韓国で大ヒットしたスリラー映画『目撃者』。
ある殺人事件の目撃者になってしまった男の、平凡で幸せな生活が崩れ落ちてゆく様子をスリリングに描いた作品です。
『さまよう刃』のイ・ソンミン主演で、イケメン俳優クァク・シヤンが主人公を冷酷に追い詰める超サイコパス殺人鬼を演じています。
- 『新感染 ファイナル・エクスプレス』のキム・ウテクが製作総指揮を務めた作品
- イ・ソンミン、クァク・シヤン、キム・サンホ出演。韓国で大ヒットしたスリル満点のサスペンススリラー!
- 殺人の瞬間を“目撃”したところを犯人に“目撃”された主人公とサイコパス殺人鬼との恐怖の追いかけっこ
YUKI
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目次
映画『目撃者』作品情報
作品名 | 目撃者 |
公開日 | 2019年3月29日 |
上映時間 | 111分 |
監督 | チョ・ギュジャン |
脚本 | イ・ヨンジュン |
出演者 | イ・ソンミン クァク・シヤン チン・ギョン ペ・ジョンファ ヨン・ジェウク キム・サンホ |
音楽 | モク・ヨンジン |
【ネタバレ】映画『目撃者』あらすじ・感想
もし殺人事件を目撃したのを犯人に“目撃”されてしまったら?
ソウル郊外にあこがれのマイホームを購入したばかりのサラリーマン・サンフン(イ・ソンミン)。
妻と可愛い一人娘と、愛犬ピッピとのマイホームでの新生活は始まったばかりです。
しかしサンフン幸せな家族計画は、ある夜の出来事を境にガラガラと音を立てて崩れ去ってしまいます。
それは、サンフンが会社の飲み会の帰りに深夜に帰宅したある日のこと…。
泥酔状態でエレベーターに乗ったサンフンは同じマンションの4階に住む主婦・ソヨン(ペ・ジョンファ)と一緒になります。
「女性の悲鳴が聞こえた」と話すソヨンですが、酔っていたサンフンには悲鳴は聞こえず、その場では曖昧な返事をしてエレベーターで別れた二人。
しかし、このマンションの駐車場ではこの直後、恐ろしい殺人事件が発生します。
被害者は犯人から暴行され、車のトランクに入れられ森に…。
その後命からがら逃げ出すことに成功した被害者は、裸足で森の中をひた走る時、そしてその先に巨大な団地が見えた時、「生きれるかも知れない」と、かすかな希望を持ったはずです。
しかし、被害者女性の「助けて下さい」という悲痛な叫びは、巨大な団地に飲み込まれてしまうのです。
犯人に捕まり、無残にも殺されてしまった女性。
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犯人の行動はサイコパスそのもの!
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サイコパス診断は数多く存在しますが、その中の有名な一つに、
Q、高層マンションの上階に住んでいるあなたは、バルコニーから1階の駐車場で殺人事件を目撃してしまいます。犯人と目が合ったあなた。
犯人はあなたに向かって人差し指を向け、指を動かしながら何かを言っています。
さて、犯人はなんと言っているでしょう?
というものがあります。
心理テストなので明確な「答え」というものはありませんが、
A、「誰かにチクったらお前を殺してやるからな!」「次はお前の番だ」などと脅している。
というのが一般的で、いわゆる“普通の人”の回答だと言われています。
そして反対に、“サイコパス”の回答は、
A、あなたが何階に住んでいるかを数えている。
つまり、最初から脅すつもりなんてなく、殺人を目撃された時点で殺すことを腹に決めた行動を取る、というものです。
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そして『目撃者』では、まさにこのサイコパス診断の情景が、サンフンと殺人犯が最初に対峙するシーンでそのまま現実に。
自宅のバルコニーから殺人を目撃してしまったサンフンは、犯人が逃げることもせずに自分の住んでいる階を数えているところまで目撃してしまうのです。
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ありえない恐怖に、その日、ヨンミンはバッドを抱え玄関で朝を迎えることに…。
殺人事件の捜査が開始されるも目撃者と名乗り出れないサンフン
朝になり遺体が発見され、警察やマスコミがマンションに押し寄せ、捜査が開始されます。
その後の調べで、被害者は最初に悲鳴が聞こえてから2時間は生きていたことが明らかになります。
マンションの住民たちは、殺人事件の報道でマンションの価値が下がることを恐れ、警察やマスコミへの協力を拒否する姿勢を始めます。
サンフンは住民の姿勢に苛立ちを覚え、さらには「自分がすぐに通報すれば被害者の命は助かったかもしれない」と自責の念にかられますが、それでも殺人を目撃したことを打ち明けられずにいました。
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その後、サンフンの自宅に何度も無言電話が入ったり、愛犬ピッピが失踪したりと不信な出来事が相次ぎます。
サンフンはその全てが犯人からの“念押し”だと感じ、ますます頑なに口を閉じるのでした…。
一方で、事件を追う刑事のチャンは、こんな巨大な団地のど真ん中で起きた殺人事件に目撃者が一人もいないことを不信に感じ、事件当時の目撃者を探し始めます。
犯人を刑事魂で真摯に追うチャン刑事。
『目撃者』は名脇役キム・サンホ演じるチャン刑事が唯一の事件解決の可能性を秘めた存在であり、かなりスリリングな展開が続きの本作において、チャン刑事が画面に出ていると何故かホッとする、という物語の緩急のいいポイントになっています。
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【ここからネタバレ】殺人鬼の忍び寄る影、サンフンと家族に危険が迫る!
殺人鬼は何度も現場であるマンションに忍び込み、影からサンフンや家族を見張ります。
自分と家族の身の危険を感じたサンフンは、警察には「何も見聞きしていない」と証言をつっぱね続けていました。
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一方で、被害者女性が生前しつこいストーカー被害被害に遭っていたことが明らかになり、その男が容疑者として浮上。
しかしストーカーは容疑がかかった直後、自宅で自殺、自宅からは女性の殺害に使用した凶器が発見されます。
凶器を自宅に置いてある状態で自殺することに違和感を覚えたチャン刑事。
このストーカーの自殺は、犯人の隠蔽工作のための殺人だったのです…!
ほどなくして、サンフンのもとに、事件当日エレベーターで会った悲鳴を聞いた主婦・ソヨンが訪ねてきます。
ソヨンもサンフンと同じように犯人からと思われる無言電話に悩まされ、サンフンに一緒に警察に証言をして欲しいと頼みにきたのです。
「一人で証言するのは恐ろしい」と怖がるソヨンを、サンフンは冷たくつっぱねてしまいます。
サンフンの自宅に携帯を忘れてたまま帰ったソヨンを追いかけたサンフンは、ソヨンの自宅で犯人に殺されたソヨンを発見します!
また犯人が殺人を犯すところを目撃してしまったサンフン。
さらに、直後ソヨンの携帯がけたたましく鳴り、またもやサンフンに殺人を目撃されたことが犯人にバレてしまいます。
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ソヨンの遺体は犯人によって持ち出され、行方不明と思われているソヨンを必死に探すソヨンの夫。
サンフンは、次に殺されるのは自分かも知れないと恐怖におののき、ソヨンがすでに死んでいることを知りながらも硬く口を閉ざしたまま。
一方で、愛犬ピッピはひょっこりと帰ってきます。
サンフンが警察に証言する気がないことを犯人が評価し、ご褒美をくれたようなピッピの帰還…。
サンフンの行動次第で、家族の安否を決めるという、犯人からのはっきりとした意思表示のようでした。
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チャン刑事の執念で真犯人が明らかに!
チャン刑事の執念深い捜査が実を結び、森で発見された犯行に使われた車から、真犯人ソン・テホ(クァク・シヤン)が捜査線上に浮かび上がります。
しかし決定的な証拠が出ず、逮捕に踏み切れないチャン刑事は、再びサンフンに証言をするよう説得を重ねます。
再三の要求にも応じないサンフンは、それどころか隠れていたもう一人の目撃者のコーラ少年にチャン刑事よりも早く接近し、「犯人から殺されるから、見たことは証言するな」と伝えます。
その直後、コーラを見失ったサンフン。
コーラは廃屋で発見され、ソン・テホからひどい暴行を受けていました。
命は助かったものの、自分が証言しなかったために第二、第三の被害者が続々と生まれてしまったことで、ついに証言することを決意したサンフンはチャン刑事にこれまでの全てを告白します。
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チャン刑事は、改めてソン・テホを真犯人とし自宅を包囲しますが、ソン・テホは自宅を爆破し、逃走!
サンフンが自分のことを証言したことに気付き、サンフンの自宅に向かいます!
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そして一度は戻ってきたピッピは、今度は首を斬られて本当に殺されてしまいました…。
スジンは娘を守るためソン・テホと必死に格闘していたところに、サンフンが到着!
逃げ出したソン・テホを山中まで追いかけもみあいの中、山で山崩れが発生し二人を飲み込みます。
なんとか脱出したサンフン。ソン・テホは、枝が身体に刺さり、瀕死の状態でした。
そしてこの山崩れで、これまでソン・テホが殺害してきたであろう遺体が掘り起こされ、これまでの犯行も明らかになります。
郊外に建設されたサンフンの住む団地は山のふもとにあり、そういった意味で少しお値打ちだったのか、サンフンが団地の目の前にある山の山崩れに対し何の対策もされないことに苛立っている、というシーンがありました。
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事件は解決し、サンフンたちはマンションを売り引っ越すことになりました。
『目撃者』は現代社会の周りへの“無関心”を問いかける作品
主人公・サンフンが住む自宅は、高層マンションが密集している集合団地です。
何世帯の人が住んでいるのかは分かりませんが、全て入れると相当な人口になると思われる団地の駐車場で第一の殺人が行われてしまいます。
被害者の女性は何度も悲鳴を上げ助けを求めましたが、通報するどころか、窓を開ける人すら一人もいなかったのです。
最近では特に都会では、個々の生活が当たり前となり、隣近所の名前すら知らないことも多くなってきています。
他人との付き合いを減らすことで、プライバシーを守り、家族を不要なトラブルから守ることができるのも事実。
しかし『目撃者』では、この現代社会の“無関心”や“不干渉”が問われているように感じます。
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ラストシーン、サンフンは団地の駐車場で、まさに女性が殺害されたその場所で、「助けて下さい!」と大声で何度も叫びます。
そして巨大な団地をぐるりと見渡しますが、誰一人としてサンフンの助けを求める声に反応する住民はいないのです。
映画『目撃者』あらすじ・ネタバレ感想:まとめ
以上、ここまで映画『目撃者』をネタバレありでレビューしてきました。
- 111分全編ずっと手に汗握りドキドキハラハラしっぱなし!寿命が縮まる韓国スリラー。
- クァク・シヤンが13Kgも増量し完全なるイメージチェンジをして挑んだサイコパス殺人鬼役。鈍器にこだわった殺し方にも震えが止まらない!
- ただ怖いだけじゃない!個人主義社会に生きる私たちに投げかけられるメッセージ性にドキリ。
平凡な日常がある日突然消え去り、命まで脅かされる窮地に立たされてしまう、という誰にでも起こりうる生活密着型サスペンス『目撃者』。
適度な“干渉”と“不干渉”の概念を考えさせられるきっかけを与えてくれる作品になるかもしれません。
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