「父親として娘を心配するような」と訳の分からない言い訳をしています。
ですが、郁は堂上の手に王子様と同じ感触を覚えるのでした。
『図書館戦争』まとめ
何かを自由にできるならば何かを犠牲にしないといけないという考えは好きではありませんが、何かも守るために一生懸命になるということは凄いと感じました。
それぞれの恋が動き出していきましたが、ラストで郁は堂上のことを王子様だと気づいてどう思ったのでしょうか。
1作目を見た時に、この映画は凄くおすすめしたいと思いました。
ぜひ、みなさんもお時間ある時にご覧になってみて下さい。