Netflixにて配信されているオリジナルドキュメンタリー『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』の見どころをネタバレありでご紹介します。
これまで多くのドキュメンタリーを制作してきたNetflixが次に注目したのは、マッチングアプリ「Tinder」上で起きた卑劣な詐欺事件。
日本でもマッチングアプリが普及しつつある中で、決して他人事ではない数奇な事件の全貌が描かれます!これを観ればあなたもネット詐欺から身を守り、戦うことができるかも?
・やられたらやり返す!痛快なリベンジも必見
・詐欺師はだます対象を選ばない…知らない間にだまされる恐怖
それでは『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』をネタバレありでレビューします。
目次
『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』あらすじ【ネタバレあり】
被害者:セシリーの場合
海外では主流となっているマッチングアプリ「Tinder」。相手の写真やプロフィールを見て、自分と相性が合うか気軽に判断できるサービスだ。そんな「Tinder」で、これまで1000人以上とマッチングした経験を持つセシリーは、「Tinder」上でサイモンという名の青年とマッチングする。彼は有名ダイヤモンド会社のCEOを務めるなど、圧倒的な財力とステータスを持っていた。
実際に彼と会ったセシリーは、彼の人柄にも惹かれて恋に落ちる。その後も頻繁に連絡を取り合う2人だが、サイモンは仕事柄出張が多く、めったに会えなかった。しかしサイモンから「一緒に暮らす部屋を探してほしい」とセシリーに連絡がくる。幸せの絶頂を迎えるセシリーだが、ある日サイモンから、何者かに襲撃を受けたと知らされる。添付された画像には、彼の付き人が頭から血を流している様子がとらえられていた。
サイモンの財産や地位を狙う「敵」からの攻撃だと説明を受けるセシリー。サイモンは「暫く身を隠すために、自分のカードが使えなくなる。代わりに君がお金を立て替えてほしい」とセシリーを説得する。セシリーは言われるがままにカードを作り、ローンを組み、お金を立て替える。しかしサイモンからお金が返ってくることはなく、さらにはまだ彼が「Tinder」を利用していると知って愕然とする。サイモンのアカウントは、写真や住所がセシリーと出会ったころから変わっていた。
被害者:ペルニラの場合
サイモンが出会った女性はセシリーだけではない。別の女性・ペルニラもまた「Tinder」でサイモンに惹かれた一人だ。そのサイモンのプロフィールは、セシリーから金を巻き上げた直後の写真だった。
セシリー同様、サイモンのステータスや人柄に惹かれるペルニラだが、彼女の場合は恋愛関係にならず、親友としての関係を維持していた。それにもかかわらず、サイモンはセシリーと同様の手口でペルニラからも金をだまし取る。
親友に裏切られて絶望するペルニラだが、彼女のInstagramのアカウントにジャーナリストから連絡が来る。同様の連絡はセシリーにも届いており、2人はジャーナリストと協力して、メディアに被害の実態を打ち明ける。最初は「だまされたほうが悪い」と、被害者の2人を非難する世間の声が多く上がってしまうが、次第に彼女たちを励ます声も増えていく。
ジャーナリストたちもサイモンの居所や素性をつかもうとするが、国をまたいで詐欺行為を働いていることで、警察さえも手を焼いていた。サイモンはだまし取った金で豪華な暮らしを演出し、また次のターゲットをだましていたのだ。被害者の数は計り知れず、ターゲットは女性だけでない。サイモンが従業員として雇った男性は給料が未払いだと訴えていた。メディアでサイモンの悪行が取り上げられると、報道を聞いた一人の女性・アイリーンの登場によって事態は大きく動く。
被害者:アイリーンの場合
3番目に登場した被害者のアイリーンは、過去に男性から暴力を受けたトラウマを抱えていた。そんな中で知り合った親切なサイモンと恋愛関係になるアイリーンだが、例のごとく彼女も詐欺にあっていた。
しかし彼女は独自の方法でサイモンへの復讐を決行する。それは彼に騙されているふりをして、資金を作るために彼の所持品(主にブランド物の服)を代わりにオークションへ出品することだった。ファッション業界で働いていたアイリーンは、サイモンの所持品に価値があると見抜いていたため、彼の所持品は飛ぶように落札されていく。そして、徹底してサイモンにお金は渡さない。
お金が回ってこなければ次の詐欺を行う資金もないため、サイモンは日に日に本性を現し、脅迫めいた連絡をアイリーンによこす。やがてアイリーンはサイモンと会う約束をするが、その場所を警察に通報したことでサイモンは逮捕された。
…しかしサイモンは少しの期間で釈放され、今も美女と交際しながら豪勢な暮らしをしている。一方で、被害に遭った女性たちのもとにはお金は返ってきていない。サイモンはセシリーたちへの詐欺罪にすら問われていない。
『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』感想
まるで自転車操業のような詐欺事件
マッチングアプリのような、いわゆる「出会い系」のトラブルは日本でもよく耳にします。結婚詐欺など巨額の被害が出ればニュースで報道されることもしばしば。
しかし『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』の容疑者・サイモンがほかの詐欺師と違うのは、詐欺行為が自転車操業と化している点です。サイモンは女性をだまして金を得ると、その金のほとんどを次の女性を騙すための資金として使っているのです。豪華な服装や車、高価なプレゼント、ド派手なパーティー。それらすべての資金は会社のための「交際費」というテイで、被害者からだまし取ったお金です。
詐欺で得た大金で長期間豪遊するのなら、100歩譲って動機として理解できないこともないのですが、冷静にサイモンの犯罪を見直してみると、ほとんど利益としてはプラマイゼロのような気もします。実際、彼はアイリーンから金を巻き上げられなくなると、瞬く間にひもじい生活をする羽目に…。
ここまでくると、天才詐欺師というよりは一種の依存性や虚言癖のようなものさえ感じられます。彼を大物詐欺師と評価するのはどこか違うような、もっと根本的な問題が潜んでいるように感じられました。
やられたらやり返す!痛快なリベンジも必見
のらりくらりと捜査の手をかわすサイモンに対して、強烈なダメージと逮捕のきっかけを作るアイリーンのリベンジも本作の見どころです。
彼女は過去に男性から乱暴されたトラウマを抱えつつも、メディアなど他者の助けを借りずに、サイモンの高価な私物をネットオークションで売りさばきます。当然、売れたお金をサイモンに渡すわけもなく、サイモンはひたすら私物をアイリーンに送り続けるマヌケな構図が完成しました。彼の私物の売れ行きは大変好調のようで、なんと撮影中にも落札の通知が来ているほど!
警察が逮捕に踏み切れない中で、自身のアイデアでサイモンを追い詰めたアイリーンの行動力は、多くの人を勇気づけるはず。もちろん、このリベンジだけで被害額が戻ってきたわけではありません。それでもアイリーンが被害者から立場を逆転させたことで、どこか表情に活力が見えたのは印象的でした。泣き寝入りなんか絶対しないというガッツが、観ている側にも活気を与えてくれます。
詐欺師は騙す対象を選ばない…
出会い系の詐欺が報道されると「騙される方が悪い!」と、なぜか被害者側をたたく声が上がります。「恋は盲目」なんて言葉もあるからかもしれませんが、2人目に登場した被害者・ペルニラはサイモンと恋愛関係になく、あくまで親友という立場でした。サイモンとペルニラが会っているとき、彼には恋人がおり、ペルニラもそのことは知っています。サイモンは恋愛関係になくても詐欺を働いていたのです。
さらに、自分の経歴を演出するために雇った男性も給料未払い。性別・関係性など関係なく、とにかく息をするように人をだましまくっています。自分はマッチングアプリなんて使わないから関係ない…と思っていても、予想もしないところで詐欺の片棒を担がされていたり、自分自身も騙されている可能性があることを本作では示唆していました。
『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』あらすじ・感想まとめ
・被害者女性のリベンジも痛快!
・今ものうのうと生きているサイモンの実態に怒り心頭
以上、ここまで『Tinder詐欺師: 恋愛は大金を生む』をレビューしてきました。
ヤマダマイ
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