1996年に公開された『ザ・ロック』は、『トランスフォーマー』シリーズや『ミュータント・タートルズ』など、SFアクション色の強いマイケル・ベイ監督が手がけた作品。
しかし、本作はSF色がほとんどなく、男臭さ溢れるストレートなアクション要素が魅力の映画となっています。
- 銃を撃つことすらままならないニコラス・ケイジの気弱さが新鮮
- アルカトラズ内の限られた敷地で行われるマイケル・ベイお得意の派手な銃撃戦
- 主役級キャスト3人の存在感がぶつかり合わずに上手く交わっている
それではさっそく『ザ・ロック』の作品情報・あらすじ・ネタバレ感想を書いていきたいと思います。
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目次
『ザ・ロック』作品情報
作品名 | ザ・ロック |
公開日 | 1996年9月14日 |
上映時間 | 135分 |
監督 | マイケル・ベイ |
脚本 | デヴィッド・ウェイスバーグ |
出演者 | ニコラス・ケイジ ショーン・コネリー エド・ハリス ジョン・スペンサー デヴィッド・モース マイケル・ビーン |
音楽 | ハンス・ジマー ニック・グレニー=スミス ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ |
【ネタバレ】『ザ・ロック』あらすじ・感想
なぜ伝説の英雄とも言われた海兵隊員がテロリストになったのか
エド・ハリス演じるハメル准将は、様々な勲章を得ながらもテロリストとなりました。
その真意が、過去に部下が敵地で作戦を遂行していたときに、窮地に追い込まれた状況でも米国はその作戦が非合法であったことから救援をしないどころか、遺族へ賠償金が支払われないという対応を取ったことへの怒りによるものだったことが、物語序盤で明らかにされます。
人質を取って国家に対し要求した1億ドルも、大半が過去に殉職した部下の遺族への賠償金としてのものです。
また、アルカトラズに潜入したSEALsと対面し、不意の物音から撃ち合いが始まってしまった際も「撃つな!」と海兵隊員に命令をするも伝わらず、本来は国を守るという同じ信念を持った仲間であったはずのSEALsのメンバーが射殺された様子を見て愕然とする表情をします。
このことからも、ハメル准将が本当は無用な死を招きたくないという想いを持っていることがわかるのです。
国家に提示したタイムリミットが近づき、周りの海兵隊員がロケットの発射を急かしてもハメルはなかなか発射の命令を下さず、やむを得ず一発のロケットを撃ったあとも、密かに針路を変更して犠牲者を出さないように仕向けます。
こうした様々な言動から、海兵隊員として本来は人を守る立場である信念を忘れておらず、あくまでテロ行為は金のためではなく国家に見捨てられた仲間を弔うために行っていたことが分かるのです。
しかし、他の海兵隊員の多くは金のために動いていました。
本来の目的が違うことで、物語終盤ではテロリスト同士で対立し、撃ち合いになってします。
その結果、瀕死状態になったハメル准将はグッドスピードに最後のロケットの場所を明かします。
その後、血にまみれながら絶命するその姿は、暴走した海兵隊員を止めてくれと言っているようにも見えます。
冒頭から緊張感が続くテンポの良さ
冒頭では、ハメル准将率いる海兵隊員たちが海軍の武器庫から毒ガスを搭載したロケットを盗み出すシーンから始まります。
そこから国家への1億ドルの要求、そしてそれに対して政府がアルカトラズの構造を熟知したメイソンに対して協力を要請する息詰まる交渉、そしてアルカトラズへの潜入からロケット発射のためのチップ奪還まで場面は何度か変わりますが、終始張り詰めた空気で画面から目を離せない状況が続きます。
グッドスピード(ニコラス・ケイジ)と恋人との関係の描写はありつつも子供ができたという報告だけで、毒ガスロケットから守らなければいけない存在が強まったという物語をより深く楽しむために、必要最低限の情報を与えるにとどまっています。
おかげで全体的にアクション要素のみに集中することができ、物語を深く読み取らずとも100%作品を楽しめるストーリーになっています。
物語が進むに連れて男らしく成長していくグッドスピード(ニコラス・ケイジ)
毒ガスと爆弾に関する知識を持ち合わせているために、軍に同行して起爆装置を解除する任務を言い渡されてしまうグッドスピード。
これまでのニコラス・ケイジの役柄であれば、自ら戦地に突っ込んでいくくらいの心意気ですが、この作品で同行することを言い渡された際、彼はそのプレッシャーから思わずトイレで嘔吐。
物語冒頭での重圧に対する弱さには、思わずクスッとしてしまいました。
しかし、獄中から引っ張り出された際、逃亡を試みるメイソン(ショーン・コネリー)を必死に追いかけようとする姿からも、彼の根底には男らしさが潜んでいることが分かります。
物語が進行すると、その男らしさが見事に覚醒。
初めは部隊の動きに引っ付いていくだけで精一杯だったのが、テロリストと潜入隊員の撃ち合い後、監視できる人間がいなくなったことから、再び逃亡を図ろうとするメイソンに対して銃を突き付けて止めようとするなど、少しずつただの化学兵器専門家としてではなく、FBIの人間としての責務を果たそうとする想いがはっきり伝わってくるようになります。
ロケットを見つけ出してからはメイソンとの立場が一転。
それまで躊躇なく敵を撃ち殺し、堂々と道を突き進んでいたメイソンが、毒ガスの威力の説明を受けてビビり、逆にグッドスピードが強気になる反応も見どころのひとつです。
一度は海兵隊員に見つかり、メイソンとともに捕らわれたあとも、独房から抜け出したメイソンとともに諦めず、再び敵陣に忍び込んでロケットの解除を試みる姿はもはやヒーロー。
ニコラス・ケイジお得意の頼もしさを存分に醸し出します。
『ザ・ロック』まとめ
真面目な話、生涯見た映画の中でも、ザ・ロックは人生のベストに入る映画ですよ。
未見の人は是非見ましょう。
地上波初放送した翌日、中学の友達と「メイソンがカッコよすぎた!ああいうジジイになりたい!」と早くも老後を考えるほど話題になったのは良い思い出です。 pic.twitter.com/4EdWtcpO4Z— “DIE”suke (@eroerorocknroll) 2017年11月13日
ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー、エド・ハリスの豪華スター共演に、ぜひ痺れてください!
- なにも考えず、単純に銃撃戦などのアクションを存分に楽しめます!
- 敵のトップにも同情の余地があり、好きなキャラの目線で見ることができます。
- 男らしさに対するニコラス・ケイジの演技の変化がおもしろい!
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