南極のノルウェー基地で発掘された謎の物体を持ち帰った、アメリカの南極観察隊員たち。
実は、それは異形の形をした地球外生命体で、死んだと思っていましたが、生きて基地に侵入したのでした!
生命体=”物体”は消化した生き物に擬態する力を持っているため、外部との連絡が取れない基地内では全員が「こいつは偽物では」と疑心暗鬼状態に…。
果たして、化け物は倒せるのでしょうか?それとも、全員食べられてしまうのでしょうか?
謎のエイリアンとの、孤立した基地での戦いが始まります!
それでは『遊星からの物体X』をネタバレありでレビューします。
目次
映画『遊星からの物体X』作品情報
作品名 | 遊星からの物体X |
公開日 | 1982年11月13日 |
上映時間 | 109分 |
監督 | ジョン・カーペンター |
脚本 | ビル・ランカスター |
原作 | ジョン・W・キャンベル・Jr |
出演者 | カート・ラッセル ウィルフォード・ブリムリー リチャード・ダイサート ドナルド・モファット T・K・カーター キース・デビッド |
音楽 | エンニオ・モリコーネ |
【ネタバレ】映画『遊星からの物体X』あらすじ
ノルウェーで見つけた怪しい物体
1982年の南極大陸。
南極観測隊の基地の上空に、ノルウェー基地から怪しいヘリコプターが飛んできました。
なぜか、雪原を走る犬を撃ち殺そうと必死な様子。
しかし、弾は上手く当たりません。
ヘリコプターが着陸し、半狂乱の男が出てきました。
犬に手榴弾を投げようとした男性は、間違えて自分が乗ってきたヘリコプターに投げてしまいます。
パニックになった男は、ノルウェー語を叫びながら狂ったように銃を乱射しました。
困惑する観測隊の人々。
男を止めるため、隊長のギャリー(ドナルド・モファット)が拳銃で男の頭を打ち抜きました。
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隊員たちは、心配になりノルウェーの基地へ行くことにしました。
数名の隊員がヘリコプターで旅立ちます。
ノルウェー基地に到着すると、そこで隊員たちは焼け焦げた基地、血濡れの斧、凍っている数々の惨殺死体など悲惨な現場を目の当たりに…。
しかも、その死体のうちの一つは首を切り自殺していました。
さらに、基地を探索すると、ノルウェーの隊員たちが地下で何かを発掘したであろう痕跡を発見します。
一通り調査を終えて最後の部屋で、隊員たちは、人の形をしてない骨のついた肉塊を見つけました。
明らかに不審ものを発見した隊員たちは、それを南極の基地に持ち帰って解剖することに。
気味の悪いその謎の物体は、どことなく人の顔が大量にあるように見えましたが、解剖してみると内臓は正常な状態で存在するとわかりました。
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隊員たちは困惑するのでした。
変身できる能力を持つ地球外生命体に疑心暗鬼が深まる!
一方、ノルウェーの隊員に追いかけられていた犬は、隊員たちがほかの犬も飼っている犬小屋に連れて行かれます。
しかし、妙に落ち着いていてどこか犬らしくないそれは、しばらくすると頭が四つに割れて化け物に変身!
他の犬を取り込んで巨大化し、異形の生物に変り果てます。
顔は犬のようにも見えるし、動きは蜘蛛のようにも思えました。
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その”物体”は、隊員たちの連携により何とか焼き殺すことに成功しました。
物体の遺体は解剖に回されます。
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解剖によって、その物体はどんな生物も捕食し、その生物に擬態できる地球外生命体だと判明。
そして、さらに場面は進みます。
ノルウェーの基地の記録ビデオ映像を見ることにした南極の観察隊員たち。
すると、何かを発掘するような映像が流れました。
観察隊員たちは、ヘリコプターでその発掘地点の座標に飛ぶことに。
そのメンバーの中には、隊員の中でも何を考えているかわからない男マクレディ(カート・ラッセル)がいました。
到着すると、そこにはUFOのような見たことない機械の巨大な円盤が…。
はるか昔、10万年近く前に地球にやってきて氷の中に埋もれていた円盤は、氷が解けてここまで出てきたのだろうと推測されました。
その円盤の一部の液体に眠っていた物体を、ノルウェーの基地の隊員は研究しようとしたのです。
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生物学者のブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)は、この物体が社会に溶け込もうものなら、たった2万時間程度で全人類が乗っ取られてしまうといいます。
しかし、物体の遺体は焼かれずにいったん放置されました。
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そんな中、ある隊員が物体は死んでおらず、液体状でも動いて同化が可能ということを突き止めます。
その報告をしている間に、他の隊員が物体の餌食になってしまいました!
完全に消化され、同化されてしまった彼はもう元の彼ではありません。
化け物です。
マクレディたちは化け物を全部焼くことを決意。
しかし、外で物体をみんなで焼いている最中、1人だけ隊員がいないことにマクレディが気づきます。
先ほど、物体の解剖をしていたブレアでした。
ブレアは研究の果てに「人類に危険が及ぶ」と考え、みんなが脱出できないようにヘリを壊し、南極だけで被害を止めようと考えていました。
しかし、その愚行は隊員たちにより止められて、ブレアは個室に閉じ込められることになりました。
生き残れるのは、人間か物体かどちらか?
物体が誰かの偽物になっているかもしれないと、隊員たちは互いに疑心暗鬼に陥ります。
保存血液で正常な血かどうかみんな検査しようと、隊員の1人が名案を出しますが、誰かに先回りされて保存血液は壊されていました。
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そんな時、検査方法を探す隊員フュークス(ジョエル・ポリス)が謎の影を見てしまいます。
隊員たちは、影の正体突き止めるために基地内を探すことにしました。
その最中にフュークスがいないと気づいた隊員たちは、マクレディを中心にフュークスを探します。
しかし、見つけたのは焼け焦げたフュークスの死体。
「なぜフュークスがこんな姿に?」と謎に包まれながらも、なぜか明かりがついてるマクレディの部屋に突入することを決めた隊員たち。
突入した隊員たちは、45分経っても戻りませんでした。
残った隊員たちは、やむを得ず扉を閉めることを決意。
しかし、1人の隊員が戻ってきました。
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置いていかれたマクレディは自力で戻り、何とかみんなと合流。
マクレディはおいていかれたことに怒り、みんなの疑心暗鬼は深まるばかり…。
マクレディも、もちろん化け物に変わっていないか疑われました。
そんな時、また化け物が現れたと報告が入ります。
化け物になっていたのは、完全にノーマークだった意識不明の隊員でした。
その隊員を助けようとドクターのコッパー(リチャード・ダイサート)は、心臓マッサージをしていました。
その途中で、隊員の腹が牙のついた口に変貌し、コッパーは化け物に両腕を食べられてしまうのです。
その後、化け物は首を伸ばして恐ろしい姿になりますが、焼き殺されます。
状況はどんどん悪化し、隊員たちは殺し合いを始めそうなほど、お互いを疑い始めます。
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マクレディは、疑心暗鬼で彼に反抗した隊員を殺してしまいます。
その隊員は、化け物ではありませんでした。
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その後、マクレディからの提案として出されたのは、隊員の血を焼いて検査するということでした。
化け物は血の一滴一滴にまで擬態しているので、焼けば普通の血とは違う反応をするはずです。
火炎放射器を独占したマクレディはみんなを脅して縛り、手から血を採取して、それぞれの血を焼いて判断していきます。
すると、1人の人間の血が悲鳴を上げて飛び跳ねました。
その血の持ち主は、バレたと同時に化け物に変身!
しかし、周りの人間は縄で縛られている上、火炎放射器もうまく動きません。
そうこうしていると、仲間の1人が食われてしまいました!
何とか動いた火炎放射器で、化け物になった仲間を燃やすマクレディ。
あわせて、先程殺された仲間も燃やします!
騒動が落ち着くと、個室から消えていたブレアを捜索することにした隊員たち。
ブレアはすでに化け物になっている可能性があります。
ブレアを探すことも難しいため、隊員たちはもう基地を全部燃やすことに決めました。
基地内に投げられるダイナマイトの数々。
基地は爆発して燃えていきます。
そして、最後に発電機を燃やすことにしました。
しかし、準備の最中ブレアの姿をした化け物が出てきました!
隊員の1人が化け物に捕まって暗闇で押し倒されます!
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そして、気づいた時にはブレアは大型の化物として再登場!
狙われるマクレディですが、持っていたダイナマイトを投げつけて無事帰還。
基地も連鎖的に爆発し、大炎上が巻き起こります。
こうして生き残ったのは、マクレディと、そしてずっとマクレディを疑っていたチャイルズ(キース・デヴィッド)だけでした。
燃えた基地で暖を取りながら、2人は酒を飲みます。
とりあえず一安心ですが、これからどうするかは全く決まっていません。
そして、お互いが偽物ではない証拠もありません。
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【ネタバレ】映画『遊星からの物体X』感想
不気味すぎる見た目の物体X
タイトルの物体Xとは、劇中に出てきた化け物のことですね。
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解剖シーンのネチャネチャという音は、耳を塞ぎたくなるし顔をしかめました。
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敵の姿が多種多様に変化するのは、モンスターパニック映画としては珍しいと思います。
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その変形した形も見事に気持ち悪く、制作陣の熱意が伝わりました。
多種多様な変身で襲い来る物体。
特定の生物ハラハラすることが多いモンスター映画の中で、本作を唯一無二のものにしています。
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雪の中に炎が映える
化け物は一欠片も残してはいけないため、劇中では基本的な武器が火炎放射器になります。
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化け物になってしまった元人間に火炎放射をぶちまけ、逃げた人型が部屋を突き破り雪の中で丸コげになっていく様子は、なんと迫力のあることでしょう!
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最後のダイナマイトで基地ごと全焼させるシーンは、まさにスタンディングオーベーションもの!
やってやったぜとガッツポーズをとりたくなる大迫力です!
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「こんな大仕事をやり遂げたんだ!」という達成感が伝わってくる、良いシーンです。
ただ、まだ化け物が生きているかもしれず、完全には安心できないし、生き残った二人のどちらかに擬態している可能性もあるので、そこも解釈が分かれるところですが。
映画『遊星からの物体X』あらすじ・ネタバレ感想まとめ
以上、ここまで『遊星からの物体X』をレビューしました。
深夜にハラハラドキドキできる映画が見たいなって時、何か嫌なことがあってスカッとしたい時、本作でテンションを上げてみてはいかがですか?