『オペラ座の怪人』あらすじ・ネタバレ感想!不滅の名作、ミステリー&ラブロマンスの最高峰

出典:映画.com

『オペラ座の怪人』といえば、劇団四季やハリウッドでの上演演目で有名なミュージカルです。

これを2005年、ジョエル・シュマッカー監督の手で映画化されました。

美しい舞台と歌声、そして悲しいラブロマンスはいつの時代も人の心を揺さぶります。

ポイント
  • ジョエル・シュマッカーだからこそ描ける。豪華絢爛なオペラ座の世界
  • クリスティーヌ(エミー・ロッサム)の天使の歌声は誰もを魅了する
  • 愛憎入り混じる物語は、“愛”とは何かを考えさせられる

それではさっそく映画『オペラ座の怪人』についてレビューしたいと思います。

『オペラ座の怪人』作品情報

作品名 オペラ座の怪人
公開日 2005年1月29日
上映時間 143分
監督 ジョエル・シュマッカー
脚本 ジョエル・シューマカー
アンドリュー・ロイド・ウェバー
原作 ガストン・ルルー
出演者 ジェラルド・バトラー
エミー・ロッサム
パトリック・ウィルソン
ミランダ・リチャードソン
ミニー・ドライヴァー
キーラン・ハインズ
サイモン・キャロウ
ジェニファー・エリソン
音楽 アンドリュー・ロイド・ウェバー

『オペラ座の怪人』あらすじ


19世紀のパリ、オペラ座に住む伝説の男ファントム(ジェラルド・パトラー)の仕業とされる怪事件が多発。

一連の事件は、彼が見初めた歌姫クリスティーヌ(エミー・ロッサム)をプリマドンナにするために起こされたものだった。
出典:シネマトゥデイ

『オペラ座の怪人』みどころ

『オペラ座の怪人』みどころ

天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーの同名ミュージカルを映画化。

19世紀パリのオペラ座を舞台に、オペラ座に住む謎の男と、彼に見初められた歌姫の物語がつづられる。

監督は『ヴェロニカ・ゲリン』のジョエル・シュマッカー。出演は『タイムライン』のジェラルド・パトラー、『デイ・アフター・トゥモロー』のエミー・ロッサムら。

台詞のほとんどが歌で構成されているだけに、主要キャストが吹替えなしで挑む歌唱シーンが見どころ。

また、スワロフスキー社が提供した豪華シャンデリアも必見だ。
出典:シネマトゥデイ

『オペラ座の怪人』を視聴できる動画配信サービス

『オペラ座の怪人』は、下記のアイコンが有効になっているビデオ・オン・デマンドにて動画視聴することができます。

なお、各ビデオ・オン・デマンドには無料期間があります。

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注意点
  • 動画の配信情報は2019年3月31日時点のモノです。
  • 動画配信ラインナップは変更される可能性もありますので、登録前に各サービスの公式ページにて必ずご確認ください。

ご覧のとおり、2019年3月31日現在はどこのビデオ・オン・デマンドでも配信開始となっておりません。

動画配信が開始になり次第、追って情報を掲載させていただきます。

【ネタバレ】『オペラ座の怪人』感想レビュー

白黒映画から始まる不可解な演出

映画の舞台は、1919年のパリです。

その時のオペラ座は、歌や音楽を楽しむ場所ではなく、『オペラ座の怪人』によって引き起こされた事件によって廃れ、客席はホコリにまみれ、蜘蛛の巣が張っている状態です。

その舞台上でオークションが始まるところから始まります。すべてが白黒で映し出され、見るからに古い映画です。

しかし、オークションでオペラ座の天井に飾られていたシャンデリアが釣り上げられていくことで、時代はタイムスリップし、豪華絢爛な舞台が色鮮やかによみがえっていきます。

オペラ座の怪人による事件が起こったのは1870年。

時代が逆行するのに色彩が豊かになるというのは、ちょっと不思議な感覚で新鮮でした。

また、こんな素敵なオペラ座の舞台が描けるのは、美術大学を卒業しファッション業界に身を置いたのち、衣装やデザインとして映画に携わったジョエル・シュマッカー監督だからこそできる業(わざ)だと思います。

映画中盤の「マスカレード(仮面舞踏会)」のセンスを使ったダンスは華やかで、特に素敵です! 

天使の歌声は耳を幸せにしてくれます

ミュージカルといえばやっぱり「歌」と「音楽」です。

プリマドンナのカルロッタが舞台を降板すると、支配人たちは大騒ぎし代役を探します。

そこで抜擢されたコーラスガールのクリスティーヌの透き通るような声は、まさに天使の歌声といっても過言ではありません。

声が排水溝を通り、ファントムの耳にも届いたことですべてが始まり、ファントムとクリスティーヌが共に歌えば、クリスティーヌ役のエミー・ロッサムと、ファントム役のジェラルド・ジェームズ・バトラーの声は綺麗に混ざり合い、感動するハーモニーを生み出したなと感じました。

映画なのに目を閉じて、その歌声を楽しむのもいいかもしれません。

カルロッタののような女性は映画の中だけではない

オペラ座のプリマドンナ・カルロッタが歌うとファントムは苛立ち、舞台の天井から幕を落とすなどの怪奇事件を引き起こします。

劇団四季などでも、カルロッタの声はいつもかん高く、刺々しさを感じさせます。

そして、それは性格にも出ていて、気に入らないことがあるとすぐにイライラし傲慢です。

自分が一番ではない、自分のポジションをほかの誰かに取られれば、憎しみ全開です。

ファントムに「ただ目立つだけ」と言われて、やっぱりショックを受けるのではなく「何様よ!」と言わんばかりの表情……こういう人って、たまにいるんですよね。

映画や物語のだけではなく、日常生活している人の中に。

つまり、映画の登場人物って、意外と身の回りの人に当てはまったりしてしまうんですよ。

そこでまた感情移入ができてしまうのが、また面白いと感じます。

クリスティーヌを中心に渦巻く愛憎

クリスティーヌとラウルは幼いころに遊んだ仲です。

支配人の後見人として現れたラウルを見て、クリスティーヌは「きっと私のことを覚えていない」と言います。

しかし、心の中ではあの頃の想いがよみがえり、惹かれていくのが目に見えてわかります。

再会を果たしたということだけでも、運命的なものを感じずにはいられませんよね。

そして、ラウルもまた同じように「自分のことを覚えているわけがない」と思っています。

そうして二人が出会い、お互いのことを覚えていたと分かれば……惹かれ合わずにはいられませんよね!!!

一方、クリスティーヌの歌声に心を奪われたファントムは、クリスティーヌを地下室に連れていき、自分のモノだけにしようとします。

しかし、クリスティーヌの想いはファントムには向かず、ラウルに向かって行ったことで、ファントムはそれを受け入れられません。

ラウルとファントム、同じように相手を想っているのに、愛情の形がずいぶん違うこと。

ラウルは「守りたい」、ファントムは「独占したい」

愛って、なんでしょうね。色々と考えさせられます。

ファントムの歪まされた過去

ファントムはオペラ座の地下室に住み、姿を見せることはありませんでした。

新しく支配人になったフィルマンとアンドレには、「私のオペラ座にようこそ」と手紙を送り、月に2万フランを支払うようになど、理不尽な要求を突きつけます。

カルロッタが歌ったりなどすれば幕を落とし、時には人をロープで絞殺すなどの非道も……。

ファントムは最初からそんな人物だったのでしょうか?実はそうではないのです。

顔の半分が醜く、悪魔の落とし子として見世物にされた過去があるファントムは、人を恨まずにはいられません。

母親からも忌み嫌われ、「自分は誰からも愛されない」と思ったのでしょう。

誰にも本当の自分を見せられない、嫌われたらどうしよう……そんな思いは、誰の中にもあるのではないのでしょうか?

そう考えると、ファントムも根っから悪い人ではないと、私は思えてきました。

ラウルが落札したサルのオルゴール

これは作品の冒頭のオークションでのことですが、年老いたラウルはオークションで張り子のオルゴールを落札します。

ペルシャ衣装のサルがシンバルを叩き、マスカレードが流れます。

落札したとき、ラウルは「彼女が言っていたもの」と言うのです。

このサルのオルゴールは地下室で発見されたもの、つまりは孤独に暮らすファントムのモノです。

では、どうしてラウルはこのオルゴールを手に入れたいと思ったのでしょう。

そこにはラウルの深い想いがあるように思えます。

みなさんにも是非、映画を見て考えてほしいところです!

『オペラ座の怪人』まとめ


2005年に上映をされた『オペラ座の怪人』をピックアップしましたが、実は作品が書かれたのは1910年と1世紀も前なのです。

それから幾度となく舞台化され、映画もこれが9回目。

何年後に見ても、その素晴らしさは色褪せることはありません。

『エンジェル・オブ・ミュージック』『ザ・ファントム・オブ・ジ・オペラ(オペラ座の怪人)』『マスカレード』に至っては、クラシックに負けないほどのキラーチューンです。

時にはこんな名作を振り返り、優雅な気持ちになったり、愛とは何かを考えてみるのも良いかもしれませんよ。