『THE UPSIDE/最強のふたり』あらすじ・感想!苦労した2人が、登り詰めた先にあったものは【ネタバレなし】

映画『THE UPSIDE/最強のふたり』あらすじ・感想!苦労した2人が、登り詰めた先にあったものは【ネタバレなし】

出典:『THE UPSIDE/最強のふたり』公式サイト

2011年に制作され日本でも大ヒットを記録したフランス映画『最強のふたり』が、ハリウッド版として帰って来ました。

少し趣を変えつつも、オリジナル版への敬意が作中に散りばめられた本作『THE UPSIDE/最強のふたり』は、観る側に生きる希望を与えるポジティブな作品です。

ポイント
  • フランス版とアメリカ版の両作について比較しながら熟考します
  • 作中に流れる絶妙な劇中歌のチョイスに感嘆させられます
  • 衝突しながらも登り詰めた(Upside)の向こう側には、何があったのか?

それでは映画『THE UPSIDE/最強のふたり』をネタバレなしで紹介していきます。

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『THE UPSIDE/最強のふたり』作品情報

『THE UPSIDE/最強のふたり』

(C)2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.

作品名 THE UPSIDE/最強のふたり
公開日 2020年12月20日
上映時間 125分
監督 ニール・バーガー
脚本 ポール・フェイグ
出演者 ケヴィン・ハート
ブライアン・クランストン
ニコール・キッドマン
ゴルシフテ・ファラハニ
ジュリアナ・マルグリーズ
アヤ・ナオミ・キング
スザンヌ・サヴォイ
テイト・ドノヴァン
アマラ・カラン
ジュヌヴィエーヴ・エンジェルソン
ジャヒ・ディアロ・ウィンストン
音楽 ロブ・シモンセン

『THE UPSIDE/最強のふたり』あらすじ・感想【ネタバレなし】


オリジナル版『最強のふたり』と比較して楽しめる映画

皆さんは、本作『THE UPSIDE/最強のふたり』はリメイクで、フランス映画『最強のふたり』がオリジナルと言うことをご存じでしょうか?


世間の口コミから瞬く間に人気に火がついたオリジナル『最強のふたり』は海を越えて、アメリカ版として作り直され、遂にここ日本でも公開されました。

物語の設定は再構築され、タイトルも“Upside”と言う独自の言葉が付け足された本作は、観る人に生きる希望と喜びを与える前向きな作品に仕上がっています。

ストーリーは、事故の後遺症で首から下が麻痺した男性と犯罪を繰り返し服役していた黒人の男が、雇用主と雇い人と言う関係から徐々に友情を育むというもの。

物語の基礎は、前作と新作で類似しているところがあります。

ただ、本作『THE UPSIDE/最強のふたり』では、よりドラマ部分を増やした物語が、展開されていきます。

主人公2人の友情や秘書との関係性、雇い人の家族関係など、彼らの周囲の人間関係が大きく変化していく過程が、丁寧に描写されているのです。

『THE UPSIDE/最強のふたり』

(C)2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.

鈴木友哉

社会的な問題を作中に取り入れながらも最後の最後までコミカルで観客に安心感を与えてくれます。

極端に暗くも、難しくもなく、主人公たちを気さくなキャラクター像に作り上げている点に好感が持てます。

オペラとソウルの融合が、作品に彩りを添えています

この映画で最も注目すべき点は、主人公フィリップとデルの心情を上手に表現している劇中歌です。

ストーリーの基盤は大まかに見て、オリジナルとほぼ同じですが、劇中で使用されている楽曲に関して見解を述べるとするなら、1作目の『最強のふたり』より本作の『THE UPSIDE/最強のふたり』の方が、主人公の友情や関係性を的確に音楽で表現できています。

フランス版では、オペラとディスコサウンドをより強調した音楽使いをしている反面、アメリカ版ではオペラは変えずBGMをディスコサウンドからソウルミュージックに置き換えた選曲をしています。

雇用主のフィリップはオペラを、黒人の青年デルはソウルを聞いている設定です。

鈴木友哉

音楽の趣味がまったく違う両者が、聞く楽曲を通して徐々に意気投合していく過程の表現に感心します。

特に、物語の中盤にて、カーステレオから流れてくる楽曲の選曲が、フィリップとデルの良好な関係性を示唆しています。

その曲は、フィリップが愛聴するオペラ『トゥーランドット』の「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)」をデルが敬愛するアレサ・フランクリンが歌唱しているという一風変わったレア音源です。


製作サイドの粋な曲選びが光ります。

主人公の二人が衝突しながらも、登り詰めた(アップサイド)の向こう側には…

主人公のフィリップとデルはその都度衝突しつつも、徐々に心が通じ合うようになります。

切磋琢磨しながらも登り詰めたその先(Upside)に、両者の良いところを認め、理解し合う関係性が生まれます。

『THE UPSIDE/最強のふたり』

(C)2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.

お互いにまったく異なる環境で過ごしてきた彼らですが、お互いの齟齬を受け入れる寛容な心を持っています。

両者の尊重し合う精神こそが作品の核の部分で、2人の友情や関係性をいい方向に持っていっています。

一般社会から見れば、彼ら2人は世間のはみ出し者のように描かれています。

鈴木友哉

マイノリティの世界に生きる2人にとって、互いにシンパシーを感じる部分があったからこそ、彼らは強い絆で結ばれたのでしょう。
『THE UPSIDE/最強のふたり』

(C)2019 STX Financing, LLC. All Rights Reserved.

作中では、次第に2人の心が通じ合っていく様子が、一つずつ丁寧に描かれています。

例えば、ダイナーでホットドッグを注文するシーンやデルが描いた絵画についての場面などのエピソードが、日毎に親密になっていく2人の友情を丹念に描写しています。

彼らが共に尊敬し、信頼し合える関係性の向こう側(Upsideの先)には、目には見えない絆や信頼、友情と言ったこの世で最も大切な人生の財産があるのです。

『THE UPSIDE/最強のふたり』まとめ

以上、ここまで『THE UPSIDE/最強のふたり』を紹介してきました。

タイトル
  • オリジナル版とリメイク版を比較しながら観たい映画
  • 作中のBGMのオペラとソウルの融合が、作品をより感動的に仕上げています
  • 幾度となく衝突しながらも、登り詰めた(Upside)の向こう側には…

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